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Yamareco

記録ID: 7138096
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

南ア 兎岳 手強かった2つの西尾根(立俣尾根・笠松尾根)

2024年08月12日(月) ~ 2024年08月14日(水)
 - 拍手
体力度
8
2~3泊以上が適当
GPS
33:04
距離
34.3km
登り
2,966m
下り
2,964m
歩くペース
ゆっくり
1.51.6
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:10
休憩
0:08
合計
11:18
距離 8.9km 登り 1,801m 下り 105m
5:50
669
スタート地点
16:59
17:07
1
17:08
宿泊地
2日目
山行
8:49
休憩
0:09
合計
8:58
距離 5.0km 登り 599m 下り 269m
6:27
471
宿泊地
14:18
14:27
58
15:25
3日目
山行
12:23
休憩
0:13
合計
12:36
距離 20.4km 登り 567m 下り 2,590m
5:33
71
6:44
6:45
644
17:29
17:41
28
18:09
ゴール地点
天候 8/12 快晴、夕立
8/13 快晴、夕立と雷
8/14 晴れ、夕立(土砂降りと雷 赤石岳山頂標柱が落雷で割れたとか)
過去天気図(気象庁) 2024年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
伊那谷側、遠山川沿い芝沢ゲート手前4キロほどにある北又渡発電所。そのすぐ近くに小さな登山者用駐車場(10台)があり案内標識も出ています。
コース状況/
危険箇所等
どちらの尾根もバリエーションルートです。

【立俣尾根】

北又渡駐車場から発電所方向に車道に出て最初の電柱脇が取り付き。あまり右によるとガレなので、左の尾根の高みを捉えて直登、地面上に伸びている細い電線を見つければそれをたどる。

ガレよりも高度が上がればあとは尾根を忠実にいきます。

標高2,000m あたりから足元のシダが所々深くなり胸高さになる場所も。北西面の尾根のため、季節風による風倒木がひどく、想像以上に時間がかかります。
獣道を拾い、シダをかき分け、倒木をまたぎ進路を探しますが、踏み跡のほとんどない斜面を滑らないよう垂直に歩くのはかなり疲れます。

立俣山まで登りきると平坦な尾根となりますが、地図で平地に見えても実際には灌木の密集地やヌタ場があったりして、サイト適地探しに苦労。

展望は残念ながら兎岳本峰取付までは全くありません。

本峰を見上げる最終平坦地の草付からは、急斜面のハイマツを避けて、ダケカンバ・ミヤマハンノキの灌木帯との境を北斜面に回り込むように出来る限りハイマツ漕ぎを避けて高度を稼ぎます。

地図上少し出っ張っている尾根筋を覚悟を決めてハイマツに突入。ひたすら下に伸びる枝と、両手両足をフル稼働させて格闘すること4時間で標高差300mを登りきり、兎岳三角点ピークへ到達しました。

ルート通してピンテは数ヶ所でしか見ませんでした。

【笠松尾根】
兎岳から兎平への下りは三角点ピークよりから。かなりの急斜面に細い踏み跡、崩れやすい足場で高山植物を踏まないよう要注意。以前あった鹿防護柵は撤去されています。

兎平のハイマツの海の中に細々とした踏み跡が途切れながら続いています。台地から下る箇所は左に90度曲がるのですが、視界不良時は踏み跡を直進してしまうかも。

天気がよければここからの聖岳と光岳は絶品。あまり見たことのないアングルだけに新鮮です。

灌木の尾根筋になればあとは下草のシダで見失いがちなかすかな踏み跡を拾って行く。たまにある黄色の林班境界標が目印になってありがたい。

倒木は立俣尾根に比べるとずいぶん少なく、歩きやすい。

尾根北側より、稜線上を避け、少し巻気気味の踏み跡はいずれ笠松山あたりでおりてくる稜線と合わさるかと思いきや、徐々に高度を落とし、最後は兎洞林道と合わさる北に伸びる支尾根めざしている様子。
藪漕ぎ急登して稜線まで戻ることも出来ましたが、長い林道歩きになるのを覚悟して踏み跡をそのままひろって支尾根にのりました。ここからは人の残置物などもあり、ピンテもいくつか確認出来ました。

結果、兎洞林道に下りていますが、この林道は崩壊が特にひどく、崩落箇所の通過は相当危険(ほとんど不可能)ですので、反対の易老渡側に下山する方が間違いありません。
過去の記録では崩落箇所の高巻きにロープ出してるパーティもありました。


【全般】
⚫︎小兎・前兎コル(奥赤石沢源頭)以外には水場なし。
⚫︎夏の南アルプス南部、毎日の夕立はお約束。南北に深い谷が走る南部は南からの湿った空気が入りやすく、快晴の朝でも午後は必ずといってよいほどひと雨あります。
⚫︎アブなど虫が多く虫除けネットが役立つ。ブヨは刺してくる。
⚫︎隠れ倒木でスネを打撲すること多し、ロングソックスがベター、登山中ストックは邪魔なだけです。
⚫︎苦行のハイマツ漕ぎ(笑)、手がマツヤニでベタベタになります。
⚫︎携帯電波docomoは弱いながらも標高1,500m以上では概ね入りました。
その他周辺情報 ⚫︎道の駅隣接の『遠山かぐらの湯』はまだ休業中。2025年青崩峠トンネル開通を見据えて再開目指す模様。
⚫︎三遠南信道から登山口までにコンビニは1軒もありませんでした。
⚫︎芝沢ゲート前駐車場 簡易トイレと自販機のみ 売店等なし。
【兎岳】
縦走途中に通過するピークの一つですって?
いえいえ、荒川、赤石、聖と百名山のジャイアンツと比べても遜色ない良い山です。
今回はあえて、『兎岳』を目指そうというテーマの山行。
2024年08月14日 05:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 5:30
【兎岳】
縦走途中に通過するピークの一つですって?
いえいえ、荒川、赤石、聖と百名山のジャイアンツと比べても遜色ない良い山です。
今回はあえて、『兎岳』を目指そうというテーマの山行。
【静かな山上楽園】
ハイマツの海に浮かぶ南アルプスの山々の展望。
2024年08月14日 07:21撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/14 7:21
【静かな山上楽園】
ハイマツの海に浮かぶ南アルプスの山々の展望。
【チャンス&チャレンジ】
好天のチャンスだとしても、そこへ辿り着くチャレンジなしでは見ることの出来ない眺望。いつもみている山々が、全く別の顔を見せる新鮮なアングル。バリエーションルートの醍醐味。
2024年08月13日 10:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/13 10:34
【チャンス&チャレンジ】
好天のチャンスだとしても、そこへ辿り着くチャレンジなしでは見ることの出来ない眺望。いつもみている山々が、全く別の顔を見せる新鮮なアングル。バリエーションルートの醍醐味。
【1日目】
飯田からアプローチ。
遠山川側からの見慣れた聖岳の三角錐。
2024年08月12日 04:48撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 4:48
【1日目】
飯田からアプローチ。
遠山川側からの見慣れた聖岳の三角錐。
下栗の里付近からの展望。
ワクワクの深南部。
2024年08月12日 04:57撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 4:57
下栗の里付近からの展望。
ワクワクの深南部。
北又渡の発電所。
ここまで車が入れるようになったのは1987年、まだ40年たっていない。
当時、西から聖岳へアプローチが可能になった事で山仲間と盛り上がった。
2024年08月14日 18:03撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 18:03
北又渡の発電所。
ここまで車が入れるようになったのは1987年、まだ40年たっていない。
当時、西から聖岳へアプローチが可能になった事で山仲間と盛り上がった。
マムシくん、驚かせてごめんな。
そぉ〜っと通過。
2024年08月12日 06:49撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 6:49
マムシくん、驚かせてごめんな。
そぉ〜っと通過。
ワォ、きれいなカワラタケ。
2024年08月12日 10:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 10:00
ワォ、きれいなカワラタケ。
でも、被写体はキノコぐらいしかないのですよ、このルート。
2024年08月12日 11:45撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 11:45
でも、被写体はキノコぐらいしかないのですよ、このルート。
ひたすらこのような景色が続きます。
2024年08月12日 11:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 11:58
ひたすらこのような景色が続きます。
風倒木が多くなってきました。跨ぐには大き過ぎ、潜るには低すぎるものが多い。
支えに掴んだ木も折れてしまう。よく見ると実は枯れて白骨化してるけど、苔が表面を覆っていて分からない、厄介なものがたくさんあります。
2024年08月12日 14:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 14:13
風倒木が多くなってきました。跨ぐには大き過ぎ、潜るには低すぎるものが多い。
支えに掴んだ木も折れてしまう。よく見ると実は枯れて白骨化してるけど、苔が表面を覆っていて分からない、厄介なものがたくさんあります。
立俣山三角点と山頂標識。
そろそろ雨が来る時間。テン場になりそうな平坦地ないか?
2024年08月12日 17:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/12 17:00
立俣山三角点と山頂標識。
そろそろ雨が来る時間。テン場になりそうな平坦地ないか?
午後6時。小雨が降り出す中、テント設営。直後、本降りとなり雷鳴まで。
真夏の南アの風物詩。
シダのおかげで床はフカフカ、快適。
午後6時。小雨が降り出す中、テント設営。直後、本降りとなり雷鳴まで。
真夏の南アの風物詩。
シダのおかげで床はフカフカ、快適。
【2日目】
夜半に雨も上がって翌日も好天。
立俣山を過ぎてからは急な登りもほとんどなく、快適。
2024年08月13日 08:42撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 8:42
【2日目】
夜半に雨も上がって翌日も好天。
立俣山を過ぎてからは急な登りもほとんどなく、快適。
青空… はやく展望が欲しい(笑)。
2024年08月13日 08:43撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 8:43
青空… はやく展望が欲しい(笑)。
か、かぶりつきたくなる。
2024年08月13日 08:51撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 8:51
か、かぶりつきたくなる。
平坦な尾根、ヌタ場や窪地、シダも背丈が低くなってきました。
2024年08月13日 08:54撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 8:54
平坦な尾根、ヌタ場や窪地、シダも背丈が低くなってきました。
大きな山容に一瞬「聖岳?」とも思えた目指す兎岳… まだまだ遠い、高い。
2,562m 地点を越えたあたり。
2024年08月13日 08:58撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 8:58
大きな山容に一瞬「聖岳?」とも思えた目指す兎岳… まだまだ遠い、高い。
2,562m 地点を越えたあたり。
ここで手強いラスボス登場(ハイマツのこと)。
2024年08月13日 09:04撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 9:04
ここで手強いラスボス登場(ハイマツのこと)。
標高2,550m 付近、兎岳本峰への登りになる手前の平坦地。
ルートを探る。
2024年08月13日 10:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:02
標高2,550m 付近、兎岳本峰への登りになる手前の平坦地。
ルートを探る。
ルーファイ途中。
今朝の出発地、立俣山が見えました。
2024年08月13日 10:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:10
ルーファイ途中。
今朝の出発地、立俣山が見えました。
トリカブトの花が多い取付の草地は本来予定していたサイト地。
ここまで昨日来れていれば今日中に聖岳も行けたのだけどなぁ。
2024年08月13日 10:22撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:22
トリカブトの花が多い取付の草地は本来予定していたサイト地。
ここまで昨日来れていれば今日中に聖岳も行けたのだけどなぁ。
北側に回り込むと、大沢岳(左)、中盛丸山がそそり立つ姿を現しました。
2024年08月13日 10:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:34
北側に回り込むと、大沢岳(左)、中盛丸山がそそり立つ姿を現しました。
あまり見ることのないアングル、そして以外にも立派な山容(失礼)!
2024年08月13日 10:34撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:34
あまり見ることのないアングル、そして以外にも立派な山容(失礼)!
北側に巻き気味に灌木とハイマツの境をうまく拾いながら急斜面を上がって行きます。少しでもラクしたい…
2024年08月13日 10:43撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:43
北側に巻き気味に灌木とハイマツの境をうまく拾いながら急斜面を上がって行きます。少しでもラクしたい…
この斜度にハイマツのブッシュはキツい!
気力のあるうちにセルフィーを1枚。
2024年08月13日 10:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 10:46
この斜度にハイマツのブッシュはキツい!
気力のあるうちにセルフィーを1枚。
標高差300m ほど、ハイマツ突破に4時間もかかった。
知床に比べれば、こんなの楽なものだよ(泣)、と強がってみる。
2024年08月13日 14:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 14:05
標高差300m ほど、ハイマツ突破に4時間もかかった。
知床に比べれば、こんなの楽なものだよ(泣)、と強がってみる。
一面乳白色に染まり、夕立の近いことが分かり先を急ぎたいのだけども、この子がのんびりと…(笑)。
驚かせないようしゃがみ込んでしばし待とう。
2024年08月13日 14:32撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 14:32
一面乳白色に染まり、夕立の近いことが分かり先を急ぎたいのだけども、この子がのんびりと…(笑)。
驚かせないようしゃがみ込んでしばし待とう。
南アルプス南部の貴重な稜線上の水場。前兎岳と小兎岳のコルから奥赤石沢に下る、往復15分。水は豊富ですが、深さがないので、コップですくいあげるのが楽です。
2024年08月13日 15:13撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 15:13
南アルプス南部の貴重な稜線上の水場。前兎岳と小兎岳のコルから奥赤石沢に下る、往復15分。水は豊富ですが、深さがないので、コップですくいあげるのが楽です。
水場周りはお花畑。
ウメバチソウ。
2024年08月13日 15:47撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/13 15:47
水場周りはお花畑。
ウメバチソウ。
【3日目】
聖岳と真正面に対峙する小兎岳からご来光を見ることに。
2024年08月14日 05:23撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 5:23
【3日目】
聖岳と真正面に対峙する小兎岳からご来光を見ることに。
『兎岳』
名付けた人のセンスが素晴らしい。
2024年08月14日 05:29撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 5:29
『兎岳』
名付けた人のセンスが素晴らしい。
『聖なる山』
名前通りの光景に出会う瞬間。
富士山も見えた。
(実は『聖』は方言で "崩れる " の意味があり、これが山名の由来)
2024年08月14日 05:35撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/14 5:35
『聖なる山』
名前通りの光景に出会う瞬間。
富士山も見えた。
(実は『聖』は方言で "崩れる " の意味があり、これが山名の由来)
兎岳山頂へ。
2024年08月14日 05:37撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 5:37
兎岳山頂へ。
登ってきた立俣尾根。
キツかった。
2024年08月14日 06:00撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:00
登ってきた立俣尾根。
キツかった。
山頂からの展望は赤石岳、荒川・悪沢、塩見まで。
2024年08月14日 06:33撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:33
山頂からの展望は赤石岳、荒川・悪沢、塩見まで。
聖岳は今回おあずけ。兎岳登頂で十分満足です。
2024年08月14日 06:45撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:45
聖岳は今回おあずけ。兎岳登頂で十分満足です。
ここから200m下ってさらに400m登り返す聖岳。
とても今日の予定に織り込むのは無理〜。
2024年08月14日 06:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:46
ここから200m下ってさらに400m登り返す聖岳。
とても今日の予定に織り込むのは無理〜。
2799.8m (三角点ピーク)から兎岳本峰2,818m 。
ハイマツがうるさく、ここまで足を伸ばす人も案外少ないようです。
2024年08月14日 06:53撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:53
2799.8m (三角点ピーク)から兎岳本峰2,818m 。
ハイマツがうるさく、ここまで足を伸ばす人も案外少ないようです。
名残惜しいですが、南アルプス北部の展望に別れをつげて三角点ピークを後にします。
2024年08月14日 06:56撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 6:56
名残惜しいですが、南アルプス北部の展望に別れをつげて三角点ピークを後にします。
再び一般道を離れ、今度は笠松山尾根を下ります。下り口はお花畑。
シナノオトギリ。
2024年08月14日 07:02撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:02
再び一般道を離れ、今度は笠松山尾根を下ります。下り口はお花畑。
シナノオトギリ。
トリカブト。
2024年08月14日 07:04撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:04
トリカブト。
シコタンソウは終わりがけ。
2024年08月14日 07:10撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:10
シコタンソウは終わりがけ。
下りたったのはハイマツの別天地、通称「兎平」。
2024年08月14日 07:15撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:15
下りたったのはハイマツの別天地、通称「兎平」。
ここからの光岳・イザルガ岳の眺めは素晴らしい。
2024年08月14日 07:21撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:21
ここからの光岳・イザルガ岳の眺めは素晴らしい。
ハイマツの海の中、かすかな踏み跡を辿ります。
2024年08月14日 07:25撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:25
ハイマツの海の中、かすかな踏み跡を辿ります。
ハイマツの海を前景にした上河内岳も素晴らしい。
2024年08月14日 07:26撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:26
ハイマツの海を前景にした上河内岳も素晴らしい。
恵那山遠望。
2024年08月14日 07:26撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:26
恵那山遠望。
隠れた南アルプス南部の楽園をしばし満喫です。
隠れた南アルプス南部の楽園をしばし満喫です。
光岳の手前、遠山川から顕著に突き上げる尾根が、易老岳(稜線上の丸いコブ)への登路。
2024年08月14日 07:29撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:29
光岳の手前、遠山川から顕著に突き上げる尾根が、易老岳(稜線上の丸いコブ)への登路。
ここからの聖岳はまさに『山』という漢字がピッタリの容姿。
これがみたかった。
右奥は上河内岳。
2024年08月14日 07:39撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:39
ここからの聖岳はまさに『山』という漢字がピッタリの容姿。
これがみたかった。
右奥は上河内岳。
タカネマツムシソウ。
2024年08月14日 07:40撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:40
タカネマツムシソウ。
2.700m付近、これから下る長大な笠松山尾根(兎岳西尾根)。ハイマツ帯を抜けて灌木帯へ入る。
2024年08月14日 07:47撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 7:47
2.700m付近、これから下る長大な笠松山尾根(兎岳西尾根)。ハイマツ帯を抜けて灌木帯へ入る。
2,410m 付近、再び見えた山頂部。
ずいぶん下ってきました。
2024年08月14日 08:50撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 8:50
2,410m 付近、再び見えた山頂部。
ずいぶん下ってきました。
2,167m 向けて下る。
しばらくはシダの下草の美しい樹林。心配していた風倒木はそれほどでも。登路にとった立俣尾根のほうが比べものにならないほど酷かった。
2024年08月14日 09:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 9:46
2,167m 向けて下る。
しばらくはシダの下草の美しい樹林。心配していた風倒木はそれほどでも。登路にとった立俣尾根のほうが比べものにならないほど酷かった。
シカの仕業はあちらこちらに。
2024年08月14日 09:53撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 9:53
シカの仕業はあちらこちらに。
笠松山を目指すはずが、尾根北側を巻く細い踏み跡を辿り、最後は2.167m尾根を下りました。
2024年08月14日 12:05撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 12:05
笠松山を目指すはずが、尾根北側を巻く細い踏み跡を辿り、最後は2.167m尾根を下りました。
地図上1.454mに下る手前、1,490m付近で左下に林道が見えた。兎洞林道はここまで延伸していました。
2024年08月14日 12:19撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 12:19
地図上1.454mに下る手前、1,490m付近で左下に林道が見えた。兎洞林道はここまで延伸していました。
ひとまず林道に下りホッと一息。
ここからが実は長く大変でした。
2024年08月14日 12:23撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 12:23
ひとまず林道に下りホッと一息。
ここからが実は長く大変でした。
荒れ果てた兎洞林道。
うるさいほどのセミの鳴き声、眼前には一昨日苦労して登った立俣山が。
2024年08月14日 12:30撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 12:30
荒れ果てた兎洞林道。
うるさいほどのセミの鳴き声、眼前には一昨日苦労して登った立俣山が。
とても安心して歩ける林道ではありません。もはや林道ではなく林道跡。
2024年08月14日 12:57撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 12:57
とても安心して歩ける林道ではありません。もはや林道ではなく林道跡。
完全に崩落で埋まってしまった箇所。
かなり危険な高巻きをして通過。
2024年08月14日 13:06撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 13:06
完全に崩落で埋まってしまった箇所。
かなり危険な高巻きをして通過。
笠松山に登るのは、崩落が酷く危険な兎洞林道からはお奨めしません。
易老渡からが安全です。
2024年08月14日 13:37撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 13:37
笠松山に登るのは、崩落が酷く危険な兎洞林道からはお奨めしません。
易老渡からが安全です。
光橋まであと少し。
と、易老渡から易老岳へ登る尾根が見えました。
なだらかな面平の地形もよく分かります。
2024年08月14日 15:46撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 15:46
光橋まであと少し。
と、易老渡から易老岳へ登る尾根が見えました。
なだらかな面平の地形もよく分かります。
うぉ、『これはラジオラリヤ?』
赤石山脈の名前の由来、赤い岩石チャートが路面から顔を出していました。
2024年08月14日 15:50撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
1
8/14 15:50
うぉ、『これはラジオラリヤ?』
赤石山脈の名前の由来、赤い岩石チャートが路面から顔を出していました。
光橋まであとわずかなところで、ここにも赤いラジオラリヤがはっきりと識別出来る滝がありました。
2024年08月14日 15:53撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
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8/14 15:53
光橋まであとわずかなところで、ここにも赤いラジオラリヤがはっきりと識別出来る滝がありました。
長い林道歩行で足は限界。光橋からさらに2時間もかけてようやく芝沢ゲート到着。
今日も雨が降り出しました。
2024年08月14日 17:38撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 17:38
長い林道歩行で足は限界。光橋からさらに2時間もかけてようやく芝沢ゲート到着。
今日も雨が降り出しました。
『遠山かぐらの湯』はまだ休業中。2025年青崩峠トンネル開通を見据えて再開目指す模様。早く再開して〜。
2024年08月14日 17:38撮影 by  iPhone 13 Pro, Apple
8/14 17:38
『遠山かぐらの湯』はまだ休業中。2025年青崩峠トンネル開通を見据えて再開目指す模様。早く再開して〜。
北又渡の車についたのは午後6時過ぎ。
着いた途端、土砂降りとなり、帰路は猛烈な豪雨の中を、再び下栗の里を山越えして帰りました。
(なんとこの時、そう遠くない赤石岳では山頂標柱が落雷で割れてしまいました)
北又渡の車についたのは午後6時過ぎ。
着いた途端、土砂降りとなり、帰路は猛烈な豪雨の中を、再び下栗の里を山越えして帰りました。
(なんとこの時、そう遠くない赤石岳では山頂標柱が落雷で割れてしまいました)
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ソフトシェル ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも ザック ザックカバー サブザック 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 針金 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ ヘルメット 携帯トイレ

感想

『この夏は兎岳に登ってきました!』
報告をしたほとんどの方からは、『?』のような反応ばかり。
南アルプス南部の山だと伝えると、『聖から?赤石から?どっちから縦走したの?』と質問されます。
無理もないですよね…

でも、いい山なんです。展望はこの辺りでも頭ひとつ抜け出して素晴らしく、標高も2,818m と南アルプスの中でも鳳凰三山や早川尾根、上河内岳や笊ヶ岳などよりも高い。
山頂直下に避難小屋があり、稜線上で貴重な水場まである、ロケーションとしてはまさにベスト・オブ・ベストです。

そして、その山容も素晴らしい。ガレを落とす険しい崩壊を見せる聖岳側と対照的な小兎側のたおやかな緑のハイマツカーペットのスカイライン。雷鳥が多く観察出来る山でもあります。
小兎方面から見ると、名前のとおり『兎』がまるまっている姿に見えます。

伊那谷側に長大な2つの尾根を落とし、積雪期ルートには最適。ただし夏場は猛烈な風倒木やハイマツ漕ぎ覚悟で、幕営準備で挑まないと1日で到達するには相当キツいハードなルートです。
立俣尾根は北西側なので、季節風をまともに受かるため、特に風倒木がひどく、深南部の加々森山や黒沢山あたりよりよっぽどひどいです。

深南部はスズタケ主体の下草なので、まだ倒木がわかりやすいのですが、この尾根は密集したシダ類が豊富なので、隠れトラップにかかりやすい。
転びそうになり、思わず掴んだ古木の幹や枝も簡単にパキッと折れてガクっと転ぶのも数え切れず。
一見して、折れそうもなく立っている木も表面に苔類がついていて安全かと思いきや、その下は白骨化しているなんてザラです。

そして、ラスボスとして現れるのは急峻な斜面に密生したハイマツ! もちろん枝は硬く、長い。背丈を超えるほどもある。さらにはハイマツの枝は急な斜面を下に向かって伸びているため、登りの際は両手で枝をかきわけ、身体をその間にいれてから、足で枝を踏み付けて身体をのし上がる、というサイクルを延々と繰り返して、一歩また一歩と前進するしかないのです(泣)。

標高差300メートル、ハイマツ漕ぎに要したのは実に4時間! まぁ、水5リットルに幕営装備一式背負っているので、こんなものかもしれません。

しかし、その苦労に報いてくれるだけの大展望を兎岳は準備してくれていました。

帰路にとった笠松尾根途中、兎平の素晴らしさはこの山行中、随一。誰もいない空間に南アルプスの山々がハイマツの海の奥に延々と連なる様は楽園そのものでした。

一つ反省としては、帰りの下山地点を易老渡から兎洞林道に変更した事。薄い踏み跡を拾っていくと、兎洞林道そばの支尾根になるんだろう、と予想出来る方向に向かっていました。計画どおりにそのまま尾根に戻り笠松山を目指し、易老渡へ下山もありましたが、踏み跡が歩くに連れてしっかりしてくるため、最近も入山者もあるのが確信出来、林道を目指してそのまま下りました。

兎洞林道の荒廃ぶりは調べてはいましたが、やはり歩行は危険すぎたのかもしれません。完全に崩落している地点は不安定なガラ場を高巻きトラバースして、かなりの急斜面をヒヤヒヤで向こう側の林道へと下るしかなく、多人数パーティであれば間違いなくロープを出す場所でした。

単独山行のリスクを考えると微妙な判断でした。

兎洞林道からの入下山を考える際は取り付きをもっと尾根末端からすべきと思われますし、易老渡から笠松山経由のほうが踏み跡やピンテを頼れます。

南アの暑い夏はいましばらく続き、秋の笊ヶ岳までどっぷり南アルプスに浸かるシーズンです。

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