北岳から光岳まで縦走
- GPS
- 199:44
- 距離
- 104km
- 登り
- 9,485m
- 下り
- 10,140m
コースタイム
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 8:04
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 8:16
- 山行
- 8:41
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 9:37
- 山行
- 9:37
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 10:30
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 10:24
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 8:49
- 山行
- 8:39
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 9:51
天候 | 登山初日は快晴。2日目は朝から強風とガス。その後大雨と雷雨。おかげで熊ノ平小屋に連泊。 その後はまぁまぁの天気だった。光岳へのピストンでは大雨に遭遇したが。 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
下山後は白樺荘から静岡駅までバス。新幹線で大阪まで。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道はよく整備されている。ガスが出た場合、ペンキの印やテープを見落とさないように注意。 |
その他周辺情報 | 畑薙第一ダムの下流にある赤石温泉(現在は白樺荘の名が一般的なよう)は、山梨県にも同名の温泉あり!!白樺荘は施設もよく、温泉も満足できた。 |
写真
感想
前日 7月22日
20時20分梅田スカイビル発の夜行バスに乗るため、淡路駅に行くと人身事故で停まっている。弟に電話して車で送ってもらう。何とか間に合いバスに乗り込むが、私が最後の乗客だったようで、バスは定刻より10分ほど早く出発。
万が一このバスに乗れなかったら、今から予約がとれるのは8月末頃で、今年の南アルプスは断念しなければならなかった。
ありがとう、弟!m(_ _)m
1日目 7月23日
このバスは早朝に甲府駅に到着し、広河原へのバスに接続している。登山客で満員かと思ったが、甲府駅で降りた数人のうち、登山客は私一人。みんな東京に行く人ばかり。
広河原のセンターで登山届けを提出し、コンビニ弁当で朝食後出発。
今回も昨年同様ご飯は全てアルファ米。レトルトのカレーや牛丼に親子丼とハンバーグ。それにベビーラーメン。コンロはアルコールバーナーのみで燃料は500mlボトル2本。
行動食として甘納豆の小袋と一口羊羹に飴。
塩分補給として塩昆布と煙分補給としてタバコ(^^)
20年ぶりなので、以前の記憶はほとんど無く、新鮮な気持ちで登山開始。白峰お池小屋から以前は草スベリコースをとったが、今回は初めての八本歯ノコルへ。
沢沿いには雪渓が残るが、登山道は谷の左岸沿いにあり、雪渓に降りることなく登ることができる。雪渓を通ってくる風は冷たくありがたい!しかし、八本歯ノコルに到達すると、木の梯子が連続する。これは堪える。吊尾根分岐から北岳山頂を踏んでから、テン場に向かうつもりが、体は自然とテン場へ一直線のコースへ。まぁ天気もいいし、明日早朝ガンバロー。
北岳山荘でテントの手続きでは、テントも事前予約が必要との事!小屋泊に予約必要は知っていたが、まさかテントも??なんとか手続きしてテント設営。テン場からの北岳や間ノ岳、それに富士山の眺めを堪能。明日が楽しみ。
2日目 7月24日
早朝から風強く、ガスが濃い。でも、カシオのプロトレックの標高値は昨日と変わらない。北岳では天気が回復するのでは?との期待を込めて、サブザックで出発。行けども行けどもガスは濃いままで風も強いまま。
早々に山頂をあとにして、テン場へ戻る。テントの撤収では、強風でテントが3回転以上転がる。
ガスと強風のなか中白峰と間ノ岳を目指す。どちらの山頂でも視界は無く、じっとしていられない位風が強い。農鳥岳もピストンを計画していたが、これは無理かも?以前三峰岳のコースを歩いたことがあるので、わずかな望みを抱いて農鳥岳方面へ。それにこの風の強さだと尾根道よりも、まだましかもとの期待もあった。
農鳥岳との分岐に到着も天気は相変わらず。ここで農鳥岳は諦め、熊ノ平テン場への巻き道に進む。5分も進まないうちに強風に雨が混じる。最初雹かと思うほどバラバラと体を打ちつける。慌ててカッパの上下をつけ、ザックカバーも装着するが、このわずかな間で全身びしょ濡れ。おまけに雷も鳴り出す。
道は迷わない位ハッキリしているが、何しろ風と雨が酷い。まだ後ろからの風はいいが、正面からの風はザックカバーが飛ぶのではとの不安で、左手でザックカバー、右手で帽子を押さえ、耐風姿勢を支えるもう一本手が欲しかった。
何とか熊ノ平小屋に到着するが、とてもテントを張る気力が無かった。小屋には先着の登山者が十数人。皆この雷雨にあってここに避難した人達。みんな予約した小屋には連絡出来るのかな?
女性二人の小屋番さんは珍しいよね。ストーブをつけてくれて、皆濡れた装備を乾かしている。小屋泊の手続きをして、私も濡れたものを乾かす。これでテント泊だと乾くものも乾かず、縦走断念だったなぁ。
3日目 7月25日
朝からガスは相変わらずだが、風はやや治まったかも。時々雨も降っている天候。他の登山者は出発して行ったが、私はもう一泊ここでお世話になる事にする。もう一人北岳山荘に行く人も連泊。
昼頃には天候も回復傾向で、小屋正面に西農鳥岳の山容が見えだした。明日に期待が高まる。
4日目 7月26日
今日はガスと風はあるものの、だいぶマシ。安部荒倉岳や北荒川岳と気持ちの良い稜線歩き。だんだん天候も回復しているのを実感。
塩見岳手前の雪投げ沢は、40年前にテント泊したが、現在はテント泊禁止になっている。樹林に囲まれて水も豊富ないいテン場だったのになぁ。
塩見岳の登りはザラザラの砂礫の急登。塩見小屋を遥かに見ながら、一歩一歩慎重に登る。苦労の甲斐あり快晴の山頂着。遥かに仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、富士山、荒川岳等を一望できる。間ノ岳や農鳥岳の山頂にはまだガスがかかっている。
ここから塩見小屋までは、先程のザラザラの砂礫と一変し、岩場の連続。これまた慎重に一歩一歩降る。
塩見小屋でアルファ米を食べるが、あまり食欲がわかない。それどころかこのあと食べ物を想像しただけで、吐き気をもようす異常事態に。高山病?それとも疲れから?
本谷山を越えた辺りでまたガスが出始める。三伏峠小屋でテントを設営。テントのフライのファスナーが潰れてしまう。まぁ、このテントも35年ものだからなぁ。一つだけあるクリップで何とか凌ぐ事にする。
それよりも食欲不振の体調不良が気になる。明日天気が悪ければ、ここから鳥倉山方面に降りる事も考える。私の持っている地図は昭和59年製。鳥倉山登山口が載っていないのは熊ノ平小屋で知っていたので、三伏峠小屋の小屋番さんに道を確認に行く。地図を見せると地図の古さに驚かれた(^^)
小屋番さんは、三伏峠小屋付近の地図をスマホで撮影していた。山は変わらないが登山道は変わるとこのとき実感した。
5日目 7月27日
目覚めると少なくとも雨は降ってない。前日の小屋番さんの予報では、今日は曇りで雨が降るかは解らないとの事だった。鳥倉山方面に降りて今回の山行を終了するか、それともこのまま続行するか少し迷ったが、このまま続行することにする。
曇り空の中烏帽子岳を目指す。まぁまぁ順調に進めて、塩見岳の山容も眺められ、気力も充実してくる。だんだん天気も回復傾向なのが分かって来て、順調に縦走路を走破。
しかし、塩昆布の塩分補給はOKでも、タバコの煙分補給は無理。やはり体調はかなり悪いとの自覚症状は変わらない。
40年前にテント泊した高山裏避難小屋に到着し、普段は飲まないコーラを買って、小屋番さんとしばし談笑。この先の水場は私の記憶にもあり、荒川中岳の避難小屋に泊まる場合はここで水を補給するつもりだった。しかし、ここからの私の記憶と登山道の雰囲気がまるで違っていた。荒川岳への急登が始まる地点までの登山道は、もっと歩きやすい平坦な道だった記憶があるのだが。水場もその平坦な道沿いにあったような気がするのだが、実際はかなり起伏のある道で、水場も私の記憶とは大きく違っていた。
荒川岳への急登の途中でガスが湧き出すが、雨が降らなくて幸い。前岳の手前の断崖絶壁も慎重に進めば問題なく稜線に到達。展望は望めないがここまで来たなら、前岳と中岳の山頂は踏んでおきたいところ。
二つのピークをガスの中到達して、悪沢岳は今回は諦め、荒川小屋にテント泊とする。荒川小屋のテン場では、昼食のアルファ米をお茶漬けにしてでも食べようとしたが、難なくそのまま食べれてしまった。あれ?体調復活?普段飲まないコーラが効いたのかも?
6日目 7月28日
朝から快晴。風は強いものの視界は良好。今日は赤石岳の山頂を走破して、兎岳避難小屋まで。赤石岳は過去2回登っているが、いずれも山頂ではガスのため展望は全く望めていない。今回こそとの気持ちで一刻も早く山頂に到着したいとの気持ちが高ぶる。
ようやく山頂に到達するも、一瞬視界が晴れるものの、ガスが周囲を取り巻く。しかし上空は晴れているようで、太陽の明るさもあるので、しばらく避難小屋で待機。約1時間待った甲斐があり、ようやくガスが晴れ荒川岳や富士山、聖岳の展望を満喫!
ここから百間洞の小屋まで一気に降り、そこからまた同じくらいの登り返しがある(^^;百間平からは、百間洞のテン場にテントが数多く張っているのが見えた記憶があるが、今回は全くテントは見えない。やはりお盆の頃とは登山者の数が全然違うのだろうな。
百間洞の小屋でもコーラを買い、水を補給して兎岳避難小屋へ。兎岳山頂に到着する頃には、またガスが発生していたが無事到着。小屋はコンクリート造りなのは、40年前にも見ていたが、間近で見るのは今回が初めて。外観はOKだが中は屋根が落ちていて、頼りない木一本でそれが支えられている状態。この隙間で寝れない事も無いが、それはちょっと怖い。小屋近くにテントを張り一夜を過ごす。夜には少し雨も降っていたようだが、そんなに気になるほどでもなかった。
7日目 7月29日
夜の雨は朝方には止んでおり、今日もいい天気のよう。聖岳にも過去2回登っているが、いずれも山頂での展望を楽しめた記憶がある。少しガスが出ていて、道に迷う場面もあったが、今回も同様に山頂では最高の展望を楽しめた。
聖岳山頂で話した登山者の人とは、上河内岳でも一緒になる。その人によると茶臼のテン場も予約制で、自分は先程予約したとのこと。北岳山荘のテン場と同じく茶臼もそうなのか。まぁ今の時期ならお盆の頃と違い、テン場に余裕があるから大丈夫だと自分に言い聞かせる。この頃になると流石に体力的にも限界に近く、10分程の上河内岳のピークにも目もくれずに茶臼のテン場を目指す。
案の定テン場には余裕があり、問題なくテントを設営。翌日の光岳ピストン後もここに泊まるため、連泊の手続きをする。
先ほどの聖岳山頂で話した登山者の人は、「しばさわゲート」から山に入り、千枚岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、光岳のコースを今回歩いているそう。ここで「しばさわ」とは、私には寸又峡温泉から光岳へ登る時の柴沢登山口の「しばさわ」しか思いつかいない。どうも話が噛み合わないなと思ったら、遠山川沿いの易老渡の近くに「芝沢ゲート」と言う駐車場が出来て、光岳や聖岳への登山口となっているとの事。ここでも、山は変わらないが道は変わることを実感(^^;
8日目 7月30日
今日は光岳までのピストンなので、余裕で行けるだろう。聖岳で一緒になった登山者の人は3時に出発するとのことだが、私は5時に出発。
順調に茶臼岳の山頂に到達し、スマホの電波を確認。明日は畑薙第一ダムの下流にある赤石温泉に一泊するつもりなので、予約をしなければならない。ここではドコモもauもどちらもOK。二台のスマホ間で電話をかけても呼び出し音が鳴るので、帰りにここから宿泊予約の電話が出来ることを確認。
やはりサブザックの軽さはいい(^^) 順調に易老岳の山頂へ到着。ここでも電波を確認しOKなので、帰りにここから宿の予約をしよう。
光岳の山頂は展望もなく、百名山だから訪れる山だなぁ。でもここまで来たなら、名前の由来になった光石は見なければ。山頂から10分程の距離にある石灰岩の岩峰で、確かに眺めは良好で麓からは輝いて見えるかも。
光岳小屋でもコーラを買い一服。女性の小屋番さんと少し話をする。柴沢登山口から寸又峡温泉への林道は崩壊しており、ロープがあってもなかなか通過は困難だとか。
明日の予約のために易老岳より展望のよさそうなイザルガ岳に寄り道をする。しかし、ここではドコモもauも電波無し。
易老岳で赤石温泉に電話をかけるが、明日はやっていないとのこと。8月1日からの営業だと告げられる。そんなぁ〜〜。部屋が満員なら駐車場の隅にテントを張っても、風呂とトイレさえ利用させてもらえるなら、お願いしようと思っていたのに、営業自体やっていないとは。
この自分の落胆ぶりが天気にも影響したのか、天気がだんだん悪くなってきた。仁田池付近で雨が降り出し、風も強まりだす。カッパを着て茶臼岳へ急ぐが、雨風とも強まる一方。ようやく茶臼のテン場に戻る頃には本降りの大雨に。
茶臼小屋の庇でしばらく休憩して、小屋番さんに畑薙ダムからタクシーかバスが利用できるかを相談する。
すると、「赤石温泉はやっているよ。わしはそこの従業員だから」??電話のことを話すと、「それは山梨の赤石温泉だな。ここは静岡」って事で小屋番さんが電話して明日の予約を取ってくれた。
私が熊ノ平小屋でもらった「南アルプスアルペンガイド」の冊子には、畑薙第一ダムの下流に赤石温泉があり、よく見ると山梨の櫛形山や源氏山の麓にも赤石温泉がある。私が電話したのは山梨の赤石温泉で、静岡の赤石温泉の電話番号は載っていなかった。紛らわしいなぁ〜
翌日赤石温泉の方に「南アルプスアルペンガイド」を見せると、どうもこの冊子は南アルプスでも北がメインの案内のようですなとの事。
9日目 7月31日
昨日の宿の予約の不安が一気に解消され、朝から快晴。今日は畑薙ダムまでゆっくり降り、赤石温泉まで道路を歩くだけで気が楽。
昨日の雨に濡れたテントを干して8時頃にゆっくり出発。途中の横窪沢小屋とウソッコ沢小屋はどちらも避難小屋で、私の地図では季節営業の小屋になっている。やはり地図はそれなりに新しくないとアカンなぁ。
途中の沢沿いにはいくつかの吊り橋があり、渓流の眺めもいいし、豪快な滝もあり、なかなかスリルのある箇所もある。最後は畑薙大吊橋で締め。
ここから約2時間道路を歩き赤石温泉に到着。今は赤石温泉よりも白樺荘の名前がメインとの事。ここの温泉はヌルヌルしたいわゆる美人の湯的な温泉で、今回の10日間の疲れを癒やしてくれた。
後日 8月1日
静岡駅行きのバスは14時40分発のため、朝から温泉に入り、白樺荘の休憩所でゆっくりする。今回の山行の記録もある程度ここで書き進める。
バスで約3時間で静岡駅へ。そこから久しぶりの新幹線に乗ったが、全車両禁煙で喫煙ルームも廃止されていた。山でも下界でも煙分補給はなかなか難しくなりましたなぁ〜
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