八ヶ岳:阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳、ツクモグサを求めて日帰り
- GPS
- --:--
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,581m
- 下り
- 1,578m
コースタイム
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 11:15
永福IC 3:30 ≫ 小淵沢IC ≫ 6:00 美濃戸:やまのこ村赤岳山荘P 6:15 → 8:15 行者小屋 8:30 → 9:10 中岳コル → 9:30 阿弥陀岳 9:45 → 10:10 中岳山頂 → 中岳道分岐 10:40 → 11:00 赤岳山頂 11:20 → 赤岳展望荘 11:45 → 13:00 横岳三又峰 13:20 → 硫黄岳山荘 13:50 → 14:30 硫黄岳 14:40 → 15:50 赤岳鉱泉 → 17:30 美濃戸:やまのこ村 17:50 ≫小淵沢IC ≫ 高井戸IC 20:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【コメント】
・ 3年ぶりの日帰りでの、阿弥陀・赤岳・横岳・硫黄岳登山を花のシーズン初めの梅雨の晴れ間を狙っての八ヶ岳山行。
・ 諏訪南ICから484号線を走って美濃戸まで約10kを走る。
・ 美濃戸口で美濃戸までの相変わらずかなり悪いダートな未舗装林道に入り、凸部を上手く避けながら慎重に走り、軽のお腹を擦らずに済みました。約3kで美濃戸に到着。
・ 「赤岳山荘」の駐車場に駐車。1,000円(1日分)。平日でしたが、梅雨時の貴重な安定した晴天予報だったので、周辺の駐車場も半分くらい埋まってました。
・ 「やまのこ村」の赤岳山荘駐車場の標高は1,680mなので、赤岳までの単純標高差は約1,220m。
・ 美濃戸山荘前の分岐で南沢沿いの登山道に入り、柳川南沢沿いの道を進み、2度沢を渡って急坂を登り、樹林帯を抜けると白河原で、ギザギザした横岳の稜線が目に入る。
・ 白川原を通過、行者小屋に到着。テントが数張設営。
・ 行者小屋からは、八ヶ岳連峰が迫り、右から阿弥陀岳、 中岳、赤岳横岳、硫黄岳と続く稜線が、大障壁のパノラマのように見渡せる。
・ 行者小屋で休憩後、南方向へ阿弥陀岳目指して出発。
・ 文三郎新道との分岐に到達、右折し阿弥陀岳目指して進む。
・ 阿弥陀岳直下の中岳とのコルに到着。前方に、雲海の上にハッキリと富士山を見ることが出来感激。
・ 小休憩後ここから阿弥陀岳目指して、阿弥陀への急な梯子を登り、一ヶ所踏み跡の無い雪渓が現れた為迂回、足場のやや悪い急な岩場を慎重に登りクサリ場に合流、以後は山頂まで危険個所なく、時々後ろの眼下に広がる赤岳〜横岳、富士山などの展望を眺めながら登る。
・ 阿弥陀岳山頂からは、南アルプスの山々、槍・穂高連峰の山並、富士山などの展望を満喫。 ここからは左方向の横岳、右方向の赤岳は鋭く立ち上がった独特の風貌を見れる。
・ 大展望を満喫後、赤岳目指して一旦中岳のコルへ戻り、中岳を通過、まだ“高山植物の女王”、コマクサは早すぎで残念ながら咲いてませんでした。
・ 晴れ渡った真っ青な空に蒼黒く聳える赤岳を見ながら、ジグザグの砂礫混じりの登山道を登り赤岳に到着。
・ 山頂には三角点と祠があり、八ヶ岳連峰の最高峰からのパノラマ展望は素晴らしく、残雪を抱く南アルプスと北アルプスの展望は印象的。 南方向は清里、秩父連邦、富士山までの大展望を満喫。西方眼下には行者小屋が見えた。
・ 小休憩後、急坂を下り、赤岳展望荘を過ぎ、しばらく進むと、念願の「ツクモグサ」にようやく出合え写真撮影。
・ 開き始めた4輪程が集まって咲いてました。
・ 地蔵ノ頭を過ぎ、稜線の核心部である横岳の岩峰群の“カニの横ばい”前後の岩場にはしっかりしたクサリやハシゴもあり、危険なく一気に通過。
・ 来月になれば岩礫の斜面にはハクサンイチゲ、オヤマノエンドウ、タカネシオガマ、ミヤマキンバイ、イワヒゲ、ツガザクラ、イワカガミ、ハクサンシャクナゲなどの咲き誇った状況に出合えるはずですが、今年は例年よりやや遅いようで今回はまだ早過ぎた感じ。
・ 台座ノ頭からは硫黄岳が雄大に見え、なだらかに続く登山道を進む。途中、オヤマノエンドウ(青紫)、イワウメ(薄黄)などが咲いてましたが、、キバナシャクナゲ(黄)は間もなく咲く状況。
・ 硫黄岳山荘付近では、養生中のコマクサとウルップソウが間もなく開花しそうでした。
・ 硫黄岳手前の広い登山道にはケルンが一定間隔に作られており、ガス時の目印になる。
・ 硫黄岳からは、阿弥陀〜赤岳〜横岳の雄大な峰が目の前に広がって見れました。
・ 休憩後、美濃戸へ向けて出発。赤岳鉱泉近くまではやや急斜面を下る。
・ 途中、赤岳鉱泉前より見た大同心は、まるで達磨大師が座禅を組んでいるように見える。
・ 途中増水時の迂回路を見送り、崩壊迂回路を一ケ所通過、やがて林道になり、単調で飽きた頃美濃戸山荘の屋根が見え、長かった日帰り登山終了。
・ 車内で一服後、帰路に着く。平日の為渋滞なし。
* 高山植物の開花シーズン始まりでしたが、目的のツクモグサの写真撮影が出来て満足です。
・ 満開だったオヤマノエンドウ以外の、コマクサとウルップソウは残難ながらまだ早かったので、都合がつけば7月中の開花シーズン中に再度、山行したいところです。
【注意箇所】
・ 中岳鞍部から阿弥陀岳への急登の岩場。
・ 強風時の稜線。 急登鎖場箇所、落石注意。(阿弥陀直下、三俣峰付近)。
・ 硫黄岳山頂付近は広い岩稜、ガス時は注意。
前回の記録
⇒ 当方のHP:http://yama-heiwa.moo.jp/sub-1mt-1-100mt.html
※ 参考資料
【八ヶ岳】
・ 長野県と山梨県にまたがる山塊の総称。 山そのものに八ヶ岳と名付けられた山は存在しない。
・ 赤岳を最高峰(標高=2,899m)に、横岳などで構成。その山容は、夏沢鉱泉と本沢温泉を結ぶ夏沢峠を境界として、北八ヶ岳と南八ヶ岳に大きく分けられる。
・ 北八ヶ岳は、樹林帯が山稜近くまで続き、また比較的なだらかな峰が多く、湖沼も点在する。
・ 南八ヶ岳は、主峰の赤岳をはじめ、横岳・硫黄岳・阿弥陀岳の鋭い峰々や、横岳西面の大同心・小同心に代表される岩峰群などがあり、急峻な地形となっている。
・ 赤岳を主峰に南北にいくつもの峰を連ねる山塊。北端の蓼科山から南端の編笠山まで,標高2,000m以上の峰が10以上、約21kmにわたって連なっており,その周辺には広大な山麓地帯がひろがっている。
・ 歴史時代に入ってからは噴火の記録がなく、八ヶ岳は今からおよそ300−100万年前に、最初は主峰「赤岳」付近が噴火して、次に北八ヶ岳、蓼科山が噴火、最後に硫黄岳が噴火して南北30キロ、東西15キロの独立火山帯の原型が出来上がった。
・ フォッサマグナの中央部に位置し、南北に弧状につらなる20以上の火山の噴火活動によって形成された山群で、八ヶ岳火山群、八ヶ岳火山列ともよばれる。
・ シーズン中の週末は美濃戸の駐車場は満車となり、手前の美濃戸口の駐車場に駐車する。(徒歩1時間)
・ 多くのピークを持つ八ヶ岳にあって、空高く鋭鋒を突き上げる赤岳の姿は、盟主にふさわしく勇壮である。
・ 近年、長野県側からの登山者が圧倒的に多いが、山梨県側から直接山頂に達する長大な真教寺尾根を登り県界尾根を下れば、ひと味違った充実感あふれる山行が楽しめる。
・ 八ヶ岳は意外にアクセスもよく、登山道も様々なルートが用意されているので初心者からベテランまで多くの人が楽しめる山。
《登山のメインコース》
・ 美濃戸 → 行者小屋 → 地蔵仏 →赤岳 → 中岳コル → 行者小屋 → 美濃戸
※ 参考HP ⇒ ⇒ 八ヶ岳登山ルートガイド 赤岳
【山名の由来】
・ 「八百万」などと同じように、山々が多く連なる様子から「たくさん」という意味で「八」とした。
・ 幾重もの谷筋が見える姿から「谷戸(やと)」にちなんで名づけられた。
・ 文字通り八つの峰に見えるから。
・ 八ヶ岳の8つの峰は特定できないが、漠然と多数の峰を指して「八」の字を当てたと考えられている。
・ 主峰赤岳は、酸化した山肌が赤みを帯びた褐色なので、それに由来する。
《花の見ごろ》
・ 6〜7月:キバナシャクナゲ(黄)、オヤマノエンドウ(紅紫色)、ツクモグサ(黄緑)、シナノキンバイ(白)、コイワカガミ(ピンク)、ウルップソウ(紫)、イワウメ(薄黄)、ヤツアガタケキスミレ(黄)、ミヤマダイコンソウ(黄)、クロユリ(こげ茶)、イワウメ(薄黄)。
・ 8月:ミヤマキンポウゲ(黄)、トウヤクリンドウ(白緑)、タカネツメクサ(白)、タカネナデシコ(紅紫色)、アザミ(赤紫色)、トリカブト(紫色)。
《 八ヶ岳で見れる特徴的な花 》
.張モグサ(九十九草)
・ キンポウゲ科の多年草。北海道,本州中北部の高山帯に分布する。根茎は地中を直立または斜上し,上部は枯れた葉柄におおわれる。根出葉は花より遅れて展開し,葉身は2回3出羽状に分裂する。
・ 花茎は1本で長さ 15〜20cm,根出葉に似た3枚の無柄の葉を輪生する。花茎や葉は初め長い白毛におおわれる。
・ 花期は7月頃,花茎の先に1個の花が上向きに咲く。花は淡黄色で径 2.5〜3cm,萼片は6枚で外面に長い白毛がある。おしべは多数。
・ 痩果は紡錘形で長さ約 3mm,花柱は花後伸びて約 3cmとなり,黄褐色の毛を密生する。オキナグサ (翁草) に近縁な植物である
・ ツクモグサ(九十九草)キンポウゲ科 花期:6月上旬〜6月下旬 高さ:4~10
・ 本州では横岳と白馬岳のみ生息。 八ヶ岳の稜線を彩る名花で人気が高い。最も花期が早い高山植物のひとつで、八ヶ岳の稜線では咲き始めの花は6月上旬が見頃。
・ 本州では、他に、白馬岳しかなく、個体数も少ないことから、絶滅危惧種に指定されている貴重な種。
・ 「八ヶ岳タンポポ」とも呼ばれる。
◆.Ε襯奪廛愁Α米隻鐐陝
・ ウルップソウ科の多年草。北東アジアとアラスカの寒帯や高山帯に生じる。全草やや多肉質でベンケイソウ科のイワレンゲなどに似ているところからハマレンゲの名もある。
・ 根生葉は有柄の広卵形で長さ約 10cmになる。夏に,高さ 20cmぐらいの花茎を出し,先端に密に花をつける。萼はへら形で,花冠は淡紫色で湾曲した長い筒形となり,先は2裂して唇形となる。
・ 果実は2つの堅果となる。日本では本州中部の高山の砂礫地と礼文島に知られる。また,北海道の夕張岳のものは全体が小型で,特にユウバリソウ L. glauca var. takedanaといって変種とすることがある。
・ 白馬岳(しろうまだけ),八ヶ岳,北海道礼文島の礫(れき)地にはえ,千島,カムチャツカ,アラスカにも分布。葉は広卵形で長さ10cm内外,厚く,つやがある。
・ 名は、千島の得撫(うるっぷ)島で最初に採集されたのでいう。
・ 八ヶ岳では横岳一帯。
◆.灰泪サ(駒草)
・ 美しい花と、常に砂礫が動き、他の植物が生育できないような厳しい環境に生育することから「高山植物の女王」と呼ばれている。和名はその花の形が馬(駒)の顔に似ていることに由来する。
・ ケシ科の高山植物。高さ5〜15センチメートル。全草は粉白色を帯びた緑色。葉は無毛で細かく切れ込む。7〜8月、5〜10センチメートルの花茎を出し、数個の桃色の花をつける。
・ 萼片(がくへん)は2枚、花弁は4枚。外側の2枚の下部は袋状、内側の2枚は上端でくっつく。雄しべは6本、雌しべは1本。果(さくか)は長楕円(ちょうだえん)形、中に黒い小さな種子がある。
・ 花の形が馬の頭に似ているところから駒草の名がある。アルカロイドを含み、木曽(きそ)地方では古くから薬草として利用されてきた。 北海道、本州中北部の高山に生育し、樺太(からふと)(サハリン)、千島、カムチャツカ、シベリア東部にまで分布する。
・ コマクサ属には約20種があり、東アジア、北アメリカに分布し、東アフリカにも1種分布する。
・ 花の形が馬の頭に似ているところから駒草の名がある。
・ 高さ5 cmほど。葉は根生葉で細かく裂けパセリのように見え、白く粉を帯びる。花期は7-8月[3]。花茎は10-15 cmで淡紅色の花を咲かせる。花弁は4個で外側と内側に2個ずつつく。
・ 外側の花弁は下部が大きくふくらんで、先が反り返り、内側の花弁はやや小さく、中央がくびれ、上端は合着している。萼片は2個で早く落ちる。
・ 他の植物が生育できないような砂礫地に生えるため、地上部からは想像できないような50-100 cmほどの長い根を張る。
・ 硫黄岳大ダルミ、横岳北端の諏訪湖側に大きな群落。
ぁ.バナシャクナゲ(黄花石楠花)
・ ツツジ科の常緑小低木。茎は地をはい、枝が上に向く。葉は楕円(だえん)形で先が円く、革質でほとんど毛がない。
・ 7、8月、淡黄色の漏斗(ろうと)状鐘形、径2.5〜3.5センチメートルの花が開き、雄しべは10本。本州中部地方、北海道の高山に生え、東アジアの寒帯に広く分布する。
・ 寒帯性の種類で,丈は50cmほどにしかならず,全体無毛で花は黄色である。本州中部以北,北海道,千島,カムチャツカ,サハリン,朝鮮北部,東シベリアに分布し,この系で1種しかない特殊な種類である。
・ 硫黄岳山荘付近の群生地は国の天然記念物に指定されている。
《鳥》
・ ホシガラス ・・・ 広い分布域を持つ。スカンジナビアから北部ヨーロッパを経てシベリアから日本を含む東アジアに至る幅広い帯状の地域に分布し、北方の広大な冷帯針葉樹林を生息場所とする。
* 参考HP ⇒
・ 八ヶ岳|日本アルプス登山ルートガイド
・ 八ヶ岳登山ルートガイド 赤岳
・ 八ヶ岳開花情報 八ヶ岳オーレン小屋
・ 八ヶ岳の花
・ 八ケ岳に特有の植物
(〜フリー事典、ヤマレコ、ヤマケイ等より)
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