小沢峠から都県境尾根・長沢背陵を経て三峯神社へ
- GPS
- 49:16
- 距離
- 39.0km
- 登り
- 3,294m
- 下り
- 2,518m
コースタイム
- 山行
- 7:56
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 8:25
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 9:09
- 山行
- 2:48
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 2:49
8:14 小沢峠
9:16 長久保山
9:50 馬乗馬場
10:04 黒山
10:31 権次入峠
10:45 棒ノ嶺
11:04 槙ノ尾山
11:37 長尾丸山
12:23 クロモ山
12:38 山なし山
13:22 新秩父線50号鉄塔
13:23 50号鉄塔-落合下降点
13:56 日向沢ノ峰
13:56 日向沢ノ峰・北の肩
14:01 オハヤシの頭
14:23 桂谷ノ峰
14:52 蕎麦粒山
15:12 仙元峠
15:45 棒杭ノ頭
15:48 棒坑尾根分岐
16:15 一杯水
6:13 一杯水避難小屋
6:44 天目山
7:07 ハンギョウノ頭
7:22 ハナド岩
7:36 大栗山
8:19 七跳山
8:54 坊主山(割谷ノ峰)
9:14 酉谷峠
9:20 酉谷山避難小屋
9:51 酉谷山
10:13 行福のタオ
11:00 滝谷の峰
11:09 滝谷の峰ヘリポート
11:37 水松山
12:24 右谷ノクビレ(重松ヒラキ)
12:46 長沢山(桶木沢ノ頭)
13:20 桂谷ノ頭(石楠花ノ頭)
13:56 コヤセドノ頭(犬落ノ頭)
14:37 芋ノ木ドッケ
15:03 白岩山
15:21 白岩小屋
6:46 前白岩山
7:01 前白岩山の肩
7:27 お清平
7:43 霧藻ヶ峰休憩舎
7:48 霧藻ヶ峰
7:51 地蔵峠
8:52 妙法ヶ岳分岐
9:09 三峯神社バス停
天候 | 一日目:曇りのち晴 二日目:晴のち曇 三日目:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
・三峯神社からのバスは午前中からかなり混み合う。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・小沢峠から黒山までは前日の雨の影響か、道が崩れやすく、木の根が滑り易い。 ・権次入峠は南側に巻き道がありますが、崩れやすく、かなり歩きにくい。しかも結局西側でほぼ同じ高度に戻るので、登った方が良い。 ・行福のタオから滝谷の峰へは巻き道に見えますが、約150mの登りです。 ・守屋地図(2014年版)には滝谷の峰の左側に「岩場注」とありますが、巻き道には危険な岩場は無かったです。山頂ルートの事か? ・水松山から長沢山へは登山地図でも東京都の指導標でも尾根の北側を巻くようになっていますが、倒木が多く、分かりにくいです。長沢へは尾根に戻るしかないので、尾根から離れないよう注意するか、最初から尾根を通ったほうが良いかも。赤テープは疎らです。 ・芋ノ木ドッケから白岩山へは倒木と若木の枝が道を塞いでおり、下りでも踏み跡が見えずかなり分かりにくい。赤テープはあるが、それも見えにくい。北東の方向を確認しながら、植生の様子(道には木がない)や倒木をカットした登山道整備の跡を参考に降りました。 ・今回のルートでは雪や凍結箇所はありませんでした。 |
その他周辺情報 | 興雲閣のお湯は高アルカリで気持ち良い。人も少ない。 |
写真
感想
天皇の代替わりとか言う馬鹿馬鹿しい騒ぎに巻き込まれるのを避けるため、4月30日から三日間の縦走を予定していた。三日続けてのテント泊は未経験だったので、この間の課題である山中での食事の経験を積むにも良い。生憎の天気で5月2日の出発となった。
三日間の出来事を時系列で書くと冗長になるので、以下課題別にまとめたい。
・コース概観
長沢背陵の西端は芋ノ木ドッケで間違いないだろうが、東端は曖昧だ。昭文社の地図では小沢峠まで登山道が設定されているのでそこから登る事としたが、その辺りだと都県境尾根の呼び名が一般的だろう。ここでは両者の境目は気にせず、一体のものとして併記する。また小沢峠に行けば、更に東の安楽寺まで山道が続いている事が分かる。
小沢峠から早速尾根沿いの道で、良く踏まれている。5月12日にトレラン大会があるらしく、棒の嶺辺りまでコースを示す掲示があった。良く踏まれているだけあって雨の後では木の根がよく滑って参った。
棒の嶺から日向沢の峰までが春の花の盛りのようで、道はヤシオや山桜の花びらで覆われていた。日向沢の峰から先の落葉樹は皆まだ冬の装いだった。日向沢の峰付近は切り払われた草原で、鷹ノ巣山付近の石尾根を思わせる。
芋ノ木ドッケ付近はシラビソとコメツガに覆われた暗い森で、特に白岩山へ降りる道は倒木と若木で踏み跡が良く見えず、何度もコンパスとGPSで確認しながら降りた。北東の方向からずれないようにしないといけない。
三峰山付近まで降りると若い樗の新緑が楽しめた。雲取山荘のサイトには「三峰コースは登山口付近で少し桜が見られます」とあるが、私が見た限りでは散った直後のものしか見えなかった。
小沢峠から権次入峠までは殆ど人がおらず、権次入峠〜棒の嶺、雲取山〜三峯神社の登山道はごった返し、それ以外は1時間に数組会う程度と実に極端だった。私は山には引きこもりに来ているので少ない分には有り難いが、日本人は山に来ても群れるのかと実感した。
雲取山荘のテント場は旧雲取ヒュッテの下まで一杯で、三峯から登ったものの断られて白岩小屋まで降りざるを得なかった人も居た。翌日に再度同じところまで登るのは精神的に相当きついだろう。奥多摩小屋閉鎖の報道の頃から言われていたが、雲取山周辺のテント場需要はもう相当困難なところに来ていると思う。棒の嶺、川苔山、雲取山以外にも素敵な山はいくらでもあるのだが。
・縦走計画とペース配分
二日間続けて10km以上歩くのは初めてだったので、途中で挫折するか不安だった。我ながら良く歩いた。昭文社のコースタイム通りに計画した上で、現地で都度現在位置を確認し、計画と比較したこと、その上で時間の貯金をしておくよう心がけたのが奏効した。予定では初日は浅間峠付近で一泊するつもりだったが、一杯水避難小屋まで辿り着いて翌日分を一時間貯金出来た。
ところが二日目の朝は足がなかなか柔らかくならず、三ツドッケ付近の岩場で消耗した。酉谷峠で貯金を半分使った事を確認して取り戻そうとしたが、長沢山までで使い果たしてしまった。これは地図読みにも関わるのだが、行福のタオから滝谷の峰へは巻き道と思っていたのが、実際には約150mの登りだった。焦って登りの歩き方をせず、余計に消耗した。
二日目は芋ノ木ドッケ周辺で泊まる予定だったのを一時間の貯金を使って白岩小屋まで降りようと朝に決めていたのが、駄目になった。芋ノ木ドッケの手前でまた急登があるのは知っていたので、諦めて時間を気にせず登る事に集中していると、結局芋ノ木ドッケには一時間早く着いた。分からないものだ。
ただ今回の山行の主眼は山中でツェルトで二泊する事だったので、二日目まで歩ききらなくて良かったかもしれない。
・道迷い
素人らしい道迷いを二度もしてしまった。一度目は浅間峠(峠とあるが実際には尾根上の峰)を降りる時に方角を確認せず、秩父方面に降りようとした事。道の様子が違うのに気がついてコンパスを確認して修正した。
二度目は更に馬鹿馬鹿しい。黒岩山を超えたところで指導標を見逃し、太陽寺方面へ曲がってしまった。地図と分岐の存在が頭に入っていなかった為だ。下山前に気を抜きすぎだし、計画を完遂出来そうで有頂天になっていた証拠だ。
・水の確保
一杯水が枯れている事を想定し、初日は2Lを持って行った。結果的には足りたが、非常用にあと500ccあっても良かった。それでも夏の盛りでもなければ、一日中登っても飲み水は1L/日あれば足りるようだ。
一杯水は枯れているのを見てすぐ諦めたが、同宿の先輩に拠れば沢を数m登ったところに取水口があり、ホースが外れたり、落ち葉や石で埋まっている事も多いという。自分の事は自分でやる―基本的な教訓だ。酉谷小屋の水場はふんだんで、2L補給出来た。白岩小屋は枯れていると聞いた。
・食料計画
固形燃料の匂いに嫌気が差し、軽量化も兼ねてエバニューのチタン製アルコールストーブを今回導入した。ガスストーブは燃費と重さ、燃焼時の煩さから使う気になれない。
初日夜にアルファ米のエビピラフと鳥の焼き肉を作ったが、温度が低いのかライターで点火出来ない。点火しようとストーブを傾けているうちにこぼしてしまった。予備のマッチを2本突っ込んで漸く点火出来たが、あと3回使う予定だったのに持ってきた燃料を半分以上浪費してしまった。翌朝は生煮えの袋ラーメンを食う羽目になり、その後予定していたフリーズドライのカレーと麻婆春雨も作れなくなった。
今回は余分に食料があったので計画を変更せずに済んだが、日帰りで経験を積んでアルコールストーブに慣れる必要性を感じた。燃料の見積も経験する必要がある。百均の固形燃料より遥かに風に弱いこと、エバニューのチタン五徳だけでは安定せず、調理中ずっと鍋を支えていなければならない事も課題だ。
・ツェルト泊
無雪期に、立ち木と入山時に拾った木の枝の杖を利用してツェルトを設営するのには慣れた。自然公園法云々の原則はともかく、いざとなれば1.5m程度の平地を見つけさえすればビバークは出来るという自信があったからこそ、前述した二日目の行動の遅れの際にも慌てたり、断念したりせずに済んだのだ。
マットはBig AgnesのForm Padを使っているが、テント場のような固い地面で6時間程経つと腰が痛くなる。寒さは伝わらないし、軽いのは助かっている。
二泊目の白岩小屋では深夜に随分寒くなったが、朝気付いたのが寝袋の足が外に出ていた。ツェルトの末端を縫ってしまうわけにはいかないが、ザックを置くなどして予防出来るだろう。
夜8時半頃まで大きな声―町中では普通の声かもしれないが―で談笑している中高年のパーティが居て、ツェルトを張る場所を間違ったと後悔して過ごした。もっと下見をするべきだった。
・出会った人達
今回の39km縦走は自分にとっては快挙のつもりだった。一杯水避難小屋で早速鼻を折られた。同宿の先輩は瑞牆山から悪天候を縦走し、今日五泊目だという。しかも翌日30kmを歩いて高水三山・雷電山を経由して青梅駅まで降りるそうだ。大変親切に縦走のコツを伝授して頂いた。食事は日清食品のカレーメシとどん兵衛のリフィルを愛用しているそうだ。ただ寝袋が濡れると行動不能になるので、今回も雲取山荘等を使って、荒天時は乾かしているとの事。勿論それを参考にしたからと言って自分も出来るはずはない。経験の蓄積の一端でしか無い。
もう一人の年配の方には霧島を振る舞って頂いた。日没の際に風景が微妙に変わっていくのを解説して頂き、山の楽しみ方を教わった。一杯水が出ていないのなら、自分で原因を探って解決するべきだと優しく叱られた。返す言葉も無い。
いつもながら自分の未熟さを思い知らされる。だが経験は僅かでも蓄積出来ている。その先にある山をこれからも見たい。
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