試練と試練の剱岳合宿−早月尾根・北方稜線・池平山・八峰上半
- GPS
- 98:04
- 距離
- 31.4km
- 登り
- 5,578m
- 下り
- 3,896m
コースタイム
(tanooとchomokintaのみ)
7:30頃 馬場島発
9:30 標高1400m
9:51 標高1600m
10:23 標高1800m
11:15 標高2000m
12:00 早月小屋(小屋泊)
9/20
5:37 早月小屋
8:55 剱岳山頂(ハーネス・ヘルメット装備)/9:00発
9:35 長次郎のコル
10:40 池の谷乗越
11:25 三ノ窓分岐
11:53 小窓ノ王取付
13:30 小窓
17:00 池平山南峰/17:20発
19:07 池の平小屋(小屋泊)
9/21
11:30 池の平小屋
12:18 仙人峠
12:27 仙人池ヒュッテ
12:40 仙人峠
14:14 二股吊橋
15:25 真砂沢ロッジ(小屋泊)
9/22
5:18 真砂沢ロッジ
6:00 長次郎谷出合(他の2名と合流、荷物をデポ)/6:21発
8:02 5・6のコル取付/8:22発
8:41 5・6のコル
(Aフェースに取り付く)
9:30 Aフェースの頭付近
(ルートの間違いに気付き引き返す)
10:15 5・6のコル
11:40?6峰Dフェースの頭
12:20?7峰の頭
13:40?8峰の頭
14:25 池の谷乗越
16:00 長次郎谷出合(デポ回収)/16:15発
18:15 剱沢キャンプ場(テント泊)
9/23
6:45 剱沢キャンプ場発
7:30 剱御前小舎/7:36発
8:32 雷鳥沢キャンプ場/8:36発
9:24 室堂ターミナル
天候 | 9/19:曇り・雨 9/20:午前中曇り時々晴れ、午後は霧のち小雨 9/21:午前中雨、午後曇り 9/22:晴れ 9/23:雨 時々風強い |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
・新宿23:00発→富山駅5:30着(MKツアーバス/\3500) ・電鉄富山5:55発→上市駅6:25着(富山地方鉄道/\580) ・上市駅6:30頃発→馬場島7:00頃着(旭タクシー/\7500) 帰り ・室堂→扇沢:片道\5700(重量10kg以上の手荷物持参の場合は、室堂で\400、黒部ダムで\200の手回り品きっぷの購入が必要) 時刻表参照ページ→http://www.alpen-route.com/access/timetable/index.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
【早月尾根(馬場島〜本峰頂上)】 ・よく整備されていて歩きやすい。標高2600m以上になると鎖場の岩場が多くなるが、注意すれば特別な危険箇所はなかった。 【北方稜線】 ・本峰頂上から先はガレ場の多い岩稜帯を歩く。長次郎のコルから池ノ谷乗越にかけては長次郎谷側を通過。浮石の多いルンゼを下降した後の巻き道はひどくガレていて、一歩踏み出すだけで岩雪崩を起こす恐れが多い。また池ノ谷乗越までの下りは傾斜のある岩壁のクライムダウン。 ・池ノ谷乗越からは池ノ谷側を通過。池ノ谷ガリーの下りもザレているので落石に注意。小窓ノ王は、池ノ谷側を斜めに登って巻くバンドが唯一のルートなので確実に見つける必要がある。ロープが目印。 ・バンドを登った後は、ペンキやケルンを目印に小窓へ続くトラバース。途中3m位の小さい雪渓をトラバース。スプーンカット状になっていたので今回はアイゼンがなくても通過できた。 ・小窓のコルには木のプレートがあったが、今回行った時にはプレートの文字が全部消えていた(後から別の人の記録を見ると、「ここは小窓のコルです」と書かれてあったらしい)。特にガスが濃い状況だと、下るべき小窓雪渓も全く見えずにそのまま稜線上を通過して池平山へと向かってしまう可能性が高い。そして私たちもその例に漏れず、そのまま池平山へと向かってしまったのでした・・・。 ・池平山への登りは小窓側からだと進行方向左側にホールド・スタンスのしっかりした巻き道があるらしい(池ノ平小屋の小屋番さん情報)が、これもガスがかかっていると全くわからない。目に付いた薄い踏み後を追っていくと、草つきの急登や這松の藪こぎトラバースが延々と続く。所々に残置ロープはあるが、大分古びて使用には不適。持参のロープを使った方が無難。 ※北方稜線はバリエーションルートなので、一般向けではありません。必要な装備と経験がないと、遭難の可能性があるのでご注意ください。因みに逆ルートの方が比較的ルートファインディングやクライミング技術的に簡単になるようです。 【池ノ平山から真砂沢】 ・特に危険箇所なし。 【剱沢雪渓・長次郎雪渓】 ・大きなクレバスが多く、明るい時間帯での通過がのぞましい。アイゼン・ピッケル必要。 【八峰(5・6のコル〜八峰の頭)】 ・5・6のコルからの取り付き点に注意。左側にしっかりしたピトンとスリングがあるが、そちらに惑わされて登ってしまうとAフェースの頭に出てしまい、来た道を戻るしかなくなる。正規のルートをたどれば、楽しいクライミングができる。 【剱沢〜室堂】 ・危険箇所はなし。 【泊まった小屋】 ・早月尾根:1泊2食付\9000。テント場あり(\500)。水はペットボトルで販売(2Lで\800) ・池の平小屋:1泊2食付\9000。テント場(\500)、水場あり(無料)。18:30までならお風呂も入れるようです。 ・真砂沢ロッジ:1泊2食付\8500。テント場あり(\500)。掛け湯のお風呂は先着順で利用可能。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
山岳会の秋山合宿ということで、波状的に行動日程をずらしたパーティー数組が剱岳でそれぞれ目的の山行を果たしてきました。
日程の合ったリーダーのchomokintaさんの提案で、5日間を有効活用したスケジュール。
早月尾根での登頂に北方稜線の縦走、さらに八峰上半。
こんなに内容の濃い行程が本当にできるのか!?という思いも半分あったものの、なかなかこんなチャンスはやってこないので、喜んで行くことにしました。
天気は出発時から雨。
核心部の時だけでも晴れてくれればという期待をこめて馬場島を出発。
初日に宿泊した早月小屋のご主人は「この時期の北方稜線を歩いたことがないなら、行かない方がいい」ときっぱり。
翌日の天気もあまり良くなさそうだし、北方稜線は諦めて山頂から長次郎の雪渓を下って八峰上半だけにしようか・・・とも考えましたが、山頂で天気が良くなったのでそのまま北方稜線を進みました。
小窓までは何とか良いペースで進んでいたものの、次第に視界がガスでシャットアウト。目に見えるものは全てとにかく頼りにして進むべき道を探したものの、全く展望がきかなくなりました。小窓雪渓への道がみつからず、気がつけばそのまま池平山へ登る道に。
沢の高巻きのような草付きの急登に手足の力を搾り取られ、次第に足の踏ん張りもきかなくなりました。重い荷物を背負った体を足でリフトアップしきれず、仕舞いには膝を使って簸いつくばるような登りに。
小雨の降る中、藪こぎで草についた水が靴に入り、頭からつま先まで全身びしょ濡れ。
「このままではビバークかも・・・」言葉にはしなくともリーダーも私も頭の中によぎっていました。
「早月小屋の主人の言うことを聞いておけばよかった」と散々思いながらも、何とか暗くなる前に池平山に到着。池ノ平小屋に着いた時には真っ暗でした。
それにも関わらず、小屋では皆さんが美味しい夕飯を作ってあたたかくお出迎え。
お陰で体も気持ちもほっこり暖かくなりました。
皆さんありがとうございました。ご心配をお掛けしてごめんなさい。
今回は3日間小屋泊だったのもあり、色々な人に出会えました。
小屋番さんはもちろん、逆コースで北方稜線を歩こうとしていた剱沢のキャンプ場の受付の方や、ガイドをされている方、79歳でハシゴ谷乗越を越えて真砂まで来た方。
道中でも以前お世話になったガイドの方にも再会できました。
剱岳はたくさんの人に親しまれている山なんだなあ、としみじみ感じました。
4日目は長次郎谷の出合で仲間2人と合流して、八峰を登攀。
少し時間がかかりましたが、待ちわびていた青空の中、気持ちよく登攀することができました。
別の仲間パーティーが正面に見えるチンネを登っていたので、ピーク越しに声を掛けると、この日北方稜線を歩いていた別の仲間パーティまで応えてくれていました(笑)。
最後の夜は剱沢のキャンプで全員集合。
元気に皆さんと合流できて嬉しさと安堵感に満たされました。
砦のような岩稜に、たおやかにのびる緑の尾根。秋への変わり目に日々増えていく紅葉の広がり。稜線近くまで残る雪渓に、轟々と流れる黒部の水流・・・。
1回の山行でこれほど多くの景色が見れる山は今までありませんでした。
試練尽くしの5日間でしたが、剱岳はやっぱり憧れを抱いてしまう山ですね。
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