丸山―大沢岳(赤石岳)


- GPS
- 24:24
- 距離
- 30.4km
- 登り
- 3,715m
- 下り
- 3,742m
コースタイム
【計画】湯折4:00―榛沢出合5:00―丸山10:30-11:00―大沢岳17:00―百間洞露営地18:00/5:00―赤石岳7:00-7:30―百間洞9:00―広河原15:00―湯折17:30
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
なお林道は途中から未舗装で落石多数。 夏季以外は荒川荘先で閉鎖の可能性があるため役場へ要確認。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目は普通の登山者では無理です。マネをしないでください。 2日目はエスケープ・ルートの小渋川ルートを使いました。こちらも普通のハイカーには危険が伴います。 登山ポストは湯折ゲートに用紙もあり。 赤石荘で汗を流しました。500円。 1日目の過酷さはyama-take氏の感想にあるとおり。 |
写真
私は歩くのが遅いということを証明するチャンスだ。いつもの様にカメ作戦で行きます。 n
ハイマツの特徴はよく曲がってくれるところ。「柔よく剛を制す」作戦で丁寧に進むのがコツ。藪の種類によって漕ぎ方も変わるところが醍醐味だ。 n
感想
題名を付けるとすると「暴走機関車 ゴードンとトーマス」と言ったところか。
詳細な山行記録はyama-take(ゴードン)さんにお任せして、個人的感想をば。
先週の「しらびそ峠から大沢岳」、実は今回の山行の布石。
いつのことだか忘れたが、登山を始める遥か前のことだった。
奥茶臼山から丸山を経て大沢岳への山行記録をネットで読んだ。
大沢渡や小渋川からのルートだと増水時のリスクがあることは承知していた。
登山をしない私がなぜ今回のコースに興味を持ったのか謎ではある。
大沢渡や小渋川コース同様、登山を始めた頃からいつか歩きたいと思っていた。
ただ自分一人では大変難しいであろうことは想像できた。
昨年の7月、まだyama-take氏と面識が無かった頃、yama-take氏にいきなりメッセージを送った。
「丸山から大沢岳に行くことがあったら連れて行って欲しい」と。
あるレコでyama-take氏が本ルートを狙っていることを知ったからだ。
初心者の私が山岳会などの組織に属さず、単独なのは他人を巻き込まないためだ。
パーティーを組むということは他人の命を預かるということ。
万一の時には遺族や社会からの批判を他人にも負わせることとなる。
独りで遭難して死ぬ分には、自分以外に責められる人は居ない。
それを承知で他人に連れて行ってくれと頼むのだから、今思えば不思議なことだ。
きっと突然そんなお願いをされたyama-take氏も相当に困惑したことだろう。
その秋、念丈倶楽部の登山道整備でyama-take氏にお会いすることとなった。
何度か低山ハイクでご一緒させてもらった。
また、個人でも登山道のない山に登ったりしてyama-take氏に近付けるよう頑張った。
そしていよいよyama-take氏から本計画の打診があった。ついに同行を許されたのだった。
登山計画はyama-take氏にほぼ全てお任せとなってしまった。
丸山の北尾根から直登するとは、私では考え付かなかっただろう。
二人とも小渋川の渡渉は経験済みなので、難なく取り付き点に。
急なザレた斜面も、今までの山行に比べれば優しい方だ。
丸山北尾根は予想以上に歩きやすく、何も問題なく思えたが・・・
燃費の悪いyama-take氏は水や食料などの荷も重く、途中から休憩が多くなる。
先頭を任されたので普段どおりカメ歩きでゆっくりと進み丸山山頂へ。
クギで打たれた山頂標識をヒモで縛るyama-take氏の満足そうな表情が印象的だった。
そこから大沢岳までの間は大変な道のりだった。
あのyama-take氏が弱音を吐くくらいなので想像はつくだろう。
「17時半までなら歩けるかも・・・」と、よく分からないことを呟かれても。。。
鹿道はあるし、狭い尾根なので道迷いの心配は皆無なのだが・・・
テント泊の重装備としては、より安全に楽に歩けるルートを探らねばならなかった。
途中で足を滑らせて滑落しそうになることがあった。落ちても死なない斜面だが。
その度に疲弊しきったyama-take氏が走り寄って手を差し伸べようとしてくれた。
この人と一緒で良かったなと涙が出そうになった。
最後のハイマツ漕ぎは本当に大変そうだったが、やっとこさ大沢岳に登頂。
暗くなる前に百間洞 山の家でテント場の受付をせねばと走って下山する。
辛うじてまだ明るい18時50分に受付を済ませることができた。
既に知名度は全国区だからか、やや横柄な態度であった。
しかし、その理由がこんな時間に到着した我々にあることは明白なので謝るしかない。
苦労して背負ってきたアワワを沢で冷やしてあるのだが、お詫びとして800円のアワワも購入。
素晴らしい山小屋、テント場なので、また次回も使わせてもらいたい。
既にテント場では就寝した方も居るようだったので山の家前のテーブルで夕食。
すぐに発電機も止まり真っ暗闇と静寂の中で夕食&反省会。
明日は廃道の福川コースを降りる予定だったが、安全な大聖寺平からとした。
キンキンに冷たい沢で汗を流し、満点の星空の下で眠りについた。
翌朝も快晴であり赤石岳を目指す。失礼ながら下山ルートの通過点だ。
昨年は百間平まで来ているので、やっと赤線が兎岳まで繋がった。
赤石岳避難小屋で名物の夫婦漫才を聞きながら展望ベンチでモーニング・コーヒーを飲む。
yama-take氏も酒好きの主人と波長が合ったのか居心地が良さそうで長居をしてしまった。
あとは一般登山道をのんびり下るだけ。何度も丸山-大沢岳の尾根を眺めながら。
広河原小屋方面から登ってくる人の多さには少し驚いた。
小渋川は昨年3往復もしているし、流れもほぼ一緒だったので問題なく渡渉。
時間と体力に余裕を持って下山し、赤石荘の熱い湯で汗を洗い流したのであった。
下界の熱旋風には命の危険すら感じた。疲労は明日にでも消えるが記憶は一生残るだろう。
yama-takeさん、本当にありがとうございました。
また次の機会を楽しみにしております。
題名をつけるとすると「勇者nucchi、大きなお荷物yama-takeを引っ張ってヤブコギ三昧」・・・・ ホントにバテバテで苦しい山行(私だけ)、同行のnucchiには大変な迷惑をかけた。
かなり前から目をつけていた奥茶臼―大沢岳、大きな尾根であり、地蔵峠で伊那山脈とつながる要所だ。ヤマレコでお二人から「丸山へは安易にしらびそ経由ではないでしょうね」とクギをさされたので(?)、それでは小渋川から周回するしか無い。本当は木樽山からの続きにしたかったが、1日目に大沢岳まで抜けることを優先して丸山北尾根を登路にした。
《湯折―尾根取り付き》45分(計画は1時間)
1回めの渡渉から4分ほどで榛沢出合い。ここからおもむろに登る。
《小渋川―丸山》4時間44分(計画は5時間)
急斜面に続くケモノ跡をたどる。なんとこんな所にもピンクリボンもある。尾根は山深い原生林で、とても良い感じ。ヤブも無く歩きやすい。たまに見るピンクリボンはヤマレコユーザーのh氏の物もあるのだろうなぁ。
いつの頃からか、荷が重く感じて疲れる。水を飲む量も多い。先頭に出るように言われたが、顔上げてルートを見なければいけないじゃないですか、それが辛いのでやはり2番手でnucchiの足元を見て何とか登るのだった。最後にまた急登。左近くにこれから行く尾根が見え、その上に大沢岳がある。・・・・あんな遠くまで行けるのか?! 全くの弱気である。
《丸山―大沢岳》8時間3分(計画は6時間:大幅にオーバー)
稜線に着いて、空身で西にある三角点へ。
ヤマレコ上で山名表示板が話題になっていたので、クギを引き抜いて紐で取り付けてみた。まあクギやネジで取り付けるのは普通のことだと思うのですが、〇〇大の汚名とされても気の毒なので。
ここから大沢岳まで6時間を見込んだ。前半10個のアップダウンで距離をすすみ、後半は高さ500mを一気に登る。前半はプラス・マイナスすると高低差ゼロとなる行程なので、先の尾根と違って体力が回復・温存できると読み、nucchiも結構な道があるのでは無いかと楽観を言う。
でも・・・5ヶ所ある高さ60〜80mくらいのコブの登りも途中で1回休んでもらう始末。幼木の藪や倒木は想定内とも言えるが、重荷とバテで付いて行くのがやっと。
nucchiが確実に進路を開いていくので安心だった。前半2時間と見ていたのが4時間かかった。
体力の回復も見られず、あ〜あ後半の500mの登りにかかる。もともと無口の方だが、いよいよ口をきくのがおっくうになり、同行者から見ると心配だったのではないか。優しいnucchiは早め早めに休んでくれる。その分時間が経過していく。
2600mでとうとう前はハイマツの海になった。その手前には絶好の草地のテント場・・・・。ハイマツ越えを2時間歩くことができるのか、途中で往生したらどうする、日暮れまでに間に合うのか、といろいろな考えが湧くが、何とか前に進む気になる。ハイマツの抵抗が凄い所もあったが、nucchiのコース取りは最適だ。なんという適応能力! 一家に1台、1パーティに1人nucchiがいると便利。時間はかかったが、大沢岳北峰・そして三角点には18:18着。
《大沢岳―百間洞》37分(計画は1時間)
ゴツゴツ岩混じりの急な下り。足はもうガタガタ。とてもnucchiについて行けない。ここで転んでも仕方ないので、ゆっくり歩く。ヨチヨチ歩きだ。最後は懐中電灯を灯してテント場に到着。
《百間洞―赤石岳》3時間3分(計画は3時間)
実は下りルートは福川沿いの廃道を辿る予定だったが、昨日の私の状態を見れば無理は禁物であり、赤石越え―小渋一般ルートで下ることにした。
赤石まで標高差700m・・・昨日の状態では思いやられるが、ゆっくり歩かせてもらったので、人並みには歩けた。食料などだいぶ軽くなったし。
頂上の避難小屋ではコーヒーを飲んだり、小屋番ご夫妻と話したり、ゆっくりした。
《赤石岳―広河原》3時間14分(計画は3.5時間)
nucchi氏のお気に入りの小赤石岳にも人がいっぱい、写真だけとって通過。大聖寺平からは静かな山に戻る。それでも5組・8人の方々とすれ違う。下りるごとに暑く感じてくる。
《広河原―湯折》2時間9分(計画は2時間)
炎天下の河原歩き。水量はひざ上くらいで問題なし。干からびる前に七釜橋を経て車にたどり着いた。
*6月に歩かれたletsさんのレコによれば「凄いですよ」「今までで一番ハードな山行き」「二度と歩きたくない」と書かれたのでどんなものかとワクワクして臨んだが、そのとおりだった上に体調不良でたいへんだった。
*でも2日経った今はたいへんな記憶も少し薄れてきた。お気楽なもんだ。だからこんな山行を続けていけるのだろう。
*都合で木樽山ー丸山が残っているので、また別ルートで行こうと相談している。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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○○のハイマツ・・・やっぱり、あそこでしたか・・
写真を見ながら思い出してしまいました。
真夏とあってヤブ・ハイマツも更に元気になってるように思いました・・
荷物背負って酷暑の中、お二人ともホントに、お疲れ様でした。
ご覧のとおりの有様で、お恥ずかしい次第。
えらく時間かかってしまいました。
こんなことでは、もう1箇所の〇〇・・・・どうしようかなぁと悩んでいます。・・・・兎のことです。(一泊の日程がつくれないし・・・・)
我ら変態Bear brothers
といったところでしょうか。
あっ。
yama−takeさま。
面識もないのに失礼しました。
いつも オチャメですね。
nucchiさんのコース取り 最適だということは私もこの目で見ております。
一家に一台 1パーティーに一台ですね。
ただ・・・。
後ろにつかれると
視野が狭いだとか こっちのが安全だ。とか小姑のようにうるさいです。
藪で音がしなくなったので
やっべ!!見失った!!
と思いきや うしろから「そっちの尾根じゃない」と背後霊のようなつぶやきも怖いです。
ワイルドなルートお疲れ様でした。
nucchiさま。
今回も・・・あいかわらずの
変態+超ド。ですね。
またいつかヤブ山でお会いできることを楽しみにしております。
夏も終わりに近づきましたね〜。
お二人ともお疲れ様でした!本当に大変だった様子がわかります
yama-takeさんが60〜80mくらいのコブで1休するほどだったんだから
本当に体調悪くバテバテだったんだ
でも二日もしたら記録も薄れた・・・わかるような気が
nucchiさんはいつものように飄々と歩いてたんでしょうね
今回は念願のyama-takeさんとの大沢行き、助け合って、苦労しただけに
一生残る記憶の山行きになったみたいで、良かったですね
何度も下見をしたし、登ったし!実は真面目なその態度には頭が下がります
行きたいと思うコースや山は険しそうだったり、登れるかわからなかったり・・
そんな山に行かれたお二人に拍手と共に、体力・スキルをうらやましく思い
ワタシも、もっと頑張らなきゃ。。とお盆の空にガッツ
letsさん、こんにちは。
6月のレコ、大変参考になり、ありがとうございました。
実は私も地団駄踏んでいた一人です
稜線は水がないので、残雪が残っている時期の方が適期なのかもしれません。
yama-takeさん
兎、勤務を終えてそのまま北又渡へ。
深夜に歩いて又はチャリで易老渡まで行って日帰り。
いかがでしょう?
隠れyama-takeファンのusajunさん
かわいいでしょ、ボス
ヤブコギして血を流しながらの笑顔、ぜひ実際に見て欲しいです。
だってusajunさんは、時間に追われているためか真っ直ぐしか見ないんだもん。
きっと性格が素直なんでしょうね
夏眠から覚める季節が迫ってきましたね。
kokuzooさん
あれ?ボスへの厳しい叱咤がないのですが
さすがのkokuzooさんも恵那山ではヒーヒーだったし
ちょっとしたコンディションで難しくなりますね。
実は真面目・・・「実は」は心外ですけど
前茶臼山から丸山まで、ぜひご一緒しましょう。
たぶんyama-takeさんは木樽山か前茶へ小渋川から直登しようと・・・
yama-takeさん、相変わらずのワイルドファイターぶり、恐れ入りました。
バテバテとおっしゃりながら大沢岳の藪こぎもこなしてしまうのは流石としか言いようがありません。
と、丸山の山頂標識に手を加えていただいたこと、ありがとうございます。
私はと言えば、訳あって最近はもっぱらポピュラーコースに入り浸っているので、「へ○タイ」の称号は返上しなくてはいけないなと思っている今日この頃です。
でもご覧のとおり、苦しかったのです。
hide227さんの記録見返して、のどを潤した沢水は、事前情報があったのかしら、探しに行ったとしたら凄いな、と感じました。
また面白いコースをご紹介ください。
yama-takeさん、 nucchiさん はじめまして・・ と云うべきか、こんばんわです。 皆さんやkokuzooさんのレコ、いつも感心して ---そのマネのできないタフさとどMぶりに---拝見しています。
人跡未踏・・・・・良い響きですが、たいていの尾根は誰かが歩いているのでしょうね。
たまに変なところに迷い込んだ時に、「ここに来た人間は初めてじゃないかなぁ」とニヤリとする。そんな時はピンチなのですけどネ。
ついに悲願達成です。
途中でボスに「もうこんな山行は引退するかも…」と、つぶやいてしまいました。燃え尽き症候群ってやつでしょうか。
今までの無謀な!?山行の数々は、全てこの日のためと言っても過言ではありません。
しばらくは一般ルートをのんびりテント泊かな~とか思っていますが…
やはり兎へ立俣山、笠松山からの登頂はいつか行きたいです。もちろん藪真っ盛りの季節に
ijikemusiさんも若かりし頃は、相当なアドベンチャーコースを楽しまれたとお見受けいたします。いつか南アルプスの静かな尾根でお会いするかもしれませんね
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