槍ヶ岳・飛騨沢ルート(1泊2日)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 28.9km
- 登り
- 2,198m
- 下り
- 2,192m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:00
- 山行
- 12:26
- 休憩
- 2:12
- 合計
- 14:38
天候 | 11/01(月)→はれ/くもり 11/02(火)→はれ/くもり |
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過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■アクセス→長野自動車道松本IC〜車で約100分。 ■駐車台数→普通車215台(上・中・下段あり) ■トイレ→なし(仮設トイレ→撤去済み) ■水場→なし。 ■登山ポスト→なし。 ■24時間利用→可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 登山ポストは新穂高登山指導センターと新穂高ロープウェイゲートの2ヶ所にあり、どちらも登山計画書の用紙と筆記用具が設置されています。 下山時には、下山届の提出が必要です。 ■水場 飛騨沢ルートでは、槍平小屋と大喰沢と最終水場の3ヶ所に水場が地図ではあります。 日帰りでも2Lあれば問題なく、補給しながら登れば水汲みには困りません。 また3ヶ所の水場は新穂高登山指導センターから10km以上先にあり、今後の最終水場は雪で埋まるか凍結寸前です。 飛騨沢ルートの登山道沿いには右俣谷と飛騨沢があるので地図にない水場が多く(写真添付)あり、穂高平小屋前には穂高牧場があり周辺の沢水は飲料不可ですが煮沸消毒すれば飲料可能と考えられます。 ■新穂高第3駐車場(登山者専用・無料・1,040m) 上記のアクセス欄を参照して下さい。 到着→11月01月(月)→02時10分でしたが、駐車場は上段に4台の駐車しかなくとても空いています。 また、駐車場内の仮設トイレは撤去されているので新穂高登山指導センターのトイレ(24時間可能・片道0.7km)を利用します。 ■新穂高登山指導センター(1,090m) 新穂高第3駐車場から約10分で新穂高登山指導センターに到着です。 トイレ(24時間可能)・自動販売機・公衆電話・登山ポスト(登山届・下山届)があります。 ■■新穂高ロープウェイゲート(1,126m) 新穂高登山指導センターから約15分で新穂高ロープウェイゲートに到着です。 新穂高第1(有料)駐車場の脇にあり、登山ポストがあります。 ■小鍋谷ゲート(1,275m) 新穂高ロープウェイゲートから約20分で小鍋谷ゲートに到着です。 河川工事の大型車両が通行しますが、一般車両は進入できません。 ■穂高平近道の入口(1,237m) 小鍋谷ゲートから約20分で穂高平近道の入口に到着です。 ペンキでペイントされた石が目印であり、標高差100m・距離1kmのトラバース道になります。 右俣林道の場合は、標高差100m・距離1.5kmになります。 ■右俣谷第4砂防堰堤(1,263m) 穂高平近道の入口から約10分で右俣谷第4砂防堰堤に到着です。 小鍋谷ゲート〜右俣谷第4砂防堰堤の約1.6km区間は、大型車両の通行(平日08時〜17時)があり、右俣林道はガードレールが無いので沢への転落に注意が必要です。 工事期間→1つ目→2021年03/24(水)〜12/15(水) 2つ目→2021年06/22(火)〜12/28(火) ■穂高平小屋(1,320m) 右俣谷第4砂防堰堤から約20分で穂高平小屋に到着です。 すでに営業は終了していますが、冬季避難小屋として開放されていています。 公衆電話がありますが、使用できるか未確認です。 屋外にトイレがあり(小便器3台・大便器2台(紙なし・汲み取り式)、トイレ料金は大便200円・小便100円です。 穂高平小屋前には穂高牧場があり、柵の中を通過して西穂高岳西尾根に向かいます。 ■■柳谷の崩落地(1,424m) 穂高平小屋から約30分で柳谷の崩落地に到着です。 ここは通年落石があり、降雨や地震直後の通行には特に注意が必要です。 ■ネボリ谷(1,494m) 柳谷の崩落地から約20分でネボリ谷に到着です。 右俣林道で唯一ガードレールがあり、積雪期には雪で埋まります。 ■奥穂高岳登山口(1,537m) ネボリ谷から約10分で奥穂高岳登山口に到着です。 2年前の地震で岩切道が崩落して通行禁止です。 ■白出沢出合(1,542m) 奥穂高岳登山口から約5分で白出沢出合に到着です。 ここで右俣林道(6.5km)の終点になり、対岸に渡り登山道へ向かいます。 当日は涸れ沢で対岸へ100m渡りましたが、降雨や梅雨では増水して渡渉困難になります。 手前の白出沢出合は広く、幕営敵地になります。 また、積雪期には雪崩に注意が必要です。 ■涸沢岳西尾根の取付き(1,554m) 白出沢出合から約15分で涸沢岳西尾根の取付きに到着です。 トウヒの巨木が目印になり、明確な踏み跡があります。 白出沢出合から3本の巨木の倒木があり通行困難です(全て未整備・写真添付) 白出沢出合〜滝谷の区間は倒木エリアで注意が必要です。 ■■切り株ベンチ(1,551m) 涸沢岳西尾根取付きから約25分で切り株ベンチに到着です。 5つの切り株ベンチがあり休憩できますが、周囲には倒木が目立つので長居は禁物です。 ■ブドウ谷(1,649m) 登りでは見過ごして通過したので、下山時に確認しました。 ■緊急避難場(1,645m) 切り株ベンチから約35分で緊急避難場に到着です。 大人3〜4人が入れる岩小屋のビバーク適地になり、2年前の積雪期(積雪量140cm)でも埋まらず利用できました。 キジ内(花摘み)禁止→トイレ禁止の意味。 ■チビ谷(1,658m) 緊急避難場から約5分でチビ谷に到着です。 当日は涸れ沢で対岸へ50m渡りましたが、降雨や梅雨では増水して渡渉困難になります(参考写真を添付) また、積雪期には雪崩に注意が必要です。 ■■滝谷の迂回路(1,720m) チビ谷から約25分で滝谷の迂回路に到着です。 一昨年と去年の地震で大規模な落石があり、沢へ下り滝谷避難小屋へ向かいます。 距離300mの迂回路は倒木とガレ場と浮き石の悪路ですが、目印が豊富にあり道迷いはありません。 しかし、崩落地の上部には多くの岩が堆積しているので降雨や悪天候時の通行には特に注意が必要です。 落石の状況が分かる参考写真を添付します。 ■滝谷避難小屋(1,750m) 滝谷の迂回路から約15分で滝谷避難小屋に到着です。 定員6名、トイレ(大便器・紙なし・汲み取り式)と2つの寝袋がある狭い避難小屋です。 ここはクライマーの遺体の仮置き場として利用されるので宿泊する登山者は非常に少ないです。 滝谷避難小屋は滝谷の迂回路と300mしか離れておらず落石が小屋を直撃する可能性があり、近い将来に滝谷避難小屋が消滅するかもしれません。 落石の状況が分かる空撮の参考写真を添付します。 ■■滝谷の渡渉地点(1,767m) 滝谷避難小屋から約4分で滝谷の渡渉地点に到着です。 長さ5mの一本橋が設置されていますが凍結・霜・雨・増水で転倒しないように注意が必要です。 当日は、登山1週間前に雨がなく水量が少なかったので一本橋の上下流で飛び石で渡渉ができます。 槍平小屋の営業中は、ライブカメラが設置されるので渡渉の判断ができます。 300m下流の滝谷の迂回路に流失した一本橋が横たわっています。 当日は一本橋で対岸へ100m渡りましたが、降雨や梅雨では増水して渡渉困難になります(参考写真を添付) また、積雪期には雪崩に注意が必要です。 ■藤木レリーフ(1,766m) 滝谷の渡渉地点から約5分で藤木レリーフに到着です。 レリーフの前には沢があり、水場として利用ができます。 藤木九三は登山家でロッククライミング・クラブの創設者です。 ヤマレコでは標高1,909mと明記されていますが、滝谷避難小屋の対岸にあり正しくは1,766mです。 ■南沢(1,894m) 藤木レリーフから約40分で南沢に到着です。 滝谷〜南沢はほぼ水平の岩切道になり、巨大で新しい落石は苔がなく浮き石が多いです。 滝谷の迂回路の次に、落石が多いエリアです。 当日は涸れ沢で対岸へ50m渡りましたが、降雨や梅雨では増水して渡渉困難になります(参考写真を添付) また、積雪期には雪崩に注意が必要です。 ■槍平小屋(1,985m) 南沢から約30分で槍平小屋に到着です。 槍平小屋の300m手前から木道が現れます。 すでに営業を終了していますが、冬季避難小屋が開放されているので利用させてもらいます。 冬季避難小屋は2階部分になり、二重扉(外扉→鉄製、内扉→木製)になりどちらもそれなりに重い扉です。 二重扉を閉めるとスマホが圏外です(機種による) 出入り口は狭くて、大人はザックを担いで入れません。外扉を頭や背中で支えるとカラビナで留めやすいです。 内部はソロテント6〜7張り、暗いですが出入り口の上部に採光窓があり換気もできます。 冬季避難小屋の裏にトイレ(小便器・大便器・紙あり・汲み取り式)と水場があります。 キャンプ指定地から飛騨沢を対岸へ渡ると奥丸山へ向かいます。 積雪期には、冬季避難小屋の階段〜外扉が雪で埋まります。 槍平小屋の冬季閉鎖期間は、2021年10/11(日)〜2022年07/10(日)です。 ■中の沢(2,162m) 槍平小屋から約45分で中の沢に到着です。 当日は涸れ沢で対岸へ50m渡りましたが、降雨や梅雨では注意が必要です。 また夜間歩行では岩場の踏み跡が不鮮明で迷いやすく、積雪期には雪崩に注意が必要です。 ■■大喰沢の水場(2,231m) 中の沢から約20分で大喰沢の水場に到着です。 地図では2つ目の水場になり、50m上流の最終水場より水が多いのでここで補充すると安心です。 大喰沢の水場〜最終水場の登山道には沢水が流れているので、凍結による転倒に注意が必要です。 ■最終水場(2,242m) 槍平小屋から約分で最終水場に到着です。 飛騨沢カール下部の標高2,434mから20cmの積雪があり、これから水が少ない最終水場は雪で埋まるか凍結寸前です。 ■千丈沢乗越分岐(2,550m) 最終水場から約70分で千丈沢乗越分岐に到着です。 飛騨沢カール下部の標高2,434mから雪が繋がるので、千丈沢乗越分岐で12本爪アイゼンとピッケルを装備します。 飛騨沢カールの状況は、2,600〜2,700mの積雪量→20〜30cmの草岩雪のMix帯、2,700〜2,800mの積雪量→40〜60cmの岩雪氷のMix帯(ラッセルと踏み抜き有り)雪崩1ヶ所。 2,800〜2,900mの積雪量→30〜50cmの岩雪氷のMix帯(踏み抜き有り)雪崩2ヶ所。 2,900〜3,000mの積雪量→20〜40cmの岩雪のMix帯。 千丈沢乗越分岐の道標を中央にして、左側(西鎌尾根側)は雪が少なく、右側(大喰岳側)は雪が多いです。 飛騨沢カールで確認できた雪崩跡は3つ(全て2,700〜2,800m区間・写真添付)あり、槍ヶ岳山荘直下の岩場のルンゼと大喰岳西尾根の北斜面です。 更に今後降雪がある場合は、千丈沢乗越〜西鎌尾根の稜線を登れば雪は風で飛ばされてラッセルは最小限で槍ヶ岳に登頂できます。 2,800mを越えると背後には西鎌尾根が見え始めます。 飛騨沢カールには千丈沢乗越〜西鎌尾根ルート、飛騨沢ルート(夏道で大喰岳寄りに飛騨乗越)、直登ルート(2,800m〜槍ヶ岳の肩の岩峰)の3ルートが確認できます。 ■飛騨乗越(3,010m) 千丈沢乗越分岐から約120分で飛騨乗越に到着です。 飛騨乗越に立つとやっと槍ヶ岳が見えます。 飛騨沢カールは陽が当たらず(日の出は東鎌尾根の背後から昇る)、しばらく大喰岳西尾根に隠れて寒い場所です。 今後、積雪が増えて氷化して滑落した場合は最大600m滑り落ちるので注意が必要です。 大喰岳へ登る登山が2名いましたが、岩雪氷のMix帯で雪付きが微妙で、大喰岳北斜面は多くの岩が露出しているので大変危険です(写真添付) 飛騨乗越から槍沢下部の殺傷ヒュッテまでは下降できそうです。 飛騨乗越は、日本最高所の峠になります。 ■槍ヶ岳山荘(3,080m) 飛騨乗越から約25分で槍ヶ岳山荘です。 槍ヶ岳山荘のテント場を越えると槍ヶ岳山荘に到着です。 営業→11/03(水)、小屋番の下山→11/05(金)、冬季避難小屋の解放→11/06(土)からです。 ■槍ヶ岳(3,180m) 槍ヶ岳山荘から約分で槍ヶ岳に到着です。 登山の1週間前から降雪がなく取付き(3,108m)と小谷槍の下降点(登り専用路・第1はしごの下部)に20cmの積雪があり、岩雪氷のMix帯で非常に危険です。 細かい詳細は、写真で時系列に掲載しています。 もちろん、槍ヶ岳山頂を独占できました。 ■■マークの呼称は勝手に命名しています。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ★その他の注意点 新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳ルートは標高差→約2,140m、距離→往復30km、コースタイム→16時間45分になりますが日帰りが可能です(好天時の場合・山滑走を除く) 公共交通機関を利用する場合は、小屋泊が無難です。 核心部と呼べる危険な場所がいくつかあり、写真で時系列に掲載しています。 日帰りで登頂するには天候・体調・軽装備・気力・長距離を歩ける体力が必要です。 ★飛騨沢ルートについて 右俣林道が白出沢出合まで6.5km、登山道が7.9kmある長大な飛騨沢ルートは槍ヶ岳への最短ルートになり、飛騨沢ルートは往復30km、槍沢ルートは往復40kmあります。 積雪期には2m以上の以上の積雪があり、沢や谷が多くあるので雪崩に注意が必要です。 また、白出沢出合〜南沢の区間は落石と倒木が多いエリアです。 ★地震の影響について これから積雪期を迎えると雪崩や滑落が怖いですが、地震による落石も怖いルートです。 一昨年や昨年の地震で滝谷エリアでは落石・倒木や登山道の崩落が目立ちます。 直近では09/19(日)の17時18分頃に岐阜県飛騨地方を震源とする震度4の地震が北アルプスで発生しました。 更に10/07(木)の22時41分に埼玉県南部を震源とする震度5強の地震があり長野県全域では震度3、岐阜県高山市では震度1を観測しました。 特に今回の山行では白出沢出合〜滝谷〜南沢の3.5km区間の登山道はひどく荒れています。 白出沢・ブドウ谷・チビ谷・滝谷・南沢があり悪天時の渡渉や積雪期の雪崩や落石に注意が必要です。 何より落石も倒木も巨大で、苔のない新しい落石が多く浮き石で動いて危ないので全行程でヘルメットの着用を強く勧めます。 地震直後や降雨直後の登山は特に注意が必要になり、自信のない人は登山計画の見直しや中止を検討して下さい。 ★山小屋の営業について 〜筌岳山荘→04/27(火)〜11/03(水) ∩篳疹屋→07/01(木)〜10/10(日) J羚睚疹屋→07月中旬〜10月下旬 ぢ戝避難小屋→通年、無人の避難小屋。 銑は夏季営業を終了していますが、冬季避難小屋が利用できます。 営業中は事前に山小屋の営業期間・予約・登山ルートの安全・水の販売(宿泊者以外に販売しない小屋あり)を確認しましょう。 ★天候や服装について 全国では、8月に長雨と台風で国道・林道・登山道の崩落が発生しました。 10月まで台風が発生するので天候・登山口までのルート・登山ルートに注意が必要です。 同時に大雨注意報・雷注意報・土砂災害警報にも注意が必要です。 11/08(月)〜11(木)まで降雪予報なので冬山装備が必要になり、白出沢出合〜槍平小屋まで雪が積もった熊笹とハイマツ帯の藪漕ぎがあるので防水・防寒対策をしてザックカバー・ゲイターがあると快適です。 当日は気温-6℃〜9℃あり、稜線は-4℃でした。 今回は風が弱くて登頂ができました(千丈沢乗越分岐〜⇆槍ヶ岳山荘は風速3〜5m、山頂は風速10m) 飛騨沢ルートの登山道は穂高連峰と中崎尾根に挟まれた深いV字谷にあるので、日の出が遅く日の入りが早くとても暗く寒いです。 下山時の16時50分には、再びヘッドランプを利用しました。 山では冬山に移行しているので装備や服装に注意しましょう。 ★マーキングについて 無雪期には道標が多くありますが、積雪期には全てが雪に埋まりルートファインディング能力が必要です。 沢や谷の岩場にある白いペンキマークは、雪が積もると見失いやすく注意が必要です。 飛騨沢カールでは千丈沢乗越分岐〜飛騨乗越まで夏道沿いに赤旗がありますが、あと30cmの降雪があると全ての赤旗は雪で埋まります。 ★アクシデントについて 今回の山行では、下山時の白出沢出合の手前で倒木を跨いで乗り上げた衝撃で引っかかっていた倒木が倒れました。 濡れた倒木の上で20kgのザックを担いで下敷きにならず避けられましたが、倒木の枝がザックに引っかかり1mの高さから転落しました。 運良く細い枝の束の上に転落したので怪我はありませんでした。 落し物や怪我の有無を確認して歩き出した時に、ザックの肩紐が腰の部分から千切れました。 日没直前で右俣林道は残り6.5km残っています。 慌てると被害が拡大するので、ヘッドランプを点けて行動食を食べて状況を確認します。 明かりと食べ物は、落ち着きを取り戻せます。 平ゴムとカラビナで応急処置をして、胸と腰ベルトをきつく締めて下山しました。 単独行なので、様々なトラブルに知恵と道具と経験で対処しなければなりません。 下山中は面倒がらず20kgのザックを倒木の下から渡す、倒木を跨がず山側から巻くなど安全に対応できたと自問自答を繰り返しました。 また、冬山のフル装備でザック(55+10L)は修理を繰り返しながら使用していて、前日に42Lのザックから変更しました。道具の点検が足りないのも問題点です。 当初は飛騨沢ルート日帰りを予定していましたが、決行していた場合は敗退濃厚でした。 更に槍ヶ岳登頂後に大喰岳〜中岳〜南岳を周回して南岳新道で槍平小屋に下山する計画でしたが、未踏の南岳新道に不安がありました。 槍ヶ岳山荘の情報では懸念していた場所が通行困難であり、南岳カールのトラバースも不安がありました。 単独行は自分の能力を最大限に発揮できるので、登山形態が単独行にたどり着きました。 怪我や事故も独りで対応しなければならず、多くの時間を準備に費やします。 冬季は重い荷物・寒さ・痛み・空腹・暗闇・孤独・ラッセルとネガティブな思考に支配されますが、その先には想像を超える景色が待っています。 登山では滑落・雪崩・落石に遭遇して熊にも対面しました。山の中には危険がいっぱいあります。 登山の三種の神器の知識・技術・経験を高めて、安全に登山を続けます。 ★新穂高第3駐車場まで国道158号線と国道471号線の自動車の運転は、動物の飛び出しや落石が多いので注意が必要です。 また大雨による林道の崩落・通行止め・雨量規制・台風に特に注意しましょう。 ★新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳では、スマートフォンの電波がほとんど入りました。(時期・天候・機種による) 寒さや高所の影響でバッテリーの消耗がとても早いので、予備のモバイルバッテリーが必要です。 07時43分に飛騨沢カールの2,836m地点(気温-5℃・風速3〜5m・日の出なし)でスマホの充電残量70%がわずか10分で1%になり、体温で10分温めたら80%に戻りました。 またハイドレーションの飲み口とホースが凍結して給水が出来ず、09時13分に槍ヶ岳の取付き(気温-4℃・風速3〜5m・日の出あり)まで解凍しませんでした。 ★新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳では飛騨沢ルート日帰りの2人、槍ヶ岳山荘〜南岳ピストン2人の合計4人の登山者とすれ違いました。 飛騨沢ルートは往復30kmと長く、日照時間が短くなり日帰りでは装備と服装が重要です。 特に単独登山者の場合はセルフレスキューとルートファインディング能力が必要になり、ツェルトと地図とヘッドランプの携帯が必須です。 ★ヘルメットは新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳の全区間で使用しました。 12本爪アイゼンは千丈沢乗越分岐〜槍ヶ岳まで往復で使用しました。 ピッケルは千丈沢乗越分岐〜槍ヶ岳山荘まで往復で使用しました。 ストックは登りで新穂高第3駐車場〜槍平小屋まで、下りでは使用しませんでした。 ヘッドランプは2日目登り→槍平冬季避難小屋〜飛騨沢カール下部(05時56分・2,434m)、2日目下り→白出沢出合(16時50分・1,542m)〜新穂高第3駐車場まで使用しました。 わかんとサングラスは携帯しましたが、全行程で使用しませんでした。 ★登山ではスマートフォンなど電子機器に頼りすぎてはいけません。バッテリーのリチウムイオン電池は暑さや寒さに弱く、すぐに使えなくなります。 電池切れ・故障・紛失を想定してアナログ機器も併用して使えるようにしましょう。 地図・コンパス・ルート・分岐点など登山計画書の作成時点から覚えて緊急事態に備え、登山記録を残して次の登山に活かしましょう。 登山では技術・知識・経験が全く通用しない場面に直面します。 ★積雪期でも先行者の踏み跡があるからといって100%安心しないで下さい。その踏み跡が正解とは限りません。 また、初冬になりほぼ紅葉が終わり落ち葉で登山道や踏み跡が隠れて道迷いしやすい状況です。 沢や谷が雪で埋まり、ショートカットや直登直下などで踏み跡がいくつもあり迷う事があります。 ピンクテープや赤旗を目印にして、道に迷ったら分かる所まで戻るのが鉄則です。 ★標高・気温・天候・風速・積雪量・写真撮影・ルート工作・危険箇所の確認をしながら登るので、コースタイムより遅くなります。 登山ルートや歩行時間は参考程度にして下さい。 ★コロナ禍なので、登山の前後には店舗に原則立ち寄らず、食事もテイクアウトや車内で済ませ、限りなく人との接触を避けましょう。 マスク・除菌シート・除菌スプレーを携帯して、健康第一に努めましょう。 ★登山の出発前に、車のルームライトや灯火類の消し忘れによるバッテリー上がりに注意が必要です。 また、登山で車の鍵の紛失や落し物は致命傷になり探し出すのは極めて困難です。 こまめに落し物やジッパーの開閉を確認しましょう。 ★登山では、食事(行動食)・水作り(水汲み)・トイレ・着替え・装備の着脱など面倒で後回しになりがちです。 これらは早めに済ませて落石・滑落・雪崩など危険回避に神経を使いましょう。 ★コロナ禍で多くの山小屋が閉鎖しています。 登頂できても山バッジの購入ができず困りますが、槍ヶ岳山荘では山バッジ(全19種・500円)が販売しています(写真添付) ★積雪期の新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳ルートでは、新穂高登山指導センターのトイレ(無料・24h可能)、新穂高温泉駅(無料)、穂高平小屋(有料)、滝谷避難小屋(無料)、槍平小屋(無料)、槍ヶ岳山荘(有料)の6つのトイレがあります。 積雪期には、登山ルートに原則トイレはないので必ず紙おむつ・携帯トイレを持参しましょう。 ★緊急時の連絡先 〜難の場合→高山警察署→0577-32-0110(代表) →大町警察署→0261-22-0110(代表) A筌岳山荘(営業04/27〜11/03)→090-2641-1911 ち篳疹屋(営業07/01〜11/10)→090-8863-3021 タ景羚眦仍鎧愼灰札鵐拭滋0578-89-3610 ★積雪は少ないですが、強い紫外線を浴びて重度の日焼けや、紫外線の照り返しで視力低下(雪目)による怪我や事故に注意が必要です。 日焼け止めクリーム・リップクリーム・サングラスがあると便利です。 ★新穂高第3駐車場→09時00分に気温5℃、槍ヶ岳→09時42分に気温-4℃、千丈沢乗越分岐→06時21分に最低気温-6℃、新穂高第3駐車場で18時43分に気温5℃です。 気温の温度差が大きく紫外線が強く、体調管理や服装選びが難しくなります。 当日の日の出→06時02分、ご来光→08時17分、日の入り→17時03分と活動時間は短くなり、日の出と日の入り1時間前にはヘッドライトが必要です。 ★白出沢出合〜南沢の区間では落石が発生します。 単独行なので鳥の鳴き声・荒い呼吸・落石の音しか聞こえません。 落石を発見した場合は、後続の登山者に恥ずかしがらず大声で「ラーク」と知らせてあげましょう。 ★今回の山行の危険箇所 ゝ靆擇療殘擶曚(1,551m) 白出沢・チビ谷・滝谷・南沢の渡渉と雪崩 G鮟仟出合〜南沢の落石と倒木 ぢ戝の一本橋の渡渉地点(1,767m) ト騨沢カールの雪崩と滑落 α筌岳の階段と鎖場の登下降 ★今回の山行は、槍平冬季避難小屋と積雪期の飛騨沢ルートの下見を兼ねて日テント泊で新穂高第3駐車場〜槍ヶ岳を目指します。 2年前の積雪期にチビ谷で雪崩に遭遇して敗退した苦い 場所です。 今の実力では積雪期に槍ヶ岳山頂に立つ姿が想像出来ませんが、数ヶ月後には飛騨沢カールで深いラッセルに挑戦したいと思います。 ★新穂高第3駐車場の10km圏内はガソリンスタンドやコンビニがなく、とても不便なエリアです。 しかも、場所によって車中泊の禁止や火気厳禁など禁止事項がありますので注意が必要です。 長く細かい説明になりましたが『安全第一』で槍ヶ岳を楽しんでください。 |
その他周辺情報 | ■深山荘 ■営業時間→(露天風呂)09:00〜21:00 →(内風呂)12:00〜15:00 ■休館日→不定休(要確認) ■料金→(露天風呂)大人500円、小人300円。 →(内風呂)大人700円、小人500円。 ■マスクの着用義務あり。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
ピッケル
12本爪アイゼン
ゲイター
120cmスリング2本
サングラス
ツェルト
ハードシェル(上下)
ミドルシェル
温度計
ホットコーヒー0.5L
三脚
日焼け止めクリーム
リップクリーム
モバイルバッテリー10
000mAh2ケ
手ぬぐい
ラジオ
乾電池
ワイヤー
防犯ブザー
風速計
インナーグローブ
ザックカバー
テムレス
バラクラバ
帽子
タイツ
冬用靴下
長袖シャツ
長ズボン
インナーシャツ
手袋(予備)
ちり紙
携帯トイレ
腕時計
ヘッドランプ2ケ
塩あめ5ケ
ヘルメット
常備薬
コンパス
熊鈴
地図
登山計画書(控)
干し芋80g2ケ
ドライフルーツ50g
ゼリー飲料4ケ
チョコバー4ケ
ソーセージ(小)2本
粉末アミノ酸4本
スマートフォン2台
ザック(55+10L)
ガス缶
コッヘル一式
ガスコンロ
わりばし
ライター
鍋敷き
ソロテント
ペグ
竹ペグ4本
シュラフカバー
エアマット
ダウンパンツ
ハイドレーション(水1L)
テントシート
テントシューズ
着替え(靴下・長袖シャツ・下着)
筆記用具
ごみ袋
腰コルセット
マスク
現金
LEDライト
靴ブラシ
カイロ3枚
赤旗(120cm×9本)
カップ麺
わかん
アタックザック
アルファ米2食分
カレー&牛丼の素
ハンバーグ100g2ケ
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感想
【2021年/槍ヶ岳・飛騨沢ルート(1泊2日)】
■2021年10月31日(日) はれ
実家 23:25 5℃ 1,000m
新穂高第3駐車場 02:10 4℃ 1,040m
消灯 02:50〜08:00
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■2021年11月01日(月) はれ/くもり
※槍ヶ岳・飛騨沢ルート 登り
起床 08:00 ℃ 1,040m はれ
着替え・朝食・荷作り 08:00〜09:00
新穂高第3駐車場 09:00 5℃ 1,040m
新穂高登山指導センター 09:08 8℃ 1,090m
小鍋谷ゲート 09:44 12℃ 1,275m
穂高平小屋 10:31 9℃ 1,320m
奥穂高岳登山口 11:33 8℃ 1,537m
白出沢出合 11:39 8℃ 1,542m
チビ沢 12:54 7℃ 1,658m
滝谷避難小屋 13:32 6℃ 1,750m くもり
藤木レリーフ 13:51 6℃ 1,766m
南沢 14:32 5℃ 1,894m
槍平小屋 15:00 5℃ 1,985m
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■2021年11月01日(月) くもり
※槍平冬季避難小屋
トイレ・水場の確認 15:00〜15:10
冬季避難小屋の確認 15:10〜15:24
テント設営 15:24〜15:40 2℃
荷作り 15:40〜15:50
水汲み(2回) 15:50〜16:00
昼食(広場) 16:00〜16:40
キャンプ指定地へ散歩 16:40〜16:50
冬季避難小屋へ戻る 16:50〜17:00
自由時間 17:00〜19:45 外4℃ 内7℃
荷作り(アタックザック) 19:45〜20:30
夕食 20:30〜21:15 外0℃ 内1℃
自由時間 21:15〜21:45
消灯 21:45〜翌03:00 外0℃ 内1℃
※外→小屋外の気温、内→小屋内の気温(テント
内は除く)
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■2021年11月02日(火) はれ
※槍ヶ岳・飛騨沢ルート 登り/下り
起床 03:00 外-3℃ 内0℃
朝食 03:00〜03:40
槍平小屋 04:05 -5℃ 1,985m
最終水場 05:14 -4℃ 2,242m
千丈沢乗越分岐 06:21〜31 -6℃ 2,550m
飛騨乗越 08:32 -4℃ 3,010m
槍ヶ岳山荘 08:58 -4℃ 3,080m
槍ヶ岳 09:42〜10:00 -4℃ 3,180m
槍ヶ岳山荘 10:29〜48 -2℃ 3,080m 下り
飛騨乗越 11:01 -2℃ 3,010m
千丈沢乗越分岐 11:45〜50 0℃ 2,550m
最終水場 12:26 5℃ 2,242m
槍平小屋 13:10 5℃ 1,985m くもり
着替え 13:10〜13:20
テント撤収・荷作り 13:20〜14:30 5℃
槍平小屋 14:30 5℃ 1,985m
南沢 14:47 3℃ 1,894m
藤木レリーフ 15:17 2℃ 1,766m
滝谷避難小屋 15:23 3℃ 1,750m
チビ谷 15:48 4℃ 1,658m
緊急避難場 15:50 3℃ 1,645m
ブドウ谷 15:56 ℃ 1,649m
切り株ベンチ 16:18 3℃ 1,551m
涸沢岳西尾根取付き 16:40 3℃ 1,554m
白出沢出合 16:52 3℃ 1,542m
奥穂高岳登山口 16:55 3℃ 1,537m
ネボリ谷 17:02 3℃ 1,510m
柳谷 17:15 3℃ 1,424m
穂高平小屋 17:32 3℃ 1,320m
右俣谷第4砂防堰堤 17:49 3℃ 1,263m
穂高平近道(入口) 17:56 3℃ 1,237m
小鍋谷ゲート 18:07 3℃ 1,275m
新穂高ロープウェイゲート 18:21 4℃ 1,126m
新穂高登山指導センター 18:26 5℃ 1,090m
新穂高第3駐車場 18:43 5℃ 1,040m
着替え 18:43〜18:50 5℃
実家 18:50〜21:50 ℃ 1,000m
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■剱岳の敗退から2週間で、冬山へ突入。
直前まで剱岳と迷ったが、槍ヶ岳を目指す。
今回は、最短距離の飛騨沢ルートを選択。
それでも距離30km・標高差2,140m。
2年前にチビ沢で雪崩に遭った苦い場所。
直近の飛騨沢は、40〜60cmのラッセル。
山頂を目指して、冬山のフル装備で挑戦。
20kg装備と重いが、槍平小屋まで耐える。
2日目は、4kgの軽装備に切り替える。
暗闇・寒さ・痛み・空腹・重装備・ラッセル
帰りたい気持ちに徐々に支配され始める。
まずは日の出まで、その次は飛騨乗越まで、
槍ヶ岳山荘まで、とにかく山頂を目指す。
西鎌・東鎌・北鎌尾根に勇気をもらう。
初冬の槍ヶ岳の山頂をしばらく独占。
5年前は、槍ヶ岳の登下降で悪夢の2時間。
やはり、上高地より新穂高で正解。
安全に槍平小屋に戻り、ここからが本番。
テント撤収と大嫌いなパッキングを終えて
日没前に20kg装備を担ぎ10kmも歩く。
足のマメと靴擦れで、往復30kmは地獄。
残り6.5kmでザックの肩紐が切れる災難。
更に日没になり、本日2度目の夜間歩行。
落ち着き、冷静に対応して安全に下山完了。
満身創痍により、来週は全力で休みます。
実は、槍平小屋で帰りたかったのも本音。
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■体重→64.0kg 荷物→19.05kg
日の出→06:02 日の入り→17:04
移動距離→29.12km(片道→14.56km)
移動時間→18時間26分(合計)
(1日目→06時間00分、2日目→12時間26分)
休憩時間→02時間12分
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