快晴の剱岳、霧の立山三山
- GPS
- 16:19
- 距離
- 16.9km
- 登り
- 2,027m
- 下り
- 2,123m
コースタイム
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 6:13
- 山行
- 8:36
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 9:37
2日目も一服剱で宿泊、スタートしたこととなっていたが宿泊は剣山荘。
ルートは一部修正。また不正確な部分があるかもしれません
天候 | 16日午前霧・霧雨/午後曇り・一時晴れ 17日晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雨、霧・視界、風の有無によって難易度は大きく変わります。 今回私達が剱に登頂できたのは、雨と風がなく、暖かかったからだと思っています。 鎖と岩は濡れたら滑り危険です。雨なら撤退していました。 |
その他周辺情報 | アルプスの湯(上市町保健福祉総合センター内) 平日のせいか、夕方にもかかわらず人は少なかった。 設備は新しい。 |
予約できる山小屋 |
剣山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
ポール
サーモス
|
---|
感想
休みは前もってもらっていたのだが、どこに行くかは天候を見て決める予定だった。
立山に行こうと思い立ったのは、北の方が天気図的に大きな崩れがなさそうだったから。
どうせなら撤退覚悟で剱岳まで行くか。
去年7月の立山三山縦走計画の際は、大荒れで雷鳥沢ヒュッテに24時間停滞、のち縦走中止。せめて雄山まではと登ったものの、一の越にて強風撤退。雷鳥親子を見られたからよかったものの、登山的にはいまいちの結果だったのだ。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-321108.html
当日が近づくに従って、降水確率は低くなってく。立山は高気圧のへりっこにかかっている。いい感じだ。
一日目、立山ケーブルカー駅は曇り。雨なら剱はやめようと話しながら、6時に開くチケット売り場に並ぶ。見込んでいた高気圧には入っていないようだが、暑くもなく寒くもなく、風もない。JAF割りでチケットゲット、満員の始発のケーブルカーで美女平、スムーズに乗り換えてバスで室堂へ。室堂で登山届を出していざ出発。
しかし、室堂から一の越方面はガスの中。またガスか。
歩き始めると10分ほどで視界がなくなり、同時にぽつぽつと雨が降り出した。雲の中に入ったようだ。強くはならないが、カッパのジャケットとザックカバーをはおった。
カメラもザックへ、代わりに予備のコンデジを懐へいれ高度を上げる。
周囲は登山者と観光客が半々。あっという間に一の越へ到着。あれ?こんなに近かった?前回は雨風霧の中、ザックカバーをはためかしながらだったから遠く感じたのだろう。
続いて雄山方面へ。ここからはがれた岩を登っていく。ガスで視界がない中で延々登っていって、ついに雄山神社につく。神社で御朱印をもらう。¥500なり。
ついでに行動食のおにぎりと、サーモスからお湯を出し熱いカフェオレをつくる。
少々寒いくらいだったので、しっかりと食事でエネルギー補給。
この時が一番ガスが濃かったようだ。
大汝山、富士の折立、真砂岳、別山、いずれも山頂はパスし、巻いて先へ急ぐ。
真砂岳あたりからややガスが薄れてきて、西側には雷鳥沢のテン場が見え隠れしている。そのうち視界が開けてきて、しばらくは室堂まで見渡せる時間帯もあった。
稜線をガスが左(西)から右(東)へ、勢いよく吹き上がっていく様は圧巻だ。
別山から剱御前小屋までは、ガスがはれたら右手に剱沢、左に雷鳥沢とパノラマが広がって気持ちいい。あんまり晴れなかったけどね・・・。
剱御前小屋から中腹の登山道を通って剣山荘へ。稜線の東側のため、ガスがかかると薄暗い。雪渓を通過し、「剣山荘下へ、もうすぐ」の立て看板に従い、下へ。しかし意外に遠い。
山小屋が見えたらすぐ。到着。ふぅ、15時前につけたか。
剣山荘の中は明るい。チェックイン後、荷物の明日持っていくものをアタックザック(=同行者のザック)にまとめなおす。
夜間装備はふとんの頭もとにスタンバイ。シャワーを浴びて、そう、剣山荘にはシャワーがあるのだ!お湯で汗を流す。さっぱりした。気持ちいい。
屋内は12℃、外は8℃。ガスが右から左から行ったりきたり、白馬連峰はガスの合間から時々顔を出すのみ。
食事は17時。明日の弁当は18時ごろ渡してくれるらしい。飯食ってすぐにふとんに潜り込む。うつらうつらしていると、弁当が出来た、と放送が。弁当ゲットして速やかに就寝。
明日の出発は5時過ぎ予定。
時々目が覚めながら、4時に起床。食堂で弁当をたべる。食堂にはクノールのスープが。温かさがたまらなくうまい。スタッフにサーモスにお湯を入れてくれるように頼むが、朝が早すぎてまだ発電機が動いていないため、無理とのこと。仕方なく前日のお湯そのままで持っていくことになった。ま、ほどほど熱かったためコーヒーやスープ位ならOKだ。
さて、外はまだ薄暗い。私の体に合わないアタックザックはパンパンで、ベルトを締めると首と肩にベルトが食い込む。
まだ暗い中、目の前の一服剱へ向けて歩を進める。東側には朝焼けとともに鹿島槍が。
出発してすぐに明るくなり、ヘッドランプは無用のものとなる。一服剱でご来光を見られるか、しかし、まだエンジンのかかってない体が重い。急坂にめげそうになる。
手足を使ってよじ登り、一服剱山頂は、もういいかな、って思ってしまうくらい十分山頂感あふれるものだった。よじ登り、おずおず下る、これがいくつも続く。「駄目なら撤退」を合言葉に先に進むことにした。
一服剱を降りるとがれたコルを前剱に向かって歩く。下を見たら鳥が。ホシガラス。なにか丸い実らしきものをくわえていた。左右の見晴らしがよく、気温も上がってきてテンションが上がってくる。
順調に前剱、一息入れて行動食のどら焼きを食す。
上がっちゃ降りの繰り返し、しかしそれが楽しくなってくる。同行者も、晴れ、暖かい、無風とこんな良コンデョションはまずないと調子づいてきたようだ。
このあたりで、山頂まで行けそうかな、と思った。
前剱岳を降り、平蔵の頭の鎖場を越えるとカニのタテバイ。慎重に取りつく。スムーズにクリア。その先にはついに、山頂の祠が見えていた。
あぁ、ついにここまで来れたか。
山頂には結構人がいる。かわるがわる写真を撮り、撮ってもらいを繰り返す。
あれが槍で、あれが富士山で、室堂見えてる、などなどの会話が繰り返される。
祠に誰もいなくなった一瞬を狙い、われらが貧登フラッグを屋根に置き、記念撮影。
どら焼きとゼリーでエネルギー補給、下山にかかる。気を緩めず、慎重に、お互いに声をかけながら。
カニのヨコバイは足掛かりが見えない場所にありビビる。先行者のムーブを見ながら後続に声をかけ、お互いフォローしながらパス。梯子も高いがしっかりしているため、不安はない。前剱で剱岳に別れを告げ、一服剱目指して進む。このあたりから荷揚げ用のヘリがあちらこちらへと荷揚げを行うため、右へ左へ飛んで行っていた。青い空にヘリがかっこいい。
一服剱山頂で一休み、水とエネルギー補給後、眼下に見える剣山荘へと出発する。
剣山荘までは快晴で、高度を下げたため、暑く感じるくらいだった。
パッキングしなおし、防寒着やカッパはいらなさそうなので一番下に。
アタックザックから自分のザックに荷物を詰め込む。アタックザックより重いのに、背負った感じがしっくりくる。ザックはフィット感が大事。
ここからは登り。剱御前小屋目指して、昨日降りた道を登る。今まではよじ登るだった為か、単調な登りが辛い。しかも稜線の向こう側からはガスがおりてくる。ガスはめまぐるしく動き、覆ったり晴れたりが剱御前小屋まで続いた。丁字分岐からは中腹の道を緩やかに登る。雪渓を通過し、途中で登山道のど真ん中に熊の糞を見てひやりとした。昨日は無かった、確実に。思わず写真に撮ってしまった。(モノがモノだけにupはしていません)
剱御前小屋でしばし休憩。カフェオレを作り、フルーツグラノーラでエネルギー補給。
雷鳥沢を延々下る。一か月前の富士山を思い起こさせる。救いは立山三山の風景と一部紅葉した木々。下りきる直前には初めてわさびの花を見つけた。
くたくたになりながら降り切ったら、雷鳥沢のテン場からは登りになる。去年宿泊した雷鳥沢ヒュッテを右手に見ながら室堂を目指し登る。
目指す室堂の上空の雲の色は黒い。遅くなると天候が不安に思えてきた。休まず進む。
地獄谷の火山性でガスでむせながら、遊歩道に戻ってきた。やっとこさ山崎カール、ミクリガ池を経由し室堂ステーション前、立山玉殿の湧水に到着。冷たい名水は、うまい。疲れた体に染みわたる。
空のペットボトルに補充し、車までの水分補給とした。
振り返り、手を合わせる。ありがとう、立山三山、ありがとう、剱岳。
15時のバスで美女平へ、バスに乗ってしばらくしたらバスは雲の中へ。同時に雨も降ってきた。称名滝はガスで見えない。美女平では霧雨、15分ほど待ってケーブルカーで立山駅へ。
立山駅は曇り、温泉は近くの立山グリーンパーク吉峰、吉峰温泉を予定していた。
https://www.yoshimine.or.jp/relax/index.html
しかし、なんと駐車場入り口には無慈悲な臨時休業の看板が。
こんなことでは焦らない。私にはもう一つの選択肢がある。
アルプスの湯である。
http://www.town.kamiichi.toyama.jp/info/svFacHP.aspx?faccd=200316
こちらは営業していた。
平日だからか、人は少ない印象。中は広く、設備は新しい。
十分に疲れを癒すことができた。
前回行った温泉、ホテル森の風立山。日帰り入浴の時間帯に注意。
広くてたくさんの湯があって楽しかった。
http://www.morinokaze-tateyama.com/spa/index.html
今回の剱岳は、一服剱、又は前剱撤退を念頭に置いた山行だった。
登頂できたのは、
1.雨でなく、鎖・岩が滑らない状態だった
2.気温が温かく、冬用手袋も不要で、着ぶくれしなかった
3.風がなく、岩場で体を揺さぶられなかった
4.人が比較的少なく、渋滞がなく、リズムよく進めたため時間に余裕があった
といった良コンデョションが重なったためだった。
足場が悪い場所が多く、浮石も多い。岩を縦に登り、縦に降りる、という、
剱岳ならではの登山道は、雨が降れば、危険度は格段に上がる。
これが凍り始めると、私の想像を超える危険度となる。
また、長丁場となるため、帰りのバスの時間を考慮し、ペースを把握する必要がある。
何時にどこなら引き返すかを決めておき、時間がないから急いで山頂へ、ということがないよう計画したい。
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