新穂高〜折立(鷲羽〜水晶〜黒部五郎〜薬師)テン泊縦走
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- GPS
- --:--
- 距離
- 54.6km
- 登り
- 4,642m
- 下り
- 4,388m
コースタイム
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:59
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 10:40
- 山行
- 9:36
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 10:30
- 山行
- 7:42
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 9:20
天候 | 7/29 曇り時々晴れ 7/30 曇り時々雨一時晴れ 7/31〜8/1 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
【復路】富山地鉄バス(折立⇒富山)http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=741 北陸新幹線(富山⇒大宮) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【新穂高温泉〜小池新道登山口】林道歩き。基本的にブナ林の中だが、笠ヶ岳方面の稜線が時々見える。小池新道登山口手前に雪渓があるが、この時期は小規模になっているので通過に全く支障はなかった。 【小池新道登山口〜鏡平山荘】ここから本格的な登山道。小池新道登山口のすぐ上側に雪渓トラバースがあるが、この時期はアイゼンなくても問題なし。シシウドが原までは真後ろから日光に照らされ、とてもつらい登りだった。鏡池で視界が一気に開けるはずが、この日はガスで槍ヶ岳は拝めなかった。 【鏡平山荘〜弓折乗越】山荘付近の池塘を抜けて、弓折岳東面をトラバース気味に行くつらい登り。 【弓折乗越〜双六山荘】稜線沿いの快適なルート。途中に花見平や、くろゆりベンチのお花畑があり楽しめる。後半には正面に双六山荘と背後の鷲羽岳が見えてくる。 【双六山荘〜三俣山荘】この日は稜線コースを通った。小屋を出て急登にひと汗かくとなだらかな尾根となり、やがて双六岳に着く。双六岳〜三俣蓮華岳間は稜線沿いの快適なルート。三俣蓮華からガレ場を急降下して三俣峠で双六小屋からの巻道コースに合流した後は、ゆるやかに下降して正面に鷲羽岳を見ながら三俣山荘に着く。 【三俣山荘〜鷲羽岳】山荘から鷲羽岳山頂は見えているが、登ってみるとガレ場の急登でものすごく長く感じる。この日は横殴りの雨だった。 【鷲羽岳〜ワリモ北分岐】鷲羽岳からガレ場を急降下しワリモ岳を登り返す。さらに小ピークを一つ越えるとワリモ北分岐に到達する。ワリモ岳付近は岩場が多い。 【ワリモ北分岐〜水晶小屋】標高2841mピークの北面をトラバースし、ワリモ乗越を通って右側に周回するように緩やかな稜線を登る。小屋まであと10分の標識からやや急登となり、小ピークを左に巻くと水晶小屋に到着。 【水晶小屋〜水晶岳】小屋からしばらくは正面に水晶岳を眺めながらのハイキングルート。水晶岳に近づくと岩場の急登となり、ピークを3つほど越えてようやく水晶岳にたどりつく。 【ワリモ北分岐〜渡渉点】ワリモ北分岐で鷲羽岳方面と分かれ、ガレ場尾根を10分ほど下ると岩苔乗越。ここで雲ノ平方面と分かれ、黒部川源流沿いに渡渉点まで約1時間ほど下る。後半は雪渓が出現するが、この時期は左岸沿いの登山道に所々、薄くて乗れない雪渓が被さっており、通過に時間がかかる。 【渡渉点〜三俣山荘】渡渉点から先ほど下ってきた源流とは別の支流沿いに登る。最初はお花畑のある湿地帯、後半は玉石帯のやや急登で、テント場に出る。 【三俣山荘〜巻道合流点】昨日稜線を通ったので今日は巻道ルートを選択。沢沿いにしばらく登ると雪渓が出てくる。この時期アイゼンは必要ないと思うが、微妙な傾斜を登るのでストックで支えながらでないとすべりやすい(アイゼンがあると楽だと思う)。やがて台地上の尾根に出ると、前方に黒部五郎岳や薬師岳のすばらしい眺めが楽しめる。ここから三俣蓮華岳の北西面カール内を行く。最後にカール壁をトラバース気味に登るところに雪渓が少しだけ残っており、この時期は雪渓の下側を巻きながら通れるのでアイゼンは不要だが、もう少し早い時期にはアイゼンとストックは必須と思われる。 【巻道合流点〜黒部五郎小舎】合流点からは気持ちの良い稜線歩きとなるが、その後は黒部五郎小舎まで標高差200m以上の急降下。西向きのため日蔭で石が湿っておりすべりやすい。三俣方面から黒部五郎岳をピストンする場合には、かなりつらい登りと思われる。 【黒部五郎小舎〜黒部五郎岳】最初は小さな沢を何度か越えながら疎林内をゆるやかに登り、正面に黒部五郎岳が見え始めてからはカール底部の岩場をたどりカール北側の壁面に取付く。ここからは岩の多いつらい急登で、やっとの思いで五郎ノ肩にたどり着く。肩に荷物を置いてガレ場を15分ほど登ると、360度のすばらしい眺望が楽しめる黒部五郎岳山頂に着く。 【黒部五郎ノ肩〜中俣乗越】最初は標高差300m近くのガレ場急降下。反対方向の登りの人たちは喘ぎながら登っていた。その後は緩やかなピークを2つ越えて、お花畑の広がる中俣乗越に着く。この間も前方から右側にかけて薬師岳〜赤牛岳〜水晶岳などのすばらしい眺望が楽しめる。 【中俣乗越〜北ノ俣岳】最初はガレ場やハイマツ帯を標高差100mほど急登する。その後は稜線沿いのピークを何度か越えてようやく広い山頂の北ノ俣岳にたどり着く。赤木岳手前のピーク付近には巨岩帯があり通過にやや苦労するが、それ以外は比較的たおやかな稜線歩きである。ただアップダウンは疲労した足に応える。 【北ノ俣岳〜太郎平小屋】薬師岳や赤牛岳〜鷲羽岳を眺めながら緩やかに稜線を下るルートだが、距離が長く疲れる。北ノ俣岳北面の崩壊激しい沢地形部〜高層湿地にかけては尾瀬のような木道が延々と整備されており、頭が下がる。最後にこれも緩やかなピークである太郎山を越えるとようやく小屋に到着する。 【太郎平小屋〜薬師峠】小屋からゆるやかに登り、最後数10mほど急降下すると薬師峠テント場に着く。峠直前の急降下部以外のほとんどは木道や石畳が整備されており歩きやすい。テント場には太郎平小屋出先の受付小屋があり、ビール等も販売している。 【薬師峠〜薬師岳】沢沿いを標高差150mほど急登し、雪渓が出始める辺りで右側の緩やかな尾根地形に取付くと直ぐに、木道が整備された薬師平のお花畑となる。薬師平を越えて左側に向きを変え、尾根沿いのガレ場を右前方に薬師岳の大きな山体を眺めながら標高差150mほど登ると稜線に取り付き、やがて薬師岳山荘に着く。山荘から正面に見える避難小屋跡のピークまで標高200m近くを急登してから、緩やかなピーク稜線を少し進むと、ここも360度の眺望である薬師岳山頂となる。 【太郎平小屋〜三角点】五光岩ベンチまでは所々に木道や石畳が整備されたたおやかな稜線ルートで、右側には常に薬師岳、後半の前方には剱・立山が望める。しばらくすると標高差200mほどのガレ場のやや急な下りとなり、少し登り返すと1934m地点のベンチ、さらにアップダウンして三角点のベンチに着く。1934m地点手前のコル付近だけは樹林帯だが、その他は草原主体で眺めは良いがとにかく暑い。 【三角点〜折立】樹林帯の中を標高差500mほど下る。所々に登り返しや緩やかな区間があるが、その他の区間の多くは急降下で疲れた足が悲鳴を上げる。 |
その他周辺情報 | 【新穂高温泉】温泉宿が数軒ある。登山口の指導センターの建物は新しく、トイレが水洗なのには驚いた。 【折立】こちらはバス停とトイレ、休息所(運転手のための建物らしいが登山者も休めるスペースが少しだけある、洗い場もある)しかない。とても暑い日だったので自動販売機があるのが救いだった。 |
写真
背後の鷲羽岳山頂はガスに覆われてます。
この後、三俣山荘にテント設営し、空身で鷲羽〜水晶を目指しましたが、鷲羽への登りでは天候が急速に悪化し横殴りの風雨となりました。
左側の女性は小舎の方でヨガ体操の最中でした(勝手に撮ってゴメンなさい)。「お気を付けて行ってらっしゃい」のお言葉に元気づけられました。フルーツゼリーもおいしかったです。
ということで、正規の色で赤牛〜水晶〜鷲羽をもう1枚。
感想
念願のテン泊縦走登山に行ってきました。
重い荷物を背負って登ることのつらさが身に染ましたが、その反面で寝るスペースの制約や他人のいびきに惑わされることから解放され、自由な山行を楽しめた気がします。
前半は天気がイマイチでしたが、後半は快晴に恵まれました。
期待していた双六、三俣蓮華や鷲羽、水晶岳からの眺望は望めませんでしたが、黒部五郎岳や薬師岳からは360度のすばらしい景色を満喫できました。
それと、黒部五郎からの下りでは、昨年同時期に赤石岳から聖岳への道のりでお会いした方と偶然再会し、奇遇にお互い驚きました。百間洞山ノ家のトンカツ受付時間に間に合うように一緒に急いだ記憶が蘇りました。また、きっとどこかでお会いすることでしょう。
レコを書いている現時点で、土踏まずの痛みや両足親指の張れなど後遺症に苦しんでますが、年のせいで筋肉痛が出るのは明日以降みたいです。
今回の山行で一番つらかった区間は、
①小池新道登山口〜鏡平山荘間
後ろから太陽に照らされ、脱水状態に近くなり、足が進みませんでした。
②黒部五郎のカール壁
テント装備を背負っての急登は非常につらかったです。
③中俣乗越〜太郎平小屋
本来歩きやすい穏やかな道と思いますが、だらだらととにかく距離が長い。
テント装備を背負って疲れた体には応えました。
最後に、テント場の感想を一言。
a)双六山荘:北には鷲羽岳〜祖父岳〜三俣蓮華岳、西には双六岳、南には笠ヶ岳が望める絶好のロケーション。山荘南側の双六池のほとりに広いスペースが確保され、多少混んでも隣との距離が確保可能。水場とトイレ(テン泊専用の外トイレ)が小屋の裏側(北西側)にあり若干歩くが、トイレは洋式が多く清潔でした。水は雨水利用のようなので節水が必要ですが、特に不自由は感じませんでした。
b)三俣山荘:すぐ東側に鷲羽岳、南西側には三俣蓮華岳、谷をはさんで南方には槍〜穂高、常念などが見えるロケーションは絶好です。テント場は山荘とは少し離れた西側にあり、ハイマツで区画されたブロックがいくつかあり全体としては結構広いと思いますが、便利なところに集中するので隣との距離は小さくなり勝ちです。水場はテン場内にあるが、黒ホースから出る水量が少なく、水を溜めるのに時間がかかります。ただ、山荘でも水の調達は可能のようです。トイレは小屋利用なので、靴を脱ぐのが面倒なことと、山荘利用者数次第では混雑しそうですが、清潔ではありました。和式ばかりなのは個人的にイマイチでした。
c)薬師峠キャンプ場:太郎平小屋から薬師岳方向へ20分ほど歩いた所にあります。太郎小屋からは薬師岳、水晶〜黒部五郎、北ノ俣岳などすばらしい眺望がありますが、テント場からはコルにあるため黒部五郎岳しか見えません。夏場はテント場内に出張受付所ができ、ビールなども販売しているので小屋まで行く手間がなく、特に不自由は感じません(夏場以外は不明です)。テント場は全体としては広いですが、傾斜地が多く、石も多いので、適地は限定されるようです。水場とトイレは少し下った所にありますが、距離はそれほどありません。ここの良さは水量が多く、水がふんだんに使えることです。トイレも清潔で男子用は洋式2基で少ない気がしますが、泊まった日に特に混雑はしてませんでした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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時間たってしまいましたが、三俣山荘のテント場で隣になりましたsbtです。 黒部五郎の斜面でもすれ違いましたが、まさか先週の火打山でもすれ違うとは…。日本全国広い中で、同じ日に別の山に登って出会うことは奇跡的だと思うのですが、これも何かの縁かもしれませんね。
山行記録拝見しました。交通機関を使った縦走が多いのですね。私は車を使って登山口にいくので、どうしても登山口に戻らず縦走ができないのが悩みです。
水晶岳のバックに写っている人はあれ私です(顔はモザイクで処理してありました)。2日目の鷲場と水晶は天気が悪かったですが、3日目の黒部五郎は天気もよく最高の景色でした。
またどこかの山でご一緒できればと思います。
sbtさん、こんばんわ。
火打山で再びお会いするとはホントに驚きでした。二俣テント場〜水晶岳や黒部五郎岳への道中でご一緒してから1か月余りなので、すれ違っても直ぐにわかりました。
ただ、本レコに書いたように、1年前に赤石〜聖でご一緒した方と黒部五郎の下りでばったり会うという経験をした後なので、奇跡的な出会いのような気もしますが、我々山好き同士、行先として選ぶ所は意外と似通っているのかもしれません。
ということで、きっとまたどこかでお会いできそうです。
その時には、お互いの山行談義で盛り上がりましょう!
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