新穂高起点・笠ヶ岳〜槍ヶ岳〜奥穂高〜西穂高〜焼岳


- GPS
- 56:00
- 距離
- 45.8km
- 登り
- 4,776m
- 下り
- 4,776m
コースタイム
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 9:45
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 10:20
- 山行
- 9:35
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:15
DAY1: 合計14時間30分、16.6km
DAY2: 合計14時間45分、12.5km
DAY3: 合計16時間43分、16.7km
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
カメラ
ガイド地図
コンパス
笛
筆記具
保険証
水(1LTRパック)
ハイドレーションチューブ
ファーストエイドキット
温度計(予備コンパス)
タオル
携帯電話
計画書
雨具
シュラフカバー
マット
時計
非常食
朝食
行動食
ロールペーパー
ツェルト
細引き
ペグ
ストック
帽子
替下着
日焼け止め
コッヘル・食器
ストーブ
防寒着
ダウンシューズ
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感想
夏に満足できるような縦走ができなかったので、最高の天気となったSWに槍穂を狙うことにしました。今回のテーマは、自力でどれくらい歩けるか。荷物はできるだけ軽くし、衣食住は担ぎ、エイド(人工的な補給)は小屋から買う水だけとしました。
軽量化のため、テントはツェルト、シュラフはシュラフカバー、ヘルメットはシロッコ、ガスストーブはアルコール、飯はドライフードのみにして軽量化を図りました。結果、2リットルの水を背負って約8kg。重量に含まれない靴は、ガレた稜線であることからトレランシューズではなく、登山靴を選びました。
ルートは、元々新穂高を起点に西穂から歩き始め、笠で終える予定でした。理由は核心部を疲労の無いうちにこなしたかったからでしたが、結果は大分違いましたね。
さて、ここから記録です。
>>> DAY1: 新穂高〜クリヤ谷〜笠ヶ岳〜双六小屋 <<<
前夜仕事を終えて、東京を出る。中央道を走り、途中PAで仮眠を取り、また走る。新穂高に着いたのは1時過ぎ。残念なことに雨がパラついており、路面は濡れている。新穂高には登山者と思われる車が多く来ており、翌朝6時が始発となる第二ロープウェイの駐車場に向かっていた。
元々は朝2時〜4時の間に出発し、ボッカ道経由で西穂に至り、初日に最低でも奥穂、できれば槍まで抜ける予定だったが、6時の始発だとロープウェイ組と一緒になってしまう(静かな山歩きができない)、岩が濡れている(危ない)という2つの理由で、ルートを逆回りに変更した。
新たなルートはクリヤ谷〜笠〜槍〜奥穂〜西穂、できれば焼岳まで歩くことにし、計画の変更を連絡して就寝。
翌朝3時半頃起きて、4時過ぎに歩き始める。中尾温泉入口の駐車場からクリヤ谷の登山口は橋を渡ってすぐだ。歩き出して1時間経たないうちに関西からのパーティ(錫杖岳でのクライミング?)を追い抜いたが、それ以外は山頂まで誰もいない、文字通り静かな山歩きとなった。途中見上げた錫杖岳はすごい迫力で、いつか登りに来ようと思った(寒くない時季に、、、)。
クリヤ谷は、渡渉があったり、濡れた笹薮がせり出していたり、雨が降っていなくても濡れる要素があり、雨具を着ないでいたら登山靴の中までびしょ濡れになった。何度も靴を脱いで、靴下を絞りながら登り続け、稜線に出る。
そこからは信州側が切り立った稜線を歩く。冬にこのルートをスキーで登ったYSHRさんのことを思う。穴毛谷よりも雪崩リスクは低いかもしれないが、スキーではなかなか恐いルートだ。
山頂で展望を楽しみ、すぐに歩き出す。ここで一眼カメラK-5のズームレンズがおかしいことに気付く。部品の金具が取れて、本体との接続がうまく行かないのかフォーカス、フラッシュ、マニュアルモードでの露出調節等ができなくなった。。。笠ヶ岳山荘は、お客さんを送り出して時間ができた小屋番たちが日差しを浴びてリラックスしている。挨拶して、先を急ぐ。良い一日なりそうだ。
弓折乗越で一気に人が増えた。鏡平経由で入山する人は多いようだ。双六小屋の天場での混雑が予想されたので、ペースを速める。できれば槍まで行きたかったが、時間的に厳しい。夕方に着いてもテントを張れないだろう。体力的にもクリヤ谷の登りが効いて、少し疲労を感じた。3日もあるので、無理をせず、双六小屋に幕を張ることに。
>>>DAY2: 双六小屋〜槍ヶ岳〜穂高岳山荘<<<
昨晩は冷え込み、ツェルトにシュラフカバーでは快適には眠れなかった。1時間、2時間おきに目が覚め、寝返りを繰り返す。早朝の寒い時間を歩いて過ごす方が楽なので、3時過ぎにはツェルトをたたみ、トイレを済ませ、出発。この時季、日の出が遅く、5時を過ぎないと明るくならない。暗いだけならまだしもガスまで出てきて、時折ルートファインディングを困難にする。ガスが晴れると、下の方に槍平小屋とその光が見えた。
西鎌尾根ではガスに巻かれ、来た道を戻ってしまい、一度見た標識(「右俣乗越」「槍ヶ岳まで3H」)を再び見つけて驚愕した。人生初のリングワンデルング体験でした。その後は順調に行き、槍への最後の詰めで1時に双六小屋を出たという2人を追い抜いた。自分が一番最初かと思っていたが、1時に出発していた人がいたとは、、、
肩の小屋に荷物を置いて、槍ヶ岳山頂を往復。播隆上人が開山した2つの山を無事巡礼。山頂はやはり混んでいたので、記念撮影もせずにまた下り、先を急ぐ。できれば奥穂を越えたかったが、次の天場が西穂山荘とすると、やや遠い。
稜線上にビヴァークポイントがありそうだが、調べてないので突っ込まないのが無難。ということで、とりあえずこの日は穂高岳山荘を目指す。南岳直下のハシゴ、長谷川ピークのナイフリッジ、大キレットなどスリリングな稜線歩きを越え、13時半に涸沢岳に着いた。
途中、冬のスキーのために偵察をしながら歩いていたが、滝谷の沢はどこも先が深く、ゴルジュになっているように推測され、情報なしでは突っ込め無さそう。YSHRさんやO介さんのように、体力だけでなく研究心、発想力を兼ね備えていないと山スキーで新しいことはできない。
穂高岳山荘は既に天場が混み始めていて、自分が到着してからすぐにヘリポートが一杯になり、最終的には小屋の前のスペースまでテントで埋まった。天場で西穂側から来たツェルト仲間と話が弾み、夕飯を共にしたリ、西穂〜奥穂間の危険個所の情報を聞いたりして晩を過ごした。
>>>DAY3: 穂高岳山荘〜奥穂高岳〜西穂高岳〜焼岳〜新穂高<<<
3千メートル級の稜線でさぞかし寒かろうと思っていたが、意外にも双六小屋よりマシで、少なくとも4時間は眠れた。
早くに目が覚めたので、残りのアルコールを燃やして、温かいものを食す。夜明けを待たずに出発し、奥穂へ向かって梯子を登る。先行パーティもあり、山頂まで迷うような箇所はなかった。
30分ほどで山頂に着く。実は初めての奥穂高岳山頂であったが、まだ暗いため、また、カメラの調子が悪く、まともな写真が撮れなかった、、、ヘッドランプと朝日で十分な明るさが確保できていたので、ジャンダルムに向かう。馬の背は少し緊張するが、まだ薄暗いためそこまで高度を感じない。ロバの耳では、信州側に入ってしまい、切り立った崖と頭上に垂れ下がった芯がむき出しのお助けヒモ目がけて一瞬突っ込みそうになったが、その後冷静になって飛騨側へのトラバースルートを見つけ、事なきを得た。
ジャンダルムへは、信州側を巻いて、反対側から登るのが通常だが、「×」マークのついた直登ルートが登れそうだったので、そのまま直登した。スリルはあるが、岩は比較的安定していて、難しさもこれまで歩いてきた所と同程度。
壁を登り、目の前にジャンダルムの天使が見えてくると充実感がある。行く人は自己責任で。
調子が良いので、その後はガンガン飛ばして、西穂高まで。西穂山荘でラーメンが食べたい衝動を覚えたが、今回はエイド自粛なので、期限切れの五目ご飯を食べて凌いだ。戻す際の水の量が少なかったのか、賞味期限を2年近く超えてるせいか、パサパサでひどくまずい。
焼岳に向かう道は、ずっと樹林帯で少し熱いくらい。森林の匂いを嗅ぎ、癒される思いだったが、道は終始ぬかるんでいた。焼岳小屋を過ぎ、中尾峠にザックをデポし、最後のピークに向かう。さすがに脚に疲れを感じたが、ザック無しならまだまだ登れる。やはり数キロといっても荷物の重さが歩く距離に与える影響は大きい。今後も軽量化を心がけよう。焼岳は、ファミリーや登山エントリー層で大変賑わっていた。山頂を踏み、そそくさと下山を開始。
帰り際に見た白糸の滝が思いの外美しく、一人声をあげた。舗装道路では、今度は水膨れだらけの足が悲鳴をあげたので、仕方なく靴を脱ぎ、裸足で歩いた。天気に恵まれた充実の3日間だった。
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