チャレンジ!快晴の剱岳(室堂~称名滝)


- GPS
- 27:37
- 距離
- 34.5km
- 登り
- 2,630m
- 下り
- 4,068m
コースタイム
- 山行
- 4:52
- 休憩
- 4:17
- 合計
- 9:09
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 3:15
- 合計
- 8:34
- 山行
- 9:08
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 11:39
天候 | 17:雨、18,19:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
梅田22:00-阪急バス(5200円)-5:50富山6:40-夏山バス室堂線(3100円)-9:10室堂 復路: 称名滝15:55-(称名滝探勝バス500円)-16:10立山16:15-(地鉄富山1200円)-17:23富山18:09-(地鉄富山200円)-18:14不二越22:30-(地鉄富山200円)-22:36富山23:00-阪急バス(6000円)-06:45梅田 |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース状況: 立山縦走路:悪天候時は、道迷いに注意。 剱岳(別山尾根):タテバイ・ヨコバイを始め、落ちたらアウトの危険箇所が連続。気を引き締めて行きましょう。 奥大日縦走路:大日岳から称名滝へは急降下で結構キツイ下りです。(大日岳からの下りは、沢筋に入らないように注意) ※コース上の雪:剱沢から剣山荘で、雪渓を渡る箇所がありますが、距離も短く軽アイゼン無しで行けました。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉: 満天の湯 富山地鉄 不二越駅徒歩2分 730円 http://www.manten-yu.co.jp/toyama/institution/ |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
さぁ、待ちに待った北アの夏山遠征は、憧れの剱岳にチャレンジしました。
以下、道中記録です。
出発前、天気図を眺める。「なんじゃ、こりゃ。高気圧はどこいったんや?」
梅雨前線が日本列島の上に居座り続けている。雨は避けられそうもない。
2泊3日で剱岳に登る計画を立てた。雨だと流石に登れない。
アタックのチャンスは2日間(初日は、取り付くのが遅すぎる)。
なんとか晴れてくれればと願った。
3連休の初日は、休日出勤の予定と重なったため、出発を1日ずらした(休出の代休を直後に取得)。これが吉と出るか、凶とでるか?
◆1日目 室堂~一の越~雄山~大汝山~富士ノ折立~真砂岳~別山~剱沢(テン泊)
夜行バスで朝早く富山駅に到着!予報どおり強い雨でした。
室堂で、登山届を提出。
「今日は風が強いから、立山も止めといた方が良いよ。
一の越で様子を見て、行けそうになかったら、
縦走は諦めて雷鳥沢経由で剱沢に入るのが良い。
でも、明日の剱岳は大丈夫!あと、奥大日は熊の目撃情報が有る。」
とのこと。
立山は、稜線上は10mを越える強風の予報。とりあえず、雄山まで行ってみて
ダメなら、引き返すことにした。「明日の剱岳は大丈夫!」の言葉を強く信じたい。
カッパとテムレスを身につけて、雨の中1日歩き切る覚悟で出発。ガスガスで視界無しですが、お花畑のチングルマが風に揺られているのが印象的でした。
一の越までの道のりで、戻って来る人と多数すれ違う。少しお話させて頂くと
「今日は雨と風があるから、引き返してきた」とのこと。本当に、大丈夫か?
一の越山荘で一休み。中は大勢の人でごった返していた。
ここで早めの昼食とし、パンを頂いた。雨の日は、ランチ休憩を取りにくいため、早めに体にカロリーを入れておくに限る。(寒い中、強風の稜線でガス欠したら低体温症に繋がる)
ここから雄山に向かって、ザレザレの急登を登る。不用意に足を置いて、小石を少し落としてしまう。危ない、危ない。こんなところで他人に怪我をさせるようでは、明日の剱岳など登れない。その後は慎重に歩を進めた。
雄山山頂社で一休み。大祓のご祈祷の最中でした。残念ながら、ガスガスで視界は有りませんが、風は予報ほど、きつくはなかった。ラッキー、これなら歩けそうだ。先へと進む。折角なので、ピークは踏んでおく。大汝山、富士ノ折立、真砂岳、別山、別山北峰と繋いだ。
富士ノ折立で、「道に迷ったが、内蔵助山荘へはどちらに進めば良いか?」と尋ねられた。ガスで視界がなく、自分が何処にいるか判らなくなったらしい。iPhone GPSで現在地を確認し、「同じ方向だから一緒に行きましょう」と正規の登山道のルートまで一緒に歩いた。視界不良の場合には、GPSは心強い。
途中で、雷鳥さんにもご対面(悪天時にも、雷鳥は活発に行動)。
ガスガスの稜線歩きは全然面白くなかったが、明日は晴れると信じて歩いた。
剱沢に下りて、テントを張るころには、小雨になり、やがて日が射した。この日、一度も見ることがなかった剱岳が全貌を現す。しばし立ち尽くす。嬉しかった。明日はいい一日になりそうだ。早めに就寝し翌日に備えた。
◆2日目 剱沢~剱岳(別山尾根)~剱沢(テン泊)
3時起床で、4時前にテン場を出発。既に先発隊のヘッドライトが一服剱にいるのが見えた。皆さん出足が早い。
私は日の出前のこの時間を歩くのが好きだ。淡いピンク色に染まった空を背景に、浮かび上がる美しい稜線を眺めながら歩いた。
剣山荘からは一服剱への登りとなる。一服剱を越えて、武蔵のコルへ。ここから本格的な岩場が始まるので、カメラを背中のザックに仕舞った。気合を入れ直して登る。
ほとんど休みなく登り続けた。門、長い鎖のトラバース等、落ちたらアウトの場所が連続する。集中力を切らさないように登った。
途中、ハシゴまで進んで、「これはヨコバイの下山路だ」と気付き、引き返す。タテバイは雪渓の脇の道を進むと現れた。「凄い。なんちゅうとこに道を付けたんや。」
と思ったが、ここまで来れば行くしか無い。必死で登ったら、クリアできた。
ヘトヘトになったころ、山頂が見えた。やった、ついにやったぞ!
山頂で、至福の時を過ごす。見渡す限り、見事な山ばかり。遠くは富士山まで見えた。湯を沸かしコーヒーを三杯も飲んだ。結局二時間半、山頂でゆったり過ごした。
名残惜しくも下山開始、ヨコバイを始め難所が続く。疲れが貯まり集中力の切れる下山時こそ要注意。今日はテン場に下りるだけ。時間には余裕がある。疲れきっていたが、休み休みゆっくり下りた。
途中、剣山荘に立ち寄る。小屋番の女性に、背中を虫に刺されたので見て欲しいと頼んだら、「特に今は何も無いけれど、後で腫れるかも。」とのこと。たまたま隣に居合わせたおばちゃんが「私、虫刺されの薬持ってるよ。」と塗ってくれた。スーとして気持ち良かった。この後、テン場で一寝入りしたら、痛みは消えてなくなっていた。おばちゃん、助かったよ。ありがとう。
テン場に戻り、ご飯を食べて、横になっていたら寝てしまった。起きてふと外を見ると、剱岳に笠雲がかかっている。笠雲は悪天の兆し(グレートサミッツの見過ぎで雲の形まで覚えてしまった)。まさか?
懸念は現実となり、夕方から雨がポツポツと降り始め、夜中まで続いた。
◆3日目 剱沢~奥大日~大日~称名滝
剱岳に登れたから良しとするかと、半ば諦めていたが、夜中には雨が止んだ。ラッキーだ。朝起きて、テントを撤収するときには、テントのフライも乾いていた。日の出前から歩き始めた。今日も天気が良さそうだ。
剱御前小屋で、お一人とお話させて頂く。昨日は長次郎谷から剱岳に登り、別山尾根で下りてきたとのこと。今年は例年に比べて雪が少なく、熊の岩まではピッケルなしで登れたそうです。凄いなぁ。私もアイゼントレして、いつか長次郎谷を上がってみたいです。
そこから奥大日へ向かう。登山道脇を彩るお花畑を楽しみながら、気持ち良い稜線歩きができた。奥大日岳は剱岳の展望台。早月尾根がどこまでも延びる剱岳を堪能した。そこから大日岳へ向かう。
大日岳手前の大日小屋では、天気が良いので、ちょうど布団を屋根の上に干している所だった。小屋番さんが屋根の上で気持ちよさそうに寝ていた。私も小屋前のベンチで靴を脱ぎ横になった。ここで小屋のご主人とお話させて頂く。「熊はこの辺りに自生する根曲がり竹が好物で、今の時期は山の上の方に居る。これから木の実を追って、山の下の方に下る」のだそうだ。よっぽどの事がない限り人を襲うことはないと聞いて、少し安心した。冬は小屋の屋根まで雪に埋まるそうだ。そして小屋前の広場が倍の面積になるほど、雪庇が張り出す。近年、大日岳で雪山訓練中の大学生が雪庇に落ちて3人ほど亡くなったことを聞いた。ご主人は、白銀の雪山の世界を魅力的に語ってくれましたが、一歩間違うと命を落とす危険があるんですね。
小屋の人たち(ご主人+小屋番2人(男性、女性))が、力を合わせて、ビールの空き缶を圧縮したり、布団を屋根に上げて干したり、ガスが登ってきたので取り入れたりと、みんなで小屋での生活を楽しんでいる様子が伺えた。佐野元春だとか、早見優だとか、懐かしい歌が印象に残るランプの宿でした。
大日岳に立ち寄る。ここで出会ったソロの女性の方は、早月尾根日帰り12時間コースに今週末にチャレンジするトレーニングでやって来た、とのこと。凄い人がいっぱいいますね。小休止後、下山開始。ここからが長かった。称名滝まで標高差にして1500mもある。4時間の長丁場となった。途中、事もあろうに道をロストして、沢を下るおまけ付き。地図上では木道とあるのに、木道が出てこないので気がついた。地図を見ると、1本東の沢(ザクロ谷源流部)に入ってしまったようだ。下流で登山道が沢を横切って合流することを確認して、そのまま下りることにした。しかし、体力・気力は無駄に消耗した。大日平小屋に到着するころにはヘトヘトになっていた。牛首から称名滝に下りる道も、とんでもなくしんどかった。ハシゴが次々に出てくる。よくこんなところに道を付けたと思った。なんとか下りきり、称名滝を見学後、バス停へ移動。バス・電車を乗り継いで、富山駅でご当地名物のブラックラーメンを食べた後、お風呂で汗を流した。その後、大阪行きの夜行バスに乗り帰路に付いた。
天気の変化にヤキモキしましたが、終わってみれば当初の計画通りの山行きができ、満足です。特に剱岳山頂からの絶景が印象に残りました。機会があればまた挑戦したいです。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.5L(行動中のみ、食事除く)、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重14kg、アルファ米 6食/8食、行動食 500ml×0.5本)
kickeyさん、こんばんはchamchanです
暫くご無沙汰だなあ、と思っていたら、なんと、やりましたね。。剣岳
自分も昨年、今回のkickeyさんのルートから剣御前小屋~剣岳往復分を差し引いたコースを歩いてみて、別山から剣御前小屋から、そして奥大日岳からといろんな角度から圧倒的な剣岳の姿を眺めて、身の程もわきまえず、本当に心の底から登ってみたいと思いました。
そんな剣岳をこんなに良い天気に恵まれて。。。羨ましすぎます
と言いながら、自分もひそかに登るチャンスをうかがってるんです。。
ちゃんと報告できると良いなあっと
kickeyさん、次は栂海新道ですか? 検討を祈ってますよ
chamchanさん、こんばんは。
憧れの剱岳へ、初チャレンジ!
気の抜けないハードな鎖場の連続で、流石に緊張しました。
気合が入り過ぎて、ようやくたどり着いた山頂で脱力してしまいました。
山頂では多くの人が休憩されていました。(剱岳の山頂は意外と広い)
小学生の高学年くらいから、ご年配の方まで、幅広い年齢層の方が登って来られ、
みんな山が本当に好きなんだなぁと感心しました。
前日の雨の日、剣山荘に泊まった人の約半数は、剱岳にチャレンジしたと聞きました。
剱登頂に掛ける意気込みが半端じゃ無いですね。
kickeyさんはじめまして。
天候に恵まれた楽しそうな山行だったのでコメントさせていただきました。
剱岳って男前ですよね。
私前剱が好きだったりします。険しさが間近に見れるのがいいですよね。
アフターのいろは富山ブラックに不二越の満天の湯、富山通とお見受けしました。
私のお気に入りはまだまだ負けていませんよ!たぶん。。
いいレコに出会えました。
ありがとうございました。
Yuki1020さん、はじめまして。
剱岳のギザギザの稜線は、まるでゴジラの様。剱沢キャンプ場は、剱岳が丸見えで、ロケーションが素晴らしい。別山北峰がガスガスだったのは残念ですが、楽しみはまたの機会にとっておきます。今度は、池ノ平小屋からの裏剱も眺めてみたいです。
テン場受付の人達が、お昼にベンチで皆でラーメンを美味しそうに食べているのを見て、無性にラーメンが食べたくなり、下山後、いろはに駆け込みました。山を登り始めて、富山には毎年夏山シーズンに通うようになりました。
富山名産のお奨めの美味しいものあれば、教えて下さいね。
kickeyさん、こんばんは!
子ども達といつか行ってみたい!!
ほんと綺麗です〜。
akirasさん、こんばんは。
憧れの剱岳。幸運にも大快晴となり、山頂からの絶景を楽しむことができました。
魅力あふれる北アのお山に囲まれると幸せを感じます。山頂で過ごした2時間半は、あっという間でした。
とっても手強い山ですが、登った時の達成感も一潮です。
是非、晴れた日に登って、絶景を堪能して欲しいと思います。
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