高瀬ダム〜野口五郎岳〜水晶〜高天原途中までピストン
- GPS
- 77:59
- 距離
- 34.0km
- 登り
- 3,302m
- 下り
- 3,303m
コースタイム
0530七倉P発=<タクシー>=0550高瀬ダム-0630ブナ立尾根取付-0945 2208.5三角点
-1125烏帽子小屋(大休止)1155-1350三ツ岳トラバース道-1425カッパ着用1430
-1555野口五郎小屋着
2011/7/28(木) 野口五郎小屋→高天原途中まで→水晶小屋
0635野口五郎小屋発-0655野口五郎岳山頂-0730竹村新道分岐-0855東沢乗越
-0950水晶小屋(大休止)1025-1105ワリモ・鷲羽岳分岐-1115岩苔乗越
-1205岩苔小谷2475付近で引き返し-1320岩苔乗越-1425水晶小屋着
2011/7/29(金) 水晶小屋→野口五郎小屋
0630水晶小屋発-0720東沢乗越-0825ライチョウ観察0850-0920竹村新道分岐
-1025野口五郎小屋着
2011/7/30(土) 野口五郎小屋→七倉
0630野口五郎小屋発-0755三ツ岳トラバース道-0845烏帽子小屋0855
-1120ブナ立尾根取付-1150高瀬ダム=<タクシー>=1220七倉P着
天候 | 2011/7/27(水) 曇時々晴→雨 2011/7/28(木) 風雨 2011/7/29(金) 風雨 2011/7/30(土) 風雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
◇七倉駐車場 ・無料。かなりの台数停められそう(公称約50台)。 ・駐車場奥正面にタクシー乗り場、左手に七倉山荘、右手奥に登山相談所と水洗トイレ ・登山相談所で登山届提出する。用紙有。 ◇七倉P⇔高瀬ダムのタクシー ・片道¥2,100 ・七倉ゲートオープン平成23年度7/16〜8/21は5:30 ・指定タクシー会社 第一交通0261-22-2121 名鉄交通0261-23-2323 ・下山時高瀬ダムにタクシー居ない場合、管理棟(?)下のピンク電話から呼ぶ |
コース状況/ 危険箇所等 |
◇登山道状況 ・濁沢の橋 7/27〜28に鉄砲水で橋流失。29に仮橋設置。 流失時はブナ立尾根で下山不可、竹村新道→湯俣経由で下山。 ・ブナ立尾根 急勾配が延々と続くが刈り払い・階段・ロープ等細やかに整備され危険箇所なし。 ・烏帽子小屋〜野口五郎小屋 白or黄の目玉マーク多数有り。危険箇所なし。野口五郎小屋付近は強風注意。 ・野口五郎小屋〜水晶小屋 竹村新道分岐〜東沢乗越のあいだは大岩多く東沢から吹き上げる強風に注意。 目玉マーク多数有り。 ・水晶小屋〜岩苔乗越 危険箇所なし強風注意。 ・岩苔小谷沿い 大雨で登山道が川に。 ◇登山ポスト 七倉P奥右手の登山案内書に待機する担当者に提出&ヒアリング。 ◇温泉情報 葛温泉高瀬館 日帰り入浴¥700 10時〜20時 http://www.takasekan.com/hot-spring リンスインシャンプー、ボディソープ、シャワー、露天風呂、ドライヤー 野口五郎小屋・烏帽子小屋で¥100割引券入手可 |
写真
感想
人混みを嫌って今まで避けてきた無雪期北アルプス。食わず嫌いは良くないと反省しお盆を避けてデビューを決意。「人が少なそう」「高天原・雲ノ平に行ってみたい」「自家用車で行って周回若しくはピストン」の条件で調べ、高瀬ダム起点に野口五郎岳経由で高天原ピストン、を選択。
新潟地方に豪雨被害をもたらした天候不順の真っ只中の山行となってしまったけれど、楽しかった! 行ってよかった!! また行こう!!!
以下、自分用備忘録(長文)。
◇行動記録
【計画と準備】
3泊4日で高瀬ダムから入山、烏帽子・野口五郎・水晶を越え、雲ノ平と高天原を周回し高瀬ダムに戻る計画。
はじめて行く山域で天気予報はずっと曇時々雨。最初から迷わず小屋利用とする。8月にテント縦走を計画しており、重量訓練を兼ねて荷物は敢えて多めにする。今回のコースで水場は(小屋の有料水は別として)雲ノ平のテン場のみ。夏季の山行は基本2L/day、自炊は一回だけ、小屋食事のさい水分補給可能、夏山では何故か緑茶の味を欲することが多い、あたりを考え合わせ、
エネルゲン(水と粉末)1L/day×4日,緑茶1L,自炊&飲用の水2L = 計7L
とした。食べ物は自炊カレーライス一食分と行動食兼非常食。これらあわせてザック重量は16.0kgとなった。
【7/27/2011(1日目):高瀬ダム→烏帽子小屋→野口五郎小屋】
長野自動車道麻績ICからK55で大町経由七倉、の筈が、IC降りて逆方向へ行ってしまい聖高原でUターン。戻ってK55入口へ右折するといきなり『通行止』の看板。結局R403→R19→K51の大回りで大町へ。想定外に時間を食い、予定より1.5h遅れで七倉Pに2:30到着。狭い後席で横になり1hほどウトウトして夜が明ける。5時頃にタクシーが来る。予約ですか?乗れますか?と尋ねると乗れるとのことで5:30出発目指し準備。奥に登山案内所があるので届けを出してきてとタクシー運転手に教えてもらう。トイレついでに案内所へ立ち寄ると小柄な女性がおられ、登山届けに記入するよう言われる。ヤマレコの計画書プリントアウトを出し「これで代用できますか」と尋ねるとOK。中味をじっくり見つつ質問が飛んでくる。女性「ひとりなの?」自分「あ、はい」女性「いつもひとり?」自分「まあ大体そうです」女性「ひとりが気楽だからねぇ・・・」これ以上の追求はなく、OKを貰う。
5:30過ぎにタクシー乗車。自分以外に相乗りする人はおらず残念。信濃大町駅から高瀬ダムまで大人数を送迎するジャンボタクシー2台もほぼ同時に出発。運転手の周囲の山々の説明を聞きつつ、15分ほどで高瀬ダムに到着。土曜日下山なら大抵タクシー待機しているので呼ばないほうがいいよ、とアドバイスもらう。七倉Pで小雨だったのでカッパ上下を着込んでいたが、運転手の言うとおり、高瀬ダムではほとんど降っていなかったのでカッパを脱ぎ出発。
最初のトンネル用にヘッ電を準備していたが、蛍光灯が点灯しており不要だった。トンネル入口で準備する団体を追い抜きトンネルを抜ける。すぐ左手に長い吊橋があり、不動沢を渡る。川幅広く、真っ白で細かい砂礫で埋め尽くされている。渡りきって左手に道なりに進むとキャンプ場。大雨時の増水への注意書き。土手へ上がる階段を登り、林の中の道を抜け白砂の河原を歩き、濁沢を渡る丸太橋があらわれる。随分簡素な橋だなぁと思いつつ渡る。この後流されるとはまったく想像せず・・・尾根取付の手前の広場で店を広げる別の団体。このタイミングで食事?八百屋の野菜箱みたいな中にキュウリとトマトがいっぱい。自家製かな?美味しそう・・・覗きこんでいると「あげようか?」と言われる。物欲しそうにしていたのが読まれたか。ありがたくキュウリとトマト頂戴し、「重いのが減って助かった」と言っていただく。
ブナ立尾根取付。『北アルプス裏銀座登山口』の標識。そうか、ここは裏銀座の登山口なんだ。さあガッツリ登るぞ〜。最初は新しい階段が続く。トラロープや手すりまで設置してあってメンテの行き届いている様子が伺える。さすが北アだな。急勾配をゆっくりマイペースで登る。湿度は高いが気温が低いので比較的楽だ。番号札が出てくる。9番を越えたところで朝ごはん。下山の人がどんどん降りてくる。ダム堰堤で一緒になった団体の方々と抜きつ抜かれつ、の登高。標高あげると右手に濁沢上部の崖にガスが漂うのが見える。そのうちにメボソムシクイの声がきこえてきて、高山植物を目にするようになり、結構登ってきた実感が湧く。番号札の数値が小さくなるにつれて、「まだまだだ〜」→「もうすぐか〜」→「まだかな〜」になってきて、3番や2番あたりでは焦らされているようだ。実際は等間隔でなく下のほうが間隔が粗で上のほうが密のような気がする。
尾根を登りきり、平らな登山道を進むと青い烏帽子小屋が目に入る。やっとここまで来た〜!ザックを下ろし大休止。小屋前にはエゾリンドウの花畑。抜きつ抜かれつの団体さんはザックを下ろしてサブザックを取り出していたので、烏帽子ピストンするんだろうな。写真を頼まれ撮影。コンビニおにぎりと取付でもらったキュウリにかじりつく。
あまりゆっくりもしていられず、野口五郎に向け出発。烏帽子小屋の南側は船窪地形のようで池を見下ろす場所にテン場がある。ロケーションよさそう。池の周囲に5〜6匹のサルがいる。こんな標高にもサルがいるんだ。何を食べて生活しているんだろう?ライチョウが食われたりしないんだろうか?池を越えると三ツ岳に続く稜線が眼前に広がる。まだまだ先は長そうだな・・・・岩ゴツゴツを越えて白い礫の登山道になる。太陽が顔を出すと地面が眩しい。ポツンポツンと咲くコマクサが目に入ってくる。白い地面に、ピンクの花が重そうに俯くコマクサが映える。株の大小はあっても、それぞれが一定の距離を置いて白地面に配置している。コマクサって女王というよりは孤高って感じだなぁ。他の高山植物は可愛らしく密生しているのに・・・日本シームレス地質図によれば、烏帽子〜野口五郎あたりの稜線は『後期白亜紀(K2)の珪長質深成岩類(新期領家花崗岩類) 』に分類されるらしいが、いかにも!な花崗岩がゴロゴロしてる。密な乳白色の岩石は何だろう?烏帽子方面に来た道を振り返ると、白っぽい地面に若葉色のハイマツがまだらに分布し、明るい稜線の雰囲気がひろがる。この明るさこそが南アとの大きな違いのひとつなんだろうなあ。
地面はやや茶色くなり、三ツ岳は西側をトラバースで通過。この先野口五郎岳までアップダウンが続く。だんだん天気は下り坂となり野口五郎岳の頭はガスの中。先の見えない行軍が続くが、さまざまな花が目を楽しませてくれる。小雨が落ちてきたのでカッパ上のみ羽織る。灰色の岩ゴロゴロ登山道になると先が見通せず強くなる雨脚に焦りがつのる。やがて、どうみても通り雨ではない強い雨が横殴りに降るようになり、諦めてカッパ下もはく。濡れた衣類の上からカッパ、の最悪のパターンだ。濡れた登山靴を脱ぐ気になれず、靴を履いたまま無理やりカッパ下に足を通す。風が強いので身体が冷える。行けども行けどもゴールは見えない。ちょっと辛くなってきた頃に、なだらかな丘の向こう側に青い建物がチラッと見えた。野口五郎小屋だ!!!強風吹き荒れる野口五郎岳の肩の、少し窪んだ場所に小屋は建っていた。屋根の上、ドラム缶の上、至る所に大きな岩が置かれ小屋まるごと強風に耐えているようだ。入口にぐるりとまわる。ガラス戸の入口から暗い室内に入る。「やっと着いた〜〜!!!遠かった〜〜〜!!!」思わず口から出る。名前と予約していたことを告げ、素泊まり弁当一食で受付を済ませ、小屋の中へ。乾燥室に濡れ物を干すよういわれる。ザックカバーが外れず難儀していると女性スタッフがとんできて手伝ってくれる。親切だなぁ〜。部屋に案内してもらう。布団2組に枕が4個。今のところ隣に人の来る予定はないがまだわからないので、と。荷物置き場の台もあって使い勝手の良い部屋。分厚い羽毛布団が隅に。荷物整理して、尻に根の生えないうちに晩御飯の自炊場所へ向かう。
小屋の若手の方に出入り口から一旦出て左の自炊場所に案内していただく。「火気だけ小屋内で使えないので、ガスコンロを使い終わったら小屋の食堂で食べてもらっていいですよ」と言われる。この方も親切だ・・・今晩のみ自炊でα米にレトルトカレー、粉末コンソメスープ。何度も湯を沸かすので結局自炊場所で食べることに。まずビール。うん・・・はあぁ〜〜これだ!生きかえる!!レトルトカレーを入れたコッヘルの湯を沸かしながら取付でもらったキュウリの残りを齧る。湯が沸いたのでα米に注ぎ、出来上がりを逆算してカレーを温めなおす。カレーを食べながらスープ用の湯を沸かしていると、再び小屋の方がこられ、「寒くないですか?中で食べてくださいね」と。手順が悪く何度も湯を沸かす必要があるのでここで食べますと答える。ここの小屋の方はなんだかとっても親切だな・・・・カレーとスープを終えインスタントコーヒーでひといき。食事を終えて小屋に戻る。カッコイイ日本てぬぐいを売っていたので買おうとすると、小屋のおやじさんが「また戻ってくるならその時でいいんじゃない、重くなるし」たしかに。この時の小屋客は自分と男性数名のみだったが、この後団体が来るらしい。結構暗くなってきたんだけど大丈夫なのかな、雨も降ってるし。部屋に戻りくつろいでいると団体到着。9名で、水晶小屋で人数が多すぎて断られたので野口五郎小屋まで来たと。一気に小屋内がにぎやかに。布団に横になり食堂にあった山雑誌を見つつウトウトしていたらテレビの天気予報の音声が耳に入り、飛んでいく。長野ローカルで山岳天気予報も。『曇一時雨、時々雷雨』みたいな予報。雨は降るのか降らないのか・・・小屋のおやじさんは「野口五郎〜東沢乗越までは厳しい岩場なので強風下では歩かないほうがいい」と言う。明日は団体さんは下山だそうだ。自分は高天原まで行くつもりなので、余裕をみて5時小屋出発の予定。早めに就寝。
【7/28/2011(2日目):野口五郎小屋→水晶小屋→岩苔小谷途中→水晶小屋】
ゴウゴウ、パラパラと風雨が小屋を叩きつける雨音が一晩中響いていた。4時起床。外は相変わらず風雨強い。小屋のおやじさんから「少し待てば風も弱くなるし、水晶までなら充分近いから、しばらく待てば」と言われる。そうだな・・・たしかに、初めて歩く場所だし、荷物はどちらかというと重い。無理して事故を起こしてもまずい・・・。とりあえず6時頃までは出発を待とうと決める。団体さんが朝食を食べている。おいしそう。早立ちするからと朝食の代わりに弁当をお願いしたのに意味がなかったな、まあしょうがない。今朝出発の小屋客は自分以外みんな烏帽子経由下山らしい。
自分以外はみんな出発準備を追え、団体さんも6時に出発していった。大して気象状況は変わっていないが、まわりが出発してしまうと焦ってしまう。小屋のおやじさんの目はもう少し待てばと言っているようだが、自分も出発することに決めた。危険箇所を二万五千分の一地図上で詳しく教えてもらう。もしも稜線に出て、あまりに危険と判断したらまた小屋に戻ってきます、と告げて出発。
野口五郎岳山頂まではゆるやかな稜線歩き。なだらかな地形で起伏もなくガスっていると方向を見失いそうだ。幸い見通しはそれなりにあり、所々ケルンが積んであるので、踏み跡を見失わないよう気をつけて歩行。やがて山頂指導標にいきつく。だだっ広い広場で展望もなく雨強く、カメラを取り出す気にならずそのまま通過する。指導標で一旦立ち止まってしまったので、方向感覚を失ってしまう。南南西〜南西方向の真砂岳のわかりやすいピークのほうに行けばよいのは判っていたが、なぜか目に入ったピークが右手にずれ過ぎていると思い込んでしまい、野口五郎岳山頂の東の小ピークに続く微妙な尾根方向に進んでしまう。踏み跡があるようなないような・・・いややっぱり踏み跡じゃないな・・・疑問を感じてGPSを取り出すととんでもない方向に進んでいることに気付く。さきほど右手に見えたピークに向かえばよいことがわかり、方向修正、正しい登山道に合流。どうもGWの易老岳に続き、思い込みで間違った方向に下ってしまう失敗を繰り返してしまう。あのときの反省が全然生きていない。大反省しろ自分。
真砂岳手前のピークはトラバースし真砂岳との鞍部を見下ろすと、東沢から吹く強風に乗って物凄い勢いで右から左にガスが流れている。左に樹木も岩もなく切れ落ちていて、風で足元がよろめくとそのまま左に落っこちそうだ。ふと、冬山講習で「風の呼吸を読め」と教わったことを思い出す。強風はいつまでも続かない。強弱を繰り返す風を読み、弱くなったところで鞍部を通過。真砂岳もトラバースし、進路を西に取る。大岩のゴロゴロした登山道になる。やはり目玉マークがついているので探しながらルート取り。ずっと左(南)側は切れ落ちた地形だが風下に雪田ができるのか、遠目にもハクサンイチゲのお花畑が見える。高山植物のお花咲き乱れる稜線だが楽しむ余裕はなく、黙々と岩を越えていく。アップダウンを繰り返し、階段があらわれる。野口五郎小屋で教えてもらった、水晶小屋手前のキツい階段かな?たしかにキツい登りが続き、登りきったところに小屋があった。何とかたどり着いた。
水晶小屋入口の引き戸を開け中に入る。左手に受付、右手に広い土間がひろがる。新しい建物だな。受付に小屋のご主人がおられたので休憩させてくださいと声をかける。土間のむこうには人が大勢いるみたいだがガラス戸越しで中はよくわからない。全身ビショビショだが椅子に座り休憩。ホットカルピスをお願いする。あつあつホットカルピスをフーフーして飲むと冷えたからだに酸味のある温かい味がしみる。ふとホワイドボードの登山道情報が目に入る。『高瀬下山不能』ええっ??!!!ご主人に訊くと、吊橋を渡ったあと、丸太2本の橋を渡ってきたでしょ、あれが鉄砲水で流されたんだよ、と教えてくださる。えええーーー!!!明後日あそこを渡って下山予定なのに大丈夫か?ご主人曰く、しょっちゅう流される場所で管理者に整備を要望しているが、管理者が東電で今は余裕がないらしい、と・・・・他にも薬師沢のほうの橋も流され、折立方面への下山も不能になっているらしい。そんなに猛烈な降雨という感じはしていなかったが、あちこち流されてしまうなんて・・・・今まで、行動予定の行程が通行不能となった経験がなく、うろたえてしまう。予備日もあるし、北アはどこに下りてもそれなりに交通手段があるので、何とかなるだろうことはわかってはいるんだが。
野口五郎小屋の美味しい弁当を一気にたいらけ、出発。水晶小屋のご主人によれば、高天原方面は特に問題ないのですよ、と。当初の予定では雲ノ平経由するつもりだったが最短距離の岩苔小谷沿いを行くことにする。外は相変わらず強雨。小屋からの下りで、2名、単独、2名と対向する。こういう天気のほうが会話を交わすことが多く、お互い気をつけて、と離合する。単独の女性は高天原から登ってきて今日は水晶泊まりとのことで、これから高天原に行き、ピストンで明日は戻ってくる予定と話すと「えぇ〜あそこを登ってくるの!大変ねぇ〜〜!!」と言われる。登山道や分岐はあちこち表示があるから大丈夫、岩苔小谷沿いは川みたいになってるから登山靴ビショビショは覚悟して、と。貴重な情報が非常に有り難いながら、多少ビビリが入ってしまった。その後の2名女性も、折立から下る予定が不可になったので高瀬に向けて水晶に泊まる、と。薬師沢も不可だし、高天原方面に行く人は誰もいないかもしれない。しかし高天原は今回の山行の大きな目的のひとつだから、無理なければやはり行きたい。前進する。
水晶小屋から下り、2841への平らなところは風が猛烈に強い。何とか横切り岩苔乗越へたどりつく。さあ、いよいよ高天原に向けて一気に下る。少し下ったところに残雪がある。スプーンカットに5歩ほど乗れば通過する。大きな沢を何度も横切る。間違えやすいところには×マーク・○マークがある。沢は増水しており川岸みたいなところを無理やり通過するところも。徐々に高度を下げると周囲の樹木の背も高くなり、やがて樹林帯に入る。一定の斜度でガンガン高度が下がっている。登山道は完全に水没し強い流れの川だ。川岸をホイホイと渡りつなぐのも限界で、川と化した登山道をジャブジャブ進む。踝の上くらいの水位。なおもひたすら高度は下がる。ふと、だんだん、単独女性の「あそこを登ってくるの!大変ねぇ〜〜!!」のセリフが甦ってくる。・・・たしかに、この調子で下っていけば、想定内の時間に高天原に到着するだろう。そして明日、天候不良の中を今日降り続いた雨でさらに増水した登山道を標高差約600mジャブジャブ登ってこなければならない。それだけでなく、水晶を越え大岩強風の稜線を越えて野口五郎小屋まで移動する予定・・・これは、無理だ、やめておこう。何の区切りもない川登山道の途中で決意し、今晩は水晶小屋泊まり、とする。そうと決めたらUターン。ついさっき来た道を戻る。結構下ってきた。岩苔乗越までひたすら我慢の登高。強風地帯を越え、8〜9名の団体と対向。やはり人数多く水晶小屋を断られたそうだ。予約してないけど泊まれるかな・・・不安だが進む。水晶小屋が見えた。再び入口の引き戸をガラリと開ける。
受付のベルを押すと小屋のご主人が出てこられた。「・・・・引き返してきました。今晩泊めていただけますか?」今朝休憩に立ち寄ったことは覚えておられたみたいで、大丈夫ですよ、泊まれます、と。はぁ〜〜よかった。やっと安心できた。山小屋ってほんとに安心を提供してくれる存在だなとしみじみ。一泊二食で受付すると寝場所番号記入したカードをもらう。土間奥の乾燥室にカッパ靴下スパッツ帽子ザックカバーを掛け、部屋へ上がる。1Fは板間に長机の食堂兼談話室と奥に寝場所、2Fの右手に割り振られた寝場所がある。1Fにも2Fにも人がいっぱい。今日の悪天で一日停滞していた人が多いようだ。ザックもビショビショだが床に置くしかない。ザックカバーしていても中味はかなりジメっと湿っている。何日も雨に降られっぱなしの状況で登山を続けたのははじめてなので、雨濡れ対策が甘かったようだ。取り敢えず荷物を整理し1Fの石油ストーブにあたりに下りる。カッパの下につけていたウエストポーチもビショ濡れでサイフにも浸水、お札が濡れてしまったのでストーブでヒラヒラ乾燥。ビール一本。ストーブを囲んで単独行男性が数人おられて山・温泉・蕎麦の話に花が咲く。そのうちに晩御飯となり、団体さんのテーブルにご一緒させていただく。具材ゴロゴロのカレーライスはおかわり自由で、朝から弁当1食しか口にせず腹ペコだったので二人前をペロリといただく。屋根のあるところで座ってご飯を出してもらえる贅沢・・・結局この日は布団3枚に4人、の割り振りとなり、自分の隣の予備には誰も来なかったので、実質布団1枚で寝る。
【7/29/2011(3日目):水晶小屋→野口五郎小屋】
朝御飯5時から。隣のペアは、昨日は一日停滞で今日は真砂〜竹村新道で湯俣に下山する、と。団体さんもそうするようだ。竹村新道は湯俣から高瀬ダムが林道歩きコースタイム2h40mでかなり距離があって、皆さん朝食後に素早く出発していった。自分も湯俣に下りないのかと訊かれたが、折角登ってきて急いで下山するのももったいないし、とりあえず野口五郎小屋まで移動して濁沢の仮橋復旧の様子をみながらのんびり行動するつもり。復旧すればブナ立てで下るししなければ湯俣にまわればいい。美味しい朝食を御飯2杯でたいらげ、人気のなくなった小屋でノロノロ出発準備。本当は8時頃までダラダラしていようと思っていたが、誰も居なくなって居づらくなってしまったので、結局6時半には出発した。
ラジオでは曇時々雨みたいな予報だったが外は相変わらずの雨脚。よく降るなぁ。昨日のビショ濡れ対策に、ザック内側の底にビニール買い物袋を敷き、唯一の防水スタッフバックにできるだけ多くの物を詰め込む。靴には新聞紙を詰め、中敷は乾燥室で乾かしておいたが、雨の中を30分も歩くとまたジュブジュブとしてくる。移動に必死だった昨日と違って、今日は余裕があるので、登山道沿いの景色を心から楽しむ。自分以外誰も居ない山の中、膝丈のハイマツが谷に向かってひろがり、ガスが濃くなったり薄くなったりしながらハイマツの間を流れる。東沢から吹き上げる風の強弱にあわせ、ハイマツや花がブルブルと揺れる。ハイマツも花も、山もみんな、晴れだろうが雨だろうが強風だろうがそんなことは関係なく、ここで自然の大きな流れの中で生きているんだな・・・・そういう処に来て自分の足で立っていることに誰に対してというわけでもなく大きな感謝の気持ちがわく。来てよかった。ありがとう。
東沢乗越を過ぎてしばらく行ったところで、左手のハイマツから何かかたまりが飛び出すのが視界の隅に入る。ライチョウだ!!大きく黒っぽいのでオスだろう。ほんの1.5mくらい先、ハイマツのあいだの岩の上に佇んでいる。雨に打たれ全身が濡れそぼると時々ブルブルッと水気を切る。か、かわいい・・・・もう雨だから写真はいいやと思っていたがこれは見逃せない。極力アクション小さくカッパ下のウエストポーチからカメラを取り出す。動作中はライチョウも警戒して首を伸ばすポーズを取るが、カメラをじっと構えると安心するのか元のボッテリした姿に戻る。首を縮め、フチの白い目をしょぼしょぼさせ、ボーッと佇むライチョウをそーっと写真に収める。いつまでも見ていたい・・・・カメラを収納する動作に反応してライチョウが登山道のこれから進む方向に離れていく。抜き足差し足で追う。ライチョウ止まる。こちらも止まる。またもやふっくらしてボーッと佇むライチョウ。うぅっっかわいすぎる・・・・時間を気にせずライチョウを眺めていられる幸福に心から感謝。間合いを詰めると、ライチョウは再び登山道進行方向へ。ヨタヨタと足を滑らせながらハイマツの枯れ木を渡っていく。進行方向に逃げてたら追っかけっこで永遠に眺めてなきゃならないじゃないの^^。まったくかわいいヤツめ・・・・ライチョウ観察に溺れていると後方から人が。昨日、水晶小屋のちかくで対向した、高天原から登ってきた単独女性だ。昨夜は同じ水晶小屋に泊まっていたはずだが、人が多すぎて見つけられなかった。またここで出会えるとは。「ほら、ほら、昨日お会いした!!」でお互い認識。「ライチョウがそこに居るんですよ」と話してふたりで観察。単独女性は遠く九州から赤牛岳に登る目的で来られたらしく、悪天候で目的は果たせなかったそうだ。もう年だから北アルプスはこれが最後、とおっしゃっていて、いやそんな、まだまだですよ、また来なさいって山が言ってるんだから、と返す。竹村新道で湯俣まで下るらしく、先に行っていただき、あっという間に見えなくなった。後姿を見送りながら、その歩きで北アルプスは最後なんて絶対にない、また山でお会いしましょうと思った。
ライチョウも見えなくなったので出発。大岩ゴロゴロの稜線を昨日と逆に辿る。真砂岳手前の分岐を単独女性が湯俣方向へ逸れていくのが遠目にうつる。まだ時間早く、自分も湯俣に下りようかと一瞬考えるが、野口五郎小屋の親切であったかいおやじさんやスタッフ、美味しそうな小屋めし、手ぬぐいを買う宿題のあることを思い、予定通り小屋へ向かうことにする。真砂岳を過ぎ野口五郎岳へは少し苦しい登り。山頂はトラバースしてそのまま小屋方向へ。対向の5人パーティ、よく見ると初日に抜きつ抜かれつで一緒にブナ立て尾根を登った人たち。「わ〜!またお会いしましたね!」と再会を喜ぶ。ひとりで大丈夫かと心配していたといわれ、気恥ずかしくも嬉しく、高天原に行きつけなかったと白状。お互いの無事を言い合い離合する。ゆるやかな野口五郎岳の脇を下り、窪地に昨日朝出てきたばかりの野口五郎小屋と再会。まだ物凄く早い時間で小屋に入れてもらえるかてんで判らなかったが取り敢えず入口へ向かう。
引き戸を開け小屋内に入ると小屋のおかあさん、スタッフが出てこられたので「戻ってきました、今晩泊めてください」と告げる。「あら!無事戻ってきたのね」とあたたく出迎えられ、高天原に行きつけなかった顛末を報告。しずくの滴るカッパ類を入口土間に仮干していると「サービスです」とあったかいコーヒーを出してくださる。身も心もあったまる。ごちそうさまです。一昨日と同じ部屋を使ってと告げられ、荷物を移動させているあいだに乾燥室にストーブを焚いてくれていた。カッパ類を乾燥室に移動させ、部屋で落ち着く。ヤンマーを止めますから、と言いにこられる。ヤンマー???発電機のことでした。ヘッ電準備。おやじさんが来て「寒いから布団に入ってればいいよ」と言われ、食堂にあった昔の山と渓谷を寝っころがって読む。昔は内容が濃かったんだなぁ・・・などと考えているうちに寝てしまう。登山客の到着でボンヤリ目を覚ます。起きて食堂に行くとおやじさんが「お茶に誘おうと部屋に行ったら寝てたから遠慮した」と。起きてりゃよかった残念。気を取り直し、乾いたカッパを取り込みに乾燥室へ。団体も到着。今朝高瀬から入山した人は濁沢の橋が使えず湯俣経由竹村新道で登ってきたようだ。みんな凄いな〜。団体さんは夕べは湯俣温泉に泊まったらしい。七倉〜高瀬ダムのタクシーも積算降雨量が規定を超えて入れず、単独男性は七倉〜高瀬〜湯俣〜竹村新道〜野口五郎小屋を全部歩いてきたそうだ。すごいぃぃ〜!!!
おまちかねの小屋夕食。カリカリの歯ごたえが嬉しい天ぷらは7種類も。嬉しい生野菜には細工の施されたゆで卵。一口大の高野豆腐、魚煮付け、山菜、御飯の友、デザートなど箸迷いの豪華夕食。ごはんはもちろんおかわり自由。味噌汁は鍋で配膳され汁椀2杯いただいてまだある。う〜んビールがウマい。隣の単独男性の七倉〜湯俣〜竹村新道の道中の話をききつつ、美味しい夕食を堪能。一旦食器を撤収し、お茶が配られて団体さんたちとも会話。明日は水晶泊まりで赤牛ピストンの予定だそうだ。小屋スタッフから「お酒お好きみたいですね、大雪渓ありますよ」と悪魔の囁き。カップ酒購入。う〜んウマいっ!!18時半のローカル天気予報がはじまったので見入る。聞き飽きたような『曇一時雨、時々雷雨』みたいな予報。全国天気では日本列島の中央付近のみ雨曇マークが並ぶ。「もう何日この絵柄を見続けたことか!」と小屋のおかあさん。いやホントに!いつのまにか梅雨前線みたいな停滞全線が発生しS字に長々と横たわっているし。まあでも入山から今日までずっと楽しかったです。ホロ酔い気分で布団に。おやすみなさい。
【7/30/2011(4日目):野口五郎小屋→烏帽子小屋→高瀬ダム】
濁沢の仮橋は29日中に設置されたが、その後また流されたという情報は入っていないらしい。流されてしまったら連絡が入るそうだが、無事かどうかの連絡がいつ入るか未定。赤牛岳に行くといっていた団体さんは、全員の足が揃わないという理由でリーダーが下山を決定したそうだ。統率取れてるなあ。何時頃出発しようか悩みつつ朝食。ハートのど真ん中にプルップルの黄身の目玉焼きが目に入る。ハム、生野菜、海苔、じゃこに御飯と味噌汁。ここの小屋めしはひと手間もふた手間もかけた心づくしという感じがあって、あったかく楽しいおやじさん、おかあさん、スタッフの存在とともに、やさしさが染み入ってくる感じがする。団体さんは6時頃に出発。自分はもう少し待ってみようかと悩んでいると、おやじさんが烏帽子小屋に連絡を入れてくださり、今のところ仮橋流失の情報はなく、烏帽子小屋の団体も一足先にブナ立てを下ったとのこと。万一、ブナ立てを下ってから橋流失していたら、ブナ立てを引き返してくる烏帽子小屋や野口五郎小屋の団体さんとどこかで対向するはず、と読み、自分も遅れて出発することに。2泊させていただいた野口五郎小屋にもお別れ。本当に心があったまりました、ありがとうございました。9月下旬まで営業されるとのことで、時間をつくってまた来れるといいな〜。名残惜しいけど出発。
雨脚の強いなか、烏帽子に向け北上。三ツ岳手前の小ピークは、展望コース(=山頂を踏む)とお花畑コース(=登山道表示どおり、ピークの東側をトラバース)に分かれており、往路は展望コースを歩いたので復路はお花畑コースにしようと決めていた。が、分岐を見落とし、またもや展望コースに行ってしまう。お花畑コースには残雪があったようだが通れたんだろうか?烏帽子小屋手前で樹林帯に入り、池とテン場を抜け、烏帽子小屋到着。少し前に野口五郎小屋を先発した団体さんが到着したみたいで、カッパを脱ぎ小屋の中で休憩していた。トイレを借り、自分も小屋へ。スタッフに橋の状況をきいてみたが、流されたという情報は入っていないとのこと。出発。小屋の先を右にまわりこみ、下山道へ。相変わらず雨脚強く、樹林帯の急斜面は根っこも石も滑りそうでこわい。慎重に足を進める。それでもGWの南アで下山の苦手感を少し克服できたので、調子に乗りすぎないよう調子に乗って下り続ける。やがて登高の入山者と対向しはじめる。ってことは濁沢の橋は大丈夫ってことだな。よかった!!5時半七倉発でこの時間にここまで?早いな〜皆さん!土曜日なので入山者も多い。カッパ下だけ着て上半身は傘を差して登っている人と出くわしてびっくり。傘さしてこんな急斜面を登ってくる人ってホントに居るんだ〜!!!単独者、団体、老若男女いろんな人が登ってくる。天候回復して楽しい縦走になるといいですね・・・・下りもやはり一本調子で疲労増加。どこかで休憩しようと思うが雨を避けられる平らなポイントが全然出てこず、最後まで休憩タイミングを逸する。だんだん沢音が大きくなってくる。下方に樹林越しに白っぽいモノが見えたので、下界の建物?と一瞬思ったが、濁沢上部の崖だった。まだか!まだか!と精神的に踏ん張りつつ、階段に到着。ああやっと登山口だ。ブナ立て尾根下山のみコースタイムを割ることができた。裏銀座登山口の指導標を過ぎて白砂の河原へ。濁沢の仮橋ってどんな急ごしらえ的な橋かと想像膨らませながら近づくと、入山時と同じ頑丈な丸太にベニヤ。これをたったの一日で準備して設置してくれたなんて、本当にありがとうございます!!!テン場を通り抜けて吊橋を渡り、トンネルへ。中真っ暗。入山時は蛍光灯が点灯していたので、下山時も大丈夫と思い込んでいてヘッ電をザック奥底にしまいこんでしまっている。全身ビショ濡れでヘッ電を取り出す気力がわかず、暗いまま突入。この時間から入山する人なんてそうそういないだろうし、まあ何とかなるでしょ!だんだん目が慣れてくるが暗闇も深くなってきて、鉄パイプのガードレールを手探りでさわりつつ前進。前方から人の来る気配がするが、どこに居るのか全然見えない。音が近づいてきたので、「すみません、全然見えてません、ガードレールに寄ってます」と大声をあげる。どうも、こんにちは〜と単独者が離合していく。ふと振り返ると、自分が来た道は直線でトンネル入口の光が逆光で照らすので人の存在がよくわかる。自分の進む方向はカーブしていて光が全然ないのでまったくわからなかった。う〜むと複雑な気持ちでトンネル通過。堰堤の先にタクシーが見える。あーよかったぁ!!乗れますかと尋ね、どうぞ!と。あぁーやっと下山した。カッパを脱ぎタクシー乗車、出発。座っているだけで体力は一切使っていないのに、前へ進んでいる感覚に違和感。文明の利器は偉大だ。タクシー運ちゃんは昔横浜に住んでいたが山が好きで大町に移住してきたんだそうだ。羨ましい、しがないサラリーマンには憧れの人生ですと返し、おしゃべりに花が咲いて七倉に到着。ありがとうございました。
七倉山荘の前を通りかかると、水晶小屋近く、ライチョウ観察で出会った単独女性がタクシー待ちをしておられる。声をかけてみるが最初はいぶかる表情を返され、ほら、水晶でご一緒した、で思い出してもらう。何という奇遇。事前予約の飛行機チケットの日程に合わせ、今日は穂高のペンションに泊まると。高瀬から七倉まで乗せていただいた都会脱出運ちゃんの操るタクシーが横付けし、単独女性が乗り込む。七倉を去るタクシーに手を振って見送った。さあ、自分もかえろう。
【下山後】
高瀬館の割引券を野口五郎小屋でゲットして、一路高瀬館に向かう。七倉Pからはすぐだ。駐車場はガランとしている。自分の鼻腔を自分自身が熟成された汗臭が直撃するような状況で、下界の素敵な旅館への入館に若干のためらい。だが汗を流したい。入口を入って左手の受付へ。日帰り入浴と告げ割引券を出す。「烏帽子ですか、野口五郎ですか」と訊ねられる。野口五郎と返す。受付嬢「濁沢の橋ってどうなってますか?」今下山してきましたが今のところ流されてないようです。入山者も沢山いました、と回答。受付嬢「確認に行けばいいんですけど・・・すみませんありがとうございます」いえいえ大した情報じゃありませんがどういたしまして。それよりも汗臭くてスミマセン。浴場へ行く。長い廊下を歩いた奥に男女別ののれん。先客一名でのんびりできそう。内湯でとにかくキレイになって、露天へ。山のきわに位置する屋根付き露天で、周囲の樹木からセミの声がシャワシャワと響く。そういえば今年の夏にセミの声を愛でるのは初めてだ。湯ノ花の漂う露天に身を沈める。うぅ・・・はあぁぁ〜〜〜〜〜・・・・極楽。汗を流し露天風呂を堪能し、歯を磨いてスッキリ。お世話になりました、ありがとうございました。
高瀬館をあとにし、池田町の某有名蕎麦店で辛味大根蕎麦を堪能、プラザ安曇野でお土産と地酒と野菜を買い込み、高速道路を一路自宅へ向かった。
◇考察(編集中)
コメント
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お疲れさまでした。お会いしたのはブナ立て尾根ともう一度真砂岳の近くでしょうか。あの雨と風はたいへんでしたね。無事歩けてなによりです。
コメントありがとうございます。お疲れさまでした!
連日の雨で橋が流され、予定変更を余儀なくされるパーティが多いなか、
komameさんたちは折立まで大縦走されたんですね!すごい!
心配してたと言っていただいたときは本当に嬉しかったです。
どうもありがとうございました!
いつもエネルギッシュなebi0813さんの山行のウイットに富む精密な記録、地図を片手に読ませていただきました。
わたしもブナ立て尾根にチャレンジしたいものです。登った記憶がありません。
tak1155さん、コメントありがとうございます。
ご経験豊かなtak1155さん未踏のブナ立て尾根を登ることができて光栄です
タウントダウンする数字は親切でいいのですが、私は焦らされる
心理的負担が大きく無いほうがいいなと思いました(笑)
今月の岳人に秋の烏帽子岳周辺が出ていました。
秋にもまた行きたいなと思っています。
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