八幡平→岩手山(裏岩手縦走路、八幡平バス、馬返しタクシー)
- GPS
- 19:25
- 距離
- 42.1km
- 登り
- 2,199m
- 下り
- 3,073m
コースタイム
- 山行
- 4:01
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 4:44
- 山行
- 11:08
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 12:30
- 山行
- 1:58
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 2:53
八幡平レストハウスで昼食。
鬼ヶ城の登りが(鬼のように)キツかった。
天候 | 1日目(7/28土) 曇りガス 2・3日目(7/29土-30日)快晴 朝は西(秋田)側からの風が結構強く、寒い。昼間は直射日光がとても暑い。 |
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過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
東京 06:32 -(東北新幹線 はやぶさ・こまち1号)- 08:44 盛岡/盛岡駅前東口 09:10 -(岩手県北バス 八幡平自然散策バス 交通系ICカード○)- 11:05 八幡平頂上 本当は以下が最速だが、夜行バスでも間に合わない。盛岡に前泊が必要 盛岡 05:00 -(花輪線 普通 大館行き)- 05:36 大更/大更駅前 07:11 -(岩手県北バス 松尾鉱山資料館行き) 07:38 松尾鉱山資料館 08:00 -(岩手県北バス 八幡平頂上・御在所行き)- 09:05 八幡平頂上 ・はやぶさ・こまちは、1号は平日でもかなり混む。こまちのほうが空いている。しかも座席が2+2配置なので必ず通路側か窓側。荷物置き場は各車両にある。 ・株主優待券を使うと40%割引で、運賃+指定席特急券が15,010円→8,990円(▲6,020円)。ただし優待券は金券ショップで3,500〜4,000円。また、優待券はきっぷを払い戻し(キャンセル)しても使ったことになってしまうので注意。 ・バスは八幡平マウンテンホテルで大量に人が乗ってきた。ここで増便が出て2台運行となる。 〈復路〉 馬返 07:30 -(みたけタクシー 4000円)- 07:50 滝沢駅前/滝沢 08:18 -(IGRいわて銀河鉄道 普通 盛岡行き)- 08:33 盛岡 08:50 -(東北新幹線 はやぶさ・こまち6号)- 09:29 仙台 09:48 -(東北本線 普通 小牛田行き)- 10:12 松島 …(徒歩 13分)… 多賀城 10:32 -(仙石東北ライン 快速 仙台行き)- 11:00 仙台 11:45 -(東北新幹線 やまびこ134号 始発)- 13:48 東京 ・みたけタクシー巣子営業所 019-688-1335 登山口に一番近く、15分で到着できるとの宣伝。 ・やまびこは、1号車は仙台発で3組しか乗っておらず。宇都宮で結構乗車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
道 踏み跡明瞭。高山植物多く、池や湿原あり、飽きない。ただ、両側は1mくらいの笹+洗掘で何も見えないことも結構ある。 刈払いは作業中で、大深岳→小畚岳の下り、大台倉山から網張コース分岐、黒倉山→岩手山方面分岐まで、切通→鬼ヶ城のハイマツ帯に出るまではやや草がうるさい 木道は壊れつつあり、雨の日は大変そう。 源太ヶ岳、山頂標がない(見落としかもしれないが)。 鬼ヶ城、具体的な危険箇所はよく分からず。北側は崖、それはそう。 全区間、アブがブンブン飛んでくる。 小屋 大深山荘、三ツ石山荘、文句なしの綺麗さ。参考:https://50kmtrail.com/support.html 不動平避難小屋は、一応小屋前の注意書き看板に「宿泊は八合目避難小屋のみ認めます」とあり。 八合目避難小屋は電灯だけ発電機でつけていて消灯20時。避難小屋というより有人小屋。1泊1700円は破格。3時位になると御来光の人が準備し始める。 水場 大深山荘の水場 分岐から3分、大倉冷水(犬倉山北の水場)分岐から30m、御成清水(八合目避難小屋前)、鬼又清水(馬返登山口前):どれも猛烈な勢いで湧き出ているし冷えてる 三ツ石山荘は不明 トイレ 八幡平、大深山荘、三ツ石山荘、不動平避難小屋、八合目避難小屋(なんと水洗)、馬返 電波(docomo) 八幡平レストハウス△、その先もあまり繋がらない印象。大深山荘、岩手山は◎。八合目避難小屋は外は◎。中はほぼ× 登山ポストは不明(コンパスで提出) |
その他周辺情報 | 八幡平レストハウス 牛丼などある。チート的選択肢。注文後1分で出てきた。 馬返しにはなにもない。滝沢駅前にはローソンがある。 |
写真
装備
備考 | 水 1日目 記憶ない 2日目 3L+nal1L 余り1L 3日目 2L+nal1L 余り2L バーナー ▲65.5g 1日目夜 紅茶、炊飯、スープ 3回、2日目朝 カレーメシ、2日目夜 紅茶、炊飯 2回、3日目朝 ハヤシメシ 強風下 |
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感想
東北屈指の縦走路。本当は八幡平〜大深岳からと続き秋田駒までに至るルートのほうが長いと思うが、こちらはずっと大白森付近ヤブと聞いており諦め。代わりに岩手山に向かうルートを前から辿りたいと思っていた。ちょうど百名山でもあり、わりかし北の方にあるので夏でも涼しかろうと思って、縦走の練習も兼ね訪れた。
(本当は、妙高〜火打〜雨飾を縦走するつもりであったが、暑そうなのと、レコが少なく今年の道と水場(特に大曲)の状況が分からず、折角予約した大人気高谷池ヒュッテのテン場の予約もキャンセルし、こちらに切り替えた。)
懸案事項は、始発の新幹線に乗り遅れるリスクと、大深山荘の混み具合が読めないこと。前者はなるべく早くに準備を終わらせ、後は気合。後者は、有休を取った休前日に泊まることで回避。私含め2名のみで空いていた。
ルートとしては、小屋よし水場よしトイレよしの至れり尽くせりなルートで、整備している人たちに頭が上がらない。一応大深山荘は協力金入れがあったので、他の山域と同程度の水準の(というか朝日基準の)お金を入れたが…。
1日目
始発の新幹線チャレンジ。これを逃すと岩手山から入るように計画を変えることになり、日曜日が大変。前日結局よく寝れず、結果的に間に合う。
バスで八幡平。この時点で東京から5時間弱。道路でアクセス可能とはいえ、遠い。
八幡平はさくっと見て回る。山頂はたしかに山頂らしさがない。晴れていたら眺望が良いのだろうが、あいにくのガスで残念。岩手山まで、これから縦走するルートを見たかった。
池や沼の群があって飽きない。特に八幡沼と周りの草原、ポツポツと点在するアオモリトドマツの光景がよい。この移り変わる景色こそが、深田久弥が百名山に推した理由らしい。確かに納得である。
八幡平レストハウスに戻り牛丼を食べる。
そこから急いで裏岩手縦走路へ。天気がガスで太陽がなく意外と寒い。景色が見えないのは困るが、涼しいのはありがたい。
畚岳に登る。アブがうざったい。ここで2PTとすれ違う。小さなピークであるが、周囲の景色が少し見えた。
そこから諸桧岳、嶮岨森と進んでいく。笹の間の道、多分雨の日だと沢になるであろう道が多い。
地形図では大半がハイマツ帯となっているが、意外と両側の笹が伸びていたりして景色は振るわない。とはいえ、刈払の幅が広い(2mくらいある)し、傾斜が全然ないので苦でもない。嶮岨森のあたりは眺めが良い。
3時間位で大深山荘。凄まじくキレイな小屋。入ると木の匂いがする。床はフローリング、土間まで板張り。
お米を水につけてから水場へ。水場はお花畑で素晴らしかった。天上の別世界のようであった。
この日は他1名で宿泊。無洗米にしたらとても美味しく炊けるようになった。日の入りとともに就寝。
2日目
夜中、2, 3回目が覚めた。朝3時半起床。4時半発。4時でも明るくて焦った。
まずは大深岳への登り。稜線に出ると秋田側から吹き付ける風が寒い。もう8月近いというのにこう寒いこともあるのかと驚く。まあ、その後暑くなったのだが…
分岐に荷物をデポして源太ヶ岳へ。ソロで荷物デポは若干不安に思うところがある。まあ、稜線沿いならクマも来ないだろう。源太ヶ岳は山頂標が見当たらず右往左往。ヤマレコと、実際の地形からこのピークであろうというのはわかったが、何もなかった。電波が通じたので調べると、幾つか山頂標の写真が出てきた。最近消えたのだろうか。ここでやっと今回の目的地岩手山が見えるようになる。遥かな道のりに思える。あと、岩手山はかなり標高が高く、眼の前に立ちはだかっている感じがする。
大深岳を超えて小畚岳へ。畚岳と離れているのが謎。大深を超えたところから道が狭くなる。伸びた草がゲイターの高さを超えてズボン全体に当たり、朝露で浸水していく。最終的に靴の中がぐちょぐちょになった。
かき分けるようにして鞍部から登り返す。ここの登りはややつらかったが、まあ日光白根山ほどではない。朝だし止まれば風が冷やしてくれる。
小畚岳〜三ツ石山は天空散歩。遠くから三ツ石山の山頂に石がぴょこぴょこと飛び出ているのが見え、その名の由来を知る。途中、三ツ沼を通る。どこの沼も綺麗だ。
三ツ石山で休憩。その後三ツ石山荘に下る。この道はやや広め。三ツ石山荘は湿原の横にあり、湿原ではギボウシが咲き誇っている。登り返して大松倉山。この辺りから日光が本格的に当たり始め、暑くなる。
大松倉山からまた道幅が狭くなり、両側から飛び出る草に襲われる。後で知ったが刈払の分担がここを境に分かれているためと思われる。
アブも多く、数少ない来訪者を待ち構えていたかのようにブンブン飛んでくる。止まることもままならない(けど、意外と止まっても襲ってこない?)。暑いのに耐えながら、網張分岐まで無心で進む(何回かヤマレコのGPS見てまだか?となった)。
ようやく網張分岐。しかしまだアブがうるさい。耐えて犬倉山まで登る。直射日光を容赦なく浴びせられながらの最後の上りが身体に堪える。
ちなみに網張分岐からは個人的には因縁のあるコースとなる。小学校の頃だかに、家族で休暇村網張温泉に泊まったことがあり、翌日リフトに乗って岩手山に行こうとなったはよいが、ゲレンデの登りが暑いわで結局元湯が見えるところまで登って終わった記憶がある。
犬倉山で大休止。オニヤンマが飛んでいる。眼下には網張の元湯。ここで刈払をしている人と話す。町からの委託らしい。カバー範囲が大松倉山〜鬼ヶ城らしく、一人でそんな広大な領域を?と驚く。それは最早ひと夏の大仕事に思う。頭が上がらない。そして確かに雫石町は想像以上に広かった。新幹線が停まる少し大きい程度の街と思っていた。なお、今年は網張のリフトが動くのが遅いらしい。エスケープルートと思っていたので残念。道理で今日も人があまり入っていないわけだ。(といっても、網張から先、そこそこの人とすれ違った)
気を取り直して、岩手山登山道に戻る。この時間なら余裕で着くだろう。時間の余裕は登山において大事である。
犬倉冷水は、あまりレコで状況を把握できず、出ていないのも覚悟していたが(そのため1日分の水を持って歩いてきていた)、実際はめちゃくちゃ水量豊富で、しかも冷たくて美味しく、予想をいい方向に裏切ってくれた。岩清水というよりは土の間から噴き出ているというのが正しい。1Lのナルゲンボトルが数秒で満杯になる。思う存分水分を補給する。
犬倉からは180mほど登って姥倉山。今日の登りはこの姥倉と鬼ヶ城がメインなので、一歩一歩ゆっくりと進む。暑くて何度か立ち止まったりしたが、稜線に出る。このあたり、暑い。やっぱり休憩。
分岐に荷物をデポして姥倉山へ往復。山頂はその見た目の割にはこじんまりとしていた。荷物を回収して黒倉山へ。今度はゴールが見えているので気分的には楽。
黒倉山は山頂のそこかしこから蒸気が上がっていて、熱気もあり、驚いた。
切通から鬼ヶ城。鬼ヶ城はしばらく灌木帯…といっても洗掘もあり背丈以上の木と草…を歩くが、何しろ風通しがなく暑い。早くハイマツ帯に出ることを願いながら歩く。地図だと1570mくらいからなのだが、もう少し上だったかもしれない。
ハイマツ帯に入ってからも結構なアップダウンがあり、陽射しが厳しくスピードが上がらない。オーバーヒート気味といったほうが正しい。別に脚はまだ余裕があるし、息がつらいわけでもないが、ただただ暑い。結局1:20くらいで鬼ヶ城まで歩いたのでCTちょいマシくらいなのだが、結構休み休み進んでいて、個人的にはもっと遅いと思っていた。このあたりで結構水を消費する。
鬼ヶ城は、地図上では1758mピークがそうだが、実際は特に看板があるわけでもない。途中、崖の端を歩く場所が何箇所かあり、気持ち南側に沿って進む。あと、軽い岩登りが1回だけある。アスレチックのようだ。五竜を思い出す。
岩手山がどんどん近づいてくるのと、両側で咲き乱れる高山植物だけが頼り。かなり疲弊していると、唐突に下りとなって分岐着。
ここからはもうゴールのようなもので、休んだ後不動平に下り避難小屋に荷物をデポ。岩手山に登る。勝利は約束されているし、荷物も軽い、風もあるので、地味に200mある登りも全く苦にならない。今までの縦走路を思い出しながらお鉢を歩き山頂へ。午後ということもあり、出発した八幡平が遠くに霞んで見え、かなり感慨深い。達成感を噛み締めながら岩手山山頂につく。
写真を撮ったり撮ってもらったりし、しばしその眺めを時間を忘れ楽しんでから、残りのお鉢周りをする。もうこの山行も後は下るだけ。気が楽である。
(実際は、八合目避難小屋につくのが17時と遅くなってしまったことと、混雑具合は気になっていた)
八合目避難小屋は夏の季節は有人のようで、避難小屋というより普通の小屋だった。中は蚕棚の3段寝台。自分は中段になった。中段の方が長身の私にとっては身をかがめなくて楽な気もする。
小屋の目の前の御成清水で好きなだけ水を汲めるのも素晴らしい。とりあえずタクシーに電話。昨今はタクシー運転手不足だそうだが、希望の時間に来てくれる模様。これでようやく帰りの足が確保される。登山は行くまで未定の事項が多く、なかなか気が休むときがない。その後、徐々に日が落ちていく中、夕食を作り、19時前に小屋に戻る。
避難小屋だと電気などないので日の入り=寝る時間であるが、この小屋は20時まで電気がついており、なかなか皆さん活発であった。
3日目
何度か途中目が醒めた。3時起き、といっても最初しばらく起き上がれずぼーっとし、3時半ごろ活動開始。周りは御来光目当てで続々山頂に向かって出発する。朝食を食べる前に行動、すごい。私は御来光に興味が沸かないので、朝食にする。
外は結構な風で寒い。バーナーの火も煽られなかなか沸騰しない。風防が欲しいところ。なんとか温め、小屋内で食事を摂る。
3時半出発。靴が完全に乾かず不快。ひたすら下るだけ。旧道を選んだので、展望があってよい。しかし下りは下りで結構身体が暑くなる。露岩帯でザレているのもあり、疲れる。時々休みながら下る。下からは続々と人が登ってくる。3合目あたりから樹林帯。旧道と新道が合流して少ししてから、気持ち傾斜が和らぐ。その後の分岐あたりから傾斜が更に緩くなる。一方でCTとほぼ等速で進んでおり、このままだとタクシーまでの余裕(元々CT+30分後につくように手配した)があまりないなと思い、なかなか止まる気にもなれない。結構洗掘していて赤土なので滑りやすい。階段は下るにはいい。最後、涸れ沢をまたぐと、まさかの少しの登りをやってから、唐突に駐車場に出る。
ここでタクシーまで30分休憩。鬼又清水で頭を洗い、顔を洗う。荷物も整理する。靴も下界靴へ。歩荷の方が荷揚げの準備をされていた。
タクシーで滝沢駅。滝沢駅は静かな駅で、ここから盛岡へ。盛岡からは新幹線で帰宅。下界は暑くて敵わない。夏山は降りてからの下界の移動も疲弊する。途中、乗りつぶしで仙石東北ラインだけ寄る。暑さと乗り継ぎの悪さから、烏山線は飛ばす。
普段なら考えられないような、14時台に自宅着。かなり日曜日に余裕があった。
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