奥穂から乗鞍 ジャンダルムの天使に会いたくて
- GPS
- 43:35
- 距離
- 91.2km
- 登り
- 6,645m
- 下り
- 7,167m
コースタイム
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:54
- 山行
- 7:38
- 休憩
- 3:04
- 合計
- 10:42
- 山行
- 11:01
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 12:27
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢〜奥穂岳山荘 雪渓より上部は登山道は一部不明瞭となります。 奥穂〜西穂 危険なところはたくさんです。特に浮石に注意。また、奥穂からは馬の背が怖いです。 平湯〜金山岩分岐 道は明瞭ですが、かなり草むしています。 乗鞍剣ヶ峰〜中洞権現 剣ヶ峰から降りる道がわかりません。自分は強引に岩を三転確保しながらおりました。尚、鞍部に着くと道は出てきます。また、途中の巨岩の通過のところはペンキ類等はあまりなく、岩々の上に積まれたミニケルンが目印です。 中洞権現〜奥千町避難小屋 ハイマツの激ヤブとなります。 奥千町避難小屋〜丸黒山 ここは笹払いされているかがポイント。今回は笹払いをして頂いたので歩きやすかったです。 |
写真
感想
ジャンダルムに行ってきました。
最初は、上高地と焼岳、そして乗鞍をつなげるつもりだったのですが、奥穂と西穂の間のジャンダルムが歩きたくなり年齢的に今しかないと思って遂に敢行。
結局、奥穂からジャンダムムを通過して焼岳、乗鞍を結ぶ天気に恵まれた四日間の充実した山行となりました。
また、今回は荷物はジャンダルム通過の目的ですべて小屋利用の軽量化としました。
尚、最終日の高山駅までの車道歩きは赤線つなぎの為のお遊びです(笑)。
詳細記録をやっと書きました。
四日間で長文なので読み飛ばしてください(自己記録なんで)
最初は上高地から焼岳を超えて乗鞍岳、そして高山に向かう計画だった。
だが、ふと気がついたジャンダルム。やがてこの山行のメインになってました(笑)。
初日は穂高岳山荘まで。最初は岳沢経由を考えたが、あのM的な登りがやはり嫌で歩いた事のない白出沢経由とする。唯、こちらのコースもなかなかの急登らしい。
新穂高温泉にバスで朝着き、林道を歩き出す。しばらく歩くと林道をショートカットする道に入り山道歩き。再び林道に戻ったところが穂高平小屋だった。ここから再び林道歩きとなり、やがて白出沢の出合に着いた。
ここから、いわゆるホントの登山道だ。気合いを入れて歩き出す。しばらくは緩やかな登りが続いて歩きやすい。やがて、白出岩道のレリーフが出て来て、何じゃこれはと思っていると重太郎橋が現れた。確かにこの橋は大雨の時はこれは通過出来ないかもしれない。今日は全然問題なく楽に通過。重太郎橋の先が白出岩道だった。岩をへつった道で落ちたらアウト。このあたりから登りもだんだんきつくなって来る。鉱石沢、荷継沢で休憩しながらゆっくり登る。荷継沢からいよいよ白出沢直登ルート。最初だけは傾斜も厳しくないが、すぐにきつくなる。雪渓が見え出す手前で休憩している人に後4時間だねと言われる。小屋がある鞍部は見えだしているが傾斜が半端なくきつい。そして雪渓を越えてから、傾斜はますます厳しく斜度も30度は絶対越えていると感じられた。しかし、4時間まではかからず雪渓のところから約2時間で穂高岳山荘に到着した。
この日は約四半世紀振りの小屋の食事で、かなり期待したが、期待が膨らみ過ぎたようで(笑)、それなりだった。
二日目、夜明け前に出発。今日はジャンダルムを越えて、できれば焼岳小屋まで行きたい。初っ端の奥穂のきつい登り。奥穂に近づくとなんとジャンから明かりが!こんな暗い中で西穂方面に歩くなんて信じらない。
奥穂で丁度夜が白みだした。ご来光は待たすに先を急ぐ。
いよいよ、西穂への道を歩き出す。西穂より直ぐにナイフリッジの馬の背が出てきた。途中で立ち往生。どうにも印の方向の足掛かりには足が届かない。思案の結果、なんとか足掛かりを見つけて馬の背を下り切る。下ってから振り返るとやはりあそこで立ち往生している。
それにしても浮き石が多い。ちょっと石にふれただけで、すごい音を立てながら信州側に落石をしてしまった。より慎重に歩く。ジャンが次第に近づいたあたりでなんと雷鳥の親子を発見。子供の雷鳥が可愛い。
ジャンは説明のとおり、信州側は巻き、西穂側から登る。ところが道がわからなくなる。直ぐそこに頂上が見えるので適当に直登したが、一歩間違えると落石を引き起こしかねない場所だった。
ようやくジャンの頂上に到着。憧れの山だ。天使に会えて感激する。
展望を楽しんだ後、やや飛騨側に回り込む正しい道でジャンを降りる。
ここから、天狗のコルまではどんどん下る。下りきった天狗のコルの前には天狗岩が聳え立つ。今度はほぼ垂直の岩を鎖があると言いながら登らされ天狗岩に到着。
そしてまた下らされ、間天のコルへ。再び登りで間ノ岳。此処は標識はなく岩に直接書かれいるのでわかりにくい。
間ノ岳を後に再び降り、西穂の手前の小ピークの手前で再び道を見失う。少しウロウロしたが、とにかく稜線へという形で移動する事で白ペンキを発見。ホッとする。最後は西穂の登りだ。手が疲れて来ているのでのがわかる。三点確保の連続だから無理もない。やっとの事で西穂によじ登った。
西穂到着。やり遂げた充実感と安堵感でいっぱい。
此処からは実線の登山道だ。普通の登山者もいて違和感を感じると共にジャンを越えて来た事に賞賛して欲しいという複雑な気持ち(笑)。
大切に持って来た白桃ゼリーを食べながら、改めてジャンを振り返る。
大休止後、西穂山荘に向かう。独標まではガレ場が多い。それを過ぎると普通の登山道。
西穂山荘は家族連れでいっぱい。此処にお昼前に到着したので余裕を持って焼岳小屋に向かえる。改めて、ジャンダルム通過を一人でビールでお祝い(笑)。ゆっくり再び休憩後、焼岳小屋に向かう。焼岳小屋までの道は樹林帯の中を進む平坦な道だが最後の割谷山の登りが疲れた身体にキツい。後少し頑張りと自分に言い聞かせ、焼岳小屋に到着。
焼岳小屋は昔ながらの小さな小屋だった。案外泊まる人も多く、どこから来たのと聞かれるとジャンダルムを越えてとちょっと照れながら答える。みんな、目を丸くするのは、ちょっと嬉しい。唯、明日は何処にという質問はちょっと困った。
焼岳小屋は小さな小屋だったが、食事も美味しく満足して就寝。
三日目、誰よりも早く小屋を出る。今日も長丁場だ。小屋から焼岳を越えて中新尾口までは当たり前のコースだが、その後、安房峠を越えて乗鞍岳肩まで行こうと考えている。焼岳への途中で日が出てきた。今日もいい天気だ。焼岳に近づくとにつれて硫黄の匂いがする。少し緊張する。焼岳北峰の登山道の横で噴気口から湯気が上がって見て更にビックリ!焼岳は正に火山の山だった。北峰到着後、北峰と南峰との鞍部に向かう。ここから新中の湯への道がある。
新中の湯への道は最初はカール状の地形をどんどん下る。道が平坦になった当たりに広場があり、ここからの焼岳の景色は天下一品。焼岳にも大満足して樹林帯の中を新中の湯へ向かった。
新中の湯からはしばらく安房峠の旧道歩き。結構、車が多く嫌になる。それに途中で猿の集団がいて怖かった。
安房峠を越えてからは平湯に下るが平湯までは降りたくない。ヤマレコの記事によると途中で平湯スキー場上部につながる林道があるようだ。頼みの綱のガーミンには載ってない。地図とにらめっこしながら、歩くとそれらしき林道があり、その林道を歩いて行くと平湯2キロの標識があるスキー場上部に出た。しばらくの炎天下のスキー場歩きを耐えると登山道入口に着いた。
登山道は道ははっきりしているが、歩く人はあまりいない感じ。歩きにくく、既に日も高く日陰でも涼しくない。十石山分岐に着いた時は既にヘロヘロだった。
後は稜線歩きと思っていたが、硫黄岳へは一旦下る、そしてまたその先でまた下る。疲れた体には辛い道だ。ゆっくりと進むしかない。硫黄岳の先のコマクサに励まされながら、乗鞍稜線を走るスカイラインに出た。
此処まで来ればもう大丈夫。車道を畳平まで歩き、畳平の食堂でビールをごくごく(笑)。
後は肩の小屋まで歩いて、今夜の宿に着く。
肩の小屋は普通の山小屋的な感じだが、個室タイプで布団の大きさが普通なのとコンセントがあるのがありがたかった。
四日目、今日も天気は良い。暗い中を皆さんゴソゴソしている。剣が峰のご来光が目的だろう。自分もゴソゴソ。ご来光ではなく高山までの長丁場だから(笑)。
剣が峰までは皆と一緒。剣が峰に着くと同室だった人に別れて告げて千町ヶ原に向かう。
降り口が良くわからない。下の鞍部には道は見えている。結局、降りやすそうな所をほぼ強引に下りきった。降り立った所に標識はあるがやはり剣が峰からの道はわからない
とりあえず、千町ヶ原への道ははっきりしているので歩く。大日岳を横切るところで二回程、巨石がゴロゴロしているところを通過する。印があまりなくて分かりにくい。でも中洞権現迄は快適な道だった。でも此処から一変する。道は遠目にははっきりしているが、歩くとハイマツが覆い被さっていて歩きにくい。半分ハイマツ漕ぎみたいな道でため息つきながら歩く。
途中でコレはまずいかもと思い、ズボンのポケットに入っている物をしまい直そうと思って手を入れたが既にメガネがハイマツに奪われていた(T_T)。地図を見ても良くわからないし、ガーミンも良く見えない(T_T)。手探り登山になってしまった。
気を取り直して歩き出し、やがて千町ヶ原の避難小屋につく。避難小屋から丸黒山に向かう道は分かりにくいが幸い避難小屋にいた方々がいて教えてもらえた。此処からは湿原が続いて綺麗。やっぱり来て良かった。また、道も笹払いして頂いていて非常に歩き易い。緩やかな下りがずっと続くが、最後の登りの丸黒山があらわれた。ひぃこら言いながら登る。やっと、登った丸黒山は乗鞍岳の大展望台だった。
四日間、無事に歩けた事に深く感謝しながら、感慨深く山を眺める。
後は下るだけと思ったが、青少年の家の手前で尾根を幾つか乗り越えさせられて、ヘロヘロ加速(笑)。
やがて、林道にでて青少年の家らしきところに着いたが、どうも現在位置がわからない。地図を見て、メガネがないから良く見えない(T_T)。
仕方なく高山方面は下りだろうと舗装道路を下り出す。
約30分程歩いて飛騨高山スキー場の入口に出た。これで現在位置がわかったが此処から、高山までは後20キロ。
赤線繋ぎは厄介な趣味である。ため息まじりに炎天下の中を歩き出す。
約1時半程歩くとなんとバス停がある。バスは30分後。非常に乗りたいが此処で乗ると次に此処から出発する必要がある。涙まじりに歩き続ける。高山近くなるとようやく食堂が出てくる。ほぼ休憩無しで歩いているので休みたいが、此処で止まると足がもう動かないほど悲鳴をあげている。
魅力的な飛騨牛とビールのお店を泣く泣く通り過ぎ、夕暮れ迫る頃、観光客に賑わう高山の街に着き、四日間の山旅は終わった。
コメント
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momohiroさん 遅れたコメントで申し訳ありません。K-azmと申します。ジャンダルム拝見させていただきました。 羨ましい~! でも怖そ~ よくぞご無事でって感じですね。 私も他で岩陵帯の練習などを十分に積んだ後に是非チャレンジしてみます。体力のあるうちにとありましたが、それはごもっともな話ですよね。ある意味こればかりは…(笑)
貴重なレコありがとうございました。
k-azmさん、コメントありがとうございます。
ジャンダルムは天気がいい時にしっかり3点確保すれば全然大丈夫だと思います。
一番怖いのは浮石なので本当の意味での3点確保の体重移動が重要かなと思います。
それと、人の前後にくっつき過ぎると落石の迷惑を被ったり、落石のご迷惑をおかけしたりするので、その点も注意かなとは思います。
k-azmさんは高所恐怖症ではないようなので、大丈夫だと思いますよ。
momohiroさん 返信とご教授までありがとうございます。K-azmです。
嬉しいようなお言葉を頂きましたが私も身の丈はわきまえている積もりです。まずは、谷川岳の西黒尾根、蝶ヶ岳~常念岳、奥穂高、槍ヶ岳、西穂高、唐松~五竜岳、槍ヶ岳~北穂高(大キレット)、白馬岳~唐松(不帰ノ嶮)、劔岳、そして最後にジャンダルム! このような岩陵帯計画を練っていますがいつになることやら(笑) まぁゆっくり楽しんでいきたいと考えています。 でも本当の意味で一番の試練は自分の布団でないと寝れないことをどう克服するかです(笑) 外泊は最大の苦手です…
この度はいろいろとありがとうございました。
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