薬師岳(室堂→折立):雄山・浄土山・龍王岳・獅子岳・五色ヶ原・鳶山・越中沢岳・スゴ乗越・間山・北薬師岳・薬師岳)
- GPS
- 28:22
- 距離
- 37.0km
- 登り
- 2,965m
- 下り
- 4,031m
コースタイム
- 山行
- 2:29
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 2:57
- 山行
- 10:09
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 10:51
- 山行
- 11:04
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 11:26
天候 | 晴・曇・霧・雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
◎折立の駐車場の台数は非常に多いが、数日は停めてある車が多いと思われる。料金は不要。 ◎折立からのバスは1日に2~3本。12:30発が最終。予約可能。有峰口まで3300円。 ◎有峰口駅→立山駅:富山地鉄(電車)420円。乗車時に整理券を受け取り、降車時に払う。立山駅終点では降車時ではなく改札で整理券を渡して支払う。 ◎立山駅→室堂:ケーブルカー・バス合わせた切符が4090円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【室堂から一ノ越】 ・きれいに整備された登山道。すれ違える幅。 ・普段着・普段靴で行けそうだが、室堂平や雷鳥沢が綺麗に見える。 【一ノ越から雄山】 ・斜度のある登山道。時折手も使う。 ・登りと下りで経路を分けてある。登りは赤、下りは黄色のマーキングに従う。 【一ノ越山荘】 ・水場があると何かで読んだ気がするけど、水場は無いように見えた。 【室堂から浄土山】 ・途中に展望台への分岐がある。数分歩いて展望台は、薬師も笠も槍も、雲海の向こうに白山も、キレイに見えた。 ・展望台の分岐から浄土山までは斜度が急になり、岩がちになる。 ・浄土山山頂からは、雄山と劔岳の間の奥に白馬岳も見えた。薬師・黒部五郎・笠・鷲羽も美しい。 【浄土山から龍王岳】 ・一ノ越から登ってくる道に合流する ・龍王岳へはザックをデポして片道10分程度。360°展望と思われる(雲の中だった‥) ・見下ろすと黒部湖。その向こうに針ノ木岳がそびえる。 【龍王岳分岐から五色ヶ原】 ・アップダウンが深い。300メートル程度は下がっては上がる。 ・最も深い鞍部はザラ峠2348m ・鬼岳は巻く。獅子岳2714mは山頂を通る。 ・そこそこ難易度のある登山道。クサリ・ハシゴ・ロープも所々にある。 ・いくつかある雪渓は登山道よりは下になっていた。 ・ザラ峠の少し手前の登山道に熊がいて去るまで皆で停滞した。 【五色ヶ原からスゴ乗越小屋】 ・引き続きかなりのアップダウン。数百メートル下がっては上がる。 ・最も深い鞍部はスゴ乗越2150mくらい。 ・間のピークは2600m前後。鳶山や越中沢岳など。 ・スゴ乗越からスゴ乗越小屋までは100mくらい登る。テント場の少し上に小屋 ・スゴ乗越小屋は水が豊富。100円で汲み放題。ドリンクも流水で冷やしている。 ・スゴ乗越小屋の食事メニューは、カレー・牛丼・肉うどんなど 【スゴ乗越小屋から薬師岳】 ・基本は登り基調。ザレ気味で滑りそうな斜面が多い ・北薬師岳への登りくらいから、大きめの岩が増える。〇をしっかり見つけて進む ・北薬師岳から薬師岳は難易度高め。両側切れ落ちてる△岩尾根を向こう側に超える所が一番怖かった。 【薬師岳から薬師岳山荘】 ・ややザレ気味だが怖くはない登山道。 ・薬師岳山荘と太郎平小屋が見え隠れしながら下りてゆく。 ・雨がやんで雲も流れ、周囲の山々がだいぶ見えてきた。黒部五郎から鷲羽まで 【薬師岳山荘から太郎平小屋】 ・鞍部である薬師峠までは、大小岩々が転がる涸れ沢を下る。簡単ではない ・薬師峠は良い雰囲気のテント場。水場は2分下にあるらしい ・薬師峠から太郎平小屋までは、木道基調で歩きやすい ・太郎平小屋は山岳警備臨時派出所もあり重要拠点的な雰囲気 【太郎平小屋から折立】 ・整備された歩きやすい登山道。長いので登るのは大変そう ・薬師岳かっこよ ・樹林帯に入ってからは滑りそうな木の根と高い段差 |
その他周辺情報 | ・亀谷温泉 白樺の湯(折立から45分)470円(シャンプー等は100円) ・富山湾食堂 マルート店。キトキト盛(海鮮丼特盛)2500円など |
写真
装備
備考 | 水はかなり運ぶ必要。水場はスゴ乗越小屋くらい。あとは小屋で買うか |
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感想
今年は薬師岳に挑戦しようと思って、まだ夏休みの都合も不明な時期に山小屋を予約。
折立に車を停めてバス・電車・ケーブルカー・バスで室堂に移動して宿泊し、五色ヶ原泊、薬師岳山荘泊して、折立に下山した。
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以下、長〜〜くなってしまった詳細:
2年前に西鎌を行った時に樅沢岳山頂で日の出を迎え、目の前にそびえる美しい鷲羽岳の奥に、朝日に照らされたどしーんという大きな山塊を見てあれは?と呟いたら、傍にいた女性に「薬師ですね〜」と言われたのが、薬師岳を認識した機会だった。昨年の裏銀座縦走では抜群の存在感だったし、野口五郎小屋で百名山達成したところというおじさんに、薬師のカールを滑り下りた話を聞いたりした。今年の山はどうする?と言われた時に即座に薬師かなーと答えていた。
12年前に家族で青春18きっぷの旅4日間をやった時に、信濃大町から富山までだけアルペンルートで移動して、その時に室堂から見上げた高い山々をと思って、立山から縦走の形で計画。
針ノ木岳山頂から黒部湖の向こうに見えた美しい高原と小屋を後で調べていつか行きたいと思っていた五色ヶ原。五色ヶ原から薬師岳山荘までは長そうだけど、五色ヶ原を5時に出発すれば13時過ぎに薬師岳山荘というコースタイムを見て、薬師岳山荘を予約。折立に車を置いてバス・電車・ケーブルカー・バスで室堂に前泊し、3日間かけて折立に下りてくるという計画にした。
山行計画を作ってみると、最終日は少し余裕があるから、雲ノ平とか黒部五郎とかに行けないか?と思ったけど、どちらもちょっと無理そうかなという感じかな、とか思ってた(が、実際は最終日はヘロヘロで、薬師山頂にもう一度行くかくらいが限界だった)
当日は朝5時に家を出て北陸道で富山まで。ますの寿司を買って折立に11時過ぎに到着。熊が出るとの話だったので、車の中でますの寿司を食べて、準備を整えてバスに並ぶ。折立からのバスは一日三本しか無いようで、12:30のバス(最終)を事前に予約しておいた。なお、この時点でTJAR最後尾が劒を超えていて、夕方一ノ越登れば見れるかも?と思ってたのも、ちょっと難しそう。
長い縦走を終えた人々に混ざって縦走の話などをお聞きしながらバスに乗り、有峰口でバスを降りる時には頑張ってねーと言われた。一緒に降りた方々は立山駅に車を停めて室堂から薬師縦走してきて立山に戻る方々だった。弥陀ヶ原のバスは興味深いガイドアナウンスが終始流れていたけれど濃霧の中で雨も降ってた。
雄山には翌朝に登る計画だったけど、TJAR最後尾くらいの雰囲気が残ってるかも?とか、明日天気悪いかも?とか思って、急遽登ってみることにした。夕食18:45に間に合うにはコースタイムの7がけくらいだったので、軽装でアタックザックにポカリ2本・ヘッデン・レインくらいを入れて、夕食に間に合う時間に折返して戻るつもりで。
TJARの面影は残っていなかったけれど、劔岳や雷鳥沢・室堂平が美しく、針ノ木岳や黒部湖なども見えて、かなり満足。一の越ではブロッケンも。下りも急ぎ足で夕食に間に合う時間に下りたけど、ちょうど日が沈むところで綺麗な夕日とアーベント雄山を満喫して、美味しい夕食を食べ、お風呂に入ってぐっすり。
翌日は、日の出前に起きてミクリガ池を散策し、朝食を食べ、お弁当を受け取って、さあ出発。前日に雄山は登ったので、今日は浄土山経由。途中展望台に寄り道したら、五色ヶ原・薬師岳・黒部五郎・笠ヶ岳・水晶・槍と、抜群の景色。
浄土山山頂でホテル立山のお稲荷弁当を半分食べ、一ノ越からの道に合流して龍王岳に寄り道(ザックはデポ)、縦走路に戻ったら約一名が一ノ越山荘のトイレに行きたいとのことで、遅い二人はお弁当の残りを食べてゆっくり先に行くことに。鬼岳を過ぎて獅子岳の手前辺りの雪渓に触れるところで合流。その後はアップダウンの繰り返し。所々ハシゴやロープやクサリもあり。ザレてて下りづらい箇所もしばしば。
もうそろそろザラ峠かなという下り坂で、登山道に座って下の方を見ている人々が(10人くらい)いて、あれ?峠はもう少し下だけど休憩?と思ったら、その下の方に残されたザックの周りに熊がいるらしく、いなくなるのを待っているとのこと。主にどこかの大学の登山部の方々で、もう10日くらい山にいて、劔岳とかに行ってたらしい。我々は折立の熊を恐れて熊スプレーを持っていたので、熊スプレー持ってザック回収しに行きますか?とオファー。代表格っぽい人がいろいろ検討して、3メートル以内で使えと書いてあるので、自分からそこまで近付くのは避けたいとのことで使わず。彼らはいざという時のためにスコップとかピッケルとかを手に手に様子見。我々も15分くらいは足止めされたか。そのうち熊が向こう側の涸れ沢を登って行きその向こう側に消えて行った。結構大きな熊だった。四脚で巧みに急なザレ斜面を登り、大きな石を落として、向こう側に消えて行った。
彼らのザックがあったのは登山道の下のエリアだと思っていたが、登山道はそちらに続いていて、熊に出くわして大きな重いザックはその場に置いて上に逃げたらしい。熊は人間に興味は示さず(ライチョウと同じ態度)だった。その先も霧の中を進み、全員熊鈴を鳴らし、ちょいちょい笛を吹きながら、ブラインドコーナーを回る時は声を掛けながら進んだ。(こういう時の笛の吹き方ってどう吹くのが適切なんでしょう?救助要請的な意味にならないようにと思ったり)
ついに五色ヶ原山荘に到着し、ビールを1杯飲んだら夕食。前日スゴ乗越小屋でTJARとすれ違ったという女性たちと楽しいおしゃべり。スゴ乗越小屋の2階のテラスから応援したらしい。うらやましい。
翌日は、薬師岳山頂の向こうの薬師岳山荘の予約なので、朝5時に出る予定にしていたので、朝食はお弁当にしてもらい、小屋前のテーブルでお湯を沸かしてスープを入れて、日の出を見ながらお弁当を食べて出発。
鳶山・越中沢岳と通過してゆくが、常にきれいなお花が両側に咲きほこっていて気持ちの良い道。歩き始めてすぐに同行者が「あ槍ツンだ」と言って、これがこの山行で見た最後の槍ヶ岳だった。前日もそうだったが、かなりアップダウンが大きく、斜面はザレていて歩きづらく、所々ハシゴもロープもあり、登りも下りも結構疲れる。
スゴ乗越はかなり標高が低く、そこから登ってスゴ乗越小屋に着いた時には、かなり疲れてた。そこまで抜きつ抜かれつしてたご夫婦は、今日はスゴ乗越小屋泊だそうで、着いて早速ビールでうらやましかったが、コーラとポカリを買って、カレーと肉うどんを食べて、気を取り直して出発。
朝確認した天気予報よりかなり早く、間山山頂くらいで雨が降り始め、北薬師岳に登る道は結構岩を登って渡って行くので、雨で濡れていてかなり慎重さが求められた。疲労もかなり溜まっていて、足取りもやや不安定だし、岩で滑ったら大変だし、結構片側切れ落ちてるトラバースとかも多いし、結構こわかった。
最も怖かったのは、岩の瘦せ尾根が△になって両側切れ落ちてる所を、黒部側から富山側に渡らなきゃならない所で、え?ここ向こう側に行くの?となって、ジャンダルムの馬の背とか大キレットとか並じゃね?とか思った(行ったこと無いし行けないと思うけど)。でも両側に○あるし今いる側の先には×あるし、濡れてるけど絶対滑らないように両手で△を掴んでほぼ四つ這いで抜けた。僕は写真撮っておこうかと思ったけど、そういう気持ちのスキで滑落は起こるかもとか思ったら怖くて撮れなかった(が娘が後ろから撮ってくれたので後で上げる)。北薬師の山頂にも、「ここで雨なら稜線風雨。荒天時薬師越え厳し」と書いてあり、後で山のグレーディングを見たら北薬師と薬師の間だけ難易度Cだった。
ついに薬師岳山頂に着いた時には、無事に着けたことに安堵して泣けた。五色ヶ原から抜きつ抜かれつだった単独行の男性と、雨の中写真を撮りあった。そこから薬師岳山荘までは、ザレてはいたが危険は感じない道で、ほどなく小屋も見えて、鷲羽もかっこよく見えてきて、写真を撮る余裕も戻った。
薬師岳山荘からは雲海に沈む夕日が綺麗だった。翌日景色が見えそうだったらもう一度薬師岳に登ってから下山にしようと思った。
翌朝は日の出は見えなそうな天気(雲の中&雨)だったので、ゆっくり起きて小屋の朝食をいただき、山頂も雲に覆われているので再訪せずに下山することにした。
太郎平小屋は近くに見えているように思っていたが、意外と道のりは長かった。大小の岩がたくさん転がる涸れ沢を下り途中から水も流れ始めた。綺麗な水だった。鞍部は薬師峠で、気持ちの良さそうなテント場だった。そこから少し登り返して太郎平小屋は交通の要所な感じだった。休憩して隣のテーブルにいた男性は、折立→太郎平小屋に泊まって薬師岳往復→黒部五郎岳経由で三俣山荘泊→鷲羽岳・雲ノ平経由で薬師沢小屋泊→折立に下山中だった。来年はこの計画にしようかな・・
折立への下山中に一度薬師山頂の雲が取れて薬師岳かっこよかった。終始登山者が見える道で、こんなところにも熊が出たのかという感じだった。ついに折立に着くと、3日前と同じような時間で、バスを待つ人がたくさんいた。車を置いてバスに乗る僕らみたいな人もいたのかな。
車で走り始めて、折立はとても山奥にあるんだなあと感じた。北アルプスは広大だなあ。
立ち寄り温泉で検索して「亀谷温泉 白樺の湯」に寄った。火水木は休業だけどお盆休みは営業していた。シャンプー・リンス・石鹸等は無いが、持参するかフロントで買う(3点セット100円)ことができる。
帰りは北陸道ではなく岐阜に抜けて安房峠から松本に抜けるルートにした(時間は似たようなもの)。富山近辺で海鮮丼を食べようと検索して、「魚丸鮮魚店」に寄ったがお米が品切れで、富山駅前の「富山湾食堂」に寄った。フードコート的な所だけど固形燃料の漁師汁とか、ちょっと面白い(そして美味しい)所だった。
国道41号は富山市から岐阜・名古屋まで続いているらしく、ずっと高山本線沿い・神通川沿いを走り、高山の手前で左に曲がると新穂高・松本方面だった。神通川は岐阜県に入ると高原川と名前を変え、新穂高の西穂ロープウェイの所の川じゃん!となった。なお、松本付近の雨は凄かった。ワイパー最速でも足りず、跳ね上げた水が視界を遮り、対向車のライトでセンターラインが見えづらかった。
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