早朝の大展望;槍ヶ岳
- GPS
- 68:30
- 距離
- 36.9km
- 登り
- 2,097m
- 下り
- 2,522m
コースタイム
7/30 5:10徳沢-6:20横尾-8:10槍沢ロッジ-9:40大曲
-10:40天狗原分岐-12:30殺生分岐-13:30槍ヶ岳山荘
(午後、槍ヶ岳往復、約1時間)
7/31 (早朝 槍ヶ岳往復、約1時間)
6:30槍ヶ岳山荘-7:20千丈乗越-10:40樅沢岳-11:10双六小屋
-12:30弓折分岐(弓折岳往復20分)-13:30鏡平山荘
8/1 5:30鏡平山荘-8:30わさび平小屋-10:00新穂高温泉着
天候 | 7/29 小雨 7/30 雨と霧 7/31 霧のち雨、早朝のみ晴れ 8/1 (上部)霧、(下部)曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰りは新穂高よりバスで高山へ、バスは約1時間に1本 |
コース状況/ 危険箇所等 |
人気ルートなので、特に問題な箇所はありません。 新穂高温泉のバスターミナル裏手に、日帰り入浴施設「中崎温泉」があります。 料金800円、バスターミナルにおいてある割引券を使うと、700円 http://shinhotaka.com/nakazaki.html |
写真
感想
【山行NO 399】
※ 昨年の夏は穂高から槍まで縦走をしようと計画したが、雨で穂高だけで終わったので、
今年は少なくとも槍ヶ岳は行ってみようと考えた。
槍ヶ岳も、思えば25年ほど前に1回登ったきりなので、久しぶりになる。
7月29日(金)
・朝早く四国をJRで出発、松本には12時ころ到着、松電とバスで上高地へ。
14:10-20 上高地
去年に引き続き、今年も登山開始は雨の出だしとなった。
河童橋付近も傘をさした観光客が群れている。
・小雨の中、傘をさして歩いてゆく
15:10 明神
・時期が昨年より少し早いせいか、花はやや少なめ。ウツボグサ、ヒヨドリバナなど
5〜6種程度。
16:10 徳沢着
・今年も徳沢園に泊まる。今日の宿泊客は約100名であまり混んでいない。
定員20人程度のカイコ棚の部屋だが、半分程度の入りで、布団も余裕があった。
夕食はステーキもあって、山小屋というより、ホテルのような感じさえする。
夕食で隣席した女性は、明日から穂高岳山荘に入って9月下旬までバイトする、
とのこと。若い人は自由で、ちょっとうらやましいなぁ...
反対側の女性は、「今回、山ガール デビューです」とのこと。
たしかに最近は、一時期の中高年ばかりの山と違って、若い人が増えた感じがする。
7月30日(土)
5:10 徳沢園 発 (気温=18℃)
今日も天気予報はパッとしないので、早めに出発する。
上空はどんよりとした灰色で、気分は乗らない。
今日のような天気だと鳥の声もあまりにぎやかではない。
ルリビタキ、キビタキの声がパラパラ響く程度。
6:20-30 横尾
・ここから槍沢への道に入る。この道を通るのも久しぶり。
天気は相変わらずぱっとせず、小雨が降ってきたのでカッパを着て、
黙々と登るのみ。
8:10 槍沢ロッジ (標高=1820m、気温=15℃)
・ここから少し展望が開けてきて、U字谷の様子が見えるが、両岸の上部は
どんよりと重い雲に覆われており、なんだか暗い雰囲気だ。
・ババ平を少し越えたあたりでとうとう、雨が本降りとなった。
覚悟はしていたといえ、雨の中の登高はつらい。
9:40-50 槍沢大曲り(展望のある広場状のところ、標高=2130m)
・雨はちょっと小止みとなり、向かう槍沢カールが正面に見える。
雪渓が多く、なかなか急に見える。上部は雲に覆われて、写真などでみる
一ノ倉沢のような不気味な雰囲気。
・このあたりからは、雪渓と、所々のお花畑を眺めながら、ゆっくりと高度を
あげてゆく。ニッコウキスゲ、エゾシオガマ、クルマルリなどがあった。
雨は小降りながら止むことなく降り続き、高度を上げるにつれ
息もだんだんと苦しくなってくるし、踏ん張りどころといった感じ。
10:40 天狗平分岐
・ここから、天狗平、氷河公園へ向かう団体さんもいた。
天気がこんな状態なのに大丈夫かな、と他人事ながら気になる。
12:30 殺生分岐(殺生ヒュッテ)
・ようやくここまで来たか、という感じ。ここで泊まりたい誘惑を振り切って、
あとひと踏ん張りする。
・槍沢の登りは雪渓は多いが、花は思ったほどのお花畑にはなっていなかった。
それでもパラパラと咲いている花の種類を数えると、ここでで28種を見た。
13:30 槍ヶ岳山荘 着
・雨の中の登りでさすがに疲れた。すでに小屋は人が大勢で、受付するのに順番待ちだった。
受付を済ませたらさっそく部屋にはいって、ごろっとする。
・ゴアの防水の利いた靴のはずなのに、足首から雨水がしみ込んだせいか、
靴下がちょっと濡れてしまっていた。やはり雨の日はスパッツも必要かな。
14:50 山荘 発
・一休みして少し元気が回復したのでちょっと外の様子を見ると、
雨は上がっているので、空身で槍の山頂に行ってみることにした。
・あまり大勢は登っておらず、ハシゴ(3か所)や鎖場も特に問題なくスイスイと登った。
15:10-40 槍ヶ岳山頂
・山頂に上ると、以外と雲に切れ間があり、北の方向には展望があった。
西鎌尾根、北鎌尾根、硫黄尾根などが見えた。
ともかく25年ぶりだが槍の山頂に立てた。頂上の祠の姿など、懐かしい感じがする。
うっすらとだが、ブロッケンも見えて、満足。
16:10 山荘 着
・今日は天気も悪いせいか、宿泊客はあまり多くなく、定員48人のカイコだなの
大部屋も、20人程度の入りで、布団も一人1枚は使え、助かった。
・携帯は、ドコモはよく通じるらしい、自分のAUは小屋の裏手の一か所で、なんとか通じた。
天気情報サイトで天気図などを見るが、予報はあまり思わしくない。明日はどうしようかな?
・今日は定員の半分程度の入りのようだが、団体客は結構来ている。
夕食は4回戦まであり、自分は2回戦の17;40からだった。食事はまずまず。
・部屋で隣になった単独行の人に明日の予定を聞いてみると、明日は双六小屋経由で、
笠が岳まで行くとのこと。ちょっと魅力的で、自分も行ってみようかな、とも
思ったが、地図で確認すると行程は約9時間。少し厳しそう。
7月31日(日)
5:00 山荘発
・とりあえず今日も朝のうちに1回、山頂に登ってみようと思い、外に出てみると、
予想外に、青空が出ている。槍の山頂もズンと眼前にそびえている。
うれしくなって、勇んで出発。登りの道はあまり混雑しておらず、すいすい登れた。
5:20-50 槍ヶ岳山頂
・下の方は雲海がびっしり広がっているが、穂高など雲海の上に顔をだしていて、
なかなか素晴らしい天気。
来たかいがあったな、という感じ。
穂高連山から、笠が岳、北ア中央部の薬師などの山々、北には北鎌尾根が
独標まで鋭い姿を見せている。
また、穂高の方向には虹が出ていたし、笠が岳の方向には、蒲田川の谷を埋める
雲海上に、槍が岳の影(影富士ならぬ、影槍)が見えた。
さらに、下りかけにその影をよく見ると、槍ヶ岳自体がブロッケン現象に
なっている。ちょっと見たことのない珍しい光景だった。
山頂には、ほら貝をもった宗教(修験道?)関係の人が来ていて、ほら貝を
鳴らしたりして、なんだか神聖な雰囲気もあった。
6:30 槍ヶ岳山荘 発(気温=12℃)
・いったん山荘に戻る。今日は、終日天気が良ければキレットを越えて
穂高へ、あるいは昨日考えた笠が岳までのロングルートを行ってもよかったが、
天気予報では少なくとも午後は悪そうなので、西鎌尾根から鏡平に向かうことにした。
・西鎌尾根への下りは急なジグザグ道を下る。
7:20-30 千丈乗越
・この付近の手前より雲海の中に入る。
ここから西鎌尾根の本番だが、予想と違って大した岩場はなく、ざれた細い
稜線といった感じで、大したことはなかった。
イワツメクサ、チシマキキョウ、キンポウゲ、アオノツガザクラ、
フウロソウ、エゾシオガマ、ウラジロタデ、タカネシオガマなど、
花も結構多く、花の稜線といった感じ。
8:20 左俣岳(標高 2674m)
・地図上はピークだが、登山道は山頂を巻いており、山頂ははっきりしなかった。
・この付近より稜線は幅広くなり、お花畑も所々にあっていい感じ。
ざれた稜線には、ツガザクラに似たイブキジャコウソウや、
クリーム色のイワオオギがたくさん咲いている。ハイマツの間にはハクサンシャクナゲもパラパラあった。
少しだけだが、エーデルワイスに似た、ミネウスユキソウも咲いていた。
・樅沢岳を目指して登りかえしてゆくが、霧がだんだん濃くなってきて、
なかなか山頂に着かず、小雨もぱらついてきて少し疲れてきた。
樅沢岳は、地図を見返してみると3つのピークからなり、西側のピークが本峰。
濃霧でよく解らず、中央の峰にも間違えて登頂してしまった。
10:40 樅沢岳山頂 (標高=2755m、気温=20℃)
・ようやく山頂についたが、小雨のなか、展望もなかった。
本来は、山頂から、槍、穂高の展望があるようだが...
・ここまでの稜線、予想外に人は少なかった。すれ違った対向者は10名程度。
11:10-20 双六小屋
・双六小屋付近は霧もなく、のんびりした雰囲気、小休止して少し体力が回復した。
今日はここで泊まってもいいかな、と思っていたが、元気が回復したので、
鏡平までは行くことにする。
・鏡平までの稜線は比較的なだらかで歩きやすい。以外と花も多かった。
所々にはお花畑も広がっている。フウロソウ、シラネニンジン、ハクサンイチゲ、
ゴゼンタチバナ、ヨツバシオガマなどなど..
12:30 弓折分岐
・ここから空身で、まだ登頂したことのない、弓折岳に往復した。
往復で約20分。山頂は雪田のあるのっぺりした感じの場所だった。
・分岐から下に下る。ちょっと霧が濃くなってきたなと思っていたら、
急に雨が降り出した。10分程度で小屋につけたので、まだ良かった。
13:30 鏡平山荘 着
・小屋についたら、さっそく、ガマンしていたビールを飲む。
外は雨が本降りだが、のんびりとビールを飲んでほっと一息。
缶1個ではちょっと足りず、もう一杯!
・今日の宿泊客は、約70名。布団も一人に一枚はあり、ゆったりしていた。
ただし食堂が狭いせいか、夕食は3回戦まであり、自分は1回戦の16:30から。
夕暮れにもなっていない時間帯で、ちょっと夕食には早すぎでは?
8月1日(月)
・4時ころ目が覚めて外を見ると、夜明けの空、雲間にうっすらと槍の姿が
見えていたので、朝の槍、穂高の姿を眺められるかと期待していたが、
5時前に外にでると、すっかりと重たい霧が覆っていて何も見えず、ちょっとがっかり。
5:30 鏡平山荘 発 (気温=18℃)
・霧の中を黙々と下る。花の姿も少ないが、鳥の声は、メボソムシクイの
すずやかな鳴き声がにぎやかで、ちょっと夏山の朝の雰囲気がする。
6:10 シシウドが原
7:10 秩父沢出合
・秩父沢の上部には雪渓が大きく広がっており、流れてくる風が冷たかった。
・今日は平日だというのに、以外と登ってくる人が多い、結局100人程度は
すれ違った。
8:30-40 わさび平小屋
・ここからはなだらかな林道を、ポクポクと下る。
林道脇にはウバユリが結構多い、一か所、オオヤマレンゲが咲き残っていた。
10:00 新穂高温泉 着
・久々に新穂高側に降りたが、以前はバス停広場に温泉があったはずなのに、
なくなっていた。バスターミナル2Fにあった食堂も閉鎖されており、
上高地側の賑わい方に比べると、こちらはちょっと寂れ加減かな?
・バスターミナル裏手の、「中崎山荘(温泉)」という日帰り温泉に入る。
露天風呂もあり、露天風呂からは上空、少し青空も見えて、夏山らしい雰囲気で、
気持ちの良い朝風呂。
風呂上りは当然、ビールで祝杯とした。
・今回の山行は、雨や霧が多かったが、槍ヶ岳山頂からの大展望と、
西鎌尾根から双六にかけての花もたくさん見れたし(花の種類は50種以上)
まずまずだったかな
・11時のバスで高山に出、そこからJRにて名古屋経由、夜に四国に帰着。
bergheilさん、おはようございます
槍ヶ岳の山頂からの絶景が望めたようですね
>何の花かな?
→の黄色いオダマキは「キバナノヤマオダマキ(黄花の山苧環)」
>何の花かな? シバザクラのような感じでカーペット状にたくさん咲いていた
→は、「イブキジャコウソウ(伊吹麝香草)」
>ミヤマキンバイか →シナノキンバイ(信濃金梅)
>ミヤマスミレ →クモマスミレ(雲間菫)
>タニガワホトトギス(か?) →タマガワホトトギス(玉川杜鵑草)
では、ないかと思われます。
参考HP(黄色いスミレの仲間)http://www.plantsindex.com/plantsindex/html/group/gp_viola_y_honshu.htm
↓ゴールデンウィークの頃の槍ヶ岳山頂からの展望
僕には雲が微笑んでるように見えますが?
これは傑作だと思い、コメしました(^.^)
ども、申し遅れましたが、木漏れ日です<m(__)m>
bergheilさん、初めまして♪
天気も色々あり、景色も様々で良かったのではないですか?
お花にも恵まれたようですね
alpsdakeさん、bergheilです。
さっそくのコメントありがとうございます。
花の名前を教えていただいて、ありがとうございます。
写真のコメントは訂正しておきますね。
私は四国の田舎に住んでいて、夏の高山植物を見に行くのも、せいぜい年1回なので、
なかなか花の名前を覚えきれません。
今回は花のガイドブックも持ってゆくのを忘れたので、
よけいに花の名前がわかりませんでした。
今回は天気がイマイチながら、
高山植物をたくさん見れたので、満足な山行でした。
来年はもう少し花の名前を憶えたいと思います。
komorebiさん。初めまして。
コメントありがとうございます。
山には雲がつきもので、どんよりと空を覆っていると、
雲なんかなくなって青空が広がれ!と思いますが、
逆に一片の雲もない日本晴れだと、写真的にはちょっと
物足りない感じもしますね。
高い山から見る雲海の動きは、見ているとなかなか面白く、
低山では味わえない山の醍醐味、という感じがします。
bergheilさん、初めまして。
massyと申します。
遠方から来て、タイミング良く朝の槍からの絶景が味わえてよかったですね
同じ時間に南岳山頂は私1人で、槍と穂高を交互に見て絶叫してました
たぶん35番の写真に私がいる筈です
(って見えるわけないんですが・・)
槍からはどんな景色なんだろうと思っていたので、このレコ見て良くわかりました
bergheilさんも穂先にいらっしゃったんですね
余り人がいないように感じたのですが実際いかがでしたか?
何れにしても充実した山行お疲れさまでした
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