ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 171296
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

室堂から五色が原、薬師岳を縦走、折立まで (百名山 完登)

2005年07月22日(金) ~ 2005年07月25日(月)
 - 拍手
GPS
70:30
距離
26.8km
登り
1,996m
下り
3,063m

コースタイム

7/22 9:50室堂-10:50一の越-11:40-12:00竜王山-13:50獅子岳-14:50ザラ峠-15:50五色が原(泊)
7/23 7:00五色が原-7:50トンビ山-10:40-50越中沢岳-13:20-30スゴ乗越-14:10スゴ乗越小屋(泊)
7/24 5:20スゴ乗越小屋-6:40間山-8:30-40北薬師岳-9:30-10:10薬師岳-12:00 薬師平-12:30太郎平小屋(泊)
7/25 5:00太郎平小屋-8:20折立
天候 7/22 晴れ時々曇り
7/23 (朝方、雨)霧のち晴れ
7/24 晴れのち、霧、曇り
7/25 曇り一時小雨
過去天気図(気象庁) 2005年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
行き;四国(新居浜)-(JR)-富山(泊)-(バス)-室堂
帰り;折立ー(バス)-富山-(JR)-四国(新居浜)
コース状況/
危険箇所等
道は全般的に良好。迷うような箇所はなかった。
竜王山から獅子岳への間には、小さな雪渓が2、3個。アイゼンがいるほどではない。
青空の広がる室堂を出発、立山も良く見えている。
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
青空の広がる室堂を出発、立山も良く見えている。
室堂より、大日連峰を望む
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
室堂より、大日連峰を望む
一の越への登り、小学生の団体も登ってきた
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越への登り、小学生の団体も登ってきた
一の越付近、ハクサンイチゲ(白色)と、ミヤマキンポウゲ(黄色)のお花畑
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越付近、ハクサンイチゲ(白色)と、ミヤマキンポウゲ(黄色)のお花畑
一の越にて、前年は霧と風の中、なにも展望がなかったが、今日は天気も良く、目指す竜王山も良く見える
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越にて、前年は霧と風の中、なにも展望がなかったが、今日は天気も良く、目指す竜王山も良く見える
一の越の東面、カール状の斜面
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
一の越の東面、カール状の斜面
ミヤマクワガタ(手前の紫色の花)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
ミヤマクワガタ(手前の紫色の花)
竜王山の裾をトラバースする。岩の峰がギザギザ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
竜王山の裾をトラバースする。岩の峰がギザギザ
竜王山の南面、岩の稜線と、雪渓
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
竜王山の南面、岩の稜線と、雪渓
縦走路より東のほう、後立山連峰を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
縦走路より東のほう、後立山連峰を望む
獅子岳の山頂付近より、霧でぼんやりした五色が原の展望
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
獅子岳の山頂付近より、霧でぼんやりした五色が原の展望
五色が原の草原を歩く。ハクサンイチゲ(白色)、ミヤマキンバイ(黄色)、コイワカガミ(ピンク)などが咲いていた
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
五色が原の草原を歩く。ハクサンイチゲ(白色)、ミヤマキンバイ(黄色)、コイワカガミ(ピンク)などが咲いていた
夕暮れ迫る五色が原、遠景には後立山連峰が顔を出す
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
夕暮れ迫る五色が原、遠景には後立山連峰が顔を出す
7/23朝、霧に包まれた五色が原小屋を出発
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
7/23朝、霧に包まれた五色が原小屋を出発
霧の中、五色が原を歩く
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
霧の中、五色が原を歩く
霧の中に広がる五色が原のお花畑
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
霧の中に広がる五色が原のお花畑
ハクサンシャクナゲがあった(ピンク系)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
ハクサンシャクナゲがあった(ピンク系)
(これも)ハクサンシャクナゲ(白系)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
(これも)ハクサンシャクナゲ(白系)
越中沢岳へと緩やかな斜面を登る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
越中沢岳へと緩やかな斜面を登る
越中沢岳南面にて、ニッコウキスゲを見る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
越中沢岳南面にて、ニッコウキスゲを見る
こじんまりしたスゴ乗越小屋
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
こじんまりしたスゴ乗越小屋
7/24 イワイチョウ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
7/24 イワイチョウ
コバイケイソウの多い草原より、丸く大きい間山を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
コバイケイソウの多い草原より、丸く大きい間山を望む
コバイケイソウと、朝霧にぼんやり見える間山
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
コバイケイソウと、朝霧にぼんやり見える間山
間山への登りより、赤牛岳(左)と水晶岳(中央奥)を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
間山への登りより、赤牛岳(左)と水晶岳(中央奥)を望む
間山山頂より、北アルプス中央部(雲の平、鷲羽岳、三俣蓮華岳)を望む。はるかに槍の穂先も望めた
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
間山山頂より、北アルプス中央部(雲の平、鷲羽岳、三俣蓮華岳)を望む。はるかに槍の穂先も望めた
北薬師岳へと続く稜線
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
北薬師岳へと続く稜線
タカネヤハズハハコ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
タカネヤハズハハコ
北薬師岳の手前より、たどってきた稜線を振り返る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
北薬師岳の手前より、たどってきた稜線を振り返る
薬師岳の東面の、カール壁
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
薬師岳の東面の、カール壁
北薬師岳山頂にて、
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
北薬師岳山頂にて、
(同じく)北薬師岳山頂にて、記念撮影
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
(同じく)北薬師岳山頂にて、記念撮影
夏雲が湧く稜線、雲のかなたに立山と剣が小さい
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
夏雲が湧く稜線、雲のかなたに立山と剣が小さい
北薬師岳から、東面のカールを抱く薬師岳本峰を望む
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
北薬師岳から、東面のカールを抱く薬師岳本峰を望む
薬師岳山頂。百名山達成を一人喜ぶ。
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
1
2/18 16:36
薬師岳山頂。百名山達成を一人喜ぶ。
薬師岳山頂より、北の俣岳、黒部五郎岳方面を望む
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
薬師岳山頂より、北の俣岳、黒部五郎岳方面を望む

感想

【山行No 322】

※ 最後に残った百名山の薬師岳。昨年も挑んだが悪天候で撤退したので、
  今年こそと思い、室堂からの縦走を計画した。

7月21日(木)
 ・仕事を少し早め終えて、夕方の電車に乗り込む。
  新大阪を経由し、富山駅に着いたのは午後11時ころ。
  予約していた駅前のホテルに泊まる。

7月22日(金)
7:00富山駅前発
 ・室堂までの直通バスがあるので、それを利用する。乗客は15人ほどでそれほど多くない。
 ・途中まで霧の中をバスは登ってゆくが、標高1900m付近の弥陀ヶ原あたりより
  雲海の上に出て、青空の元、立山や大日連峰も見えだし、夏山らしい風景だ。

9:20-50 室堂(標高=2400m)
 ・ああ、昨年とはなんて違うのだろう。青空のもと、気持ちもウキウキする。
  ターミナル内で軽くおにぎりの朝食をとり、さっそく出発する。
 ・室堂の付近や、一の越への登りの道際には、花が多い。
  ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、コイワカガミ、ハクサンイチゲ、イワツメクサなど。
  今日は登山者も多く、遠足なのだろうか?地元の小学生の団体がぞろぞろと登っている。
10:50-11:00 一の越(標高=2700m、気温=21℃)
 ・昨年は風雨のために、ここで2泊して敗退したのだったが、なんと今年は違うことか。爽快さは言うべきもなし。
 ・立山山頂に行くのはパスして、早速南への縦走路に入る。
  花はさらに多くなり、上記の花々に加え、タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ
  ウラジロタデ(多い)、コケモモ、ダイコンソウ、チングルマ、ミヤマリンドウなど、花の中を登ってゆく。
11:40-12:00 竜王山(標高=2820m)
 ・人は数名しかいない静かな山頂。日差しは熱いが、風は爽やか。軽くパンを食べて休憩する。
 ・ここからはガラガラの下り。途中でライチョウを見かけた(♀)。
  花もパラパラある。珍しくイワベンケイも見かけた。
12:30 鬼岳とのコル
 ・このコルはコバイケイソウが多かった。
  早くも足の裏が少し痛くなってきたので、早めにバンドエイドでカバーする。
  コルから稜線を振り返ると、竜王山の南面は、針峰のようにギザギザになっており、なかなかかっこいい。
  ルートは鬼岳の山頂は通らず、巻いていた。
 ・獅子岳までの間、2、3か所に雪渓(雪田)があった。しかしアイゼンがいるほどでもなかった。
 ・花は、いろんな種類のものがあり、写真ばかり取って足が進まない。
  アオノツガザクラ、ツガザクラ、ミヤマオツツジ、ミヤマカラマツ、ミヤマダイモンジソウ、タカネスミレなどを見かけた。

13:50-14:00 獅子岳山頂(標高=2710m)
 ・ここから、本来は五色が原の展望があるはずだが、残念ながら霞のような雲が広がっており、スッキリとは見渡せなかった。
 ・ここからは、ザラ峠への、標高差350mもある下りとなる。
  急で、足元はガラガラなので気が抜けない。
 ・花は、乾性の花がチラホラ。トウヤクリンドウ、ハクサンシャクナゲ、イワツメクサなど。
  この付近は火山性なのだろう、安山岩質と思われる灰色の岩が多い。
14:50-15:00 ザラ峠
 ・イワツメクサとイワキキョウが多いコル。標高が下がったせいで少し蒸し暑い。
 ・少し登りかえすとようやく、五色が原の一角に入った。
  広い草原に花がパラパラと咲いている。すでにここまでで見た花が多いが、
  コバイケイソウ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、コイワカガミなど。

15:50 五色が原山荘 着(標高=2480m)
 ・予想よりも大きな小屋だ。(手前にあった五色が原ロッジは休業中のようであった)
 ・今日はそれほどの人出ではなく、最終的にも30名ほどの泊り客。余裕がある。
  予想していなかったが、風呂があったのにはびっくりした。早速汗を流す。
  水も、雪渓の水なのか、流しからでる水は冷たくておいしい。
 ・夕食後、外を見ると、月明かりで、周りを囲む山々の影がくっきり見えていて幻想的だった。

7月23日(土)
 ・朝5時ころ起きると、あれっ?雨が降っている。予想外の天気にびっくり。
  出発を後らせ、しばらく様子を見る。7時ころには雨も小降りとなってきたので出発することとした。
7:00 五色が原山荘 発(気温=15℃)
 ・雨はだいたい上がっているが、霧雨状に残っているのでカッパを着て出発。
  五色が原の中、霧の中で見通しは良くないが、草原の中にハクサンイチゲ、
  ミヤマキンバイ、コイワカガミなどのお花畑が広がっており、思い描いていた五色が原らしい風景だ。
7:50-8:00 とんび山(標高=2616m)
 ・まだ霧は濃いが、雨は上がってほっとした。カッパを脱ぐ。道は少しぬかるんでいるので、代わりにスパッツを着用。
 ・ここからは、ハイマツ帯の中の急な下りが続く。
  ハイマツの脇に花はパラパラとあり、シャクナゲが割と多く、ほかにトウヤクリンドウ、
  イワオトギリ、ヤマハハコ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウなどがあった。
 ・朝にしては鳥の声は少なく、メボソムシクイ、ウグイス程度。
9:00-10 コル(標高=2356m)
 ・ここから次のピーク、越中沢岳への緩やかな登りとなる。
  岩質も一転して花崗岩質となり、ハイマツの中に岩がゴロゴロした風景だ。
 ・花は少なくなったが、ムカゴトラノオ、ベニバナイチゴ、キヌガサソウなどを見かけた。
 ・途中で、昨日同宿だった3人組が休憩しており、誘われてコーヒーをごちそうになり、30分ほど休む。
  関西からのグループで、話の内容から、結構山をやっているベテランのようだった。
10:40-50 越中沢岳(標高=2591m、気温=19℃)
 ・花崗岩の岩がガラガラした山頂。今日は残念ながら霧が濃いので展望はなかった。
 ・ここからは再びけっこうな下りとなる。途中に大したことはないが小さな岩場あり。
 ・花はそれほどでもないが、ニッコウキスゲ、サラシナショウマ、アカモノなどを見かけた。
12:20-40(標高=2430m)スゴの頭
 ・広い山頂、おにぎりで軽く昼食とした。
  しばらくすると、急に霧が晴れてきて、振り返ると、先ほど通過した越中沢岳が意外と大きい。
 ・ここから、再び急な下りが続く。再び雷鳥を見かけた。オスメスのペア。
13:20-30 スゴ乗越(標高=2150m)
 ・ここは広い広場状のコルになっている。
  鳥の声もする。ウグイス、カヤクグリ、メボソムシクイ、ルリビタキなど。
 ・ここから今日の最後の登りとなる。標高が低くなったせいもあり、灌木帯で少しムシムシする。
  灌木に白い花が咲いているので何かな?とよく見たら、ナナカマドだった。
  木々の下には、コイワカガミ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン
  アキノキリンソウなどがパラパラ咲いていて、急登の疲れを慰めてくれる。

14:10 スゴ乗越小屋(標高=2300m、気温=23℃)
 ・ヤレヤレ、今日は展望のあまりない中をだらだらと歩いて少々疲れたが、
  ようやく今回のコースの中間点に到着。
 ・この小屋はこじんまりした小屋だが、山小屋らしくで感じは良い。
  小屋の前には水場もあり、さっそく500mlほど一気に飲んだ。
 ・小屋の前でのんびりしていると、午後3時過ぎから、雲が切れてきて、視界が出てきた。
  前方の黒部川の谷を隔てて、赤牛岳、水晶岳がま近に大きい。
  振り返ると、踏破してきた越中沢岳なども、雲をまとっているせいか結構高く見えた。

 ・今日の宿泊客は、約30名。かなり余裕がある。
  夕食時など、周りの人の話を聞くともなく聞いていると、こうゆうコースを行くだけあって、皆さんさすがにベテランらしい感じだった。
  小さな小屋にしては夕食もまずまず。食も進み、ごはんは2杯。
 ・夜になり、ふと起きてベランダから外を眺めると、月が煌煌と照っていて、
  静かな夏山の夜だ。うーん、と背伸びしたくなるような感じ。

7月24日(日)
 ・5時前に起きて外を見ると、予想通り青空が広がっている。
  念願の薬師岳を目指すのに絶好の空模様だ。
5:20 スゴ乗越小屋 発(気温=14℃)
 ・登りだしてすぐ、朝霧の中に入った。
  鳥の声も昨日よりはにぎやかで、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
 ・樹林帯を抜けると、コバイケイソウの多い草原に出た。
  そこから見上げる間山は、薬師岳の前衛峰にしてはえらく大きく見える。
  山肌は濃い緑色で、白い雲、青い空とのコントラストが美しい。
 ・途中からハイマツ帯となり、緩やかに登ってゆく。 
6:40-50 間山(標高=2585m、気温=17℃)
 ・頂上から見ると、西半分は雲に覆われているが、東半分は晴天で、
  赤牛岳、水晶岳などが良く見えている。
  遠くに目を凝らすと、鷲羽岳の向こうに槍の穂先もちょこんと見えた。
  目指す薬師岳は、雲間に見え隠れつつ、はるかに遠い感じだ。
 ・ここからは、木々も少なくなり、ガラガラの花崗岩質のザレを登ってゆく。
  花はバラパラと咲いており、チングルマ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ、
  アオノツガザクラ、ダイコンソウ、イワギキョウ、コイワカガミ、
  タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ、シラネニンジン、など、結構種類が多い。
 ・途中、道は船窪状のところを通り、残雪が残っていた。
8:00 2835ピーク
 ・名の無いピークだが、北薬師岳の肩にあたる目立つピーク。アマツバメがたくさん飛んでいた。
 ・カール壁の道を緩やかに北薬師岳へと向かう。
8:30-40 北薬師岳(標高=2900m)
 ・ちょうどこのピークに着くころに雲が動きだし、稜線の西側を覆っていた雲が後退し、低い雲海となった。代わりに東側に雲が発達。
  上空は青空が広がり、夏山らしい雰囲気が戻ってきた。
  展望も良くなり、遠く、立山、剣岳も見えるし、南にはカールを抱いた
  薬師岳の本峰が、ここから見ると結構鋭角のピークに見え、かっこいい。
 ・本峰へは、カール壁の細い稜線を行く。夏山らしいなあ。途中、カモシカも見られた。

9:30-10:10 薬師岳山頂(標高=2926m、気温=15℃)
 ・ついに、やった!という感じ。百名山の100個目に到達。一人、心の中で万歳を叫ぶ。
  頂上には小さな祠があり、さっそく、百の山々への感謝の祈りをささげる。
 ・のんびりと感慨にふけりたかったが、ちょうど南のほうから団体さんが登ってきて、少々うるさい。

 ・南への下りは、静かな道で、だんだんとこみ上げてきた達成感を胸に、のんびりと下る。
10:40-50 薬師岳山荘
11:20-30 薬師平
 ・霧に覆われた草原。コバイケイソウとイワイチョウが多い。
 ・ここから再び、少し急な下りとなる。沢沿いは花崗岩質の礫岩が露出している。礫岩があるのはちょっと不思議な感じもする。
12:00 薬師峠
 ・テントが数張りある。
 ・太郎平は、ニッコウキスゲがたくさん咲いていた。
  そういえば、双六岳から縦走してきた4年前もこんな感じだったかな。

12:30 太郎平小屋 着
 ・到着してようやく、待望のビールを飲み、自分と山に乾杯。そのうまいこと。
 ・今日の太郎平小屋は、日曜日のせいもあり、それほど混んでなさそうだが(結局90人ほどで、布団は1名に1枚の割り当て)
  昨晩は土曜日のせいもあり超満員の300名も泊まったそうで、日程の具合が良く、助かった。
 ・午後は、することもなく、部屋でゴロゴロとラジオを聴いたりして過ごした。
  天気も午後は曇ってばかりで、薬師岳も見えなかった。

7月25日(月)
 ・今日は下るだけの日。
  朝目覚めたときには、有明の月も見えていたが、外に出たころにはすでに上空はドンヨリと曇っている。
  期待した薬師岳の朝焼けは見ることができず、少し残念。
5:00 太郎平小屋 発(気温=13℃)
 ・朝食は頼まなかったので、さっさと下山にかかる。人影はなく静かな朝。
5:40-50 五光岩ベンチ
 ・この付近から、下界に広がった雲海の中に入った。
6:50-7:00 三角点の場所(標高=1870m)
 ・ここで草原は終わり、樹林帯となる。
  むせるような緑の香りが当たりに漂い、巨木も多く、いかにも自然の中に溶け込んだ感じがする。
 ・鳥の声は、シジュウカラ、ウグイス、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
 ・途中より、今日の登りの人たちとすれ違うようになってきた。
  今日の登りは結局40人ほど。
 ・標高=1600m付近より、とうとう我慢が出来なくなったように、空から雨が降り出した。早速カッパを着る。
  今から登りの人たちは気の毒な感じ、みな、浮かない表情をしている。

8:20-9:30 折立(標高=1360m)
 ・バスの時間より、1時間も早く到着。
  時間があるので、着替えをし登山靴も脱いでスニーカーに履き替え、ようやく、山が終わったな、という感じ。
 ・バスは満員になるかと思っていたが、結局15名ほどの入りだった。
  今回のバスは、有峰口が終点ではなく、富山駅までの直行バス。
  山は朝から雨模様だったのに、下界は以外と晴れていた。

11:30 富山駅着
 ・JRにて新大阪、岡山経由で、四国(新居浜)に戻る。帰着は19時。

※最後までとっておいた、百名山のラストにふさわしく、薬師岳はなかなか良い山だった。
 昨年、敗退したこともあり、よけいに充実感の大きい山行だった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1050人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 剱・立山 [4日]
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら