室堂から五色が原、薬師岳を縦走、折立まで (百名山 完登)
- GPS
- 70:30
- 距離
- 26.8km
- 登り
- 1,996m
- 下り
- 3,063m
コースタイム
7/23 7:00五色が原-7:50トンビ山-10:40-50越中沢岳-13:20-30スゴ乗越-14:10スゴ乗越小屋(泊)
7/24 5:20スゴ乗越小屋-6:40間山-8:30-40北薬師岳-9:30-10:10薬師岳-12:00 薬師平-12:30太郎平小屋(泊)
7/25 5:00太郎平小屋-8:20折立
天候 | 7/22 晴れ時々曇り 7/23 (朝方、雨)霧のち晴れ 7/24 晴れのち、霧、曇り 7/25 曇り一時小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2005年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰り;折立ー(バス)-富山-(JR)-四国(新居浜) |
コース状況/ 危険箇所等 |
道は全般的に良好。迷うような箇所はなかった。 竜王山から獅子岳への間には、小さな雪渓が2、3個。アイゼンがいるほどではない。 |
写真
感想
【山行No 322】
※ 最後に残った百名山の薬師岳。昨年も挑んだが悪天候で撤退したので、
今年こそと思い、室堂からの縦走を計画した。
7月21日(木)
・仕事を少し早め終えて、夕方の電車に乗り込む。
新大阪を経由し、富山駅に着いたのは午後11時ころ。
予約していた駅前のホテルに泊まる。
7月22日(金)
7:00富山駅前発
・室堂までの直通バスがあるので、それを利用する。乗客は15人ほどでそれほど多くない。
・途中まで霧の中をバスは登ってゆくが、標高1900m付近の弥陀ヶ原あたりより
雲海の上に出て、青空の元、立山や大日連峰も見えだし、夏山らしい風景だ。
9:20-50 室堂(標高=2400m)
・ああ、昨年とはなんて違うのだろう。青空のもと、気持ちもウキウキする。
ターミナル内で軽くおにぎりの朝食をとり、さっそく出発する。
・室堂の付近や、一の越への登りの道際には、花が多い。
ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、コイワカガミ、ハクサンイチゲ、イワツメクサなど。
今日は登山者も多く、遠足なのだろうか?地元の小学生の団体がぞろぞろと登っている。
10:50-11:00 一の越(標高=2700m、気温=21℃)
・昨年は風雨のために、ここで2泊して敗退したのだったが、なんと今年は違うことか。爽快さは言うべきもなし。
・立山山頂に行くのはパスして、早速南への縦走路に入る。
花はさらに多くなり、上記の花々に加え、タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ
ウラジロタデ(多い)、コケモモ、ダイコンソウ、チングルマ、ミヤマリンドウなど、花の中を登ってゆく。
11:40-12:00 竜王山(標高=2820m)
・人は数名しかいない静かな山頂。日差しは熱いが、風は爽やか。軽くパンを食べて休憩する。
・ここからはガラガラの下り。途中でライチョウを見かけた(♀)。
花もパラパラある。珍しくイワベンケイも見かけた。
12:30 鬼岳とのコル
・このコルはコバイケイソウが多かった。
早くも足の裏が少し痛くなってきたので、早めにバンドエイドでカバーする。
コルから稜線を振り返ると、竜王山の南面は、針峰のようにギザギザになっており、なかなかかっこいい。
ルートは鬼岳の山頂は通らず、巻いていた。
・獅子岳までの間、2、3か所に雪渓(雪田)があった。しかしアイゼンがいるほどでもなかった。
・花は、いろんな種類のものがあり、写真ばかり取って足が進まない。
アオノツガザクラ、ツガザクラ、ミヤマオツツジ、ミヤマカラマツ、ミヤマダイモンジソウ、タカネスミレなどを見かけた。
13:50-14:00 獅子岳山頂(標高=2710m)
・ここから、本来は五色が原の展望があるはずだが、残念ながら霞のような雲が広がっており、スッキリとは見渡せなかった。
・ここからは、ザラ峠への、標高差350mもある下りとなる。
急で、足元はガラガラなので気が抜けない。
・花は、乾性の花がチラホラ。トウヤクリンドウ、ハクサンシャクナゲ、イワツメクサなど。
この付近は火山性なのだろう、安山岩質と思われる灰色の岩が多い。
14:50-15:00 ザラ峠
・イワツメクサとイワキキョウが多いコル。標高が下がったせいで少し蒸し暑い。
・少し登りかえすとようやく、五色が原の一角に入った。
広い草原に花がパラパラと咲いている。すでにここまでで見た花が多いが、
コバイケイソウ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、コイワカガミなど。
15:50 五色が原山荘 着(標高=2480m)
・予想よりも大きな小屋だ。(手前にあった五色が原ロッジは休業中のようであった)
・今日はそれほどの人出ではなく、最終的にも30名ほどの泊り客。余裕がある。
予想していなかったが、風呂があったのにはびっくりした。早速汗を流す。
水も、雪渓の水なのか、流しからでる水は冷たくておいしい。
・夕食後、外を見ると、月明かりで、周りを囲む山々の影がくっきり見えていて幻想的だった。
7月23日(土)
・朝5時ころ起きると、あれっ?雨が降っている。予想外の天気にびっくり。
出発を後らせ、しばらく様子を見る。7時ころには雨も小降りとなってきたので出発することとした。
7:00 五色が原山荘 発(気温=15℃)
・雨はだいたい上がっているが、霧雨状に残っているのでカッパを着て出発。
五色が原の中、霧の中で見通しは良くないが、草原の中にハクサンイチゲ、
ミヤマキンバイ、コイワカガミなどのお花畑が広がっており、思い描いていた五色が原らしい風景だ。
7:50-8:00 とんび山(標高=2616m)
・まだ霧は濃いが、雨は上がってほっとした。カッパを脱ぐ。道は少しぬかるんでいるので、代わりにスパッツを着用。
・ここからは、ハイマツ帯の中の急な下りが続く。
ハイマツの脇に花はパラパラとあり、シャクナゲが割と多く、ほかにトウヤクリンドウ、
イワオトギリ、ヤマハハコ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウなどがあった。
・朝にしては鳥の声は少なく、メボソムシクイ、ウグイス程度。
9:00-10 コル(標高=2356m)
・ここから次のピーク、越中沢岳への緩やかな登りとなる。
岩質も一転して花崗岩質となり、ハイマツの中に岩がゴロゴロした風景だ。
・花は少なくなったが、ムカゴトラノオ、ベニバナイチゴ、キヌガサソウなどを見かけた。
・途中で、昨日同宿だった3人組が休憩しており、誘われてコーヒーをごちそうになり、30分ほど休む。
関西からのグループで、話の内容から、結構山をやっているベテランのようだった。
10:40-50 越中沢岳(標高=2591m、気温=19℃)
・花崗岩の岩がガラガラした山頂。今日は残念ながら霧が濃いので展望はなかった。
・ここからは再びけっこうな下りとなる。途中に大したことはないが小さな岩場あり。
・花はそれほどでもないが、ニッコウキスゲ、サラシナショウマ、アカモノなどを見かけた。
12:20-40(標高=2430m)スゴの頭
・広い山頂、おにぎりで軽く昼食とした。
しばらくすると、急に霧が晴れてきて、振り返ると、先ほど通過した越中沢岳が意外と大きい。
・ここから、再び急な下りが続く。再び雷鳥を見かけた。オスメスのペア。
13:20-30 スゴ乗越(標高=2150m)
・ここは広い広場状のコルになっている。
鳥の声もする。ウグイス、カヤクグリ、メボソムシクイ、ルリビタキなど。
・ここから今日の最後の登りとなる。標高が低くなったせいもあり、灌木帯で少しムシムシする。
灌木に白い花が咲いているので何かな?とよく見たら、ナナカマドだった。
木々の下には、コイワカガミ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン
アキノキリンソウなどがパラパラ咲いていて、急登の疲れを慰めてくれる。
14:10 スゴ乗越小屋(標高=2300m、気温=23℃)
・ヤレヤレ、今日は展望のあまりない中をだらだらと歩いて少々疲れたが、
ようやく今回のコースの中間点に到着。
・この小屋はこじんまりした小屋だが、山小屋らしくで感じは良い。
小屋の前には水場もあり、さっそく500mlほど一気に飲んだ。
・小屋の前でのんびりしていると、午後3時過ぎから、雲が切れてきて、視界が出てきた。
前方の黒部川の谷を隔てて、赤牛岳、水晶岳がま近に大きい。
振り返ると、踏破してきた越中沢岳なども、雲をまとっているせいか結構高く見えた。
・今日の宿泊客は、約30名。かなり余裕がある。
夕食時など、周りの人の話を聞くともなく聞いていると、こうゆうコースを行くだけあって、皆さんさすがにベテランらしい感じだった。
小さな小屋にしては夕食もまずまず。食も進み、ごはんは2杯。
・夜になり、ふと起きてベランダから外を眺めると、月が煌煌と照っていて、
静かな夏山の夜だ。うーん、と背伸びしたくなるような感じ。
7月24日(日)
・5時前に起きて外を見ると、予想通り青空が広がっている。
念願の薬師岳を目指すのに絶好の空模様だ。
5:20 スゴ乗越小屋 発(気温=14℃)
・登りだしてすぐ、朝霧の中に入った。
鳥の声も昨日よりはにぎやかで、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
・樹林帯を抜けると、コバイケイソウの多い草原に出た。
そこから見上げる間山は、薬師岳の前衛峰にしてはえらく大きく見える。
山肌は濃い緑色で、白い雲、青い空とのコントラストが美しい。
・途中からハイマツ帯となり、緩やかに登ってゆく。
6:40-50 間山(標高=2585m、気温=17℃)
・頂上から見ると、西半分は雲に覆われているが、東半分は晴天で、
赤牛岳、水晶岳などが良く見えている。
遠くに目を凝らすと、鷲羽岳の向こうに槍の穂先もちょこんと見えた。
目指す薬師岳は、雲間に見え隠れつつ、はるかに遠い感じだ。
・ここからは、木々も少なくなり、ガラガラの花崗岩質のザレを登ってゆく。
花はバラパラと咲いており、チングルマ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ、
アオノツガザクラ、ダイコンソウ、イワギキョウ、コイワカガミ、
タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ、シラネニンジン、など、結構種類が多い。
・途中、道は船窪状のところを通り、残雪が残っていた。
8:00 2835ピーク
・名の無いピークだが、北薬師岳の肩にあたる目立つピーク。アマツバメがたくさん飛んでいた。
・カール壁の道を緩やかに北薬師岳へと向かう。
8:30-40 北薬師岳(標高=2900m)
・ちょうどこのピークに着くころに雲が動きだし、稜線の西側を覆っていた雲が後退し、低い雲海となった。代わりに東側に雲が発達。
上空は青空が広がり、夏山らしい雰囲気が戻ってきた。
展望も良くなり、遠く、立山、剣岳も見えるし、南にはカールを抱いた
薬師岳の本峰が、ここから見ると結構鋭角のピークに見え、かっこいい。
・本峰へは、カール壁の細い稜線を行く。夏山らしいなあ。途中、カモシカも見られた。
9:30-10:10 薬師岳山頂(標高=2926m、気温=15℃)
・ついに、やった!という感じ。百名山の100個目に到達。一人、心の中で万歳を叫ぶ。
頂上には小さな祠があり、さっそく、百の山々への感謝の祈りをささげる。
・のんびりと感慨にふけりたかったが、ちょうど南のほうから団体さんが登ってきて、少々うるさい。
・南への下りは、静かな道で、だんだんとこみ上げてきた達成感を胸に、のんびりと下る。
10:40-50 薬師岳山荘
11:20-30 薬師平
・霧に覆われた草原。コバイケイソウとイワイチョウが多い。
・ここから再び、少し急な下りとなる。沢沿いは花崗岩質の礫岩が露出している。礫岩があるのはちょっと不思議な感じもする。
12:00 薬師峠
・テントが数張りある。
・太郎平は、ニッコウキスゲがたくさん咲いていた。
そういえば、双六岳から縦走してきた4年前もこんな感じだったかな。
12:30 太郎平小屋 着
・到着してようやく、待望のビールを飲み、自分と山に乾杯。そのうまいこと。
・今日の太郎平小屋は、日曜日のせいもあり、それほど混んでなさそうだが(結局90人ほどで、布団は1名に1枚の割り当て)
昨晩は土曜日のせいもあり超満員の300名も泊まったそうで、日程の具合が良く、助かった。
・午後は、することもなく、部屋でゴロゴロとラジオを聴いたりして過ごした。
天気も午後は曇ってばかりで、薬師岳も見えなかった。
7月25日(月)
・今日は下るだけの日。
朝目覚めたときには、有明の月も見えていたが、外に出たころにはすでに上空はドンヨリと曇っている。
期待した薬師岳の朝焼けは見ることができず、少し残念。
5:00 太郎平小屋 発(気温=13℃)
・朝食は頼まなかったので、さっさと下山にかかる。人影はなく静かな朝。
5:40-50 五光岩ベンチ
・この付近から、下界に広がった雲海の中に入った。
6:50-7:00 三角点の場所(標高=1870m)
・ここで草原は終わり、樹林帯となる。
むせるような緑の香りが当たりに漂い、巨木も多く、いかにも自然の中に溶け込んだ感じがする。
・鳥の声は、シジュウカラ、ウグイス、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
・途中より、今日の登りの人たちとすれ違うようになってきた。
今日の登りは結局40人ほど。
・標高=1600m付近より、とうとう我慢が出来なくなったように、空から雨が降り出した。早速カッパを着る。
今から登りの人たちは気の毒な感じ、みな、浮かない表情をしている。
8:20-9:30 折立(標高=1360m)
・バスの時間より、1時間も早く到着。
時間があるので、着替えをし登山靴も脱いでスニーカーに履き替え、ようやく、山が終わったな、という感じ。
・バスは満員になるかと思っていたが、結局15名ほどの入りだった。
今回のバスは、有峰口が終点ではなく、富山駅までの直行バス。
山は朝から雨模様だったのに、下界は以外と晴れていた。
11:30 富山駅着
・JRにて新大阪、岡山経由で、四国(新居浜)に戻る。帰着は19時。
※最後までとっておいた、百名山のラストにふさわしく、薬師岳はなかなか良い山だった。
昨年、敗退したこともあり、よけいに充実感の大きい山行だった。
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