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Yamareco

記録ID: 171296
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

室堂から五色が原、薬師岳を縦走、折立まで (百名山 完登)

2005年07月22日(金) ~ 2005年07月25日(月)
 - 拍手
GPS
70:30
距離
26.8km
登り
1,996m
下り
3,063m

コースタイム

7/22 9:50室堂-10:50一の越-11:40-12:00竜王山-13:50獅子岳-14:50ザラ峠-15:50五色が原(泊)
7/23 7:00五色が原-7:50トンビ山-10:40-50越中沢岳-13:20-30スゴ乗越-14:10スゴ乗越小屋(泊)
7/24 5:20スゴ乗越小屋-6:40間山-8:30-40北薬師岳-9:30-10:10薬師岳-12:00 薬師平-12:30太郎平小屋(泊)
7/25 5:00太郎平小屋-8:20折立
天候 7/22 晴れ時々曇り
7/23 (朝方、雨)霧のち晴れ
7/24 晴れのち、霧、曇り
7/25 曇り一時小雨
過去天気図(気象庁) 2005年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
行き;四国(新居浜)-(JR)-富山(泊)-(バス)-室堂
帰り;折立ー(バス)-富山-(JR)-四国(新居浜)
コース状況/
危険箇所等
道は全般的に良好。迷うような箇所はなかった。
竜王山から獅子岳への間には、小さな雪渓が2、3個。アイゼンがいるほどではない。
青空の広がる室堂を出発、立山も良く見えている。
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
青空の広がる室堂を出発、立山も良く見えている。
室堂より、大日連峰を望む
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
室堂より、大日連峰を望む
一の越への登り、小学生の団体も登ってきた
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越への登り、小学生の団体も登ってきた
一の越付近、ハクサンイチゲ(白色)と、ミヤマキンポウゲ(黄色)のお花畑
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越付近、ハクサンイチゲ(白色)と、ミヤマキンポウゲ(黄色)のお花畑
一の越にて、前年は霧と風の中、なにも展望がなかったが、今日は天気も良く、目指す竜王山も良く見える
2012年02月18日 16:34撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:34
一の越にて、前年は霧と風の中、なにも展望がなかったが、今日は天気も良く、目指す竜王山も良く見える
一の越の東面、カール状の斜面
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
一の越の東面、カール状の斜面
ミヤマクワガタ(手前の紫色の花)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
ミヤマクワガタ(手前の紫色の花)
竜王山の裾をトラバースする。岩の峰がギザギザ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
竜王山の裾をトラバースする。岩の峰がギザギザ
竜王山の南面、岩の稜線と、雪渓
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
竜王山の南面、岩の稜線と、雪渓
縦走路より東のほう、後立山連峰を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
縦走路より東のほう、後立山連峰を望む
獅子岳の山頂付近より、霧でぼんやりした五色が原の展望
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
獅子岳の山頂付近より、霧でぼんやりした五色が原の展望
五色が原の草原を歩く。ハクサンイチゲ(白色)、ミヤマキンバイ(黄色)、コイワカガミ(ピンク)などが咲いていた
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
五色が原の草原を歩く。ハクサンイチゲ(白色)、ミヤマキンバイ(黄色)、コイワカガミ(ピンク)などが咲いていた
夕暮れ迫る五色が原、遠景には後立山連峰が顔を出す
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
夕暮れ迫る五色が原、遠景には後立山連峰が顔を出す
7/23朝、霧に包まれた五色が原小屋を出発
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
7/23朝、霧に包まれた五色が原小屋を出発
霧の中、五色が原を歩く
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
霧の中、五色が原を歩く
霧の中に広がる五色が原のお花畑
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
霧の中に広がる五色が原のお花畑
ハクサンシャクナゲがあった(ピンク系)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
ハクサンシャクナゲがあった(ピンク系)
(これも)ハクサンシャクナゲ(白系)
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
(これも)ハクサンシャクナゲ(白系)
越中沢岳へと緩やかな斜面を登る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
越中沢岳へと緩やかな斜面を登る
越中沢岳南面にて、ニッコウキスゲを見る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
越中沢岳南面にて、ニッコウキスゲを見る
こじんまりしたスゴ乗越小屋
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
こじんまりしたスゴ乗越小屋
7/24 イワイチョウ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
7/24 イワイチョウ
コバイケイソウの多い草原より、丸く大きい間山を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
コバイケイソウの多い草原より、丸く大きい間山を望む
コバイケイソウと、朝霧にぼんやり見える間山
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
コバイケイソウと、朝霧にぼんやり見える間山
間山への登りより、赤牛岳(左)と水晶岳(中央奥)を望む
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
間山への登りより、赤牛岳(左)と水晶岳(中央奥)を望む
間山山頂より、北アルプス中央部(雲の平、鷲羽岳、三俣蓮華岳)を望む。はるかに槍の穂先も望めた
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
間山山頂より、北アルプス中央部(雲の平、鷲羽岳、三俣蓮華岳)を望む。はるかに槍の穂先も望めた
北薬師岳へと続く稜線
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
北薬師岳へと続く稜線
タカネヤハズハハコ
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
タカネヤハズハハコ
北薬師岳の手前より、たどってきた稜線を振り返る
2012年02月18日 16:35撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:35
北薬師岳の手前より、たどってきた稜線を振り返る
薬師岳の東面の、カール壁
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
薬師岳の東面の、カール壁
北薬師岳山頂にて、
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
北薬師岳山頂にて、
(同じく)北薬師岳山頂にて、記念撮影
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
(同じく)北薬師岳山頂にて、記念撮影
夏雲が湧く稜線、雲のかなたに立山と剣が小さい
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
夏雲が湧く稜線、雲のかなたに立山と剣が小さい
北薬師岳から、東面のカールを抱く薬師岳本峰を望む
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
北薬師岳から、東面のカールを抱く薬師岳本峰を望む
薬師岳山頂。百名山達成を一人喜ぶ。
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
1
2/18 16:36
薬師岳山頂。百名山達成を一人喜ぶ。
薬師岳山頂より、北の俣岳、黒部五郎岳方面を望む
2012年02月18日 16:36撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
2/18 16:36
薬師岳山頂より、北の俣岳、黒部五郎岳方面を望む
撮影機器:

感想

【山行No 322】

※ 最後に残った百名山の薬師岳。昨年も挑んだが悪天候で撤退したので、
  今年こそと思い、室堂からの縦走を計画した。

7月21日(木)
 ・仕事を少し早め終えて、夕方の電車に乗り込む。
  新大阪を経由し、富山駅に着いたのは午後11時ころ。
  予約していた駅前のホテルに泊まる。

7月22日(金)
7:00富山駅前発
 ・室堂までの直通バスがあるので、それを利用する。乗客は15人ほどでそれほど多くない。
 ・途中まで霧の中をバスは登ってゆくが、標高1900m付近の弥陀ヶ原あたりより
  雲海の上に出て、青空の元、立山や大日連峰も見えだし、夏山らしい風景だ。

9:20-50 室堂(標高=2400m)
 ・ああ、昨年とはなんて違うのだろう。青空のもと、気持ちもウキウキする。
  ターミナル内で軽くおにぎりの朝食をとり、さっそく出発する。
 ・室堂の付近や、一の越への登りの道際には、花が多い。
  ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、コイワカガミ、ハクサンイチゲ、イワツメクサなど。
  今日は登山者も多く、遠足なのだろうか?地元の小学生の団体がぞろぞろと登っている。
10:50-11:00 一の越(標高=2700m、気温=21℃)
 ・昨年は風雨のために、ここで2泊して敗退したのだったが、なんと今年は違うことか。爽快さは言うべきもなし。
 ・立山山頂に行くのはパスして、早速南への縦走路に入る。
  花はさらに多くなり、上記の花々に加え、タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ
  ウラジロタデ(多い)、コケモモ、ダイコンソウ、チングルマ、ミヤマリンドウなど、花の中を登ってゆく。
11:40-12:00 竜王山(標高=2820m)
 ・人は数名しかいない静かな山頂。日差しは熱いが、風は爽やか。軽くパンを食べて休憩する。
 ・ここからはガラガラの下り。途中でライチョウを見かけた(♀)。
  花もパラパラある。珍しくイワベンケイも見かけた。
12:30 鬼岳とのコル
 ・このコルはコバイケイソウが多かった。
  早くも足の裏が少し痛くなってきたので、早めにバンドエイドでカバーする。
  コルから稜線を振り返ると、竜王山の南面は、針峰のようにギザギザになっており、なかなかかっこいい。
  ルートは鬼岳の山頂は通らず、巻いていた。
 ・獅子岳までの間、2、3か所に雪渓(雪田)があった。しかしアイゼンがいるほどでもなかった。
 ・花は、いろんな種類のものがあり、写真ばかり取って足が進まない。
  アオノツガザクラ、ツガザクラ、ミヤマオツツジ、ミヤマカラマツ、ミヤマダイモンジソウ、タカネスミレなどを見かけた。

13:50-14:00 獅子岳山頂(標高=2710m)
 ・ここから、本来は五色が原の展望があるはずだが、残念ながら霞のような雲が広がっており、スッキリとは見渡せなかった。
 ・ここからは、ザラ峠への、標高差350mもある下りとなる。
  急で、足元はガラガラなので気が抜けない。
 ・花は、乾性の花がチラホラ。トウヤクリンドウ、ハクサンシャクナゲ、イワツメクサなど。
  この付近は火山性なのだろう、安山岩質と思われる灰色の岩が多い。
14:50-15:00 ザラ峠
 ・イワツメクサとイワキキョウが多いコル。標高が下がったせいで少し蒸し暑い。
 ・少し登りかえすとようやく、五色が原の一角に入った。
  広い草原に花がパラパラと咲いている。すでにここまでで見た花が多いが、
  コバイケイソウ、ハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ、コイワカガミなど。

15:50 五色が原山荘 着(標高=2480m)
 ・予想よりも大きな小屋だ。(手前にあった五色が原ロッジは休業中のようであった)
 ・今日はそれほどの人出ではなく、最終的にも30名ほどの泊り客。余裕がある。
  予想していなかったが、風呂があったのにはびっくりした。早速汗を流す。
  水も、雪渓の水なのか、流しからでる水は冷たくておいしい。
 ・夕食後、外を見ると、月明かりで、周りを囲む山々の影がくっきり見えていて幻想的だった。

7月23日(土)
 ・朝5時ころ起きると、あれっ?雨が降っている。予想外の天気にびっくり。
  出発を後らせ、しばらく様子を見る。7時ころには雨も小降りとなってきたので出発することとした。
7:00 五色が原山荘 発(気温=15℃)
 ・雨はだいたい上がっているが、霧雨状に残っているのでカッパを着て出発。
  五色が原の中、霧の中で見通しは良くないが、草原の中にハクサンイチゲ、
  ミヤマキンバイ、コイワカガミなどのお花畑が広がっており、思い描いていた五色が原らしい風景だ。
7:50-8:00 とんび山(標高=2616m)
 ・まだ霧は濃いが、雨は上がってほっとした。カッパを脱ぐ。道は少しぬかるんでいるので、代わりにスパッツを着用。
 ・ここからは、ハイマツ帯の中の急な下りが続く。
  ハイマツの脇に花はパラパラとあり、シャクナゲが割と多く、ほかにトウヤクリンドウ、
  イワオトギリ、ヤマハハコ、ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウなどがあった。
 ・朝にしては鳥の声は少なく、メボソムシクイ、ウグイス程度。
9:00-10 コル(標高=2356m)
 ・ここから次のピーク、越中沢岳への緩やかな登りとなる。
  岩質も一転して花崗岩質となり、ハイマツの中に岩がゴロゴロした風景だ。
 ・花は少なくなったが、ムカゴトラノオ、ベニバナイチゴ、キヌガサソウなどを見かけた。
 ・途中で、昨日同宿だった3人組が休憩しており、誘われてコーヒーをごちそうになり、30分ほど休む。
  関西からのグループで、話の内容から、結構山をやっているベテランのようだった。
10:40-50 越中沢岳(標高=2591m、気温=19℃)
 ・花崗岩の岩がガラガラした山頂。今日は残念ながら霧が濃いので展望はなかった。
 ・ここからは再びけっこうな下りとなる。途中に大したことはないが小さな岩場あり。
 ・花はそれほどでもないが、ニッコウキスゲ、サラシナショウマ、アカモノなどを見かけた。
12:20-40(標高=2430m)スゴの頭
 ・広い山頂、おにぎりで軽く昼食とした。
  しばらくすると、急に霧が晴れてきて、振り返ると、先ほど通過した越中沢岳が意外と大きい。
 ・ここから、再び急な下りが続く。再び雷鳥を見かけた。オスメスのペア。
13:20-30 スゴ乗越(標高=2150m)
 ・ここは広い広場状のコルになっている。
  鳥の声もする。ウグイス、カヤクグリ、メボソムシクイ、ルリビタキなど。
 ・ここから今日の最後の登りとなる。標高が低くなったせいもあり、灌木帯で少しムシムシする。
  灌木に白い花が咲いているので何かな?とよく見たら、ナナカマドだった。
  木々の下には、コイワカガミ、ショウジョウバカマ、ミツバオウレン
  アキノキリンソウなどがパラパラ咲いていて、急登の疲れを慰めてくれる。

14:10 スゴ乗越小屋(標高=2300m、気温=23℃)
 ・ヤレヤレ、今日は展望のあまりない中をだらだらと歩いて少々疲れたが、
  ようやく今回のコースの中間点に到着。
 ・この小屋はこじんまりした小屋だが、山小屋らしくで感じは良い。
  小屋の前には水場もあり、さっそく500mlほど一気に飲んだ。
 ・小屋の前でのんびりしていると、午後3時過ぎから、雲が切れてきて、視界が出てきた。
  前方の黒部川の谷を隔てて、赤牛岳、水晶岳がま近に大きい。
  振り返ると、踏破してきた越中沢岳なども、雲をまとっているせいか結構高く見えた。

 ・今日の宿泊客は、約30名。かなり余裕がある。
  夕食時など、周りの人の話を聞くともなく聞いていると、こうゆうコースを行くだけあって、皆さんさすがにベテランらしい感じだった。
  小さな小屋にしては夕食もまずまず。食も進み、ごはんは2杯。
 ・夜になり、ふと起きてベランダから外を眺めると、月が煌煌と照っていて、
  静かな夏山の夜だ。うーん、と背伸びしたくなるような感じ。

7月24日(日)
 ・5時前に起きて外を見ると、予想通り青空が広がっている。
  念願の薬師岳を目指すのに絶好の空模様だ。
5:20 スゴ乗越小屋 発(気温=14℃)
 ・登りだしてすぐ、朝霧の中に入った。
  鳥の声も昨日よりはにぎやかで、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
 ・樹林帯を抜けると、コバイケイソウの多い草原に出た。
  そこから見上げる間山は、薬師岳の前衛峰にしてはえらく大きく見える。
  山肌は濃い緑色で、白い雲、青い空とのコントラストが美しい。
 ・途中からハイマツ帯となり、緩やかに登ってゆく。 
6:40-50 間山(標高=2585m、気温=17℃)
 ・頂上から見ると、西半分は雲に覆われているが、東半分は晴天で、
  赤牛岳、水晶岳などが良く見えている。
  遠くに目を凝らすと、鷲羽岳の向こうに槍の穂先もちょこんと見えた。
  目指す薬師岳は、雲間に見え隠れつつ、はるかに遠い感じだ。
 ・ここからは、木々も少なくなり、ガラガラの花崗岩質のザレを登ってゆく。
  花はバラパラと咲いており、チングルマ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウ、
  アオノツガザクラ、ダイコンソウ、イワギキョウ、コイワカガミ、
  タカネヤハズハハコ、ヨツバシオガマ、シラネニンジン、など、結構種類が多い。
 ・途中、道は船窪状のところを通り、残雪が残っていた。
8:00 2835ピーク
 ・名の無いピークだが、北薬師岳の肩にあたる目立つピーク。アマツバメがたくさん飛んでいた。
 ・カール壁の道を緩やかに北薬師岳へと向かう。
8:30-40 北薬師岳(標高=2900m)
 ・ちょうどこのピークに着くころに雲が動きだし、稜線の西側を覆っていた雲が後退し、低い雲海となった。代わりに東側に雲が発達。
  上空は青空が広がり、夏山らしい雰囲気が戻ってきた。
  展望も良くなり、遠く、立山、剣岳も見えるし、南にはカールを抱いた
  薬師岳の本峰が、ここから見ると結構鋭角のピークに見え、かっこいい。
 ・本峰へは、カール壁の細い稜線を行く。夏山らしいなあ。途中、カモシカも見られた。

9:30-10:10 薬師岳山頂(標高=2926m、気温=15℃)
 ・ついに、やった!という感じ。百名山の100個目に到達。一人、心の中で万歳を叫ぶ。
  頂上には小さな祠があり、さっそく、百の山々への感謝の祈りをささげる。
 ・のんびりと感慨にふけりたかったが、ちょうど南のほうから団体さんが登ってきて、少々うるさい。

 ・南への下りは、静かな道で、だんだんとこみ上げてきた達成感を胸に、のんびりと下る。
10:40-50 薬師岳山荘
11:20-30 薬師平
 ・霧に覆われた草原。コバイケイソウとイワイチョウが多い。
 ・ここから再び、少し急な下りとなる。沢沿いは花崗岩質の礫岩が露出している。礫岩があるのはちょっと不思議な感じもする。
12:00 薬師峠
 ・テントが数張りある。
 ・太郎平は、ニッコウキスゲがたくさん咲いていた。
  そういえば、双六岳から縦走してきた4年前もこんな感じだったかな。

12:30 太郎平小屋 着
 ・到着してようやく、待望のビールを飲み、自分と山に乾杯。そのうまいこと。
 ・今日の太郎平小屋は、日曜日のせいもあり、それほど混んでなさそうだが(結局90人ほどで、布団は1名に1枚の割り当て)
  昨晩は土曜日のせいもあり超満員の300名も泊まったそうで、日程の具合が良く、助かった。
 ・午後は、することもなく、部屋でゴロゴロとラジオを聴いたりして過ごした。
  天気も午後は曇ってばかりで、薬師岳も見えなかった。

7月25日(月)
 ・今日は下るだけの日。
  朝目覚めたときには、有明の月も見えていたが、外に出たころにはすでに上空はドンヨリと曇っている。
  期待した薬師岳の朝焼けは見ることができず、少し残念。
5:00 太郎平小屋 発(気温=13℃)
 ・朝食は頼まなかったので、さっさと下山にかかる。人影はなく静かな朝。
5:40-50 五光岩ベンチ
 ・この付近から、下界に広がった雲海の中に入った。
6:50-7:00 三角点の場所(標高=1870m)
 ・ここで草原は終わり、樹林帯となる。
  むせるような緑の香りが当たりに漂い、巨木も多く、いかにも自然の中に溶け込んだ感じがする。
 ・鳥の声は、シジュウカラ、ウグイス、メボソムシクイ、ミソサザイなど。
 ・途中より、今日の登りの人たちとすれ違うようになってきた。
  今日の登りは結局40人ほど。
 ・標高=1600m付近より、とうとう我慢が出来なくなったように、空から雨が降り出した。早速カッパを着る。
  今から登りの人たちは気の毒な感じ、みな、浮かない表情をしている。

8:20-9:30 折立(標高=1360m)
 ・バスの時間より、1時間も早く到着。
  時間があるので、着替えをし登山靴も脱いでスニーカーに履き替え、ようやく、山が終わったな、という感じ。
 ・バスは満員になるかと思っていたが、結局15名ほどの入りだった。
  今回のバスは、有峰口が終点ではなく、富山駅までの直行バス。
  山は朝から雨模様だったのに、下界は以外と晴れていた。

11:30 富山駅着
 ・JRにて新大阪、岡山経由で、四国(新居浜)に戻る。帰着は19時。

※最後までとっておいた、百名山のラストにふさわしく、薬師岳はなかなか良い山だった。
 昨年、敗退したこともあり、よけいに充実感の大きい山行だった。

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