【扇沢→新穂高縦走】針ノ木雪渓-野口五郎岳-三俣蓮華岳-双六岳-笠ヶ岳 5日間
- GPS
- 53:07
- 距離
- 57.2km
- 登り
- 6,662m
- 下り
- 7,028m
コースタイム
- 山行
- 11:45
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 12:36
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 10:49
- 山行
- 12:03
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 13:27
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 7:34
天候 | 晴れ・晴れ・晴れ・晴れ/「曇り/夕立・晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新穂高⇒平湯⇒松本 |
その他周辺情報 | ひがくの湯 |
写真
装備
個人装備 |
ソフトシェル
ウインドブレーカー
タイツ
ズボン
靴下(予備含)
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
水袋三リッター以上
コッヘル
武器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ
カバー
テルモス(500)
前爪のあるアイゼン
ピッケル
ポカリの粉(1日1袋)
アミノ酸
お金25
000円(最低)
|
---|---|
共同装備 |
【MA】テント
ガス250
ガス190
ガスヘッド
傘
敷板
ガス足
</BR>
【YS】 米炊き鍋
お湯沸かし鍋
ラーメン鍋
ガス500
ツェルト
|
感想
2019.08.10 Day0
ついにやってきました。 2019年夏の縦走。
今年は裏銀座です。 2人とも未踏エリアの針ノ木・船窪エリアを歩き、
野口五郎・三俣蓮華・双六を経て笠ヶ岳から新穂高に抜ける一筆書き全4泊5日のコースです。
mikurichanは、初の5日山行という事で、色々お初な山行です。
扇沢から入り、新穂高に抜ける為、今回はバスと電車での移動になります。
これも2人にとっては初の事です。
お互い新宿のバスターミナルに着いてはいるものの、なかなか相手が見つからないというトラブルがありながら、バスは新宿を発車。 お盆時期の為、混雑が予想出来ましたが、意外と快適なバスの旅です。
2019.08.10 Day1 担当:Satoo
4:30に扇沢に到着。猛暑の東京とは異なり、少し肌寒い扇沢です。
沢山の山屋が軒下で仮眠をしております。お互い知り合いに会い、行先やエールを交わしながらいそいそと準備を行い出発。まずは大沢小屋に向かいます。
入山口では入山届のチェックが行われておりました。
もう少ししっかりした道かと思いきや意外と細い藪道を大沢小屋に向かいます。
大沢小屋を過ぎた辺りから日も高くなり、目の前に雪渓が広がります。
青い空に緑に雪渓の白と素晴らしい景色が広がります。
雪渓の取付は、とても涼しく快適です。水も冷たくおいしい水を頂く事が出来ました。
いよいよここからは雪渓登攀になります。大沢小屋でアイゼンのレンタルも行っているようですが、我々は自前のアイゼンにピッケルというスタイルです。ピッケルを持っている人はおらず、殆どの方がストックで登っていきます。涼しさも手伝い快適に高度を稼いで行きます。
途中急登だなと思う箇所は1か所で、その他苦労するところはありません。
上部の方は雪渓が割れておりそこからは夏道に戻ります。
針ノ木峠下の300m程はスラブ地形の道を歩いていきます。
ほどなくすると針ノ木小屋に到着です。 先行をしていた友人はここで泊りとの事で、
テントを張り終えてお昼ご飯の提供開始待ちでした。我々もここで1本立てて、蓮華岳に向かいます。針ノ木小屋からは赤牛や薬師・槍ヶ岳などが見え、普段なかなか見れない角度からの眺めに地図とにらめっこをして山々やこれから進む方角などを確認します。
針ノ木小屋から蓮華岳(2800m)まではさらに300m程上げます。
2600m過ぎた辺りから森林限界を越え、砂礫帯が広がります。
とても素晴らしい景色です。途中の道には沢山のコマクサが咲いていましたが、だいぶ疲れてきている個体ばかりです。この所の晴天が影響しているのかな?
蓮華岳山頂に到着。ここからは長い下りになります。
午後になり、ガスが東側から湧いてきます。 2400m以下では、道がガスに飲まれていました。
ガスの中は熱風が吹いていて、体力を奪われます。
2275のコルまで落とし再度2551の北葛岳まで登り返しです。
ですが、ここからはなかなかペースが上がりません。
午後の暑さ・初日の荷物の重さ・寝不足などが祟りまた、太陽に向かって歩いている為、暑さに拍車がかかりペースが上がりません。 まず初めにmikurichanがバテ始めます。
北葛岳で少し休憩を取り、mikurichanは少し回復。
再度200m程落として、七倉岳を目指し300m程あげます。
ここにきてSatooは、完全にオーバーヒート気味。
脂汗に鼻水が出てきて、しかも吐き気も感じてきます。呼吸も苦しく
少し歩いては、呼吸を整える状態です。回復気味のmikurichanに助けられながら
ようよう七倉岳に到着。このピークが偽ピークだったら完全ビバークです。
七倉岳から船窪小屋は10分程度ですが、テン場は小屋とは逆の方向。
mikurichanにお願いをしてチェックインをしてもらっている間に荷物番と称して、
しばし休憩(意識喪失)20分程して、mikurichanが戻って来たので、テン場まで最後の踏ん張りです。ここは下りだったので、なんとかようようテン場に到着をしました。
既に沢山のテントが張られており全くスペースが無かったのですが、親切なご夫婦に少し場所を譲っていただき何とかテントを張る事ができました。この作業もmikurichanにお願いをして、Satooはノックアウト。
テントが立ってようやく中に入ったら今度は、気持ち悪く嘔吐を起こしてしまい、横で食事を取られていたご夫婦には嫌な思いをさせてしまい、恩を仇で返す形になってしまいました。 その後少しスッキリしたことと、持っていたエナジードリンクの
を摂取して食事を取れるくらい回復を行い何とか1日目を乗り切りました。
2019.08.12 Day3 担当:Satoo
この日は計画上では一番距離が長くコースタイムが一番長いコースです。
前日は、野口五郎小屋の予定でしたが、初日の疲れがあった為、無理をせず烏帽子小屋のスタートにした為、少し余計に頑張りが必要になります。前日に充分休養を取った為、3:45まだ真っ暗な中今日は元気にスタートです。(笑)
まずは、三つ岳を目指します。稜線上には既に、数個のヘッドライトが、動いています。みんな朝早いですね。
三つ岳までは緩やかな登りで、暗くても足元も安心して登っていけます。
山頂直下辺りでご来光の時間と重なりました。初日は扇沢・2日目は、船窪乗越だった為、この山行初のご来光を望みます。
この日も天候に恵まれ、早朝から多くの星が見えておりましたが、朝日も素晴らしいものです。少し登っては写真を撮りで、なかなか進みません。(笑)
三つ岳は、登山道の無い山頂の山で、登山道と山頂が離れております。山頂には、100高山ハンターという方がおり、ラッキーな事に写真を撮って頂くことが出来ました。(彼も逆に取ってもらえる人が居て助かったとの事)
お互いこの先の健闘を称えながら別れ、我々は野口五郎小屋を目指します。
三つ岳から野口五郎小屋の稜線上も素晴らしい眺望があり、景色を楽しみながらあっという間に野口五郎小屋に到着。
ここには、mikurichanの会友が居るとの事で、さっそく面談。 丁度時間帯も小屋の忙しさが一段落をした時間帯だった為、しばし歓談を行い、山の上とは思えないほど、美味しいコーヒを頂きました。変わりにと言ってはですが、少し余った行動食を
渡し、久しぶりの下界の空気に触れて頂きました。 最後は御見送りまでして頂き、目の前の野口五郎岳を目指します。(笑)
野口五郎岳からは、水晶小屋への稜線が奇麗に伸びております。がSatooは2日目から左目に違和感を感じており、この日も眼鏡をして登山をしておりましたが、日の光の明るさにサングラスをしていて、裸眼にサングラスの為、全く何も見えない状況でした。とても勿体無い事をした。 いつかこの道は再訪をしたいと思っております。 mikurichanに先導をして頂き、片目の裸眼で何とか後ろをついていきます。後から気付いたのですが、真砂岳のピークもあったようで、ここも外してしまっています…(涙
ここは、2734のコルまで落としたら水晶小屋へ向かって170m程あげます。
小屋に近づくにつれ、沢山の人の声が聞こえてきて、小屋の賑わいを感じます。
裏銀座縦走コースは一般的には、ブナ立尾根から烏帽子小屋を経て、水晶・双六・槍ヶ岳と続く道が一般的ですが、ブナ立から水晶までは、アクセスの大変さやブナ立尾根の大変さ、コースの長さなどからあまり人が少ないですが、水晶から先は新穂高から簡単にアクセスが出来る為、沢山の登山者が居ります。 これまでの静かな山歩きとは異なりにぎやかで華やかな感じがして、我々のような登山者は場違い感を否めません。(笑)
水晶小屋を越えて黒部エリアが見渡せるようになると、景色がガラッと変わります。
眼前には、祖父岳・雲の平・薬師岳・黒部五郎と言った北アルプス最奥の山々を見て取れます。Satooがとても大好きなエリアです。
ワリモ岳では、ハブになっており、雲の平方面に向かう登山者、水晶小屋に向かう登山者、三俣蓮華に向かう登山者と沢山の登山者の荷物がデポされておりとても異様な雰囲気です。
ワリモ岳のピークを踏み、鷲羽岳を目指し、三俣蓮華へ下ります。ここもまた長く400m程落とします。
三俣蓮華小屋は沢山の登山者が居り人々が行き交っておりました。ここで休憩するもかなり暑く、余計に疲弊をした感じです。(笑)
三俣蓮華小屋からは、三俣蓮華岳へ300m程登り返し、その後、双六岳への稜線歩きとなります。三俣蓮華岳までの登り返しがキツイですが、その後の稜線歩きは気持ちがいい(はず)なので、頑張って登り返します。が、mikurichanのペースが上がりません。
初日のSatooと同じような状況です。3日目の疲れや暑さなどが影響しているのでしょうか。初めての長期縦走の疲れも出てきているようです。幸いにも三俣蓮華岳直下辺りからガスがかかり直射が無くなり、何とか三俣蓮華岳に登頂。双六岳へ目指します。
双六岳へ向かう途中、Satooの会友に出会います。もちろんSatooは目が見えていなかったので、初めは誰だか判らずでしたが、声で判断。彼も焼岳から歩いているとの事です。 ようよう双六岳へ到着し、下りが苦手なmikurichanは、下りで苦戦をしてようやく双六小屋に到着。ガスの中から、沢山の人の声がしていたので大勢の登山者が居る事は判りましたが、想像を超えた混雑です。(笑)
とても広い双六小屋のテン場もほとんど埋まっており、隙間のスペースを確保してようやくテントを張る事が出来ました。
水を汲む。チェックインの処理も大渋滞になっており大変です。小屋の中では沢山の人が晩御飯待ち…と言った感じです。
翌日は行動距離時間も短い為、少し遅く出発しても良いように少しゆっくりと双六小屋での泊りを楽しみました。
夕方ついていたガスも夜半には取れて星が煌めき、又翌日も暑そうな感じが見受けられました。
2019.08.14 Day5 担当:Satoo
この日はひたすら下山をするだけ。だけども、通るは、笠ヶ岳からの笠新道ではなく、クリヤの頭経由の道。
標高2897の笠ヶ岳山頂から、槍見館983mまでの約2000mを下ります。(正確には1900m)
前日の晩に降った雨はすっかり止み、この日も星が煌めきます。今日も暑くなりそうです。
11時に新穂高ロープウェイから松本への直行バスがあるので、10時までには下山をして、温泉に浸かりバスに乗り込む作戦です。
前回単独で歩いた際には、3-4時間程度だったので、CTで見て6時間を想定して、4時に笠ヶ岳山荘を出発する算段で出発です。
3時半少し前にテン場を出発し、小屋によりトイレを済ませます。既に数名の登山者が起きておりました。
その後山頂へ向かいクリヤの頭へ。前日に下見をしていたのでその稜線の美しさは心に残っております。
上部200m程度はガレておりますが、しっかりとペンキが塗られているので、ペンキを拾って慎重に下っていきます。
ガレも一段落をしたころには日の出の時間となり、美しい稜線が眼前に広がります。また、雷鳥が登山道を先導してくれ、その後に続いて降りて行きます。2420m辺りからが難所になります。雷鳥岩とクリヤの頭のトラバース道です。
悪い足元に急な斜度とうるさい藪が行く手を阻み、時間と体力を浪費させます。また、下りではなく登りの所もあり、全く高度を落とすことが出来ません。Satooは2日目から目の調子が悪くこの日もガーゼを目に当てて眼帯にしての山行となり、左側が全く見えません。丁度トラバース道の右側が切れ落ちている為、左側の藪を掴んで確保を行いたいのですが、左手は虚しく空を切ります。
そして、前日の夕立で滑る足元で苦戦を強いられます。唯一の救いが、この斜面が西側にあり、太陽の日が当たらない事。これで西日に照らされていたら完全に死亡だったと思います。(笑)
登りの登山者とすれ違いひたすらクリヤの頭を目指します。クリヤの頭を越えるとここからは急な下りになります。
錫杖のテン場まで約700mをひたすら細かくつづら折りで降りて行きます。ここもやはり時間がかかります。
下っていて前回良くこんなところを一人で降りたなと自分が信じられなくなる位の所です。
錫杖のテン場を過ぎると斜度も緩くなりますが、その分高度が落ちません(笑)
登る太陽。上がる気温。そして落ちない高度 過ぎて行く時間…
mikurichanも時間を気にしていつにない速足で歩いて行きますが、岩に苔がついていたり、滑って居たりしてなかなかスピードも出せません。10時の下山を諦めた頃に渡渉エリアに。
上部の渡渉は完全に枯れ沢になっており、問題なし。中段の渡渉もちょろちょろでした。
下部の渡渉は、小屋で聞いた時には(小屋番情報では4日前)問題なく出来たとの事。確かに選べば行けなくない。
とどのルートで行こうかと悩んでいたらmikurichanは、そのまま直進(笑) 渡渉もくそもありません(笑)
Satooは、石を選びながらなんとか渡渉に成功するも少しだけ水を被りました(笑)
渡渉を終えてしまえばあとは普通の登山道。少しずつ見え隠れする人工物に一喜一憂をしながら、ついに下山口が。
この先にはもう登山道は無いという北アルプス最南端に到着しました!
二人でハイタッチで喜び、称えあい、そして温泉へ急ぐ。(笑)
新穂高の湯では、おじさんが堂々と湯に浸かっておりました。(笑) 上から丸見えです。
我々は登山者に優しいひがくの湯に行き、久しぶりの温泉に浸かりました。
その後、平湯に移動をして、平湯でのんびりとバス待ちをしながら、ソフトクリームを頂き松本に向かいました。
新島々で大きな交通事故があり、かなり時間を要しましたが、バスでの移動なのでお気楽です。
昼寝をしたり、携帯をいじったり、写真を見たりして今回の山行を振り返ったりして時間を過ごします。
松本駅からは特急あずさ。 駅前で自分達が食べたいもの。目についたものを購入し宴会をしながら東京に向かいました。
5日間お疲れさまでした。
編集後記
mikurichanとコンビを組んで4回目の夏。毎年色々出かけて行きましたが、
今回は初の5日間のロング山行。
後半は2人ともよく知っているエリアではありましたが、前半は雪渓ありの悪場蟻の難所続きのルートでした。エスケープルートもなくひたすら頑張るしかないルートでした。
今回、5日間を何とか歩き通せたのは、日頃コンビを組んでいるmikurichanがパートナだったからだと思ってます。
別の山行でもですが、どちらかがダメな時にはどちらかが支え引っ張っていくそんなパートナシップがあったから、この辛い5日間を乗り越えられたのではないかと思っております。
初日の体調不良も一人だったら完全に遭難レベルだったと思います。ですが、mikurichanが何とか七倉岳・船窪小屋のテン場迄引っ張っていってくれました。
改めてmikurichanに感謝をしたいと思います。
5日間ありがとうございました。 そして、また次の旅に出かけましょう!
◆0日目:新宿都庁バスターミナル→扇沢
今回は高速バスで扇沢へ。
仕事を終えた後、新大久保のデザイナーズ銭湯「万年湯」で最後のお風呂を満喫し、仕事服や荷物をコンビニから自宅配送。前日早朝に新宿駅のロッカーに入れておいた登山装備を取りに行き、都庁のバスターミナルへ。
軽く1人宴会をした後にsatooと合流し、バスでぐっすり就寝。
仕事疲れもあって1度も起きる事なく、扇沢に到着しました(笑)
◆1日目:扇沢→針ノ木雪渓→針ノ木小屋→蓮華岳→北葛岳→七倉岳→船窪小屋(泊)
朝4時30分過ぎに到着。
扇沢では山友のKちゃんや山の大先輩Mさんとバッタリ!良い時期に人気エリアに入ると山友さんに会う確率は高くなりますね^^山で会えるって嬉しい!
今回憧れの針ノ木雪渓を登るのが一番大きな目的でした。最初は針ノ木雪渓を登れるかどうか不安もありましたが、いざ入ってみると傾斜も緩く、難しい場所もありませんでした。
初日ノーマークだった針ノ木→七倉岳間は、炎天下の中、重い装備で歩くには、とても厳しいルートでした。
前半の蓮華岳~北葛岳間は私が暑さにやられてバテバテになってしまい、後半の北葛岳~七倉岳間はsatooが中度の熱中症になってしまいました。いつも精神的に強いsatooから「ビバーク」を希望する言葉が出た時には、本当にギリギリの状態なのだと思い焦りました。水も残り僅か、ビバークしたところで水は取る場所もなく、先行き不安な状態。何とか誤魔化し励まし、satooを連れていける所まで連れて行こうという考えで先導しました。
何度ピークを越えても七倉岳には到着出来ず、あのピークじゃなかったらビバークかな・・・と思った所が七倉岳でした。
七倉岳から先は下りのみ、船窪小屋のテンバでsatooはダウン。ギリギリでした^^;
こちらのテント場の水場は、とても足場が悪いのですが、通常登山者が入れないエリアに作られているだけあり、夕日に照らされたスモーク×砂で作られた幾つもの槍のようなピークが幻想的で素敵な場所でした。カメラを忘れてしまったので撮れませんでしたが、次回再訪したら撮りたいな~^^という思いとは別に、足元が悪すぎて行きたくない気持ちも有(笑)美しい薔薇には棘があるのですね。
◆2日目:船窪小屋→船窪第2ピーク→不動岳→南沢岳→烏帽子岳→前烏帽子岳→烏帽子小屋
2日目朝、すっかり回復したsatooと供に次の目的地へ。
こちらの船窪周辺は少しハードなイメージでしたが、実際入ってみると想像を遥かに上回る悪さでした。これまで入った一般登山道の中では一番悪いかもしれないと思うほど、崩落も激しい登山道。ジャンダルムやキレット等、穂高周辺の見た目で怖いとか、迫力があって怖そう、という場所では無く、低山バリエーションルートのような地味な悪さがあります。どちらかというと登山道が滑る×登山道が簡単に崩れて行く怖さ・・・という感じでした。私自身、特に脆い登山道、ザレている登山道が苦手なので、とても難しく感じました。
南沢岳の急な砂地の斜面は逆ルートだと下りになります。簡単に崩れて行き、立木等の支えも無いので結構怖いのではないかと・・・^^;いつか廃道になるのでは?なんて話しをしていました。
南沢岳から先は難しい場所は無くなり、完全に天国な裏銀座ルートとなります。
無事辿りつけてよかった。ここまで来たらこっちのもの^^あとは慎重に進めば問題無い道が続きます。
この日のご褒美は烏帽子岳。大きなザックはデポして手ぶらで烏帽子岳ピークを登りました。気持ちいい風、最高の景色。今日一番のご褒美景色!
この日は烏帽子小屋のテント場で幕営を。
あと3日もありますが、この2日間頑張ったって事でCCレモンとコーラとビールで乾杯!!
◆3日目:烏帽子小屋→野口五郎岳→水晶小屋→ワリモ岳→鷲羽岳→三俣蓮華岳→双六岳→双六小屋
3日目のコースは過去に裏銀座縦走で歩いた事のあるルートなので心配のないコースです。
この日の最初の目的は、知り合いHさんが働いている「野口五郎小屋」に立ち寄ること。久々の再会で嬉しかったです。小屋で美味しい珈琲までご馳走になり、久々にゆったりとした雰囲気で休憩をさせて貰えました。
一度だけ宿泊した事がある野口五郎小屋、小屋の中の雰囲気も昔ながらの山小屋といった感じで素敵です。こんな素敵な稜線の途中にある小屋、またいつか泊まりたいなぁ・・・。
野口五郎岳を越えたら、水晶小屋、ここから通常はザックをデポして水晶岳に上りますが、メンバー全員水晶岳に登った事があることや、時間の余裕が無いという事で、今回は水晶岳はスルーしてワリモ岳、鷲羽岳を越えて行きました。
三俣蓮華の山荘に到着した時間帯は、日差しが強く、日光にやられてバテバテになった登山者の方々が大勢、休憩をしていました。
先に見える三俣蓮華岳が遠く、更に今日の目的地は双六小屋という事で、気合を入れて前進。
三俣蓮華のテント場を通過した13時の時点で、三俣蓮華のテント場もほぼ100%状態。
三俣蓮華岳、双六岳を越えて、双六小屋のテント場に到着したら、テント場は超過密状態でした。なんとか、ポッと空いていたテントの隙間にギリギリ入り込んでセーフ。
こんなに広いテンバがギチギチに埋まっていて、シーズン中の涸沢よりも過密状態になっていて驚きました。
5日間中一番行動時間が長くてクタクタになりましたが、翌日は時間に余裕があるのでゆっくり就寝出来ました。
◆4日目:双六小屋→弓折岳→抜戸岳→笠ヶ岳→笠ヶ岳山荘
時間に余裕があるので、遅め出発、ゆっくりペースですすむ。
それでも12時頃には幕営地に到着出来ました。
このルート初めて通りましたが、これまで歩いた北アルプスのルートの中でも(そんなに沢山歩いていませんが)上位に入る美しさでした。
これまで何故笠ヶ岳に来なかったんだろう・・・。そう思ってしまう位に、良いルート&良い山&そして良い幕営地でした。また再訪したいルートです。
この日は最終ピーク笠ヶ岳に登頂した後、贅沢に500mlのビールで登頂後の打ち上げ宴会をしました。
時間に余裕があるっていいなぁ!これまで忙しい毎日が過ぎていただけに、幸せなひととき。
◆5日目:笠ヶ岳山荘→笠ヶ岳→クリヤの頭→クリヤ谷渡渉→笠ヶ岳登山口→ひがくの湯
最終日、縦走最後は新穂高へ向けて下りました。
通常良く使われているルート笠ヶ岳新道を使用しなかったのは、縦走らしく1本の線を綺麗に通したいからとのsatoo案。
という事で、マイナールート?のクリヤ谷を渡渉するルートで下山しました。
すれ違った方は1名のみ、このシーズン中ですが不人気のルートです。
不人気な理由も歩けばよく分かりました。
結構足場が悪いルートで時間がかかり、途中不明瞭になるポイントも少々有り。
前日に小屋の方にクリヤ谷の沢状況について確認をしておいたので、水量も渡れる程度で問題無く通過できました。(ここは事前に増水状況など確認が必要です)
時間はかかりましたが、無事「槍見館」横の登山口に到着しました。
この後は歩いて行ける「ひがくの湯」へ。
汚れたボロボロの登山者でも入りやすい雰囲気&快く迎えてくれる温泉で、登山者の方々にお勧めします。温泉内も広々していて気持ちいい。温泉に入りながら錫杖岳が眺められます。
温泉から上がったら、2回目の打ち上げ!生ビールで乾杯!
3回目の打ち上げは、帰りのあずさ内で乾杯!!
嬉しくて、打ち上げやりすぎ山行でした(笑)
◆まとめ◆
これまで、4日間までの縦走登山は経験がありましたが、5日間は未知の領域でした。
食料は小屋に頼らず全て自分で担ぎ上げる、という所に拘りましたので、荷物の重さはそれなりになりました。最初は重荷で悪いルートを通過するのに苦労しましたが、冬の期間も雪山テント泊を続けていた甲斐もあってなのか、体力は最終日まで持たせることが出来ました。
私にとっては長い山旅、初日から色々ありましたが、本当無事に戻れてよかった!!
一緒に縦走してくれたsatooに感謝!無事に下山させてくれた山に感謝しています。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する