上高地〜親不知 テント泊縦走
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- GPS
- 61:09
- 距離
- 134km
- 登り
- 11,730m
- 下り
- 13,258m
コースタイム
- 山行
- 10:03
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 10:43
- 山行
- 10:36
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 11:42
- 山行
- 7:37
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:32
- 山行
- 8:11
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 9:06
- 山行
- 10:04
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 11:02
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 9:27
天候 | 1日目 上高地〜三俣山荘 🌧→🌤 2日目 三俣山荘〜船窪小屋 🌥→🌨☔️ 3日目 船窪テント場〜種池山荘 ☁️→⛅️ 4日目 種池山荘〜唐松岳頂上山荘 ⛅️→☔️🌤 5日目 唐松岳頂上山荘〜朝日小屋 🌤 6日目 朝日小屋〜親不知 ☀️ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
その他周辺情報 | 親不知観光ホテルが営業していたら入浴と送迎がお願いできるが、下山時はちょうど定休日だった |
写真
感想
■行動計画
栂海新道を通って親不知まで降りるルートを歩こうと考え、起点をどこにしようか地図を眺めていた。最初は扇沢からかなと考えていたが、思いのほか休みが取れたので、せっかくなら長く遠く歩きたいと思った。
必要な分の食べ物は自分で担いでいくことにして、テント場でもちょっとくつろげるよう到着を遅すぎないようにしたかった。そうなると穂高は日程的に厳しいけど、槍を経由して北アを大きく縦断するのはよさそうだしいけそうだ。
今年も予約が必要なテント場があり、計画は少し立てにくい。1日に進めそうな距離を見つつ、予約の取れるところを組み合わせて、今回の行程が決まった。
大体は予定(標準CT6割のペース)通り歩けたが、船窪岳の通過には予想外に時間がかかった。この2日目が体感ではもっとも疲れた。(小屋を余計に往復したのも理由の一つ)
■軽量化・食糧計画
軽量化はもちろん手段でもあったが、どこまで軽くできるかという遊びとしても楽しんだ。最終的にベースウェイト3,7kgでパックウェイト8.5kgになったが、サンダルなどあと200gは不要だった。
食料は山小屋で補給しなくてもよい量は持っていくことにして、経験から14000kcalを用意。タンパク質を多めにした。実際には種池山荘でカレー一食(本当はピザを狙ったが痛恨の売り切れ)、朝日小屋で的鯛のお寿司を1つ買ったほか、ビールと炭酸飲料などを山小屋で購入した。下山時に500kcal残っていたので、ほぼ足りたがもう少し持っていってもよかったか。
■1日目 小雨のち晴れ
標準CT16:16、登り2724m、下り1680m
5:30に上高地を出発。この時間は人がまばら。小雨がぱらつく中を半分眠りながら歩く。横尾手前で雨が強まってくる。まだ身体にエネルギーがあるのでどんどん登る。
槍の肩はとても静かだったのでスルーせずに誰もいない山頂へ。西鎌尾根は視界が悪かったが、風は強くない。双六小屋までくると天気は回復傾向。巻道の花畑を見ていたらすっかり晴れて、三俣山荘に到着。コバイケイソウが多かったな。
ここには一年前にも泊まった。水があるテント場は好きだ。ビーフジャーキをつまみにビールを飲む。槍がはっきり見える。
■2日目 霧ときどき晴れのち雨
標準CT14:47、登り2365m、下り2465m
ガスが出ており鷲羽岳で日の出は見られず。先は長いので気にせず次へ。水晶小屋に来ると少しガスが取れ、水晶と赤牛が見える。いずれあっちにも行きたい。真砂岳、野口五郎岳あたりはとても歩きやすいので自然と走る。
烏帽子から先は初めて。道が悪くなるが、序盤は池塘やお花畑が楽しめる。南沢岳から先は下草が茂っていたり、崩壊地の脇だったりでとても歩きにくく全然スピードが出ない。しんどい道。整備してくれる小屋の方々に感謝。
ようやくテント場に着いて設営し、船窪小屋で受付をする。この日は道が崩れていて水場に行けないので小屋で買うしかないことを知る(見落としたがテント場にも注意書きがある)。容器をテント場に置いて来てしまったのでもう一往復追加!さすがに疲れてテントに入ったところで雨が降り始め、そのまま土砂降りに。セーフ。
■3日目 霧ときどき晴れ
標準CT11:38、登り1938m、下り1975m
筋肉の調子は良いがいつものことながら腸がいまいち。3日目からは慣れてきて改善してくる。この日は行程がいちばん短くゆっくりできた。
相変わらずガスの中、トレランシューズが下草から水を吸って靴下が濡れる。すぐ乾くので気にせず進む。蓮華岳手前のコルから見上げると意外にも岩場になり、楽しくなる。蓮華からは少し人が増えたが、天候も悪く針ノ木から先はまた静かな道。途中、雷鳥にも会うが、猿の群れに3回遭遇して驚く。大沢岳のあたりから登山道に大量の糞がある。意識してないと踏みそうだ。
種池山荘のピザに間に合いたいと思って急ぐが、残念ながら売り切れ。今日は土曜日だった。コミュ障なので注文しかけてやめるのに気後れしてしまい、カレーとビールを頼む。贅沢をしてしまった。雨も強くはならず、落ち着いて休める。
■4日目 霧ときどき晴れ 夕方に大雨
標準CT13:16、登り2078m、下り1920m
岩場の多い日なので早めに行動したい。やはりガスガスだが、日が出てから徐々に晴れ始める。布引山では綺麗なブロッケン現象が見えて撮影会に。
八峰キレットを前にサコシュをザックに入れて進む。キレット小屋からはガスで見えない五竜を目指して高度を再び上げる。雨が降る前にテントを張りたい。唐松岳頂上山荘の売店の状況がわからないので、五竜山荘で水とビールを買って行く。唐松に着くと、自販機が稼働していて、天水も買えたので結果的には不要だった。
早めに到着でき、あまり小屋から遠すぎないところにテントを張る。のんびりしていたが、夕方に大雨。ホーネットストーム1pのフライシートはカバーが甘い箇所があり、激しく地面を打って跳ねた雨水がインナーを濡らす。雨が強い間はシュラフを隠して手ぬぐいで水を処理する。1時間ほどで落ち着き、再び晴れてくれる。
■5日目 晴れときどき霧
標準CT15:56、登り2193m、下り2666m
お腹の調子は良くなったが、筋肉は少し張って来ている。どうかなと思ったけど歩き始めると調子が良い。未明はガスに包まれている。
不帰は通過したことがあるがあまり記憶になかった。実際、整備されていて難しくない。天狗の頭に着くと晴れ間が広がる。天狗山荘では、三俣以来の水場!水を汲めるってすごい。
白馬三山を縦走中は晴れ間が続き、気持ちの良い稜線歩き。登山者も多くなり、道も歩きやすい。白馬山頂付近で雷鳥を見つけ、登ってくるお姉さんたちに伝えると喜ばれてニコニコする。
三国境からはまた静かになる。チングルマ、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイなどが雪渓が溶けたあとにお花畑を作っている。そういう景色が次々現れる。雪倉岳周辺は植生が変わり、多種多様なお花畑が絶えない。桃源郷かな? 山頂付近では雷鳥を計12羽見つける(おおい)。その先の道が思ったより長い。
アップダウンが意外にある水平道を抜けると、朝日小屋の素敵なテント場に到着。濡れたものを乾かす。天気が悪化する気配がなく、ぼーっとできる。NHKが小屋を取材しているそうで、大きなTVカメラが見え、ドローンの音がする。夕日が綺麗。
■6日目 晴れ
標準CT14:09、登り1546m、下り3617m
朝日岳で朝焼けと日の出を迎える。この縦走中で初めてすっきりと見ることができた。朝日岳西側は樹林帯だが東面は残雪が多く、地質も違う感じで高山植物も豊富。吹上のコルにはさわがに山岳会の看板。いよいよ栂海新道だ。
鬱蒼とした樹林帯の合間に高層湿原が点在する。木道もあるが、歩きにくい場所がおおい。休憩適地は少ない。黒岩山を越えると、雰囲気は低山に。下草はあるものの道の段差が減りペースはあがる。それにしてもめちゃくちゃ暑い。なぜこの日だけ晴れるか。北又の水場は看板もあり迷うことはない。水を補給して栂海山荘へ。道を拓き維持してくれていることに感謝して寄付金を入れる。
白鳥山まではアップダウンが激しい。急登が続き、補助ロープを使って下半身を休ませる。だいぶ疲れているようだ。そこから先はほぼ下り。一気にシキ割まで行くと、雨が続いたからかこの日は水が出ていた。頭から被ってクールダウン。残る峠とピークを越えていくが、羽虫と蜘蛛の巣だらけで早く抜けたくなる。国道が見えて安堵する。
大型トラックがビュンビュン走る国道を越えると公衆トイレと観光ホテルがある。下界だ。標識に誘導され階段を降りると親不知の海岸、日本海へ。やっぱり海にタッチしないとね。ほんとは泳ぎたいくらいに思ってたけど無理。この体じゃ溺れる予感がして、座って波に揉まれていると体が冷えて気持ちいい。
テント場やトイレや道を整備してくれる人たち、すれ違った人たち、自分を運んでくれた靴に感謝。
でも、私なんてまだまだです。軽量化に慣れてしまって、ちょっと多めに水を担いだりするとヒィヒィ言ってます。。。
パワーのある人を尊敬します。
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