聖岳・赤石岳トレッキング(芝沢ゲートin/out)
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- GPS
- 40:43
- 距離
- 53.4km
- 登り
- 6,898m
- 下り
- 6,895m
コースタイム
- 山行
- 12:29
- 休憩
- 3:11
- 合計
- 15:40
- 山行
- 10:14
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 11:12
天候 | Day1(8/19):晴れ、Day2(8/20):曇りのち小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【芝沢ゲート〜易老渡〜便ヶ島(聖光小屋)】 7.5kmで標高250mを上げる緩やかな傾斜の林道。ナイトハイクでも危なげない。自転車デポも多数で、自転車だと復路はとっても楽でしょう。 【便ヶ島(聖光小屋)〜西沢渡】 引き続き普通の林道。西沢渡には簡単な木製橋が架けられているが、水量が多いと橋が流されたり、水没して利用不可。往路では靴濡れを恐れず、半分水没気味の木製橋を慎重に通過。復路は岩と岩に架かる一本丸太を馬乗りで通過。 ※人力ロープウェイ(籠)があるが、稼働には相当な腕力が必要。復路でチャレンジするが動かせなかったので利用を断念。水量が多いと、ここが本コースの核心部となる。 【西沢渡〜薊畑】 標高差1,400mの急登。痩せ尾根や断崖絶壁の通過はなく、危険箇所はないが、岩や根が多数張り出し、濡れている時は通行注意。基本的に眺望はなく、ガマンの区間。 【薊畑〜聖岳】 標高差500mの急登。山頂直下はガレガレの岩場で三点支持必須。危険箇所はなく、小聖岳手前より、富士や恵那山など遠望もあり、アルプスを実感できるワクワク区間! 【聖岳〜兎岳〜小兎岳〜中盛丸山〜大沢岳〜百間洞山の家】 本コース屈指の難路。アップダウンが連続し、蓄積疲労が溜まり続ける。聖岳〜兎岳区間はガレ場も多く、断崖絶壁の通過もあり、緊張感が必要。百間洞山の家手前に沢に設置された水場あり。小屋前でも沢から給水可能。 【百間洞山の家〜百間平】 標高差300mの急登。百間平側はガレ場のため、転倒注意。百間平は標高差のあまりない別天地で、眺望も抜群で快適! 【百間平〜大斜面のコル〜赤石岳(避難小屋含む)】 標高差250mほどを斜面を巻きながら登っていく。所々にガレ場あり。避難小屋から山頂まで徒歩数分のため、夕景、夜景、ご来光、すべての絶景を寒さをあまり我慢せずに得られます。 |
その他周辺情報 | 下山後、飯田城温泉 天空の城 三宜亭本館へ。JAF割(▲200円)で600円。 若い男性がワンオペで経営する館内の飲み屋「一笑」では、良心的な価格で定食が食べれます! |
写真
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感想
7月下旬の夏休み第一弾(10連休)、8月中旬の夏休み第二弾(11連休)で、最大の目標としたのは、3年ぶりに開く南アルプス南部の百名山トリオ(聖岳、赤石岳、荒川三山)の眺望リベンジ。元々は芝沢ゲート発着の3泊4日プランで、3日連続で晴れる日があれば決行予定が、第一弾ではそういう条件が整わず断念。第二弾も前半は条件が揃わず断念しかけていたものの、2日なら晴れが続きそうな条件が整い、急遽芝沢ゲートから一日で赤石岳まで歩くロングコースでのピストン登山を決行することに!
3年前、そうコロナ前、小屋閉鎖前のラストイヤーに、光岳〜聖岳〜赤石岳〜荒川三山(悪沢岳)へと稜線を歩きましたが、山の日(8/11)に登った光岳では最高の条件下で登頂できましたが、その他3座は真っ白けで眺望ゼロ。聖岳に至っては、泊まった兎岳避難小屋からご来光狙いで、空身で逆方向に戻って再登頂するも眺望なし、を味わいました。
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以来3年、コロナで閉ざされた小屋が再開した今夏、なんとしても行きたかった山域へ再チャレンジの機会を得ました。車を回収する必要があるため、そして東海特殊フォレスト社の送迎バスに頼らずに行き来する必要があるため、発着は長野県飯田市の芝沢ゲートとしました。
当初計画時から、芝沢ゲートは朝0時発(ナイトハイク)と決めていて、今回は満を持して前日は飯田市内のホテルを取り、十分な休養と睡眠を取りました。(2日前に斑尾山へ登頂後に飯田市へ入り、2連泊というか1.5連泊)
そして金曜朝0時過ぎ、芝沢ゲート入りすると、ほぼ満車状態。相当数の車中では、皆さん就寝中と思いますが、覚悟を決め、登山準備をすべて終え、飯田市中心部からドライブしてきた私は、到着と同時に登山開始です。本来は0時ピッタリにスタート予定でしたが、到着が少し遅れ、0:20頃のスタートとなりました。(が結局、薊畑でご来光を仰ぐのにちょうどよい遅れとなりました〜)
芝沢ゲート〜易老渡〜便ヶ島(聖光小屋)までは、遠山川沿いの退屈な林道歩きです。月灯りとヘッドライトの灯りを頼りに、1時間強、黙々と進みます。そこから35分ほどで、この2日間の核心部(最も危険な場所)と言える西沢渡での渡渉。往路は半分水没気味の木製橋を何とか渡り、復路は岩と岩の間に架かった一本丸太を馬乗りでまたがって渡渉しましたが、正直危険を伴います。人力籠もありますが、私の腕力ではほとんど動かず、復路では利用しようとして断念しました。女性だと、あの人力籠を操作するのは大変かもしれません。水量が多いと、西沢渡が芝沢ゲート発着時の鬼門なことは間違いありませんね。
その後は暗闇の中、さしたる楽しみもないため、黙々と登るのみ。ヘッドライトで照らされる岩々が赤くて、ついヘッドライトが赤色モードになったか?と焦るレベル。これこそ、赤石山脈(南アルプス)ならではの赤石(チャート)ですね!苔平前後からはコケが美しい世界で、特に暗くてもわかる赤石に繁茂するコケは、この山域ならではで印象的でした。
芝沢ゲートからヘッドライトを点けて登ること5時間、薊畑へ着くなり、対岸の笊ヶ岳よりご来光!元々の計画では朝0時に出てもご来光には間に合わないはずでしたが、出発が20分遅れたのに、計画(コースタイム×0.7)より速いペースで登り、ご来光に間に合っちゃいました〜♪。いやぁー、モッてますねー、今回も。
3年前も、薊畑から聖岳は見えました。小聖岳からも聖岳は見えました。なのに、聖岳登頂時はガスガスで眺望なしの苦い経験があり、とにかく雲がないうちに、と思い、更にペースを加速して聖岳へ向かいます。
3年前はテン泊装備を背負い、コースタイム×0.8を維持するのがやっとでしたが、今回は10kg弱の装備で、×0.7以下のペースでガシガシ登っていけます!聖平小屋発と思しき早朝組の登頂者もチラホラと下りてくる時間帯で、みな一様に「今日は最高だ!」と口々におっしゃり、モチベーションはMAXに♪。小聖岳手前からは東の方向に富士と太陽を望むことができ、最高のテンションで登っていきます。
そして、薊畑から1時間40分、芝沢ゲートから6時間40分ほどで、3度目となる聖岳の頂へ!雲ひとつない青空が待つ山頂で、ついに山頂眺望を得ました〜♪百名山2周目、眺望リベンジの山旅も30/37となり、百名山晴天時登頂は93座目となります。感無量でしたねー。
山頂からは、360度のラウンドビューが待ってて、先月登った峰々(池口岳、小秀山、御嶽山、南駒ヶ岳、越百山等)を始め、日本アルプスの名だたる高峰がドーンと見えます。富士山から時計回りに・・・、富士山、笊ヶ岳、上河内岳〜茶臼岳〜大無間山〜光岳〜池口岳、奥茶臼山(未踏)、白山、伊吹山、恵那山、小秀山、御嶽山、越百山〜南駒ヶ岳〜空木岳〜木曽駒、乗鞍岳〜笠ヶ岳〜穂高連峰〜槍ヶ岳、大天井岳〜常念岳〜立山〜針ノ木岳(未踏)〜蓮華岳(未踏)、爺ヶ岳〜鹿島槍〜五竜岳〜白馬三山、高妻山〜火打山〜妙高山、仙丈ヶ岳〜塩見岳、蓼科山、そして眼前に赤石岳!といった感じで、とにかく最高に澄んだ気候で、眺望満点でしたね♪。自身のアルプス山行でもベスト5に間違いなく入る絶景Dayでした!
丹沢山など関東の高峰から見る聖岳はいつだって「台形」です。もう一方の頂点、奥聖岳へも10分程度ガレ場を歩き、登頂してきました。奥聖岳から東に切れ落ちる山と高原地図で言うところの「破線」の斜面は、いつか歩いてみたい稜線ですねー。奥聖岳まで来ると、聖岳からは角度的に見えにくい悪沢岳がドーンと見えて、また聖岳〜兎岳〜小兎岳〜中盛丸山〜大沢岳〜百間洞山の家〜百間平〜赤石岳へのアップダウンもよーく見渡せます。(その壮絶さ、絶望も同時に味わえますw)
聖岳と奥聖岳セットでおよそ2時間過ごしても、上空は真っ青な青空で、雲が到来する気配はまだありません。赤石岳まで6時間近くかかりますが、少しでも眺望があるうちに、と思い、赤石岳までのロングルートへ向けて、本日2度目のゴングが鳴ります。そう、聖岳はDay1の全工程のまだ半分にすぎないのです…。ただ、歩いたことのある稜線なので、心配事は何一つありません。前進あるのみ!
アップダウンを繰り返しながら、聖岳から3時間20分ほどかけて百間洞山の家へ。3年前は通過者にも1,500円で揚げたてカツ丼を提供してくれたのも、もう昔話。カップラーメンを頂き、給水も済ませ、再び百間平まで登り返します。振り返ると聖岳〜兎岳〜小兎岳〜中盛丸山に加え、前回も今回も登らなかった大沢岳もドーンと見えます。この時点では大沢岳(日本百高山の1つ)は今回もいいや…と諦めてましたが、結局復路で登り返しましたよ〜♪。
百間平到着時(13時台)でも、聖岳・赤石岳共に一度も雲がかからず、紺碧の青空に屹立とそびえています。予報では赤石岳の晴れは15時頃迄なので、とにかく先を急ぎます。と言いつつ、常時絶景が続くので、撮影は頻繁に。左手には中央アルプス主稜線が見え続け、進行方向には赤石岳はもちろん、荒川三山(荒川前岳、荒川中岳、荒川東岳=悪沢岳)や塩見岳〜甲斐駒〜仙丈ヶ岳あたりが常時見えてる感じです。控えめに言ってサイコーです!
百間平の終点、大斜面のコルを過ぎると、大斜面をグルリと回り込む形で赤石岳へ接近し、ほどなく標高3000mラインを突破します。振り返ると聖岳〜兎岳〜小兎岳〜中盛丸山〜大沢岳〜百間平がいつでも青空の下で一望でき、その奥の深南部・光岳とかは雲に覆われ始めたのに、この主稜線だけは無敵の眺望があり続けます。感動です。
そして、百間洞山の家から2時間10分、聖岳から5時間半、芝沢ゲートから12時間強…。ついに、赤石岳シャツ(1枚目)を着て、自身3度目、初めて山頂眺望のある赤石岳へ登頂する時がやってきました!朝7時に聖岳で眺めて以来、15時を越えても一度も山頂部に雲がかかることはなく、最高の眺望が待ってますた。百名山2周目、眺望リベンジの山旅も31/37となり、百名山晴天時登頂も94座目となります。残り6座は、東北2(岩手山、八幡平)、南アルプス4(悪沢岳、間ノ岳、北岳、甲斐駒)です。明日早朝なら晴れることがわかっているのに、&まだまだ完歩する体力はあるのに、日程の都合、車回収の都合から、眼前の悪沢岳まで足を伸ばせないのは、正直断腸の思いでしたね。
強風の赤石岳山頂で45分ほどゆっくりし、いよいよ避難小屋入り。榎田さんや智恵子さんに再会するのも3年ぶり。今年で両名の引退が決まっていて、是非引退前に再度お会いしたいと思っていた折、芝沢ゲートから12時間強歩いてお会いすることができました。易老渡から夜通し歩いて来た、と言ったら、両名に変態扱いされましたが(笑)。
今年で引退されるため、1000円で投げ売りしていた、榎田さんをモデルとした通称「変態Tシャツ」(サイズはSのみ)を購入し、早速3年前同様、榎田さんと小屋ドア前で記念撮影し、再度山頂も往復してきました。夕飯は、レトルトご飯とカレーを頂きましたが、標高3100mの小屋(富士山山頂部の小屋を除き日本一標高の高い小屋)で電子レンジを使えるのは驚きです!また、赤石岳山頂もドコモが圏外になりがちなのに、小屋内の窓付近だと安定した電波で通信できるのも驚きです。
明日も芝沢ゲートまでのロングコースが待っているので早く寝ようと思いましたが、榎田さんにも誘われ、18時過ぎより、私を含むソロハイカー5名+榎田さんで軽い飲み会開始!1名が下界から持参してくださった白ワインを飲みながら、榎田さんと最後の晩餐を過ごします。智恵子さんと二人で18年間も赤石岳避難小屋を守ってこられたとのこと。本当に感謝しかありません。私は晩年に2回ほどお邪魔しただけでしたが、赤石岳=榎田さん、というほどシンボリックな小屋番さんで、来年からこの小屋がどうなっていくのか、いささか寂しくはありますねー。
お開きした後、トイレがてら外へ出ると、富士山側も赤石岳側も、夜の帳が下り、最高の星空が広がっています。標高3100mで労せず見れる星空。これこそが、(富士を除き)日本一高い小屋泊まりの特権ですね〜♪。
翌日は朝4時に起き、5時前から赤石岳山頂へ繰り出し、山頂独り占めでご来光を堪能します。昨日、15時過ぎの登頂時には見えなかった富士山周辺の山並みが、オレンジに染まる朝焼けでスッキリ見えます。聖岳より左側で言うと順に、、、山伏(未踏)、天城山、丹沢山地(大山、丹沢山、蛭ヶ岳、御正体山)、笊ヶ岳、愛鷹山、箱根山、富士山、毛無山、三ッ峠山、御坂黒岳、大菩薩嶺、雲取山、金峰山あたりが山座同定できました。いずれも前日は雲に覆われていたので、嬉しかったですねー。
その後、小屋へ戻り、出発準備をし、榎田さん&智恵子さんに見送られながら、6時前に赤石岳避難小屋を後にします。智恵子さんが涙ぐみながら「何もあげられなくてごめんなさい」とおっしゃいましたが、「その笑顔だけで十分です」と言葉をつなぎました。18年間、本当にお疲れさまでした&ありがとうございました。
復路も長い旅路ですが、眺望があるうちは疲れもあまり感じません。思ったより早く1時間半で百間洞山の家まで達します。Day1同様、Day2もここでカップラーメンを頂きます。前日も少し会話した小屋番の女性より「赤石岳シャツ、何枚持ってるんですか?」と聞かれたので「このシャツは昨晩買った2枚目です!」と返したら、笑ってました(笑)。
このカップラーメンで元気が戻ることを期待し、登るか巻くか悩んでいた大沢岳へ登り返すことを決意します。今回の山旅で唯一の未踏峰です。350mほどの急登が続きますが、登りながら振り返ると、眼前に百間平があり、その奥には塩見岳〜甲斐駒〜間ノ岳〜荒川三山〜赤石岳が広がり、やはり登ってよかった!と思いました。百間洞山の家から50分弱で登頂しましたが、コースタイムだと105分とのこと。ちょっと甘めじゃないかなー、それとも私が速いのか!?。
10分ちょっとで百間洞山の家の下降点(中盛丸山と大沢岳の鞍部)まで下りると、そこからは昨日歩いてきた稜線へ復帰となり、あとはラスボス聖岳までアップダウンするだけ。9時前に登頂した中盛丸山では、雲がかかる前の聖岳が見えていましたが、眺望はこの山が最後でした。この後、小兎岳以降は聖岳にも雲がかかり、眺望はお預け状態。が、こういう天候の時は、、、そうライチョウです。
小兎岳南峰で足に違和感(マメ?)があり、一度靴を脱いで見てみたけど、特に異常なし。そうこうしているうちに、特徴ある鳴き声がして、すぐ横にライチョウ親子が。ちょうど奥茶臼山とワンフレームで撮影でき、ラッキーでした。足への違和感がなければ、立ち止まらずに通過していたはずで、これまたモッてますねー、Day2も。
10時過ぎ、兎岳登頂時には、聖岳は完全に雲の中で、眺望はゼロでした。聖岳以降は標高差2300mの下り一辺倒のため、聖兎のコルまで下ると、聖岳への登路は、この山旅最後の登りとなります。最後の登りは眺望はありませんでしたが、赤石(チャート)のガレ場、ウメバチソウやゴゼンタチバナに見送られつつ、何とか登りあげ、赤石岳から5時間15分ほどかけて、ラスボス聖岳へ再登頂(都合4度目)します。が、強風だし、寒いし、眺望もないので、自撮りしたら即時に撤収します。さぁ、後は下りのみです!
山頂直下は強風で、足場も悪いガレ場のため、慎重に足場を選びながらも、ちょいちょい先行者を追い抜きながら標高を下げていきます。小一時間で薊畑まで下りた後、軽いランチタイムとし、13時を前に、退屈な森林下りへと歩を進めます。この頃になると小雨が降り出しますが、幸いにして森林内なのであまり濡れないため、レインウェアは脱いだり来たりで温度調整を優先します。
そして薊畑から2時間強で、恐れていた西沢渡の渡渉地点へ。往路より水嵩は減った気がしますが、木製橋に乗るまでの2mほどは靴ドボンになるため、決死の覚悟があった往路と比して何となく気乗りせず、人力籠へも行ってみます。あいにく籠は対岸にあり、まずは人力でこちらの岸へ呼び寄せないといけないのですが、かなりの腕力でロープを引いてもほとんど動かず、これで往復すると時間と腕力を相当消費すると考えて断念。かといって木製橋は気乗りせず、岩と岩に架かる一本丸太を見つけ、それを馬乗りする形で渡渉しました。実はこの一本丸太までの濡れた岩場を河原まで標高にして3,4m下る際、軽くスリップし、右手中指を脱臼してしまいました。自身の6年に渡る登山歴では、2018年の燧ヶ岳からの下山時の捻挫以来、2度目の山中でのケガ。ただ、大事には至らない程度の脱臼のため、あさっての方向に曲がった右手中指に対して大いに違和感はあるものの、そのまま二次被害を受けないよう、労りながら下山します。
そして、便ヶ島(聖光小屋)、易老渡を経て、芝沢ゲートまでラストスパート。易老渡過ぎからは、少しでも早く飯田市中心部の救急指定病院へ行きたい、と願い、最後の力を振り絞って小走りし、薊畑から4時間、聖岳から5時間、赤石岳から10時間15分かけ、ついに芝沢ゲートまで帰還しました。2日間で、およそ24時間、累積標高は登りも下りも5,300mほど、距離にして51km、13万歩かけた1泊2日の山旅が終わりました。
下山後は、飯田市の救急指定病院で脱臼した右手中指をまっすぐに直してもらい、その後7月末の池口岳・安平路山の攻略時に3日連続でお世話になった飯田城温泉 天空の城 三宜亭本館で入浴(血流よくなると患部によくないためシャワーのみ)&夕食を摂り、これまた7月末の時と同様、そこから280kmのロングドライブで夜な夜なSA/PAで睡眠を取りつつ、帰京しました。
結局、夏休み第二弾(11連休)は、8/10PM〜8/21早朝にかけて、百名山3(剱岳、聖岳、赤石岳)、二百名山5(奥大日岳、毛勝山、戸隠山、黒姫山、飯縄山)、三百名山1(斑尾山)を巡り、1,549kmほどレンタカーを単身で運転しました!最後の最後で右手中指脱臼というアクシデントにあい、今後1ヶ月ほどの登山自粛を強いられますが、やはり百名山2周目、眺望リベンジの山旅対象だった剱岳、聖岳、赤石岳で眺望を得られたことが、今回の数ある山行の中での最大の思い出となりました。
右手が復調したら、また山へ繰り出します!
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