爺ヶ岳〜鹿島槍〜八峰キレット〜五竜岳
- GPS
- 12:07
- 距離
- 25.2km
- 登り
- 2,828m
- 下り
- 2,656m
コースタイム
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:47
- 合計
- 12:07
天候 | 快晴! 早朝の稜線上は西から強風が吹いていました |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
扇沢市営第2駐車場(柏原新道を使う場合は第1駐車場よりも近い) 2:45頃到着時、柏原新道入口向かいの駐車スペースはすでに満車。 市営第2駐車場は5割程度の駐車率でした。 ●ゴンドラ アルプス平〜エスカルプラザ(片道950円) ※五竜〜扇沢の移動は、同日扇沢から鹿島槍ヶ岳をピストンしたkomemameに 下山後エスカルプラザへクルマで向かってもらいピックアップしてもらいました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 柏原新道登山口にあり。 【コース状況】 ●コース全般 ・ゴンドラ利用の場合は、時間制限ありの登山となります(アルプス平16:30最終) ・アイゼンは不要 ●柏原新道登山口〜種池山荘 柏原新道は登山道の段差も小さく整備も行き届いているため、 夜間でも比較的安心して歩くことができると思います。 (今回、足元に集中するあまり上の注意がおろそかになり 木の枝に頭をぶつけてタンコブをつくってしまいましたが…)。 ルートが尾根筋からトラバースに変わった後に2箇所ほど雪渓の横断がありましたが、 アイゼンは不要でした。 登山口より種池山荘まで高低差1100mほど。短時間で稜線に達することができます。 ●種池山荘〜鹿島槍ヶ岳 稜線ルートを東にとりますが、山荘からの歩き出しからしばらく雪渓が残っています。 雪渓を通過し、ハイマツに覆われたガレ場の登山道を九十九折に 山荘から高低差200mほど登ると爺ヶ岳南峰に到着です。 南峰から400mほどさらに先に進むと中峰へと至ります。 南峰と中峰には巻道も用意されています。 爺ヶ岳中峰からガレ場の稜線を220mほど下ると赤岩尾根との合流地点である 冷乗越へ至ります。 乗越を通過したにも関わらず、さらに標高差50mほど下りいったん森林限界を下回り、 樹林帯を登り返すと冷池山荘へ到着。 小屋を通過し、左手にテン場を見ながら布引山に向かって進みます。 両サイドがお花畑が広がる緩やかな登山道が続きます。 長めの雪渓が3〜4箇所ありましたが、平坦であることに加えて登降箇所は しっかりと雪切りされていたのでこの区間でもアイゼン不要でした。 布引山の取り付きからは九十九折の登山道を急登します。 布引山から小さなピークを3つほど越えて高低差200mを登ると鹿島槍ヶ岳に到着です。 この日の森林限界上の稜線は西からの風が強くカラダが煽られる時もありました。 ●鹿島槍ヶ岳〜五竜岳 まずは鹿島槍ヶ岳南峰から北峰方面に向かいます。 吊尾根を進みますが、南峰からの下り出しからこれまでとは打って変わって、 急斜面かつ浮石のガレが続くため、気持ちとリズムを変えて歩く必要を感じました。 北峰直前でキレット方面と北峰への分岐の道標が立っています。 吊尾根分岐からキレット小屋まで高低差300m強を一気に下ります。 キレット小屋の手前付近からクサリやハシゴが現れ始めます。 八峰キレットは黒部側から巻くように入り、 信州側へと抜けるように道が付けられていて、その後稜線に戻り ハシゴなどを伝って急下降するとキレット小屋に到着します。 キレット小屋からは岩稜帯のアップダウンを繰り返します。 まず小屋から緩やかに登るとやがてハシゴが現れ、このハシゴを下った後、 稜線の西側から回り込む形で2510mピークを踏みます。 その後、二段のクサリ場下って登り返すと今度は三段登りと呼ばれる岩場を下ります。 下り切るとちょっと広め鞍部に出ます。ここが口ノ沢のコルとなります。 口ノ沢のコルから北尾根の頭までは高低差150m弱を登ります。 北尾根の頭からハシゴを下り、次のピークがG7となりますが、 北尾根の頭〜G7間の登山道はザレていてなおかつトラバース気味に付いているため、 足を滑らせないように気を使う必要がありました。 G5へのガレ場の登りは落石に要注意です。 上に人がいる場合の自分への注意と自分が落石を起こさないように。 上から降りてくる人が見えたので、脇の岩陰で休憩しました。 ガレ場を過ぎるとG5の核心部へと至ります。 この付近は岩稜のクサリ地帯となっており、基本的にクサリは黒部側に付いています。 G5を過ぎて急斜面のクサリ場を下り五竜本峰の基部までは歩きやすい登山道となります。 途中にG4というのもあるみたいですが気づかず通過したようです。 基部から高低差150mほどの急勾配の岩場の斜面を登りきると五竜山荘方面への 登山道と合流し、西側に100mほど進むと五竜岳山頂に到着します。 最後の登りは浮石が多いためルートを外すとちょっとやっかいですので、 岩に付けられたペンキマークを忠実に追う必要がありました。 ●五竜岳〜アルプス平(遠見尾根) 五竜岳からの下りは引き続き岩稜帯となり、要所要所にクサリが付いています。 G2、G0とは黒部側に巻いてしばらく稜線の少し黒部側を進むと五竜山荘へと至ります。 山荘から白岳まで高低差50mほど登り返して遠見尾根に乗ります。 白岳からはシラタケ沢を囲むように尾根を下り西遠見山へと至ります。 簡単なクサリ場や雪渓が数ヶ所あります。 西遠見山〜大遠見山間の平坦地に眺めの雪渓が3箇所ほど残っていました。 大遠見山から中遠見山間の急斜面は木階段になっていて、 鞍部から中遠見山までは高低差70mほどの登り返しがあります。 小遠見山からはハイキングコースとなり、二ノ背髪、一ノ背髪、見返り坂、地蔵ノ頭と 眺望の良いポイントを経た後、自然遊歩道を下るとアルプス平に到着です。 遠見尾根はこの時季虫がスゴかったです。 ※水2リットル弱、500mlの凍ったペットボトル2本の合計を持って、 800mlほど余りました。 |
写真
感想
鹿島槍。
3年前の残雪期にテントを背負って1泊2日で爺ヶ岳南尾根から登りましたが、
実はそのときkomemameは冷池山荘のテン場止まり。
「いつかはちゃんと登らなくちゃね〜」と普段から話していました。
ボクも北アルプスの中では五竜〜八峰キレット〜鹿島槍間が未踏で、
いつかは繋がなきゃなぁと思っていました。
そして、去年辺りから何となく考えていたのが、変則山行。
二人で一緒に扇沢を出発して、komemameは鹿島槍をピストン。
danyamaはそのまま先に進んで八峰キレット〜五竜を経由して遠見尾根から下山。
扇沢に戻ったkomemameはクルマでエスカルプラザに向かい、
下りてきたdanyamaをピックアップするというもの。
今年は雪どけも早く、さらに今週末は好天の予報。
計画を実行するためのまたとないチャンスがやってきました。
3時に扇沢をスタート。土曜日の山行のため睡眠はほぼゼロ。
ナイトハイクは苦手ですが、柏原新道なら安心。
登山口から2時間弱で種池山荘に到着。komemameがなかなかやってこない。
20分ほど待つとようやく重そうに上がってきました。
鹿島槍までkomemame一緒に歩いて山頂でお別れする予定だったけど、
テレキャビンの時間を考えると20分のタイムロスは大きく、
種池山荘でkomemameと別れて先行することに。
稜線は西風強く、特に布引山〜鹿島槍まではカラダが煽られるくらい。
ここまで飲まず食わずで進みましたが、
シャリバテ気味になっていたのか、鹿島槍への最後の登りが重い。
鹿島槍の山頂で思案。
カラダは重いし睡眠ゼロ。時間制限ありで、
強風の八峰キレットに突っ込むのってどうなのよ?
komemameを待ってピストンで扇沢に戻ろうとも思いましたが、
とりあえずキレット小屋まで行って考えよう。
時間が気になったので北峰はパス。
キレット小屋まで45分ほどで到着し、おにぎりとドーナツを詰め込んで
しばらく休んでいるとチカラが湧いてきました。
お腹が空いていなくてもちゃんと食べることってやっぱり大切だな。
キレット小屋から先も変化の大きな岩稜帯のルートが続き、
飽きないし、稜線上には花も咲き乱れていて言うことなし。
前方に五竜の大壁面が徐々に迫り、
振り返ると双耳峰から歩いてきた一条のルートがだんだんと長く伸びていきます。
そして横には終始劔が見守ってくれていて。
これぞ、ザ・夏山!
そんなこんなで12時前には五竜山頂に到着。
山頂でkomemameに連絡を入れるとちょうど種池山荘にいるとのこと。
komemameのエスカルプラザ到着まではあと3時間くらいだな。
ちょうどいいくらいかな、と順調に下山開始。
しかし、遠見尾根が鬼門。
午後になり猛烈な陽射しが照りつける中、標高を下げていくため暑くてフラフラ。
特に中遠見山への登り返しにヤラレました。
灼熱の遠見尾根も終わりに近づく小遠見山を過ぎた辺りで、
komemameからもうすぐエスカルプラザに着くとのメール。
あまり待たせるとアレなので、ここから最後の足を使ってスピードアップ。
テレキャビンで貰えるおしぼり、今回は特に気持ち良かった〜。
いろんなところを拭いていると(笑)
あっという間にエスカルプラザに到着。
komemameと合流し、そのまま竜神の湯へ直行。
7月の好天にもかかわらずなぜか小仏渋滞がなくて快適に帰宅完了。
天気良く森林限界上が長かったため、気がついたら写真は400枚近く(汗)。
チョイスが面倒で、たくさんアップすることになってしまった…。
改めて地図を見ると…、
唐松から八方へ下った方がラクだったかな…。
●komemameの記録はこちら
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-676155.html
こんにちは koufaxです。
鹿島槍、五竜は、まだ、未踏の山なので、じっくり拝見させていただきました。
何より、扇平から縦走というのは、超羨ましいです。
ソロの私には、到底できない連携プレーです。
レコ参考にさせていただきますね!
★写真の腕前は、いつもながら一流ですね
koufaxさん
こんばんは。
コメントいただきありがとうございます。
すごいペースで百名山を登られていて、いつも感心して記録拝見しています。
残すところあと僅かで今年中には達成しそうな勢いですが、
さすが!koufaxさん、おいしいところはしっかりと残していますね〜。
フィナーレがどの山になるのか今から大注目です!
相変わらずのパワフルな山行ですね。
danyamaさんがこのコース赤線が繋がっていなかったとは意外でした。
確かに遠見尾根は下山でも楽では無いですよね、長いし地味な登りがちょこちょこあって、初冬や春先はまだ良いのですが、暑い時期は避けたいコースですね。
八方尾根は楽勝ですが唐松に向かうと牛首の登りがキツそうで、どっちもどっちですが……。
danyamaさんならもうひと頑張りで、白馬まで行けたかも知れませんね
でも後立山主稜を日帰りとなると完全にトレランの世界になってしまいますね。
次のレコも楽しみにしています
yamayaさん
こんばんは。
五竜より北側はなんやかんやで年に2回くらいは訪れていたため、
テントを背負って八峰キレットを歩くのは中途半端な感じがしていて…。
1泊するならもっと別のルートがいいな、と優先順位が低くなってしまっており、
日帰りで行ける機会をうかがっていました。
唐松経由の方が良いのかも…と思ったのは、
黒菱へ下れば距離があまり変わらないだけでなく、
リフト&ゴンドラの時間を気にせずに歩けるのが気持ち的にラクなのかなぁと。
何よりもこの日の遠見尾根は虫&灼熱地獄で、もう懲り懲り。
虫に関しては強力虫除けスプレーを持っていたので
そんなにヒドイことにはならなかったのですが、
日差しは五竜山頂で日焼け止めを厚塗りしたにもかかわらず、
下りてみると日焼けを通り越してヤケドの域に達していました(笑)
コメントいただき、ありがとうございます!
こんにちは
ニアミスでしたね!!
danyamaさんが種池山荘に着いた時間ぐらいに針ノ木雪渓に取付いてましたよ
雪渓を登りながら振り返り『今日はあそこまでか・・』と種池山荘を見てました。
(残念ながらdanyamaさんもkomemameさんも目視できませんでしたがw)
さすがはdanyamaさん!、睡眠時間ゼロでよく歩けますね
(私は駐車場で1時間の睡眠を取りましたよw)
お疲れさまでした!!
yama-pangさん
こんばんは。
この時季になると自然と北ア方面に吸い寄せられますよね〜。
今度はどこかでお会いできるといいですね。
このエリアの稜線って見通しが利くため、見えている小屋がなかなか近づきませんよね。
yama-pangさんは最高の天気の下、あの稜線に2日間も過ごすことができたなんて幸せ者です!
それにしても土曜日の山行はいつもツラいです。
今回は横になれる時間が少しあったのですが寝付かれずでした。
コメントいただき、ありがとうございます!
danyamaさん、初めまして♪
八峰を歩きたいな、でも今年はまだ誰も日帰りで歩いてないし
と少々心配しながらの山行、帰ってきたら同日にいらっしゃったではないですか
稜線では西風が強かったですけど、鹿島槍と五竜の間は気にならず、ハイカーも少なくて静かで落ち着いた山行が楽しめましたね
五竜への最後の登りは少々キツかったですけど、本当の核心部が を飲んだ五竜山荘の後だなんて、想像もして無かったですよ
おっしゃる通り、八方に抜けたほうが楽だったかもですね
それにしてもdanyamaさん健脚ですね〜
このルートを実山行時間10時間20分ですから
後半バテバテで、休憩しまくりの私とは雲泥の差ですよ
パートナーのお迎えがある点でも、大きく水を開けられていますケド
vino_rossoさん
こんばんは。はじめまして!
いやぁ〜、先を歩いている方がいらっしゃったとは、何だかうれしいです!
vino_rossoさんの記録も早速拝見しました。
最後、地蔵の頭の手前でお見かけしたのがvino_rossoさんだったような気がします。
今年は雪融けが早いので大丈夫だろうとは思っていたのですが、
ボクも鹿島槍〜五竜間でいやらしい感じに雪が残っているところがあったらイヤだなぁと
一抹の不安を抱えながらのスタートでした。
いちおう6本爪のアイゼンを持って行ってたのですが、杞憂に終わってよかったです。
鹿島槍〜五竜はこの日に歩くことができて幸せだなぁと思えるものでしたよね。
おっしゃる通り最後の灼熱の遠見尾根は予想だにしなかった核心部となりましたが、
終わってみればお互い充実の山行でしたね〜。
あっ、す、すいません!ボクは下山後にラクさせてもらいました(笑)
扇沢まで自力で戻ったvino_rossoさんこそ、真のハイカーです!
コメントいただき、ありがとうございます!
danyamaさん、こんばんは。
このコースいいですよね。私は2年前の夏に歩きましたが
また歩きたいコースの筆頭です。しかし、danyamaさんのように
komemameさんのお迎え、みたいなわけにはいかず、バスで戻ることに
なるため、面倒なこともありなかなか再訪に至りません。
夏の午後の八方尾根での下り、私は大の苦手です。あの人の多さに
耐えられません 。(って、3回ほど下りましたが。。。)
ですので、最近は八方尾根で登り、遠見尾根で下るパターンが定番化
しています。
長いですが、静かな遠見尾根、結構気に入っています
youtaroさん
こんにちは。
確かにこのルートを効率的・経済的に日帰りしようと思うと
エスカルプラザ14時台発扇沢行きの夏季限定バスに乗るために、
暗いうちからスタートする必要があり、
前日のスケジューリング含めて何かとタイヘンで、
気軽に…というわけにはいきませんよね。
ボクもkomemameをうまく引き入れる(笑)ことによって、
今回ようやく実現できた次第です。
でも、後立山の稜線はどこを切り取っても素晴らしいですよね。
普段、喧騒の北アルプスから遠ざかりがちなyoutaroさんも、
この稜線だけは毎年しっかり訪れられていますよね。
以前鹿島槍に登った時はあまり天気が芳しくなかったため、
こちら側から見る五竜は今回はじめてだったのですが、
唐松方面から見る五竜に比べて八峰キレットを挟んでいる分、
大きく立派に見え、改めて五竜の魅力を実感しました。
この時季の八方尾根、おっしゃる通りです。
盛夏の時季には交通手段も充実し、いろんな方法で周回できますが、
確かに遠見尾根が一番人が少なさそうですよね。
あっ、ギックリ腰になられたと…、
鉄人youtaroさんのことですからもう大丈夫だと思いますが、
くれぐれもご自愛くださいませ。
コメントいただき、ありがとうございます!
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