谷川岳馬蹄形
- GPS
- 18:43
- 距離
- 25.6km
- 登り
- 2,756m
- 下り
- 2,792m
コースタイム
- 山行
- 8:27
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 8:56
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 8:09
天候 | ◆5/4(水) 雨のち晴れ ◆5/5(木) 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
03:30 自宅 06:30 白毛門登山口駐車場 ◆復路 15:30 白毛門登山口駐車場 20:30 自宅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆土合橋→白毛門 スタート地点は白毛門登山口駐車場の奥。 谷川連峰馬蹄形概念図が掲げられている。 その先には湯檜曽川の支流に架かる赤い橋を渡ると登山道。 朝日岳・白毛門の道標に従いしばらく傾斜のきつい樹林帯の山道。 樹木の高さが次第に低くなり見上げると白毛門が姿を現し、松ノ木沢の頭に至る。 クマザサの合間にナナカマドなどの低木が広がり、路面に岩が目立つようになると白毛門山頂に近づく。 最後は西から東に向けてアプローチすると白毛門山頂。 山頂には山座同定盤と、ピッケルのヘッドが付いた「あゆむ山の会」が設けた山頂表示がある。 ◆白毛門→朝日岳 白毛門山頂を東に進んでまずは笠ヶ岳を目指す。 笹原に白い一条の登山道が稜線に沿って笠ヶ岳まで続いている。 路面はガレた場所もあるが、総じて歩きやすい。 笠ヶ岳山頂も展望が良く開放的。 山頂をそのまま100mほど進むと青色のかまぼこ型避難小屋。 その先にトンガリ山の小烏帽子、大烏帽子を経て稜線をたどり、行く手を阻むような大岩を左から回り込むと朝日岳山頂に到着。 朝日岳には山頂から南に少し離れたところに小さな祠がある。 ◆朝日岳→蓬峠 朝日岳山頂から北に進路を取り、しばらく雪原を進んでジャンクションピークを目指す。 木道と雪原を交互に歩き緩やかに下った後に緩やかに登り返すとジャンクションピークに至る。 そこを過ぎると路面がやや荒れた箇所があり、急傾斜の下り道になる。 樹林の中、雪原を下り、夏道に戻り高度をさらに下げると白崩避難小屋、その先に立派な建物の送電線監視所に至る。 監視所から西にそびえる急登を登り大源太山との分岐、七ツ小屋山を経て、笹原の尾根道を下り、小さな湿原を通過すると蓬峠に到着する。 ◆蓬峠→茂倉岳 笹原に一筋の登山道が武能岳に向かって延びている。 武能岳山頂からは茂倉岳に延びる稜線が右に大きくカーブしながら続いている。 展望の良い稜線が終わると正面に急登が待ち構えている。 何度か登り切ったかと思う先に茂倉岳がある。 ◆茂倉岳→谷川岳 茂倉岳からも稜線歩き。 一旦下って雪原をゆるく登ると一ノ倉岳に至り、山頂にかまぼこ型避難小屋がある。 急坂を下ってノゾキに至り、一ノ倉沢の崖下をのぞき見ることができる。 その先にはクサリ場があり、富士浅間神社奥の院を経てオキノ耳、続いてトマノ耳に到着する。 ◆谷川岳→登山口 トマノ耳から谷川岳肩の小屋を経て雪原を下る。 木段や木道が設けられた登山道を下り、天狗の留まり場、熊穴沢避難小屋を経て田尻尾根分岐に至る。 田尻尾根の下り道は、左手に谷川岳、西黒尾根を望みながら、所により深い轍のようにえぐられた箇所を通る。 林道のような広い通りと合流する地点に「田尻尾根入口」と表示がある。 ここから先はロープウェイの真下を田尻沢と何度か交錯しながら土合口まで続く道幅の広い登山道。 |
その他周辺情報 | ◆日帰り温泉 温泉センター諏訪の湯 < http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/suwanoyu/suwanoyu.htm > 300円(シャワーなし、石鹸・シャンプーなし(温泉成分の関係で使用不可?)) |
写真
感想
◆2年半ぶりの馬蹄形
3年前のGW、残雪が多く残る谷川連峰馬蹄形に挑戦しようとしたが、最初の取り付きで道間違いを犯し断念した。
この時は積雪量が多く、入山者が少ない中、経験も装備も乏しいワタシが道間違いをしなければもっと大変なことになっていたかもしれない。
今思うと、ヤマの神様が間違いをさせてくれたのではないかとさえ思う。
その4か月後、ヤマ友と念願の馬蹄形縦走を果たした。
このGW中盤はどこか華やかでイイ所に行きたい、と漠然と考えていた。
しかし、日本海に低気圧が接近し、強風が吹いて決して条件が良いわけではない。
天気予報に翻弄される中、やや消去法的に浮上したのが馬蹄形だ。
今年は例年になく残雪が少ない。
しっかりした距離と累積標高がある点でも満足がいく。
2日の行程のうち、初日の午前中は雨の予報だったが決行した。
◆雨中行軍
高速道路のPAで睡魔に負けて仮眠をとった上、寝坊したので予定より1時間半遅れで登山口駐車場に着いた。
雨は一向に止む気配を見せない。
GW中日だというのに駐車場には、5,6台しか駐車していない。
そのうちの1台が駐車場から出て行った。
この天候で断念したのか・・・
しかし、ここまで来たのだから・・・
そう思い装備を調えているとさっきの車が戻ってきた。
準備を終え、降りしきる雨の中、予定よりだいぶ遅れて出発した。
登山道はところどころ雨や雪解け水で削り取られ深い轍ができている。
そこを川のように水が流れ落ちる。
まるで川を遡行しているような状況だった。
レインウエアに雪山用のゲーターを装備していたが、靴の中まで浸水した。
◆広がる青空
降り続ける雨とレインウエアの蒸し暑さ、靴の浸水によりやや不機嫌になりながら白毛門の頂に立った。
一面のガスで眺望は全くないので不機嫌に変わりはなかった。
しかし、笠ヶ岳、小烏帽子、大烏帽子と登るにしたがって徐々に青空が見え始め気分が上向いた。
朝日岳に到着すると巻機山、越後駒、平ヶ岳、燧ケ岳、至仏山、赤城山、苗場山が姿を見せた。
もちろん、谷川岳も一ノ倉沢に深く刻まれた雪渓の頂点に輝いていた。
朝日岳山頂からジャンクションピークに向かって雪原が広がっている。
雨や融雪で踏み跡は消えているが、ところどころ木道が出ているので進路は明瞭だ。
右を見たり左を見たり、また振り返ったり・・・
絶好のタイミングで青空が広がり、雪からの照り返しに喜びを感じながらゆっくり歩いた。
◆やはり道迷い
ジャンクションピークから下りだすとあっという間に厚い雲が広がり、濃い霧が立ち込めて視界が悪くなってしまった。
池ノ窪付近に至ると樹林帯の登山道は雪で埋まり、ついには雪原に樹木が1,2m枝を突き出している状態になった。
踏み跡は雨と融雪で消えている上、残念ながら赤テープの類は見当たらなかったが、そんなことを嘆いても解決にはならないことは十分わかっていた。
持参した地図は「山と高原地図」で地形が詳細ではなく、何より2年前の記憶が最も当てにならなかった。
それでもコンパスを当て、朝日岳で合わせた腕時計の高度計からだいたいの現在地点と進路が判明した。
その後、周囲を見るとノコギリで切られた木の枝やうっすらとした踏み跡をたどり、登山道に戻ることができた。
その間、何度か下っては登りを繰り返しているので、誤った踏み跡をいくつか残してしまったことを反省している。
◆アルペンムードの稜線
出発の遅れや道迷いのせいで当初予定していた大源太山への登頂を断念した。
上越のマッターホルンの異名を持つこのヤマは、姿かたちもさることながら岩稜でアルペンムードを味わえそうだ。
山と渓谷・2015年3月号の第二特集で「見つけて登る残雪の山」で紹介されている。
記事では残雪期といってもかなり雪深く、決して容易に登れる山ではなさそうだった。
その時期はすでに過ぎ、無雪期であれば行けると判断して計画に入れていたところ、時間の都合により次回に持ち越しである。
武能岳から茂倉岳に向かう稜線もアルペンムードが感じられた。
この一帯は低いところで標高約1600mにもかかわらず、国内有数の豪雪地帯で厳しい環境のせいか森林限界を越えている。
そのため鞍部を見下ろしたときにうねる稜線がはっきり見えるし、深い谷を隔てて威風堂々とした朝日岳が間近に迫り、相対的に標高が高い印象を受ける。
約200m高度を下げたのち、400mほど登り返すため体力を消耗するが、それもまたアルペンムードが感じられる要素といえる。
◆蓬ヒュッテ
2015年8月に新築された蓬ヒュッテは無人だったが、ありがたいことに解放されていた。
小屋泊も考えたが、せっかく担いできたのだからとテン場で一人幕営した。
小屋内のハンガーを拝借して小屋脇の黄色いタンクが乗った棚を利用して衣類を干し、靴に新聞紙を入れて湿気をとった。
アタックザックにプラティパスを突っ込み水場を往復し、ハンガー拝借料として小屋のペットボトル1本を満水にした。
沈む夕日を眺めたのち、小屋のテーブルで夕食を摂らせてもらった。
翌朝、テン泊代と小屋休憩料の合わせて1500円をトイレ脇の目安箱に投入して出発した。
◆二つのパーティ
茂倉岳には約1時間滞在した。
残念ながら景色は開けなかったが、時間はたっぷりあるのでコーヒーを淹れ早めの昼食にした。
その間、二つのパーティに遭遇している。
最初に一ノ倉岳方面から12,3人の学生らしい団体がやってきた。
腰にハーネスを装着し、いくつもの大きなカラビナがぶら下がっている。
先頭の方に声をかけると登山道を通らず、芝倉沢を遡上して登高を続け稜線に出たという。
山と高原地図にはないバリエーションルートのようである。
続くメンバーは30kgはあろうかというザックを背負っている男性や元気に挨拶をする方もいれば、肩で息をしている女性の姿もある。
一行は休むことなくそのまま山頂を通り過ぎて茂倉岳避難小屋に向かって下りて行った。
しかし、30分もしないうちに戻ってきた。
蓬峠に行くべきところ、小屋にたどり着いて誤りに気が付いたという。
バリエーションルートを制するパーティがこの分岐で道を誤ったことが何とも滑稽な気がする。
余程緊張の糸が緩んだということか。
今度も休むことなく武能岳に向かって行く。
その後ろ姿をしばらく見送った。
次に、武能岳方向から2人のパーティが茂倉山頂に向かってきた。
前日、いったん駐車場を出た車の方々だった。
ワタシより遅れて出発し、清水峠の避難小屋で一泊した後、ここで追いついたのだという。
お互い雨にたたられ苦しかったことや小屋のことなどを話した。
ワタシが道迷いをした池ノ窪でのことは話題にならなかったので順調に進んだようで安心した。
親近感が湧く笑顔が印象的だった。
◆暦
前橋(群馬県)
2016年5月4日(水)
日の出 4:47
日南中時 11:41
日の入り 18:34
月の出 3:03
月南中時 9:12
月の入り 15:30
正午月齢 26.7
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
LArcさん、こんにちは!
雨中のスタートでも笠ヶ岳山頂以降は天気も一転!
あの時は朝日岳ではどんよりだった気がするので本当に最高のタイミングでしたね!!
残雪を纏った山々は一味違った美しさです!!
2日目も『心眼系 』なのは山頂からの景色だけですね〜
加えての百花繚乱!!
春の息吹が感じられるようです!!
大源太山に行けなかったのは残念ですが、
今回は『タイミング』ではなかったのかもしれませんね。
次回再チャレンジですね!!
蓬ヒュッテのテン場の『一等地』は快適なままでしたか?
自分も久々に行きたくなりましたよ〜!!
馬蹄形お疲れ様でした!!
2年半前の楽しかったことを思い出しながら歩いてきました!
豪雪地帯も春を迎え「谷川岳って花百・新花百だったかな」と錯覚するほど花々が咲き誇っていました。
大源太山は、あ・え・て「行かなかった」のです!
ご一緒したときレコでkeiさんは「宿題」としたので、抜け駆けしなかったのです。
行きたかったなぁ・・・負け惜しみ・・・
蓬ヒュッテのテン場は少し池塘が広がっているようでした。
草絨毯がまだ短かったうえ、雨上がりで湿気を含んでいたので、以前ほどの快適性はなく少し残念。。。
でも、馬蹄形のコース上でテン泊できて朝日岳の眺望や沈む夕陽を堪能できる点では一等地であることは間違いありませんでした。
コメントありがとうございました。
道迷いの思い出があったようですが…。
今回はとても美しい馬蹄形を描けましたね
5月の谷川。今年は本当に雪が少ないようですが、
だからこそ稜線歩きも楽しそうですね。
もちろん、稜線まで出るのもたいへんですし、
最後もロープウェイを使わずの下山。
さすがは我らが歩荷担当のLArcさん
私は未踏エリアなので、イメトレさせていただきました。
蓬ヒュッテ、新築なんですね! 覚えておきます
ちなみに余談で、稜線に雲がかかった谷川の方が、
私のイメージにはぴったりなのです。
それを見せてくださり、ありがとうございます
wwさんに褒められた!
そう!ロープウェーを使っていないんです<(`^´)>・・・当然って言いました?
しかし、道迷いを犯す体たらく・・・まだまだ修行が足りませんね。
谷川のガスに関しては、以前、読み物で「年間340日霧が発生する」とあったように記憶しています。
つまりガスが発生しないのは年間たった20日ほど!!
視界が遮られるのは正常なことのようです。
そんなやっかいもののガスですが、谷を駆け上がり稜線を越えていく様子がすごくダイナミックでした。
近くてよき山、谷川岳・・・イイ思い出になりました。
コメントありがとうございました。
こんにちは。
まるっと歩いちゃってるじゃないですか(^_^)
さすが、我らが歩荷担当、ラルクさん\(^o^)/
最初の写真からは思いもよらない青い空
美しい稜線を楽しんでこられたのですね。
よかったよかった。
私にとっての谷川岳は、まだまだ遠いお山ですが、今年こそはもう少しお近づきになれたらいいなぁと思います。
っていうか、そんなに迷いやすいんだ~_~;
まずそこの対策が先だなぁ…
それと、二年前の握手。
懐かしく思い出させていただきました。
あれはいい絵でしたね(^_−)−☆
2年前のレコ、覚えていただいたんですね。
ありがとうございます。
で、今回・・・馬蹄形ではない!と。。。
確かに、白毛門登山口に掲げられた概念図によると、登りか下りでロープウェーに乗るようになっているんですね。
そうするとUの字になるので、まさに馬蹄形。
ということはワタクシ、本当はレコタイイトルで馬蹄形と冠してはいけないのであります。
これだから素人は・・・(-。-)y-゜゜゜
ケチって乗らなかっただけ・・・( ´艸`)
そんなんだから道迷いするんだ!!( `ー´)ノ
このうちのどれか、または全部思われても仕方ありませんね。。。
コメントいただきありがとうございました!!
こんにちはー。
メジャー過ぎて実は行っていない谷川馬蹄形 。。
キレイなのは写真を見れば一発なのですけどね
自分が歩きに行くのはまだまだ先になりそうですが、"その時"がきたら参考にしたいなと思います!
あらら、ここにも未踏とおっしゃる方が・・・
とっくの昔に制覇しているかと思っていました。
しかし、そのレコを見た記憶はないですね。。。
メジャーすぎて夏は混雑しますね。
今は比較的人少なめではないでしょうか。
”その時”早く訪れるとイイですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する