新穂高温泉>槍平小屋>念願の槍ヶ岳>恐怖の西鎌尾根>双六小屋>新穂高温泉
- GPS
- 56:00
- 距離
- 33.8km
- 登り
- 2,719m
- 下り
- 2,711m
コースタイム
- 山行
- 4:49
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 5:11
- 山行
- 11:05
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 12:35
天候 | 10/6:晴れ 10/7:午前晴れ午後ガス 10/8:雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
槍ヶ岳山荘前の「西鎌尾根・双六・三俣蓮華」を指す茶色の道標の方向は約180度違うので無視してください。詳しくは写真参照。 穂先方向へ進んだ、地面に白いペンキで「双六」と書かれているのが正しい道です。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
×は未使用
■登山道具: 32Lザック
トレッキングシューズ
ストック
ヘッデン
単四電池3個(ヘッデンのスペア)
山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳
熊避け鈴
コンパス×
■衣類:下着2枚
登山用靴下2足
普通の靴下(山小屋で履く為)
半袖メッシュTシャツ
長袖Tシャツ(メッシュ)
長袖Tシャツ(あったか系
山小屋用)
フリースベスト
バイク用インナーグローブ
フィンガーレスグローブ
作業用背空き手袋
頭巾
アームカバー
レインウェア
バイク用レインパンツ
腰痛防止用腹巻
着替えを入れるメッシュ袋(100均)
■食料:おにぎり
パン2個
ウィダーインゼリーマルチミネラル
尾西のご飯×
噛むブレスケア小分け
無臭にんにく錠剤
酒のつまみ用お菓子
■飲料系:ビールのようなもの
小さいコーラ(100均)
野菜ジュース
ハーブティのティーパック3個
粉末の緑茶4包
ポーションコーヒー4個
ポーションココア
シリコンカップ
プラのスプーン
■衛生関係:目薬
ロキソニン8錠
ビオフェルミン止瀉薬3包×
キズパワーパッド2個
ポケットティッシュ
エリエール ドデカシート
歯ブラシ
小さい歯磨き(100均)
シェービングクリーム(100均)
使い捨てシェーバー
消毒ジェル小分け×
日焼け止め
OXYデオシャワー小分け×
■その他:スマートフォン
スマートフォンの予備バッテリー2個
スマートフォンのバッテリー充電器×
イヤフォン
自撮棒
サングラス
サングラスのケース
デジタルカメラ
デジカメの予備バッテリー2個
デジカメのポーチ
財布
バイクの鍵
ウエストバッグ(槍アタック時の為)
350mlのマグポット
400ml水袋
ボールペン×
マジックペン
老眼鏡(100均)×
チャック袋(雨天時の為)
マスク(100均
寒冷時の為)
ミニカッター(100均)×
爪切り(100均)×
使い捨てミニカイロ4個
ガムテープ(100均)×
洗濯ばさみ×
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感想
<前段>
去年の9月に計画した槍ヶ岳登山。
中房温泉>大天井岳>槍>上高地 というコースを計画したが、上高地の宿が予約できず断念。
中房温泉>大天井岳>常念岳という「槍ヶ岳を眺める」山行に変更した。
ま、それはそれで大変楽しかった。
しかし大天荘を出発するときに同宿だった長野市民の方に「槍行きましょうよ、簡単ですよ」と言われた誘いを断ったのが心残り…。
あのとき行けば良かったのではないか?
時は巡って約1年後の8月の夏休み、今度こそ槍ヶ岳に登るぞ。
大まかな計画は立てた、
靴は新調した、
練習登山した(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-932149.html)、
バイクは整備した、
槍平小屋の予約もした、
荷物のパッキングは済んだ。
…しかし、天気が駄目。
雨か曇りで一週間が過ぎ、断念。
そして9月。
嫌がらせのように台風が連続または複数(!)でやってきて悪天候が続く。
ごくたまに晴れの日があったが仕事が鬼のように忙しくて平日は休めず。
(混んだ山小屋に泊まりたくないのと槍の渋滞を避ける為、平日が必須条件)
ヤマテンに加入し、ヤマテンの槍のメール、槍ヶ岳山荘のライブカメラ、槍平小屋のブログ&ライブカメラ画像をチェックする日々。
そんなある日、10/6木曜日は前夜に台風18号が日本海側を抜け、二日連続で晴れるとヤマテンが予想した。
10/10日曜日には槍平小屋が閉まるので、タイムリミットは近い。
2週間ほど前だが登山したので体がキツさを忘れていない。
仕事はピークを過ぎたので何とか休めそうだ。
よしこの日だ、この日しかない…!
槍平小屋に予約を入れてパッキングなどの準備に取り掛かった。
不安要素は次の3つ。
1.
新穂高の無料駐車場は平日でもすぐに満車になると聞いている。止められるか?→バイクなので片隅に止めるから入れてくれと係員に頼み込もう
2.
槍平小屋まで数箇所の渡渉箇所があり、増水すると渡れなくなる。前夜台風が通過するので雨が降る
→渡れない場合は穂高岳山荘に泊まり、奥穂高岳ピストンに変更しよう
3.
槍がガスに巻かれた場合と、よく聞く渋滞が発生した場合どうする
→天候が回復しない場合や渋滞により数時間要した場合は、あきらめて槍ヶ岳山荘か殺生ヒュッテに宿泊する
目的は次の2つ。
(1)槍ヶ岳登頂
(2)槍ヶ岳からの縦走
(1)は次の理由により新穂高温泉から槍平で一泊してアタックする。
・上高地より槍まで5.7km近い(ただし標高は上高地の方が380m高い)
・上高地より人が少ない
・上高地は交通規制があるのでバスまたはタクシーでないと行けない=時間に自由が利かない、金がかかる
(2)の「理想」は次のとおりだが、状況に合わせて変更する。
槍ヶ岳登頂→西鎌尾根で双六小屋へ行き宿泊→翌朝双六岳をピストンしてから笠ヶ岳へ→笠ヶ岳小屋で宿泊→下山
<初日10/6>
バイクで8時に松本インターに到着。
7-11で買い物してGSで給油。
槍平小屋に電話して渡渉できるか聞くと、落ち着いた声の男性が「できます」…よし!
R158を進み、上高地に最寄の新島々駅の前を通り、山を登っていく。
安房峠道路の手前まで来たが予定より早いので、通行料¥600を節約する為旧道の峠道へ。途中、焼岳への登山口があった。
ガスっていたので槍もガスっていなければいいがと懸念する。
途中道を間違って10:30、新穂高温泉に到着。
…しかし、交通規制がある登山口まで進んでも無料駐車場がない。
仕方ないので1kmほど戻りながら探すが、わからない。
バイクを止めて地図を確認する。
深山荘という旅館の近くにあるらしいのだが…。
無料駐車場が満車の場合に誘導される鍋平に行くか?
しかしかなり距離があると聞く。
ロープウェイ乗り場に¥300の駐輪場があった。登山口の近くだしあそこにするか?
しかし営業時間内しか止められないとわかり断念する。
こうしている間にも時間が過ぎていくので焦り始める。
もう一回進みながら探そう。
すると、500mほどある長い洞門の中ほどの左側に無料駐車場の看板が出ているのに気づいた。
洞門内で道路工事をしていて看板がみえにくくなっていた。
やれやれ。
駐車場は3割ほどしか埋まってなかったので余裕で止められた。
係員はいなかった。
準備して11:15出発。
棚田のようになっている駐車場の上端にある道を通って、先ほど走った道路に出て、登山指導センターで登山届けを出し、11:30再出発。
コースタイムは4:30なので、その通り進めば着くのは16時か。
ケチって安房峠道路を避けたりしなければよかったが、仕方ない。
林道を歩いていると、話に聞いていた通りダンプやコンクリートミキサー車が10分に一回程度、下から上から通る。
最初は道幅が広かったので簡単に避けられたが、狭くなってくるとこちらが道から出ないといけない。
やがてカーブの場所で穂高平小屋出現。
椅子代わりの岩などあり、中に入ることもできたので昼食休憩にありがたく使わせていただいた。
再出発すると本日初めて(&最後)のハイカー二人とすれ違い。
念のため渡渉できるか聞いたところ、笑顔でできますよとのことだった。
渡渉関係は写真をご覧ください。
槍平までのラスト1時間、呼吸が苦しくなったのでチマチマ小股歩行に切り替える。
その性で1.5hかかってしまい、槍平小屋に着いたのは16:30。
小屋近くの沢に7-11で買ったビールのようなものを入れて冷やしておき、チェックイン。
なんと部屋には一人だけ。
心置きなく荷物を整理したり清拭したり着替えたりできて、大変快適でした。
冷えたビールを回収して談話室に行き、先にいた同県のご夫婦に挨拶。
明日の予定を尋ねると、自分と同じく双六小屋へ行くとのこと。
たぶん今年一番うまいビールを飲んでいると、夕食ができましたとの案内が。
隣の食堂に行くと、用意されているのは3人分だけ…えっウチらだけだったのか。
夕食後、明日どうするかを考える。
明日は5時に出発する予定で、CTでは槍ヶ岳山荘まで4h30m。
休憩を入れて5hとして、10時着。
そこから穂先を往復することになるが、要する時間は天気、渋滞の有無、スムーズに登攀できるか否か、山頂にどの位滞在するかなど状況次第だ。
昼食の時間も必要だ。
2hと考えよう。
ケース1:
穂先から降りたらピストンで新穂高に帰る。
CTは6h20mあるので12時に下山を開始すると18:20.
暗い山道を歩くのは危険なので新穂高まで進むのはやめ、槍平小屋に泊まろう。
周回が好きな自分には面白くないが、安全策だ。
ちなみに槍平小屋の親父さんに相談したところ、連泊するなら荷物を置いていっていいよと言ってくれた。
ケース2:
槍ヶ岳から南岳まで縦走し、槍平に降りて連泊。
しかし時間を計算すると5h50mかかり、自分の足では槍平に着く前に暗くなりそうだ。
これはだめだ。
ケース3:
当初の予定通り双六小屋まで縦走する。
明後日は雨の予報だが、せっかく来たので縦走したい。
ただし、明後日は笠ヶ岳には行かず、下山する。
決めた。
12時代に槍ヶ岳山荘を出発できるなら、ケース3で双六へ行こう。
13時以降になるならケース1で槍平に戻って連泊しよう。
場合によっては槍ヶ岳山荘、殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍のどれかに泊まろう。
荷物を置いていくと軽くはなるが選択の自由がなくなるので、全部持っていくことにする。
メールを打つ為外に出ると、何十年かぶりに見る満天の星だった。
20時前に就寝。
<二日目10/7>
■槍ヶ岳山荘まで
飛騨乗越までは淡々と。
息が上がり限界まで苦しくなると立ち止まってしまうので、そうならないよう「ハー、ハー、ハーーー」と口から深く3回に分けて息を吐き、鼻から3回に分けて深く吸う。
足は小股でチマチマと進む。
踏み出した足のかかとが後ろ足のつま先と同じ位置になるくらいの小股で。
それでも飛騨乗越以降は苦しかった。テント場辺りが特に。
■槍の穂先の登り降り
若干難儀したのは、登り最初の梯子への取り付きと、
崖に埋め込まれた鉄筋のようなL字型の棒に足を乗せて進む場所での取り付き。
身長が170cm代の自分でもよっこらせと気合を入れないと取り付けなかったので、背が低い方は手足のストロークが短めなので、不利かも。
それとこれは上り下り共通だが、梯子のステップ近くまで岩がせり出していることがある。
ということは足をまっすぐ入れるとつま先しか乗っからず、ちょっと怖かった。
仕方ないので足を斜め横に入れるか、すぐに次のステップに進んだ。
あと、上り下りとも「下は見ない」ことを心がけた。
断片的な槍の穂先の攻略情報はネット上に無数にあるが、行く前にとても参考になったのは下記動画
その名の通り上り下りすべての行程をノーカットで見れるのでイメージを掴みやすく、不安がある方にはお勧めします。
登頂の記念にバッチを買う人は多いが、自分の場合、その山の「石」を一つ拾って記念にしている。
当然登頂する前にそのことは考えていたが、登頂したらはしゃいでしまい、忘れてしまった。
次回があれば、忘れないようにしよう。
12時代に穂先から下山できたので双六に行くことにして、小屋に電話した。
■西鎌尾根
・槍ヶ岳山荘>千丈乗越
すれ違った槍ヶ岳山荘に向かって登る人たちは皆つらそうだったので、飛騨乗越を選んで正解だった。
思うに、槍が常に見えているのに中々到達しないのが余計つらくなる原因では。
飛騨乗越経由だと最後の最後にようやく槍が見えるので、感動もひとしおだった。
・千丈乗越>双六小屋
西鎌尾根を通った方たちが異口同音に「地図のCTと実態が合わない」「道標の『双六小屋まで何時間』には心が折れた」と言っていた。
鈍足の自分が言う事ではないが同感。
特に左俣乗越>樅沢岳のコースタイム「1時間」はどれだけの人が達成できるのだろうか。
ちなみに自分は2h08mも掛かりました。
それと道標に距離ではなく時間を載せるのはやめて欲しい。
「xxまで2時間」はどのような年齢、経験、性別の人にとっての「2時間」かまるでわからないので、全然参考にならない。
「xxまで2km」なら、どのような人にとっても同じ2kmなのでわかりやすい。
ユニバーサル・デザインってやつですかね。
・双六小屋
スタッフの皆様、槍平山荘でも一緒だったご夫婦様、槍平でテン泊、双六では素泊まりしていたカップル様、白と蛍光イエローのウェアの単独おじさん、ご心配をお掛けしました。m(_ _)m
単独おじさんには「あんな写真ばっかり撮ってて間に合うのかなと思った」と言われた。
いやあのときは余裕があると思っていたんですよ(苦笑)。
双六小屋は写真にもあるとおりご飯に野菜たっぷり、強力な乾燥機が設置された乾燥室がある、乾燥室には更衣室が2つある、トイレは水洗で臭くない、部屋はベッド無し布団直引き、スタッフ感じがいい、ととても気に入った。
若干マイナスなのは晩御飯が17時と早いのと、通路が寒いことくらい。
<三日目10/8>
風は轟々と鳴り雨も降っているので朝食時までどうしようか思案したが、
・滞在していてもつまらない
・明日も同じような天気で、今日振った雨で渡渉できなくなるかもしれない
・大抵の人は出発する模様
・小屋のスタッフの方に聞いたところ、鏡平経由なら危険ポイントは無さそう
なので、出発することにした。
濡れて困るものはチャック袋に入れ、手袋、使い捨てカイロ、上下レインウェア、ザックカバーを装着して7時出発。
後は淡々と降りただけ。
天候が悪いので雷鳥に会えることを期待したが、以前会ったという方が注視していた場所にもいなかった。
鏡平以降は悪天候(翌日も悪天候の予報)にもかかわらず続々と下から登ってくる人たちがいて驚いた。
明日は沢が増水して下山できなくなるかもしれないのに…。
三連休の初日だから?
秩父沢までは双六小屋にいた人たちと付かず離れず適当にしゃべりながら歩いたが、以降は一人だけ。寂しくなってしまった。
下山後、奥飛騨某ホテルの露天風呂に行こうか迷ったが、雨だし腹が減っていたので素通り。
松本市内は晴れていた。
中央道は渋滞無しだった。
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雪渓もお花も紅葉もない時期だけど、槍ヶ岳と他の山々があれば、それで十分。。
温度的にも暑くも寒くもなく丁度よかった。
汗をあまりかかない温度なので水は少量でよく(600ml程度)、厚着しなくても寒くなかったので、荷物が少なくて済んだ。
この時期は狙い目かも。
donsokuさん
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