ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 1259861
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

北穂東稜ー前穂北尾根ー明神主稜線

2017年09月14日(木) ~ 2017年09月16日(土)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
33:33
距離
40.7km
登り
4,923m
下り
4,852m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
10:30
休憩
1:00
合計
11:30
5:26
3
5:29
5:29
5
6:04
6:04
4
6:08
6:08
30
6:38
6:39
11
7:25
8:01
13
8:14
8:14
35
8:49
8:49
50
9:39
9:40
34
10:14
10:14
7
10:21
10:27
365
16:32
16:40
5
16:45
16:49
0
16:49
16:52
4
16:56
宿泊地
2日目
山行
12:47
休憩
2:38
合計
15:25
4:05
200
宿泊地
7:25
7:26
4
7:30
7:36
3
7:39
7:42
4
7:46
8:19
2
8:21
8:22
412
15:14
15:57
68
17:05
17:16
40
17:56
18:06
16
18:22
19:12
18
3日目
山行
4:42
休憩
1:22
合計
6:04
6:18
11
6:29
6:32
43
7:15
8:14
28
8:42
8:42
165
11:27
11:47
23
12:22
ゴール地点
以下はデジカメ写真の撮影時刻から推定した主な通過時刻
1日目
12:50 北穂高沢休憩地点出発
13:30 北穂東稜取り付き
13:50 稜線到着
15:10 危険なギャップ、懸垂下降点前のナイフリッジ取り付き
15:40 懸垂下降点通過、東稜のコル
16:20 一つ目のピーク
16:40 大岩壁前(巻く)
16:50 北穂小屋テラス

2日目
08:20 涸沢ヒュッテヘリポート
10:15 56のコル
11:20 5峰山頂
11:50 45のコル
12:50 4峰山頂
13:10 34のコル
14:00 3峰チムニー通過、凹角下
14:50 3峰山頂
15:10 2峰山頂
15:20 12のコル(懸垂下降点)
15:38 前穂山頂
17:10 A沢のコル(勘違いの可能性あり)
17:40 奥明神沢のコル(絶壁)
18:00 1峰山頂
18:20 明神岳12のコル
18:50 明神岳2峰山頂
19:30 明神岳3峰山頂

3日目
06:20 明神岳3峰南壁下降(北壁と書いていたのは誤り)
06:30 明神岳4峰
07:10 明神岳5峰到着
07:50 明神岳5峰出発
09:00 南西明神沢樹林帯入口
09:30 ナイフリッジ
09:50 竹ざお
10:50 難しい倒木
11:30 7番標識
天候 14日 快晴
15日 快晴、夕方に濡れない程度のにわか雨
16日 夜明けまで晴れ、午前中曇り、正午ごろより雨
過去天気図(気象庁) 2017年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス
新宿バスター上高地バスターミナル 
往復ともにさわやか信州号を利用しました。
往路バスがいつもの諏訪湖SAでなく、みどり湖PAで休憩(臨時?)になったのは、買い物の予定がふいになりややピンチでした。
復路は事故渋滞で30分遅れでしたが、復路で30分程度の遅延は「いい方」です。新宿からの移動が必要な方はひどい遅延の際の段取りも考えておく必要があります。
コース状況/
危険箇所等
(注意!)
本ルートはバリエーションルートです。一般登山道とは異なり、ペンキマークや固定ロープ、鎖、はしごなどの整備はほとんどありません。岩稜帯の縦走(たとえば、奥穂ー西穂、槍ヶ岳北鎌尾根など)ができる程度の技術と経験が必要です。特に前穂北尾根は一応懸垂下降の必要な箇所があるため、ザイルの取り扱いの初歩的経験も必要です。明神岳主稜線、2峰北壁を下る場合も懸垂下降が必要です。登る場合も状態によっては投げ縄などの人工登はんを必要とします。

岩が滑るので、雨天の登はんは特に危険です。

北穂東稜、前穂北尾根、明神主稜線いずれも浮石が多く、小さいホールドの欠落だけでなく、自分が取り付いている部分全体が崩落して一緒に墜落することにも注意が必要です。また、落とすほうも落とされるほうも含めて落石に最大限注意しなければなりません。日によっては多くの登山者が取り付き渋滞しますが、そういう場合は特に落石の危険が高まります。

北尾根に上がると、明神岳主稜線を岳沢登山口へ下山しきるまで水場、山小屋はなく、距離も長いので、通常1泊分のテント泊の装備、食料、水(重要)は必要でしょう。

前穂からは重太郎新道から岳沢へよけていく事もできます。重太郎新道へエスケープする場合、紀美子平直下の岩(大変に滑りやすい)と長いはしご(岩が出ていてはしご段に足がかからないところがある)があり、易しいコースですが死亡事故が起きます。

ーーーーーーーーーーー
明神岳、南西尾根のゴール直前(岳沢から明神へ登る場合は、7番標識の直後)に雪崩等の理由でカラマツが多数なぎ倒されており、従来簡単だった道をふさいでいます。このルートを登りに使うときは、「岳沢側の木に下がっている」7番標識を背負って入山した直後、倒木帯を抜けつつ踏み跡を見つけなければならず、ルートファインディングが若干困難になったように感じます。

前穂北尾根取り付きの雪渓はノーアイゼンで行けましたが。表面がいい具合に融けてくれたせいで、これから寒くなりますと逆につるつるになる恐れがあるので、アイゼンはおまじないに持つほうがいいかと考えます。

北穂東稜の取り付きは、一般ルートの南稜が左(西)に折れ曲がり、かつガレ地と接している部分です。ここからガレ地(北穂高沢)をまっすぐ(東へ)トラバースします。あとは適当な床から取り付けばいいのですが、岩くずだらけなので、岩雪崩を起こさないように注意することが必要です。
その他周辺情報 バスターミナルに登山届け提出場所がありますが、現地で書くとポスト周辺が混んでいるので事前に作成してポストに入れるか、事前にネットから提出しておきましょう。特にネットからの提出は何かの時には検索で見つけ出してもらいやすいでしょう。

登山後の入浴場所として、岳沢に降りたときには少し遠いのですが、筆者は小梨平キャンプ場のお風呂が広くて清潔で気に入ってます。温泉ではありません。向かいの売店で買い物と、昼食時には食事もできます。

明神稜線でdocomoの電波が入ってびっくりしました。カバーが保障されているものではないかもしれませんが、ご参考までに報告します。
1日目5時30分。焼岳をバックに、支度する登山者でにぎわうバスターミナル。
1
1日目5時30分。焼岳をバックに、支度する登山者でにぎわうバスターミナル。
河童橋付近から穂高の神様に手を合わせ、道中の無事を祈念した。
1
河童橋付近から穂高の神様に手を合わせ、道中の無事を祈念した。
暫くして、明神5峰とその前衛峰である憧れのP2263が目に入る。
1
暫くして、明神5峰とその前衛峰である憧れのP2263が目に入る。
今回は右側のピーク明神岳5峰からなだらかに延びている尾根沿いにたどり下山する。下山ルートの手前にはP2263(左の尖峰)が。
2
今回は右側のピーク明神岳5峰からなだらかに延びている尾根沿いにたどり下山する。下山ルートの手前にはP2263(左の尖峰)が。
明神岳5峰(右)の下山路からP2263(左の尖峰)へ分岐するコルの部分がどこか今回は見つけられなかった。
1
明神岳5峰(右)の下山路からP2263(左の尖峰)へ分岐するコルの部分がどこか今回は見つけられなかった。
長七の頭(?、右)と5峰
長七の頭(?、右)と5峰
明神館前の広場から見る5峰。今まで何度ここからあの山頂に憧れの視線を送ったことか。
1
明神館前の広場から見る5峰。今まで何度ここからあの山頂に憧れの視線を送ったことか。
明神館を過ぎると主稜線の全貌が目に入る。手前に長七の頭、その右に茶臼の頭を従えて、左から5峰−>1峰と続く。1峰(明神岳)は写真中央で、そこから前穂までいくつもピークがあることがこの写真からもわかる。
1
明神館を過ぎると主稜線の全貌が目に入る。手前に長七の頭、その右に茶臼の頭を従えて、左から5峰−>1峰と続く。1峰(明神岳)は写真中央で、そこから前穂までいくつもピークがあることがこの写真からもわかる。
花も見てます。
徳沢キャンプ場の穏やかな夜明け。草のみどりとテントのコントラストがみずみずしくて美しい。
徳沢キャンプ場の穏やかな夜明け。草のみどりとテントのコントラストがみずみずしくて美しい。
徳澤園の食堂を見ると、山に来たって感じがする。
徳澤園の食堂を見ると、山に来たって感じがする。
徳澤園を過ぎると主役は前穂に。正面に東壁が迫り、心臓がどきどきしてくる。
1
徳澤園を過ぎると主役は前穂に。正面に東壁が迫り、心臓がどきどきしてくる。
もうひと歩きすると、憧れの横尾尾根末端が目に入る。左端、赤い山(赤沢山)が覗くギャップが3のガリー、その右の、幅の広い影をたたえた谷が2のガリー、その隣の少し細い影として見えるのが、筆者が春に泣きながら登った1のガリーだと思う。
1
もうひと歩きすると、憧れの横尾尾根末端が目に入る。左端、赤い山(赤沢山)が覗くギャップが3のガリー、その右の、幅の広い影をたたえた谷が2のガリー、その隣の少し細い影として見えるのが、筆者が春に泣きながら登った1のガリーだと思う。
横尾に到着。トイレ、水場が増設されて快適。ここで初めて水4Lを補給した。
1
横尾に到着。トイレ、水場が増設されて快適。ここで初めて水4Lを補給した。
横尾から見る前穂と、左端にちょんと突き出した明神岳(横尾山荘のスタッフさん談)。
横尾から見る前穂と、左端にちょんと突き出した明神岳(横尾山荘のスタッフさん談)。
横尾大橋を渡って登山らしくなっていく。
横尾大橋を渡って登山らしくなっていく。
岩小屋跡を通過。
岩小屋跡を通過。
屏風岩東壁
1のガリーはこの辺りだっただろうか。夏はまるでわからない。
1のガリーはこの辺りだっただろうか。夏はまるでわからない。
屏風岩正面壁(左)と北壁(日陰の部分)
1
屏風岩正面壁(左)と北壁(日陰の部分)
そして北穂の東のすそが目に入る。頂上のように見えるところは山頂ではない。東稜の一部分かどうかも不明。
1
そして北穂の東のすそが目に入る。頂上のように見えるところは山頂ではない。東稜の一部分かどうかも不明。
本谷橋が目に入った。
1
本谷橋が目に入った。
渋滞箇所なので、橋が2本掛けてある。筆者は水面に近い方を渡った。
1
渋滞箇所なので、橋が2本掛けてある。筆者は水面に近い方を渡った。
広大な横尾本谷。紅葉は見られなかったが、それでも息を呑む美しさであることに変わりは無い。
1
広大な横尾本谷。紅葉は見られなかったが、それでも息を呑む美しさであることに変わりは無い。
ハクサンフウロに励まされつつ。涸沢へ足を急がせた。
ハクサンフウロに励まされつつ。涸沢へ足を急がせた。
ヒュッテ・小屋分岐に10時過ぎに到着。ここまでは良かったが、北穂登山道に入って足が止まった。
ヒュッテ・小屋分岐に10時過ぎに到着。ここまでは良かったが、北穂登山道に入って足が止まった。
連休前の平日でテント場はまだ閑散としていた。
連休前の平日でテント場はまだ閑散としていた。
東稜を擁する北穂高沢を見上げる。
1
東稜を擁する北穂高沢を見上げる。
涸沢小屋。紅葉シーズンには写真スポットだ。緑の中でも映える美しい山小屋だ。いつか(空いているシーズンに)泊まってみたい。
涸沢小屋。紅葉シーズンには写真スポットだ。緑の中でも映える美しい山小屋だ。いつか(空いているシーズンに)泊まってみたい。
高度を上げながら北尾根の雪渓状況を偵察した。56のコルへの急登は無雪だからノーアイゼンで行けるかも。
1
高度を上げながら北尾根の雪渓状況を偵察した。56のコルへの急登は無雪だからノーアイゼンで行けるかも。
靴を脱いでひとやすみ。登山靴に蝶々が飛んできてキスをした。アルプス一万尺の歌詞は実体験に基づいているのかもしれない。
2
靴を脱いでひとやすみ。登山靴に蝶々が飛んできてキスをした。アルプス一万尺の歌詞は実体験に基づいているのかもしれない。
赤い実。食べられる。
赤い実。食べられる。
ここで一般コースは左へ折れて鎖・はしごの難所へ続くが、筆者は北穂高沢をトラバースして東稜へ取り付く。
1
ここで一般コースは左へ折れて鎖・はしごの難所へ続くが、筆者は北穂高沢をトラバースして東稜へ取り付く。
しかし、ここで気分が悪くなり、履いたばかりの靴を脱いで再び休憩。もう切り上げようかと思ったところ。今思えば軽い高度障害だと思う。
しかし、ここで気分が悪くなり、履いたばかりの靴を脱いで再び休憩。もう切り上げようかと思ったところ。今思えば軽い高度障害だと思う。
暫く体を落ち着かせて、とりあえず北穂へは登ることに決定した。ザックの近くにクマの落し物があった。ぎりぎりセーフだ。
暫く体を落ち着かせて、とりあえず北穂へは登ることに決定した。ザックの近くにクマの落し物があった。ぎりぎりセーフだ。
筆者は写真右側のYの字に見えている二つのルンゼの中央尾根に取り付いた。
1
筆者は写真右側のYの字に見えている二つのルンゼの中央尾根に取り付いた。
岩雪崩を起こさないようにそろそろ歩いたが、2015年よりは岩が安定していた。
1
岩雪崩を起こさないようにそろそろ歩いたが、2015年よりは岩が安定していた。
振り返って、前穂北尾根。美しい。明日行けないかもしれないが。
振り返って、前穂北尾根。美しい。明日行けないかもしれないが。
花に励まされて尾根に取り付く。
花に励まされて尾根に取り付く。
チングルマになごまされた。
チングルマになごまされた。
前穂北尾根全貌。美しい。穂高の象徴とも言われることに納得する。
1
前穂北尾根全貌。美しい。穂高の象徴とも言われることに納得する。
常念岳の均整の取れた姿
1
常念岳の均整の取れた姿
尾根に到着。少しだけ下って、2015年に撮影しそこなったこれぞゴジラの「背びれ」だという岩を撮影した。時間と疲労の関係で近寄って撮れなかったが。ひとの背丈よりもでかい。
1
尾根に到着。少しだけ下って、2015年に撮影しそこなったこれぞゴジラの「背びれ」だという岩を撮影した。時間と疲労の関係で近寄って撮れなかったが。ひとの背丈よりもでかい。
さて、稜線をたどろう。
1
さて、稜線をたどろう。
イワギキョウ様、お守りください。
1
イワギキョウ様、お守りください。
下部は適当に巻きながら進んだ。
下部は適当に巻きながら進んだ。
イワツメクサさん発見。筆者はこの白い1cmほどの花を偏愛している。
2
イワツメクサさん発見。筆者はこの白い1cmほどの花を偏愛している。
高度を上げる。
雲と対峙する槍ヶ岳。
1
雲と対峙する槍ヶ岳。
時たま迫力のある岩に出会った。
1
時たま迫力のある岩に出会った。
中央の背びれくらいだろうか
1
中央の背びれくらいだろうか
結構な高度感だが、もっとどきどきするところがあったような、、、。
1
結構な高度感だが、もっとどきどきするところがあったような、、、。
振り返って、結構歩いてきたなと感心した。
1
振り返って、結構歩いてきたなと感心した。
斜度は低いが、今にも岩雪崩が起きそうで緊張を強いられた。
1
斜度は低いが、今にも岩雪崩が起きそうで緊張を強いられた。
横尾本谷側に秘境北穂池。紅葉で有名な秘密のスポット(?)である。
1
横尾本谷側に秘境北穂池。紅葉で有名な秘密のスポット(?)である。
ゴジラの背びれの核心部部が近づく。遠く(写真右上)には北穂小屋も見えた。2015年はガスで何も見えない中、目の前の岩だけやっていたことを考えると、気分はすこぶるいい。
1
ゴジラの背びれの核心部部が近づく。遠く(写真右上)には北穂小屋も見えた。2015年はガスで何も見えない中、目の前の岩だけやっていたことを考えると、気分はすこぶるいい。
北穂高沢側はオーバーハングで、ホールドもないので、横尾本谷側を巻いた。
1
北穂高沢側はオーバーハングで、ホールドもないので、横尾本谷側を巻いた。
巻いてから、岩の上に片脚だけ置いた。立つ勇気はなかった。
1
巻いてから、岩の上に片脚だけ置いた。立つ勇気はなかった。
再び北穂高沢側へ、断崖に沿ったナイフリッジ歩きが続く。
1
再び北穂高沢側へ、断崖に沿ったナイフリッジ歩きが続く。
見事なナイフリッジ。
1
見事なナイフリッジ。
実はその手前のギャップの通過の高度感がとんでもなく怖い。写真下端に見える両足に注目。
1
実はその手前のギャップの通過の高度感がとんでもなく怖い。写真下端に見える両足に注目。
通過後は横尾本谷側に一旦逃げた。
1
通過後は横尾本谷側に一旦逃げた。
大岩の後ろから尾根に乗り、
1
大岩の後ろから尾根に乗り、
夢中にナイフリッジを前進していく。
1
夢中にナイフリッジを前進していく。
2015年は両脇の崖は目に入らなかったのだなあ。
1
2015年は両脇の崖は目に入らなかったのだなあ。
そして人工物に遭遇したと思ったら懸垂支点だったというのが2015年の登はん。
1
そして人工物に遭遇したと思ったら懸垂支点だったというのが2015年の登はん。
さらに稜線の先で進む。
1
さらに稜線の先で進む。
先端の下降点も通過する。
1
先端の下降点も通過する。
すると、クライムダウン可能な箇所が出てくる、というのも2015年に調査済み。
1
すると、クライムダウン可能な箇所が出てくる、というのも2015年に調査済み。
腕のある人は左側の凹角な懸垂下降のルートもクライムダンできると思う。筆者は右側の凹角気味をクライムダウンした。
1
腕のある人は左側の凹角な懸垂下降のルートもクライムダンできると思う。筆者は右側の凹角気味をクライムダウンした。
優しい祝福の微笑をいただいた。ありがとう。
優しい祝福の微笑をいただいた。ありがとう。
東稜のコルから最後のクライムダン箇所を見上げた。
1
東稜のコルから最後のクライムダン箇所を見上げた。
北尾根にもいけるかな?
1
北尾根にもいけるかな?
つい何度も比べてしまうが、ガスと雨の2015年は、東稜のコルを振り返るともう何も見えなかった。ただ、どの山でもそうだが、少し離れるとずいぶんと小さく見える。
1
つい何度も比べてしまうが、ガスと雨の2015年は、東稜のコルを振り返るともう何も見えなかった。ただ、どの山でもそうだが、少し離れるとずいぶんと小さく見える。
北尾根にも行きたい(しつこいがご勘弁)。
1
北尾根にも行きたい(しつこいがご勘弁)。
北穂側へ上り返すにつれて、東稜の全体が少しずつ見通せるようになり、愉快になる。
1
北穂側へ上り返すにつれて、東稜の全体が少しずつ見通せるようになり、愉快になる。
北尾根の見え方が刻一刻と変わり、そのたびに撮影してしまう。
2
北尾根の見え方が刻一刻と変わり、そのたびに撮影してしまう。
8峰からの全体写真も。
1
8峰からの全体写真も。
一方、コルから北穂小屋への登りは、体へのきつさでは東稜自身を上回る。基本はなんとなく踏み跡頼りなのだが、かなりがれている。
1
一方、コルから北穂小屋への登りは、体へのきつさでは東稜自身を上回る。基本はなんとなく踏み跡頼りなのだが、かなりがれている。
登はんも結構急だ。
1
登はんも結構急だ。
東稜のコルが随分下になった。
1
東稜のコルが随分下になった。
奥穂から前穂北尾根。
奥穂から前穂北尾根。
少し攀じては北尾根に目をやる。
少し攀じては北尾根に目をやる。
北穂小屋が視界に入ってきたが、その前に大岩壁が立ちはだかる。
1
北穂小屋が視界に入ってきたが、その前に大岩壁が立ちはだかる。
雲と槍ヶ岳のせめぎあい
雲と槍ヶ岳のせめぎあい
雲をついて山頂が姿を見せた。こうした駆け引きを撮影するのも面白い。
2
雲をついて山頂が姿を見せた。こうした駆け引きを撮影するのも面白い。
斜度が落ちるが、まだまだこれから
斜度が落ちるが、まだまだこれから
これをまともに登はんさせられたら、東稜より辛い。
これをまともに登はんさせられたら、東稜より辛い。
イワツメクサさん、力をください。
イワツメクサさん、力をください。
最後にひと攀じして、
1
最後にひと攀じして、
大岩を巻くようにして、北穂小屋テラスの下に出た。実は最後の最後に少し遠回りさせられる。
1
大岩を巻くようにして、北穂小屋テラスの下に出た。実は最後の最後に少し遠回りさせられる。
東稜通過中を見ていたという登山者の方々の祝福を受けた。槍も祝うかのように雲のベールを落として姿を見せた。
1
東稜通過中を見ていたという登山者の方々の祝福を受けた。槍も祝うかのように雲のベールを落として姿を見せた。
そうだ、山頂は小屋の裏だった。記念撮影しておこう。登山者の方に撮影していただいた。
1
そうだ、山頂は小屋の裏だった。記念撮影しておこう。登山者の方に撮影していただいた。
常念岳の前に大キレットの巨大な影が映っている。
1
常念岳の前に大キレットの巨大な影が映っている。
東天井、大天井、燕岳方面。
東天井、大天井、燕岳方面。
獅子鼻展望台と、その向こうへ南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳。中岳と、大喰岳は識別が難しい。
獅子鼻展望台と、その向こうへ南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳。中岳と、大喰岳は識別が難しい。
常念岳は美しい。そしてその常念を脅かすような大キレットの影。
常念岳は美しい。そしてその常念を脅かすような大キレットの影。
間もなく日が沈む。夕焼けの前穂。
2
間もなく日が沈む。夕焼けの前穂。
夕焼けの槍ヶ岳。
2
夕焼けの槍ヶ岳。
奥穂から西穂方面。
奥穂から西穂方面。
イワツメクサさん、おやすみなさい。
イワツメクサさん、おやすみなさい。
テント場へ下山した。明日は晴れそうだ。
テント場へ下山した。明日は晴れそうだ。
2日目。朝4時出発。イワツメクサさん、おはようございます。今日もお守りください。
2日目。朝4時出発。イワツメクサさん、おはようございます。今日もお守りください。
朝焼けをバックに見る東稜は確かにゴジラっぽい。
朝焼けをバックに見る東稜は確かにゴジラっぽい。
ほとんど映っていないのに、北尾根を撮影してしまう。
ほとんど映っていないのに、北尾根を撮影してしまう。
常念越しの夜明け
常念越しの夜明け
蝶が岳、長塀山
雲海の向こうには八ヶ岳(左)と南アルプス(左)。南アルプス越しに富士山が写っている。
雲海の向こうには八ヶ岳(左)と南アルプス(左)。南アルプス越しに富士山が写っている。
奥穂(左)と涸沢岳(右)
1
奥穂(左)と涸沢岳(右)
はしご場。2015年は夜間にここを通過、はしごのあとバツ印にまどわされて道迷いし、はしごが廃道なのかと、登ったり下りたりうろうろしたところ。
はしご場。2015年は夜間にここを通過、はしごのあとバツ印にまどわされて道迷いし、はしごが廃道なのかと、登ったり下りたりうろうろしたところ。
草紅葉はまだまだこれから。
草紅葉はまだまだこれから。
ついつい富士山を探してしまう。
ついつい富士山を探してしまう。
昨日の取り付き点まで下りてきた。結構疲れた。途中滝谷を目指すパーティーとすれ違った。うらやましい。北穂を目指す登山者と雑談を楽しんだ。
1
昨日の取り付き点まで下りてきた。結構疲れた。途中滝谷を目指すパーティーとすれ違った。うらやましい。北穂を目指す登山者と雑談を楽しんだ。
涸沢小屋を通過。間もなく北尾根への取り付きだ。
涸沢小屋を通過。間もなく北尾根への取り付きだ。
ヒュッテの裏でピッケルを準備しアイゼンをすぐに履けるようにして、ヘリポートを通過して裏から雪渓に乗った。
ヒュッテの裏でピッケルを準備しアイゼンをすぐに履けるようにして、ヘリポートを通過して裏から雪渓に乗った。
雪渓の雪はいい塩梅に少しだけ融けていて、慎重に足を置けばアイゼン無しで通過できそうだ。
1
雪渓の雪はいい塩梅に少しだけ融けていて、慎重に足を置けばアイゼン無しで通過できそうだ。
ザイテングラード方面は美しい。
1
ザイテングラード方面は美しい。
昨日の北穂東稜を振り返った。
1
昨日の北穂東稜を振り返った。
涸沢がどんどん遠くなり、さびしくなるところ。
涸沢がどんどん遠くなり、さびしくなるところ。
雪渓を過ぎるとガレ地の急斜面だ。急斜面に沿って日が差すので、午前中なのに夕方のような日差しを感じる。ますますさびしくなる。
雪渓を過ぎるとガレ地の急斜面だ。急斜面に沿って日が差すので、午前中なのに夕方のような日差しを感じる。ますますさびしくなる。
ガレ地だがケルンや踏み跡をたどることができる。
1
ガレ地だがケルンや踏み跡をたどることができる。
イワツメクサさん、元気をください。
イワツメクサさん、元気をください。
踏み跡。これはいささか明瞭過ぎる例。
1
踏み跡。これはいささか明瞭過ぎる例。
ひとむらのチングルマ。秋だなあ。
ひとむらのチングルマ。秋だなあ。
踏み跡は続く。実は筆者は何度か踏み跡から外れてガレで苦戦した。今回の縦走は全体的にルートファインディングが稚拙であった。
踏み跡は続く。実は筆者は何度か踏み跡から外れてガレで苦戦した。今回の縦走は全体的にルートファインディングが稚拙であった。
目を凝らせば、踏みあとは上まで続いている。
1
目を凝らせば、踏みあとは上まで続いている。
56のコルが視界に捉えられたが、まだここから延々歩かされるのだ。
1
56のコルが視界に捉えられたが、まだここから延々歩かされるのだ。
踏み跡がないと、ガレの直登はかなり骨が折れる。
1
踏み跡がないと、ガレの直登はかなり骨が折れる。
56のコル到着。昨年のビバーク地。いい風除けだった。
1
56のコル到着。昨年のビバーク地。いい風除けだった。
奥又白谷側からの踏み跡があるのか。
1
奥又白谷側からの踏み跡があるのか。
時間が無い、5峰に取り付こう。
1
時間が無い、5峰に取り付こう。
見る毎にイワツメクサさんに力をもらうとともに、加護を求めた。
見る毎にイワツメクサさんに力をもらうとともに、加護を求めた。
イワギキョウ様、お守りください。
イワギキョウ様、お守りください。
一気に高度が上がった。5峰は北尾根の中では楽な部類とされるが、山頂まで案外遠い。体力的には楽勝ではなかった。
一気に高度が上がった。5峰は北尾根の中では楽な部類とされるが、山頂まで案外遠い。体力的には楽勝ではなかった。
5峰から見る北穂東稜。筆者は北穂高沢の雪渓後ろに見えるYの字の間の尾根を伝って稜線に取り付いた。5峰は景色を楽しむ余裕がまだ残っている。
1
5峰から見る北穂東稜。筆者は北穂高沢の雪渓後ろに見えるYの字の間の尾根を伝って稜線に取り付いた。5峰は景色を楽しむ余裕がまだ残っている。
中央に奥穂と涸沢岳(右)
1
中央に奥穂と涸沢岳(右)
5峰山頂まで案外歩かされた。
5峰山頂まで案外歩かされた。
奥又白池が見えた。岩の出発点。
1
奥又白池が見えた。岩の出発点。
涸沢小屋があんな下になってしまったなあ。ヒュッテはもう見えない。
涸沢小屋があんな下になってしまったなあ。ヒュッテはもう見えない。
北穂と東稜をもう一度撮影した。
1
北穂と東稜をもう一度撮影した。
5峰頂上稜線は結構歩かされたが、4峰が視界に入ってきた。5峰はピークがどこか良くわからない。
1
5峰頂上稜線は結構歩かされたが、4峰が視界に入ってきた。5峰はピークがどこか良くわからない。
4峰へ下降する前の小ピークが5峰の最高点。奥又白川にも巻けるがトラバースはちょっといやらしく注意を要した。
4峰へ下降する前の小ピークが5峰の最高点。奥又白川にも巻けるがトラバースはちょっといやらしく注意を要した。
北尾根全体を涸沢や北穂方面などから一望すると板が並んでいるようだが、4峰はこのようなピラミッドピークだ。
1
北尾根全体を涸沢や北穂方面などから一望すると板が並んでいるようだが、4峰はこのようなピラミッドピークだ。
5峰から45のコルに降りる箇所が、ちょっと高度感があって怖い。
1
5峰から45のコルに降りる箇所が、ちょっと高度感があって怖い。
クライムダウンかと一瞬思うのだが、巻き道がある。
1
クライムダウンかと一瞬思うのだが、巻き道がある。
巻き道。
45のコルに届いた。まず大岩の下まで直登し、奥又白側に巻いた。
1
45のコルに届いた。まず大岩の下まで直登し、奥又白側に巻いた。
巻いてから正面へ回るのだが、どこまで巻くかがわかりづらい。昨年は巻き足りず、楽できなかった。今年は少し巻きすぎたか。
巻いてから正面へ回るのだが、どこまで巻くかがわかりづらい。昨年は巻き足りず、楽できなかった。今年は少し巻きすぎたか。
自分でも楽に登れる箇所があるのだが、見つからない。実はここでよかったのだが、、、。
自分でも楽に登れる箇所があるのだが、見つからない。実はここでよかったのだが、、、。
取り付きは実は少し奥。
1
取り付きは実は少し奥。
徳沢が見える。
うーん、あんな一枚岩なかったような。
うーん、あんな一枚岩なかったような。
危なっかしくトラバースして引き返しつつ高度を上げ、昨年見つけた楽な登り口へ合流した。
危なっかしくトラバースして引き返しつつ高度を上げ、昨年見つけた楽な登り口へ合流した。
凹角気味のところを通過した。
1
凹角気味のところを通過した。
今度は涸沢側に巻きつつ高度を稼いだ。楽勝かと思ったがとんでもなかった。
今度は涸沢側に巻きつつ高度を稼いだ。楽勝かと思ったがとんでもなかった。
写真を残す余裕も無く、なんとか4峰の石舞台ピークを踏んだ。
1
写真を残す余裕も無く、なんとか4峰の石舞台ピークを踏んだ。
前穂東壁、垂直の壁が雲をたたえている。写真にしてしまうととんでもない高度感が現れないのが残念だ。
1
前穂東壁、垂直の壁が雲をたたえている。写真にしてしまうととんでもない高度感が現れないのが残念だ。
そして東壁の右側に北尾根3峰の取り付きが見える。4峰と似たような戦術で、大岩の下まで直登してから、少し奥又白側に巻き、側面から再び正面に回って、正面の有名なチムニーを通過する。今回は前回同様左のチョックストーンのチムニーを通過した。
1
そして東壁の右側に北尾根3峰の取り付きが見える。4峰と似たような戦術で、大岩の下まで直登してから、少し奥又白側に巻き、側面から再び正面に回って、正面の有名なチムニーを通過する。今回は前回同様左のチョックストーンのチムニーを通過した。
写真で見ていると、狭いチムニーに見えるが、ひと一人楽々通れる幅がある。大きさを比べるものがないとスケールを伝えにくい。
写真で見ていると、狭いチムニーに見えるが、ひと一人楽々通れる幅がある。大きさを比べるものがないとスケールを伝えにくい。
4峰の石舞台に立ち、涸沢側を覗き込んだ。
1
4峰の石舞台に立ち、涸沢側を覗き込んだ。
さあ、3峰を目指そう。
さあ、3峰を目指そう。
取り付きに来ると、もう壁にしか見えない。
1
取り付きに来ると、もう壁にしか見えない。
岩の全体像を一生懸命頭に入れるが、なかなか難しい。
岩の全体像を一生懸命頭に入れるが、なかなか難しい。
東壁にガスが出てきて恐怖感を増している。
東壁にガスが出てきて恐怖感を増している。
登ろう。
あの怖かった4峰がどんどん低くなる。
あの怖かった4峰がどんどん低くなる。
イワツメクサさん、、、
イワツメクサさん、、、
露出感ある岩を登り、
露出感ある岩を登り、
チムニー下部に到着した。
1
チムニー下部に到着した。
左のチムニーは巨岩が落ちているが通過可能。
左のチムニーは巨岩が落ちているが通過可能。
頭上のチョックストーンを撮影した。
1
頭上のチョックストーンを撮影した。
チョックストーンを通過したら、
1
チョックストーンを通過したら、
右へ曲がって窓の外に出る。
1
右へ曲がって窓の外に出る。
この凹角は忌避。涸沢側に出たが、露出感とザレの恐怖と対峙することとなった。
この凹角は忌避。涸沢側に出たが、露出感とザレの恐怖と対峙することとなった。
守ってください、、、。このころになると目をつむって頭を下げるほどに。
守ってください、、、。このころになると目をつむって頭を下げるほどに。
東天井、大天井岳方面。天気が良くて、しかも人気コースにありがちな渋滞も無い、快適な登はんなのだが、、、。
1
東天井、大天井岳方面。天気が良くて、しかも人気コースにありがちな渋滞も無い、快適な登はんなのだが、、、。
結局肝心な部分はカメラを出す余裕も無く、何とか3峰のピークを踏んだ。
1
結局肝心な部分はカメラを出す余裕も無く、何とか3峰のピークを踏んだ。
逆光で見る2峰も結構しょっぱかった。
逆光で見る2峰も結構しょっぱかった。
2峰はただこつこつ登って山頂に到着した。
1
2峰はただこつこつ登って山頂に到着した。
山頂に左足を置いた。
山頂に左足を置いた。
そして、2峰の懸垂下降点をクライムダウンした。少し奥又白側の凹角気味を利用した。懸垂下降のルートとなる壁を直接下りようとしたが、うまくフットホールドを取れなかった。
1
そして、2峰の懸垂下降点をクライムダウンした。少し奥又白側の凹角気味を利用した。懸垂下降のルートとなる壁を直接下りようとしたが、うまくフットホールドを取れなかった。
2峰同様、前穂山頂へ、根気よく登った。
1
2峰同様、前穂山頂へ、根気よく登った。
あそこを過ぎれば山頂標識が見えるはずだ。
1
あそこを過ぎれば山頂標識が見えるはずだ。
雲が出てきた。そろそろ台風の影響が出始めたか?雨が降る前に明神2峰は通過したい。
雲が出てきた。そろそろ台風の影響が出始めたか?雨が降る前に明神2峰は通過したい。
奥穂を飲み込みつつある雲。
奥穂を飲み込みつつある雲。
山頂到着。無人なのは時刻を考えれば当然か。
1
山頂到着。無人なのは時刻を考えれば当然か。
記念撮影。ヘッデンを止めるゴムバンドが外れていて、だらしない。
1
記念撮影。ヘッデンを止めるゴムバンドが外れていて、だらしない。
三角点撮影、3時38分。
1
三角点撮影、3時38分。
ぎりぎり日没前に2峰を通過できるのでは?急いで明神を目指そう。
1
ぎりぎり日没前に2峰を通過できるのでは?急いで明神を目指そう。
もう、明神主稜線は雲海の底か?ルートファインディングできるのか?一瞬動揺が走ったところ。
もう、明神主稜線は雲海の底か?ルートファインディングできるのか?一瞬動揺が走ったところ。
前穂山頂直下の、紀美子平方面標識を通過すると、
前穂山頂直下の、紀美子平方面標識を通過すると、
明神主稜線の始まりとなる、3本槍と称される小ピーク群が見えた。この程度なら、ルートファインディングは何とかなりそうだ。
1
明神主稜線の始まりとなる、3本槍と称される小ピーク群が見えた。この程度なら、ルートファインディングは何とかなりそうだ。
明神岳へ急ぐのであれば、岳沢側に続く巻き道の踏み跡をひたすらたどるべし。しかし、途中見たこの丸は天然のもので、ペンキによる標識ではない。惑わされてしまった。
明神岳へ急ぐのであれば、岳沢側に続く巻き道の踏み跡をひたすらたどるべし。しかし、途中見たこの丸は天然のもので、ペンキによる標識ではない。惑わされてしまった。
主峰っぽいピークが次々出てくる。ただただ巻くべしなのだが、、、
主峰っぽいピークが次々出てくる。ただただ巻くべしなのだが、、、
欲を出して登ったら、結局尾根筋をたどるはめに陥った。縦走としては楽しいはずだが、時間ロスにあせるばかりであった。
1
欲を出して登ったら、結局尾根筋をたどるはめに陥った。縦走としては楽しいはずだが、時間ロスにあせるばかりであった。
はるか下方にある巻き道にはしばらく戻れなかった。
はるか下方にある巻き道にはしばらく戻れなかった。
これはまだ主峰ではない。
これはまだ主峰ではない。
このバットマンの頭みたいなピークも主峰ではない。
1
このバットマンの頭みたいなピークも主峰ではない。
何とか巻き道を発見し、合流することが出来た。
1
何とか巻き道を発見し、合流することが出来た。
ざれた絶壁横はここか?
ざれた絶壁横はここか?
その後ろ巨大なピークが二つそそり立ち、挑んでくる。なお、これらも明神だけではない。遠い。
その後ろ巨大なピークが二つそそり立ち、挑んでくる。なお、これらも明神だけではない。遠い。
コルに到着、ううん、確かもっと絶壁だったはず。自信はないがここはA沢のコルのようだ。
1
コルに到着、ううん、確かもっと絶壁だったはず。自信はないがここはA沢のコルのようだ。
イワギキョウ様は咲いているのだが、、、。
イワギキョウ様は咲いているのだが、、、。
ともかく通過、ここが1峰ピークだろうと思って写真撮影した。だが、よくわからない。
ともかく通過、ここが1峰ピークだろうと思って写真撮影した。だが、よくわからない。
いや、ここか?明神岳のピークは実にわかりづらい。
いや、ここか?明神岳のピークは実にわかりづらい。
これがピークかあれがピークかと延々とたどった後に、ようやく主峰が見えてきた。そして問題の2峰も
これがピークかあれがピークかと延々とたどった後に、ようやく主峰が見えてきた。そして問題の2峰も
これが問題の断崖脇の踏み跡だ。
1
これが問題の断崖脇の踏み跡だ。
日没前に通過できてよかった。
日没前に通過できてよかった。
主峰が視界に捉えられている。
主峰が視界に捉えられている。
去年と同じような崖っぷちにイワギキョウ様が咲いている。
去年と同じような崖っぷちにイワギキョウ様が咲いている。
だれかが敷き詰めたようなガレた稜線を登る。
だれかが敷き詰めたようなガレた稜線を登る。
主峰より2峰の突起を臨んだ。ここでぱらぱら雨が。とうとう降ってきたかと案じたが、幸い岩を濡らすほどの量ではなかった。暗くなってきた。
1
主峰より2峰の突起を臨んだ。ここでぱらぱら雨が。とうとう降ってきたかと案じたが、幸い岩を濡らすほどの量ではなかった。暗くなってきた。
2峰北壁に到着。
残照をバックに、奥穂を飲み込もうとする雲と耐える奥穂。
1
残照をバックに、奥穂を飲み込もうとする雲と耐える奥穂。
A部分のテラスっぽいところにつかまり、Bにフットホールドを取ってテラスに立ち上がるととりあえず安全圏、奥又白側に巻きつつ、上りやすいところを選んで登はんした。ただしAは浮いているので次に使えるかは不明。まず空身でムーブを確かめてから、ヘッデンを装着し、70Lザックを背負って挑戦したが、ザックが邪魔してテラスに乗れない、少しムーブを工夫してB点に何とか足を掛けた。
1
A部分のテラスっぽいところにつかまり、Bにフットホールドを取ってテラスに立ち上がるととりあえず安全圏、奥又白側に巻きつつ、上りやすいところを選んで登はんした。ただしAは浮いているので次に使えるかは不明。まず空身でムーブを確かめてから、ヘッデンを装着し、70Lザックを背負って挑戦したが、ザックが邪魔してテラスに乗れない、少しムーブを工夫してB点に何とか足を掛けた。
安全地帯に立った段階で真っ暗になり、その後はヘッデン頼りの夜間登はんになった。簡単なはずの凹角ルートが上手く見つからず、写真の2峰ピークの突起についたのは7時過ぎ。
安全地帯に立った段階で真っ暗になり、その後はヘッデン頼りの夜間登はんになった。簡単なはずの凹角ルートが上手く見つからず、写真の2峰ピークの突起についたのは7時過ぎ。
イワツメクサさん、ありがとう。
イワツメクサさん、ありがとう。
3峰南稜のクライムダウンは夜間はしょっぱいので、3峰を登りきった部分の、やや砂地気味な横になれそうな稜線でビバークした。岳沢側に少し傾斜していて、マットからずれ落ちて悩ましかった。ひょうたん池に明かりが見えた。
3峰南稜のクライムダウンは夜間はしょっぱいので、3峰を登りきった部分の、やや砂地気味な横になれそうな稜線でビバークした。岳沢側に少し傾斜していて、マットからずれ落ちて悩ましかった。ひょうたん池に明かりが見えた。
3日目。朝5時過ぎ。明神稜線でも入るスマホ電波を利用して天気予報を確認し、16日にバスが取れたら帰宅するか、取れなければ岳沢でビバークして翌日ぶらぶらして帰宅という方針をほぼ固めた。時間に余裕があるので、ビバーク地で朝日を眺めた。
3日目。朝5時過ぎ。明神稜線でも入るスマホ電波を利用して天気予報を確認し、16日にバスが取れたら帰宅するか、取れなければ岳沢でビバークして翌日ぶらぶらして帰宅という方針をほぼ固めた。時間に余裕があるので、ビバーク地で朝日を眺めた。
紅色の光線がさっと走る様は、写真には残せなかった。
紅色の光線がさっと走る様は、写真には残せなかった。
雲が増しているので、朝焼けの具合が通常と違って面白い
1
雲が増しているので、朝焼けの具合が通常と違って面白い
赤紫になったかと思うと
1
赤紫になったかと思うと
またオレンジに戻ったり。
またオレンジに戻ったり。
こちらは八ヶ岳、南アルプス、富士山側
こちらは八ヶ岳、南アルプス、富士山側
いったん紅のラインが走り、
いったん紅のラインが走り、
明るくなるかのようだったが、
明るくなるかのようだったが、
富士山が黒雲に飲まれそうだ。
富士山が黒雲に飲まれそうだ。
飲み込まれて、暗くなってしまった。
飲み込まれて、暗くなってしまった。
出発前に振り返る。左が2峰、右が主峰。3峰は手前にあるが見えづらい。
1
出発前に振り返る。左が2峰、右が主峰。3峰は手前にあるが見えづらい。
奥穂、ジャンダルム、ロバの耳、コブ尾根の頭、天狗のコル、天狗岳(たぶん)
1
奥穂、ジャンダルム、ロバの耳、コブ尾根の頭、天狗のコル、天狗岳(たぶん)
天狗岳、間の岳、西穂(西穂は自分にはうまく区別できないが)
天狗岳、間の岳、西穂(西穂は自分にはうまく区別できないが)
焼岳、そして左奥に乗鞍岳。
焼岳、そして左奥に乗鞍岳。
違う光線の加減で見え具合の違う西穂高をもう一度撮影した。
1
違う光線の加減で見え具合の違う西穂高をもう一度撮影した。
奥穂高も違う光線の加減でもう一度撮影した。
1
奥穂高も違う光線の加減でもう一度撮影した。
イワツメクサさん、あと暫く頑張ります。
イワツメクサさん、あと暫く頑張ります。
3峰稜線を歩くと、ビバーク地のもう少し先に、もっといいテントサイトがあった。
1
3峰稜線を歩くと、ビバーク地のもう少し先に、もっといいテントサイトがあった。
テントサイト先の3峰北壁さえ降りれば、4峰、5峰は基本的には尾根歩きのみだ。
1
テントサイト先の3峰北壁さえ降りれば、4峰、5峰は基本的には尾根歩きのみだ。
雲海は美しいのだが、のんびりもしていられない。
雲海は美しいのだが、のんびりもしていられない。
この先からクライムダウンしたが、ベストルートではなかったようだ。
この先からクライムダウンしたが、ベストルートではなかったようだ。
先ほどのテントサイトから、少し奥又白側に出て、写真中央の草付きのルンゼ気味を下るのが楽だったと思う(昨年実行)。
先ほどのテントサイトから、少し奥又白側に出て、写真中央の草付きのルンゼ気味を下るのが楽だったと思う(昨年実行)。
ちなみに3峰南稜は直登するとかなり手ごわい壁だ。
ちなみに3峰南稜は直登するとかなり手ごわい壁だ。
クライムダンを終え、雨もまだ降らずに一安心した。
1
クライムダンを終え、雨もまだ降らずに一安心した。
振り返って、右から主峰、2峰、3峰。
振り返って、右から主峰、2峰、3峰。
4峰頂上のテントサイト。昨年はざあざあぶりの雨の中、ここでビバークした。
1
4峰頂上のテントサイト。昨年はざあざあぶりの雨の中、ここでビバークした。
5峰を目指そう。
快適な尾根歩きが、北壁直下まで続く。
1
快適な尾根歩きが、北壁直下まで続く。
北壁下に到着。一瞬登らされるように見える。
北壁下に到着。一瞬登らされるように見える。
しかし、北壁直下に巻道があって、登はんも藪こぎも無い。
しかし、北壁直下に巻道があって、登はんも藪こぎも無い。
ひと巻きして登れば、間もなくあれが見える。
ひと巻きして登れば、間もなくあれが見える。
それは、5峰頂上のピッケル。ここで昨晩ビバーク時に身に着けたダウン上下と雨具を脱いで薄着になった。寒いが、動けばすぐまた温まる。
1
それは、5峰頂上のピッケル。ここで昨晩ビバーク時に身に着けたダウン上下と雨具を脱いで薄着になった。寒いが、動けばすぐまた温まる。
5峰山頂からは従順に踏み跡をたどれば、樹林帯へ入れる。
5峰山頂からは従順に踏み跡をたどれば、樹林帯へ入れる。
明神館だろうか?一昨日も含めて、あそこから何度このピークを仰ぎ見ただろう。
明神館だろうか?一昨日も含めて、あそこから何度このピークを仰ぎ見ただろう。
踏み跡をたどり損ねたのか、何度も歩きづらいがれ地に追い込まれた。降りている際にこんなのがガラガラ崩れだしたらいやだなと思いながら踏み跡を探した。
踏み跡をたどり損ねたのか、何度も歩きづらいがれ地に追い込まれた。降りている際にこんなのがガラガラ崩れだしたらいやだなと思いながら踏み跡を探した。
おかしいな、わずかなクライムダウンもなしに歩けた気がするけれど。
おかしいな、わずかなクライムダウンもなしに歩けた気がするけれど。
また岩雪崩にひやひやしながらの下山だし、、、。
また岩雪崩にひやひやしながらの下山だし、、、。
何とか踏み跡に合流した。
1
何とか踏み跡に合流した。
どんどん高度を下げていく。
どんどん高度を下げていく。
コケモモがどっさりなっている。
コケモモがどっさりなっている。
中央の岩は、昨年道迷いした際にやぶを下っては撤退して戻ってきた目印。辛かった。
中央の岩は、昨年道迷いした際にやぶを下っては撤退して戻ってきた目印。辛かった。
昨年は、この先ががけだと勘違いしたのだ。
昨年は、この先ががけだと勘違いしたのだ。
今年は岳沢の黄葉前の登山となった。
1
今年は岳沢の黄葉前の登山となった。
この辺が樹林帯の取り付きだと思い込んで、踏みあとから藪をこぎかけた。
この辺が樹林帯の取り付きだと思い込んで、踏みあとから藪をこぎかけた。
ガスの中では、この先ががけだと思い込んでしまうこともあるのだろう。
ガスの中では、この先ががけだと思い込んでしまうこともあるのだろう。
さまよいながら口にしたコケモモには癒された。
1
さまよいながら口にしたコケモモには癒された。
がけと思った先にも明瞭な踏みあとは続いている。
1
がけと思った先にも明瞭な踏みあとは続いている。
ずっと踏み跡が続いている。
1
ずっと踏み跡が続いている。
途中P2263を視界に捉えたが、取り付きと思しき形跡は見落としてしまった。
1
途中P2263を視界に捉えたが、取り付きと思しき形跡は見落としてしまった。
しかし下山への踏み跡をたどることが優先される。
1
しかし下山への踏み跡をたどることが優先される。
さらに踏み跡をたどると、
さらに踏み跡をたどると、
おのずと樹林帯に導かれる。
おのずと樹林帯に導かれる。
樹林帯の入り口にまで明瞭な踏み跡がある。
樹林帯の入り口にまで明瞭な踏み跡がある。
ここからは、しょっぱいクライムダウンが延々と続く。
1
ここからは、しょっぱいクライムダウンが延々と続く。
まずこの草付きが、ホールドの石がひとつ落ちていたことも手伝って、一段と面倒だった。
まずこの草付きが、ホールドの石がひとつ落ちていたことも手伝って、一段と面倒だった。
途中ダケカンバの幹を面白く眺めて英気を養った。
途中ダケカンバの幹を面白く眺めて英気を養った。
ゴザンタチバナ。赤い実をつけている(一応食べられる)。
ゴザンタチバナ。赤い実をつけている(一応食べられる)。
ユリ科だろうけれど、何だろう?オオバタケシマラン?(自信なし)。
ユリ科だろうけれど、何だろう?オオバタケシマラン?(自信なし)。
泥だらけのクライムダウンは続く。
泥だらけのクライムダウンは続く。
ナイフリッジ到着。ここから固定ロープが張られる。
ナイフリッジ到着。ここから固定ロープが張られる。
気のせいか、疲労のせいか、ナイフリッジがやせて見えた。
気のせいか、疲労のせいか、ナイフリッジがやせて見えた。
ナイフリッジの上に立つ。
1
ナイフリッジの上に立つ。
立たないと通過できない。
1
立たないと通過できない。
穂高の稜線が雲に削られている。早く下山しよう。
穂高の稜線が雲に削られている。早く下山しよう。
写真右から並んでいるコブ二つのてっぺんをなぞりながら、急降下したようだ。
写真右から並んでいるコブ二つのてっぺんをなぞりながら、急降下したようだ。
下降の難度は低いが、難しくはないからこそ、事故に気をつけなくては。特に疲れているときには。
下降の難度は低いが、難しくはないからこそ、事故に気をつけなくては。特に疲れているときには。
コケモモを見ると、元気がわく。食べなくても。
コケモモを見ると、元気がわく。食べなくても。
こんなクライムダウンが現れる。
1
こんなクライムダウンが現れる。
しょっぱいクライムダウンが何回も。早く下山したいと気が急いているが、明神岳は甘くない。
しょっぱいクライムダウンが何回も。早く下山したいと気が急いているが、明神岳は甘くない。
竹ざお通過。
何回こういうのを降ろされたことか。
何回こういうのを降ろされたことか。
さらに、土の斜面を四つん這いになってクライムダウンした。同じような急斜面を何度も通過させられたので、写真は省略。踏みあとは明瞭で、テープやペンキマークも若干ある。
さらに、土の斜面を四つん這いになってクライムダウンした。同じような急斜面を何度も通過させられたので、写真は省略。踏みあとは明瞭で、テープやペンキマークも若干ある。
難しい倒木(筆者勝手に命名)。70Lザックでくぐれるかなと挑戦してみた。這うのではなく、横倒れの姿勢で通過することができた。笹が出ると下山も終盤だがまだ結構歩く。長い。
難しい倒木(筆者勝手に命名)。70Lザックでくぐれるかなと挑戦してみた。這うのではなく、横倒れの姿勢で通過することができた。笹が出ると下山も終盤だがまだ結構歩く。長い。
難しい倒木を過ぎると笹がちになる。踏み跡が笹薮だが土の90度の斜面(距離は1歩半くらい)があったり、油断大敵。そして、昨年見なかった倒木帯を発見した。雪崩のせいか。
難しい倒木を過ぎると笹がちになる。踏み跡が笹薮だが土の90度の斜面(距離は1歩半くらい)があったり、油断大敵。そして、昨年見なかった倒木帯を発見した。雪崩のせいか。
そして、倒木帯の向こうに、7番標識があるではないか。とほほ、あの倒木を越えていくのか。
そして、倒木帯の向こうに、7番標識があるではないか。とほほ、あの倒木を越えていくのか。
でも行くしかない。優しい(易しい)ところを選んで縫っていった。
でも行くしかない。優しい(易しい)ところを選んで縫っていった。
登りのルートファインディングが少し難しくなった。写真中央から右上に抜けていく感じ。
登りのルートファインディングが少し難しくなった。写真中央から右上に抜けていく感じ。
着いた。たぶんこれで死なないですむ。
1
着いた。たぶんこれで死なないですむ。
恒例により、風穴へ少しだけ登り返して、苔に心を和ませて下山。
恒例により、風穴へ少しだけ登り返して、苔に心を和ませて下山。
岳沢登山道には、去年なかった倒木があり、段が切ってあって感心した。切り離して間を通れるようにしたら、上部の倒木がずれ落ちる危険がある。
岳沢登山道には、去年なかった倒木があり、段が切ってあって感心した。切り離して間を通れるようにしたら、上部の倒木がずれ落ちる危険がある。
花を見る余裕が出てきた。しかし、昨年に比べると足取りははるかに重い。
花を見る余裕が出てきた。しかし、昨年に比べると足取りははるかに重い。
登山口までの道が長かった。
登山口までの道が長かった。
最後に、流れの水を一口飲んで、元気をいただき、登山口に無事到着。
1
最後に、流れの水を一口飲んで、元気をいただき、登山口に無事到着。
穂高の神様。無事の下山を感謝いたします。いつもの場所でザックを降ろして、長い間手を合わせた。雨が降り始めた。
2
穂高の神様。無事の下山を感謝いたします。いつもの場所でザックを降ろして、長い間手を合わせた。雨が降り始めた。

装備

備考 ■登はん関係
アイゼン、ピッケル(北尾根雪渓用)
登はん道具一式、(ハーネス、エイト環、エイト環用に安全環つきカラビナ、ワイヤゲートカラビナ3個、ダイニーマスリング3個、予備スリング1個、ロープ30m
以上は今回は運よく出番なし。ハーネス未装着で縦走しましたが。途中でセルフビレイする事態も起き得るので、登はん要素のあるところでは身につけるべきだったかとも考えています。

■服装
下着上下、長袖シャツ(ミドルレイヤー)、パンツ、靴下が基本
ヘルメット、ゴム引き手袋(商品名タフレッド、摩擦感が気に入っていますが、脱げる可能性は否定できませんので要注意です)、タオル(帽子代わりに頭に巻きました。額の汗が目に落ちるのを防ぎます。ヘルメットをかぶっているときにも快適でした)

■ビバークセット
ツエルト、シュラフカバー、ウレタンマット(尻ー肩の長さに切断)雨具上下
目だし帽、ミトン、オーバーグローブ、ダウンジャケット&パンツ、サンダル
サンダルはcrocsやAmoji型の軽量で、やや大型のものを使用しました。着替え、休憩時(実はビバーク中も)に積極使用し、時間短縮と靴ずれ予防に大変重宝しました。
ダウンとグローブはドライバッグに収納。

■ファーストエイド
日焼け止め、サージカルテープ(靴擦れ予防、爪の保護)、絆創膏、ロキソニン(鎮痛剤)、テーピングテープ、サランラップ(靴ずれ用)
靴ずれ危険箇所、爪傷め危険箇所をあらかじめサージカルテープで保護しました。

■食料関係
アルコールランプ、ライター、ステンレスカップ、インスタントコーヒー、アルミ箔、もち焼き網、天ぷらガード(アルコールランプを天ぷらガードで囲み、もち焼き網を載せてごとくの代わりとします。お湯はカップに入れてアルミ箔でふたをして沸かします)しかし、今回はお湯は沸かさず。
行動食兼非常食 アミノサプリ、ミックスナッツ+ドライフルーツ、ようかん、レモン飴、マヨネーズ、黒砂糖、おにぎり(自作、酢飯、保存可)、(結局レモン飴、アミノサプリとおにぎり以外はほとんど手をつけず)
水ペットボトル4L(横尾でフル充填、下山まで補給なし)
北穂小屋でポカリスエット500ml(すぐに飲みきりました)


■下山後の着替え(下着、ショートパンツ+長袖Tシャツ)ドライバッグに収納

■スマホGPS、地図、コンパス、デジカメ、ヘッドランプ2個、予備電池、ティッシュペーパー、ジップロック数枚、ビニール袋数枚



感想

2015年の5連休、穂高三昧の惨敗を受けての再挑戦となるが、前半を成功した格好だ。一応台風の接近を嫌っての中止だが、好天でも体力の限界だった可能性が高い。

■スタートダッシュから体調不良まで
台風接近が気になるところだが、初日の上高地はまだ見事な晴天だった。カーテン越しに大正池や焼岳、穂高がきれいに見えた。夜行バスが上高地高速バスターミナルに到着すると、直ちにザックを担いで歩き出した。登山届けは退出済みだし、身支度はもう少し先ですればいい。冷たい空気が心地いい

河童橋で穂高の神様に縦走の安全を祈願し、元気に歩き出すと、程なくして朝日に輝く明神岳5峰が樹林越しに目に入り、何度も写真を撮ってしまった。特に明神館の少し手前辺りがいい。前衛峰の尖峰P2263を擁する姿が堂々としている。いつか登山を引退したら、日帰り上高地で明神と前穂だけ見てうろうろしながらピクニック(お酒とコーヒーも)するだけでもいいなと考えながら、先を急いだ。

徳沢を過ぎると、主役が明神から前穂に変わり、東壁がその険しい表情をあらわにし、決して取り付くことはないのであるが、どきどきしてくる。

歩行方向には横尾尾根。上高地通いを始めたころにはその美しい緑の尾根に、上高地から山に入ってきたことを実感してきた。更にこの2年ほどは、積雪期に歩きたい憧れの尾根の存在になった。2017年春、末端のみながらようやく尾根の上に立てたことをうれしく思い出しながら、横尾に到着した。横尾で身支度し、気合を入れなおしてまず涸沢を目指した。

屏風岩と横尾本谷の壮大な様子にいつものことながら感動しつつ、本谷橋を渡り、胸突き八丁に入った。紅葉前、連休前の平日なので、渋滞なし。登りに多少ふうふう言いながらも、案外いいペースで歩け、結局涸沢の分岐点到着は10時過ぎだ。ここまでは2015年とほぼ同様だった。

ところがここからばったりとペースが落ち、北穂の一般ルートでは靴を脱ぐ休憩を取らなければならないほどに疲弊した。さらに一般ルートから外れて北穂高沢のトラバースに入ったとたん、気分が悪くなり、トラバース途中の平たくて大きな岩の上で再び裸足になって座り込んでしまった。今年はここまでか。とはいえ、今日上高地に戻ることはもうできない。多少気分が良くなったら北穂東稜だけでも登ってこようと、体調の回復を待った。

なお、靴脱ぎ休憩は今回の戦術で、なるべく足を蒸らし続けないで、靴擦れの予防を図っている。

ルートから外れて休んでいる自分を怪訝な目で見る登山者を何人も見送り、南稜ルートの鎖やはしごでの彼らの奮闘に2015年の自分(夜にあそこで道迷いした)を重ねながら体調の回復を待った。本調子とはいえないものの、吐き気はおさまったので、登山を継続した。今振り返れば軽い高度障害にかかっていたのだと思う。

■東稜は通過後が本番
今回の縦走では楽をして通過することを基本方針とし、道草や、あえて難しめのルートを取ることは控えることにしていた。東稜も、余裕があれば下方のP2668まで降り、まさにゴジラの背びれのような岩板が並んでいるところを間近で撮影したかった。だが、吐き気こそおさまったものの、完全にのろのろペースになっている自分には、そこまで遊ぶ元気もなく、取り付きやすい支尾根から東稜に乗っかり、巻けるところは適当に巻きながら岩稜を歩き、ゴジラの背末端の懸垂下降点をクライムダウンした。

疲弊しながらも、今年は天候のよさが後押ししてくれている。青空の下、穂高の象徴とも称されている北尾根の姿を眺め、常念の均整の取れた山容にうっとりとし、時々雲から顔を出す槍ヶ岳にどきどきした。景色を楽しみながらの東稜登はんは心地よい。2015年のときは雨+ガスだった。目の前の岩だけ見て登はんしていたら、気がついたら懸垂下降点だったというあっけなさ。しかも東稜のコルを過ぎたら、もう自分がたどった岩稜は視界に消えていたのだから。

東稜は、実は体のきつさでは、東稜自体よりもコルから山小屋までの距離が長い。ルートの取り方によっては、完全なロッククライミングになる。しかもこの登はんが済んだらら小屋だろうと思って頑張ったところにまた壁があるという具合で登山者を鍛えにかかってくる。こんなときには、自分がたどってきた稜線の峻険さを顧みて達成感を楽しんだり、あるいはその稜線がどんどん下になる様子を見ることで、自分は確かに頂上に近づいているという進歩の様子を確かめられるのはありがたい。

ゴジラの背、前穂北尾根、槍ヶ岳、常念、表銀座といった景色を眺めて疲れを癒しつつ、北穂小屋に到着した時刻は2015年とほぼ同じ午後5時ごろだった。2015年は無人の雨のテラスだったが、今年は、筆者が東稜を攀じているのを見ていたという登山者の方の祝福を受けた。恥ずかしいが、疲れが吹き飛ぶ瞬間でもある。お天気と会話は大切なエネルギーだ。

小屋に着いたころには、槍とせめぎあっていた雲も晴れ、大キレットから裏銀座まで、南は富士山、南アルプス、八ヶ岳まで臨むことができた。特に夕日で常念に映った大キレットの巨大な影には驚かされた。

本来テント場の手続きを済ませたら、すぐにテント場へ移動して荷を解きたかったが、できなかった。理由はトイレである。トイレは小屋にある。テント場は小屋から徒歩20分(やや大げさだが、疲れていると、テント場からの登りはそのくらいはかかるのではないか)。出るものがあるなら出してからというのは人情だ。日没とともに下がる気温に、ダウンジャケットを出しながら「タイミング」を待ち、何とか用事を足してテント場まで下りたときには暗くなっていた。テント場には自分のほかにテントが4張りほどあったようだ。一般道でおしゃべりをした方もテント泊のはずだが、戸締り後だったので会えなかった。

■星空のビバーク
昨年は雨の中3000mでのツエルト泊に怖気づき、無理に涸沢まで夜間下山して体調を崩してしまったが、今年は好天だった。ビバークには絶好の天候だ。天の川が寝室の天蓋となった。今年始めて使うウレタンマットもホームセンター調達の安物をさらに背中に合わせて切った粗末な物ながら快適で、地面のでこぼこを吸収してくれた。風もほとんどなく、テント・シュラフなしでも、ダウン上下に雨具、そしてシュラフカバーとツエルトだけでも、いくらか暖かいと感じるほどの快適なビバークだった。ツエルトのかぶり方だけは要検討であるが。

眠れずにツエルトをめくると、空一面に無数の星が広がり、天の川のところでそれがひときわ濃くなっている。全天を星が埋め尽くしていると感じたのは、穂高通いを始めてから初めての、久しぶりの経験だった。今年は星を楽しむために眼鏡(近視用)を用意したのだが、眼鏡をかけても劇的な変化がなかったことには少々拍子抜けで、かつ驚いた。次回は低倍率の小型の双眼鏡を持参しようか。疲労と照明のまぶしさを嫌い、星座早見盤は出さずじまいだった。

縦走2日目は、いつものように眠ったり起きたりしつつやってきた。4時前に細い三日月の月明かりの中、荷物をザックに雑に放り込むと、4時過ぎに出発した。大型ザックを使ったゆとりあるパッキングは、こういうときには重宝した。
出発の際、ヘルメットについている、ヘッドレンプのベルトを固定するゴムひもが外れて飛んでいってしまった。幸い本体を固定するゴムは健在だったのでそのまま使用した。

■北尾根へ
1日目のお昼ごろには北穂だけでリタイアしようと考えていたのに、一晩ビバークして筋肉の疲れがいくらか取れたら、予定通り前穂北尾根を目指す気になった。疲労回復は重要だ。

朝焼けをバックに北穂東稜を見ていると、なるほどこれはゴジラに見えると納得。しかし目はついつい北尾根へ向いてしまう。奥穂・涸沢がちょうど北穂南稜の尾根の陰に隠れたところで日の出となり、モルゲンローとは確かめられなかったが。

北穂南稜ルートをはしご場、鎖場を通過し、2015年の道迷いを思い出す。はしごの下は×印だらけなので、このはしごは廃道で道を迷ったのではないかと本気で考えたのだ。ご丁寧にはしご以外の方角に少しだけ踏み跡もあり、ヘッドランプ便りで踏み跡をたどり、はしごを昇り降りして、ずいぶんと苦戦を強いられた。むろん、地図を頭に入れておくか、さっさと地図を出せばこんなことおきなかったのだが。

はしごの後に続く鎖場はホールドが取りにくく結構手ごわかった。一般道の鎖場は、鎖がなくても通れる程度のホールドか確保されているのが普通だが、ここは手順を考えながら降りないと、どうしても鎖頼りのごぼう抜き降り(登り)になってしまう。

しかし何とか鎖場も通過し、昨日の東稜の取り付き地点まで戻れば涸沢まではあと一息だ。途中すれ違った登山者の方と談笑しながらも涸沢に到着したのは7時半だった。涸沢ヒュッテ裏で行動食中心の簡単な朝食を済ませ、ピッケルをザックから出し、アイゼンをはけるように支度した。よっしゃと気合を入れて、8時半に涸沢ヒュッテ裏、ヘリポートを通過して、北尾根は56のコルへ向かった。

今回の縦走で一番気にしていた56のコルへ向かう雪渓は、涸沢の緩斜面にのみ残っていた。おかげでアイゼンもピッケルも結果的には必要としなかった。雪は表面だけがいい塩梅に融けて登山靴を受け入れる。足を取られるほど腐ってはいなかった。また小さいこぶがステップのようになっているので、足の置き場所に気をつけて、乱暴に雪面を蹴らないようにそっと歩けば、ほとんど滑ることなく前進した。終盤雪面というよりも氷の板と化していた部分(一見すると融けて腐っていると見まがう)が少し気になっただけで、コルを見上げる斜面の下部まで無事到着した。もう少し雪渓情報を集めておけばアイゼンとピッケルは自宅に置いてくることができた。

さて、雪渓を通過したところで、そこから56のコルがよく見えるのだが、よく見えてからがまだまだ歩かされる。足許はがれていて、ルートを間違えると歩きにくい。幸いガレ地の6峰側草つきの近くをジグザグに歩くように踏み跡がある。ガレ地の踏み跡だし、バリエーションルートだからザイテングラードのように明瞭ではないが、それでも不明瞭なところはケルンが積んであったり、木の枝が立ててあったりと、後続者のために目印も残されている。

昨日からの縦走なので早くもくたびれていた。すぐに足が止まる。足を止めて振り返ると北穂涸沢方面の、緑と灰白色のコントラストが美しく壮大だ。紅葉は本格的に始まっていなくても、この景色を見るだけでも豊かな気持ちになる。

一方56のコル方面を見ると、日差しは高いのだけれども、急斜面に平行に差すようになっていて、まるでもう夕方になったかのようだ。すでに色づいている草やブルーベリーの潅木に弱弱しく当たる日差しを見ていると、晩秋のような錯覚を覚える。涸沢ヒュッテ周辺の賑やかさ逃げるように素通りして一人でここへ登ってくると寂寞とした気持ちになるのだが、岩稜が待っている。

何度か踏み跡を見失ってガレ地を崩しながらようやく56のコルに着いたのが10時15分だった。涸沢から約2時間、雪渓の末端から約1時間半かかった。もう少しすいすい上がるかと思ったが、疲れには勝てなかった。昨年はざあざあぶりの雨の中、奥又白谷で雨で増水した川のためパノラマコースを通過できず、引き返して横尾から涸沢に入りなおしたときよりは楽に56のコルに到着すると思っていいたが、今回のほうが辛かった。一泊しているとはいえ前日に北穂東稜をやって当日北穂テン場から歩くと、奥又白谷から引き返すより辛いということだろうか。

下山後比べてみると昨年は涸沢通過を午後1時半、今回の雪渓末端に相当する箇所(昨年は雪渓なし)の通過が午後2時10分、56のコル到着が4時半であった。実は、今年は昨年よりは終盤のがれ地の登りを30分も短く歩いている。ただし、というか速く歩いたから当然なのかもしれないが、今年のほうが疲労感があった。

もう足が止まってしまい、素通りするつもりでいた56のコルで結局小休止し、給水などしたうえで5峰に挑んだ。

目下の関心事は、明神2峰を明るいうちに通過できるかということだ。昨年は6時出発で前穂山頂にお昼ごろ、明神4峰に午後5時ごろ(縦走中はそう思っていたが、下山後調べたら6時だった)到着だった。4時間遅れのスタートだから、単純計算だと前穂山頂午後4時だから、ビバーク地のことを考えると前穂から先に進めない。しかし明日の天候が台風接近で悪化するだろうことを考えると、雨が降る前にクライミング要素が強い明神2峰は通過しておきたい。昨年は前穂北尾根4峰と明神2峰のルートファインディングとに長い時間を費やしているので、この部分は今回速く通過できるから、何とか明神2峰を日が残っているうちに通過できるだろう。

■北尾根は厳しかった
昨年経験したルートだから、あの時こうすればよかったということを実行すれば今年は楽に通過できると考えていたが、甘かった。

まず5峰から北尾根の洗礼を受けた。5峰の登はんは難しくないが、すたすた歩けるわけでもない。そして距離が案外と長い。岩稜二日目の体には、登っても登ってもピークにたどり着けない状況は堪えた。ちょうど、一日目の北穂東稜の核心部分を通過してから小屋への登りの部分と状況が似ていた。

救いは北穂東稜を歩いたときと同様、展望の素晴らしさだった。特に振り返ってぐんぐん高度が稼げていることを確認すると、気持ちが前向きになれる。奥又白側の景色、そして北穂東稜から東稜越しに見える槍ヶ岳の景色の壮大さを見ていると、しんどい山歩きが報われ、一服の清涼剤になる。ただ、景色を見る回数が多いということは、清涼剤がたくさん必要なほど疲れてきたということなのだが。

5峰の頂上稜線に出ても、ひと歩きしなければならない。テントサイトもいくつかある。初日に一気に5峰まで登ってビバークという1泊2日のコースもありえるだろう。そのテントサイトを通過し、4峰への下りの直前に小ピークがあって、ここが5峰の最高点だ。奥又白側の巻き道を使って楽に登れるかのようだが、その巻き道が崩落しかかっていていやらしい。稜線越しの直登とクライムダウンが、疲れるが安全。

取り付きの前に4峰を望む。前回は3峰よりもむしろ4峰で苦戦した。しかし遠めに見る限り、威圧感は昨年感じたほどではなかった。北穂や涸沢から見える北尾根は板を並べたように見えるが、北尾根5峰から望む4峰はきれいなピラミッドピークで美しい。その均整の取れた山容に少々見とれると同時に、登はんルートについてあたりをつけた。大岩の下まで稜線越しに登って奥又白側に大きく巻くとホールドの多いルートがあり、ホールドに導かれるようにして稜線沿いに出れば、後はなんとなく山頂の石舞台だ。

5峰山頂から4峰の取り付きまではがけっぷちのトラバースを根気よく下った。遠目には大変そうだが、踏み跡がしっかりしているので、油断さえしなければ、距離はそこそこあるが一般道なみだ。去年はなかなか4峰に取り付けずに焦ったが、今年は疲れている割にはすぐに4峰の根元について不思議に感じた。さて、4峰を登ろう。比較的易しい稜線の登はんを大岩の根元まで続けると、なんとなく巻き道のようなルートが見える。巻くとすぐに右手に凹角気味のルートが見える。北尾根に来る登山者ならば、たいていは自分より技術があるから、この凹核気味を簡単に登ってしまえるだろう。しかし自分は昨年ここでルートが取れずに1時間ほど苦戦した。昨年の経験を活かしもう少し楽に上れる箇所を探してさらに巻いた。ところが今年は巻きすぎて逆にがれがれの難しい急斜面の下に出てしまった。歩きやすいところを少しずつ高さを稼ぎながら、稜線側に歩きつつ、昨年見つけておいた楽なルートを探った。何とかそれらしいところを発見。やはり巻きすぎていたか。一安心してさらに高度を稼いだ。

このあと少し涸沢側に回って怖さと戦いながらこつこつ登り、筆者が石舞台と呼んでいる4峰の最高点に到達した。昨年よりは時間短縮に成功したと思うが、すいすいというわけには行かない。当然ながら北尾根は厳しかった。

下山後調べたところ、2016年は4峰に7時50分から9時30分までかけていた。今回は11時50分から12時50分と確かに序盤の巻き道のとり方の分だけ時短に成功していた。

4峰山頂に立つと、恐ろしい3峰が姿を現した。

一番優しい表情を示している尾根沿いの壁さえ、中途で有名な2個のチムニーの下を巨人の顔のような大岩が登はんをさえぎっている。左の奥又白側は底さえ知れない垂直の壁を擁している東壁が構えている。そこに雲さえかかっていて、懸崖の名をほしいままにしている。涸沢側は涸沢カールに面した明るく優しい顔つきの壁だが、実はこちらも垂直の壁なのだ。

登はんルートは4峰と同様で、モアイのような巨岩の下まで直登した後に一旦奥又白側に巻き、側面から正面側へ巻くようにしていわゆるチムニーの根元へ向かって攀じ、チムニーを通過してさらに高度を稼ぐ。今年も昨年同様チョックストーンを噛む左のチムニーを通過することとした。

極端に難しいわけではないが取り付きから見上げる3峰は垂直の壁だ。遭難よけのおまじないのごみ拾い(割れたビン、電池、ペットボトル)を済ませて、イワツメクサさんに手を合わせて加護を求め、登はんを開始した。

難しいところもあったが、チムニーまでは比較的順調だったと思う。左のチムニーをくぐると右に折れてもうひとつチョックストーンをくぐる。ところがここからが苦戦だった。昨年の記録によれば、右に折れてチョックストーンをくぐった直後に現れる凹角は使っていない模様(凹角は苦手なので避けたはず)そのあと、昨年の記録では、なかなかホールドを取れなかったという難所を通過後、楽にピークを踏んだようなのだが、その難所が見つからなかったのだ。

結局完全に涸沢側に回って岩壁を登はんせざるを得なくなった。今回の登はんでもっとも高度感の高かったところだ。しかも随所にざれた斜面がある。滑落し始めたらあっという間に墜落だ。できればそういうところは通過したくない。

また70Lのザックが露岩に接触して体がホールドから引き剥がされるような力がかかる場所もあり、ルートファインディングに苦労した。しばしばセミ(岩壁に爪先立ちでしがみついた状態)になりかけたが、セミになると手足の指先のスタミナを大きく消耗し、墜落というパターンが多いので、行けないと思ったら早めに安全地帯まで引き返し、登りなおすということを繰り返した。途中、筆者が偏愛するイワツメクサさんに手を合わせながら、、、。

写真を撮る余裕もないほどの悪戦苦闘の結果、どうにか3峰のピークに立つことができた。去年風が強くて立つことを見送った岩の尖峰などは見つけられず、ルートファインディングに失敗した登はんとなってしまった。

今年は3峰取り付きから登頂までが13時10分から14時50分。昨年は9時50分から11時30分だから、結果的には登はん時間は同じだったが、北尾根に厳しく咎められたかのような登はんだったと思う。

3峰がいつまでも続くように見える次のピークは実は2峰だ。ここまで来るとただ登ればいいと思ってしまうので、2峰は比較的不遇なピークだと思う。最後の懸垂下降を除けば。

まっすぐに2峰ピークをたどり、岩だらけで歩きにくい山頂を過ぎるとすぐに懸垂下降の壁がある。覗き込むとフットホールドは壁沿いに容易に取れる見て降りはじめたが、中ほどで行き詰まり登り返した。再度観察してみると、奥又白側のリッジ気味の部分はフットホールドが若干多そうだということで下降ルートを変更し、最後は股関節の柔軟さと、登山靴の摩擦に頼って、何とかノーロープの下降に成功した。さあ、山頂を目指そう。

山頂までの登りは2峰と同程度の難度で、かつ時間も短いと考えていたのだが、闇雲に登れるほどでもなく、若干のルートファインディングと、また案外と手数を要した。気がつくと奥穂方面は雲が広がっており、奥穂自身も飲み込まれようとしていた。2016年の明神主稜線で、最後は何も見えないガスの中を泣きながら前穂を目指したときのことを思い出した。ガスにまかれながらの登はんはあまりうれしくない。

また前穂から明神主峰まで近道するには、薄い巻き道の踏み跡をたどってを進まなければならない。従ってガスが出たらルートファインディングが極端に難しくなる。早く核心部分の2峰を通過しなければという焦りが出る。しかし、その焦燥を見抜いているかのように、なんと言うことのないはずの山頂直下の岩稜は次々と立ちはだかった。それらを根気よく乗り越え、ようやく山頂の大きなケルンが目に入った。午後3時半、誰もいない前穂高岳3090mに到着した。さあ、明神を目指そう。

■レクイエムと夜間登はん
日没を6時とすると2時間半使える。徹底して巻き道を選べば日が残るうちに2峰を通過することは十分に可能だろう。あわよくば3峰まで進み、落石の心配がない尾根筋でビバークできる。

明神方面を見ると、雲で何も見えない。一瞬ガスの中のルートファインディングを覚悟しかけたが、これは見間違えで、明神方面の稜線は、雲はかかっていたけれども、まだルートは十分に見て取れた。先を急いだ。

前穂から明神岳主峰まで急ぐときには、いくつもある(無数に感じられる)小ピークをすべて巻いて行く。かすかだが、岳沢よりの斜面に踏み跡があり、やや険しいピークの基部を巻くときにはかなり岳沢よりに降りる。明神主稜線3回目で、もう道はわかるだろうと慢心したため自分の記録をよく読まないで来たものだから、途中偽のペンキマーク(きれいな白丸だが、苔だった)で稜線に乗りそうになったり、さらには奥明神沢のコルより手前の小ピーク(ピークのシルエットがバットマンだった)に乗って一部完全に遠回りの稜線ルートに入ってしまったりと、時間がない割には無駄なことをしてしまった。

"ラークリモーザ、ディーズイーラ”、前穂からずっと頭の中でマイブームのモーツァルトのレクイエム(ドラマ「白い巨塔」のラスト、がんで倒れた財前教授が見送られるシーンの音楽というとわかるひとも多いのでは)の旋律が頭の中で流れ続けた。鎮魂曲なのであまり縁起が良くない。

ようやく1峰北側のコルにたどり着いたと思っても、そこからまだ小ピークを二つ三つ越えるのだ。確か絶壁の縁に沿ってたどるざれた踏み跡が主峰の真北の道のはずだ、、、。確かに奥又白側はずいぶん急斜面だが、それほど絶壁の横を歩くわけでもない、、、。と通過したのは奥明神沢のコルであった。ちなみに前穂A沢のコルは奥明神沢のコルから遥かに前穂よりにある。

ちょうど軽くガスが出ていたこともあり、稜線の全体像は捕らえられず、目の前の峰を追うことが目一杯だったひと時だ。ここからひと攀じして明神岳主峰であると思うと大間違え。次の岩稜が現れ、それを攀じると又その先のガスの中に巨大なピークが、、、と振り回された挙句、ようやくざれた絶壁が現れた。レクイエム、頭の中で流れっぱなしであった。

気のせいか、日没間近なせいか、ざれ地のコルは昨年よりやせていたようにも見えた。日のあるうち、ガスがひどくならないうちに通過できてよかった。イワギキョウが去年と同じ場所に咲いていたことがほほえましかった。

ようやく明神岳主峰に到着した。まだサングラスをかけているからでもあるが、薄暗くなってきたのがわかる。おまけにぽつり、ぽつりと雨が落ちてきた。もしも本降りになるのなら、その前に2峰の北壁だけは通過したい。急いで12のコルに下りるとザックを下ろしてサングラスをしまい、核心部分の登はんに備えた。有難いことに、雨のほうはほんの気まぐれだったようで、降り続く気配はない。しかし奥穂を厚い雲が飲み込もうとしている。降る前、暗くなる前に難しいところをやってしまいたいが、そのあとのこともあり、ヘッドランプをヘルメットに装着した。

2峰北壁は、このテラス気味のところに体を乗せて、体重移動であそこに足をかける、、、。昨年のムーブを思い出す。復習ということで、まず空身でやってみた。できた。さて戻ろうというところで戻れなくなった。簡単に戻れれば、昨年懸垂下降などしていないわけだ。時間が経過する。空身に任せて、テラスに抱きついてぶら下がるようにして戻ろうとした。岩がわずかにごそっと動いた。冷や汗がどっと出た。この岩浮いているのか?次はないかもしれない。

何とかスタートラインまで戻り、今度は70Lザック、約20kgの荷を背負っての通過である。
テラス気味のところに体を乗せて体重移動させようとしたところ、ザックがテラス直上の岩の出っ張りにぶつかり、体が押し出されてしまい乗ることができない。そうしているうちに急速に暗くなってきた。最悪空身で上がり、荷物はロープで引き上げることも考え出した。だが、その前にあのやや遠い岩をフットホールドにしてみよう、足を懸命に伸ばし、岩に乗ったところ、テラスにしがみついた両腕を支点として体が軽く振れて、当初狙っていた岩にフットホールドを取ることができた。助かった。

目的のフットホールドを取って、立ち上がったときには、もう完全に暗くなり、ヘッドランプ無しでは前進が不可能になった。テラスの上に立ち上がっているが、3点保持は必要で、まだ完全な安全地帯ではない。奥又白側に回れば、弱点とも言うべきホールドの豊富な凹角があるのだが、夜間のせいかよくわからない。固定ロープも見えるが登りやすくも感じない。登りやすい箇所を探して、イメージしていたよりもさらに奥又白側を巻き、2峰山頂の背後から回り込むようにして登はんした。登っているときには予定よりもずいぶん巻いたと感じていたが、下山してから考えると、これが昨年登はんしたルートのようにも思える。

さて、もう一息攀じて、3峰の頂上稜線をゴールにしよう。2峰から3峰北壁までは軽い縦走路だが、3峰北壁は若干登はんになる。2峰北壁から見ると幾分易しい。しかし完全にヘッドランプ頼りだと、つかむ岩が浮いていそうかどうかを見て判断することが難しいので、慎重さが要求され、実際よりも険しく感じた。特にひと攀じした後で、びっくりするようなナイフリッジを通過させられた(ような気がした)時にはどきどきした。とはいえ過去にやっていて、ルートの程度を知っているということと、日ごろの訓練で夜間登はん、縦走をやって、夜に移動することへの免疫をつけておいたのが幸いし、無事3峰頂上稜線に立つことができた。

■月と天の川
ひょうたん池にテントの明かりが見えた。自分もビバーク地を決めよう。3峰頂上はちょっとした平坦な稜線だから、寝る場所もあるだろう。

3峰の真ん中辺りにやや傾斜しているがあまりがれていない箇所を発見し、2晩目のビバーク地(1晩目はテントサイトだからビバークではないか)とした。昨晩同様、ずいぶんと星が見えてきた。風は昨晩同様弱い。台風が接近していることを忘れてしまいそうだ。ダウン上下、雨具上下を着て、シュラフカバーをかぶると、登山靴を脱いでサンダル履き(今回は2泊とも登山靴を脱いでのビバーク。これも足蒸れに伴う靴擦れの予防策)でいても、いくらか暖かく感じた。何故だか手のひらが手袋をはめてもひんやりしていて悩まされたのだが。ミトンタイプのオーバーグローブは作業性は悪く、ツエルトのまくれを直すときなどに脱がねばならないせいだったかかも知れない。

やや傾斜しているビバーク地なので体が銀マットから徐々にずり落ちるため、そのたびに体を元の位置に上げた。

天の川、ひょうたん池のテントの明かり、星明りに浮かぶ真っ黒な奥穂から西穂の峰を眺めたり、眠ったり。ビバーク中にはいろいろ考え事をしたいと思いながら登山するのだが、実際にビバークすると、星あかりや岩稜のシルエットを美しいと思うけれども頭の中身は空っぽになることが多いようだ。

月の出は明け方近い。登山前からこれは調べておいて、月明かりで星が邪魔されずにすむことを確認して、期待通りに、満天の星空を楽しんだのだが、今回はさらに貴重な経験をした。月と天の川を同時に堪能することができたのだ。登ってきた月が細い新月であったために、星明りが月明かりに負けなかったことによる。方角の関係で天の川を渡る三日月の船は空想の世界で楽しむにとどまったのだが、そうした空想をさせるような不思議な夜空だった。

夜半は静かなビバークだったが、明け方近くなって風が次第に強くなり、ツエルトがはためいて落ち着かなくなってきた。忘れかけていた台風の接近を思い出した。3日目は岳沢の予定だったが、もしも下山中に雨が降りそうだったら、岳沢には登り返さずに上高地へ帰ろう。

■明神岳5峰へ
最終的に起床したのは5時だった。山としては朝寝坊だが、今日は登り返しても岳沢までだから時間は十分にある。

腕と脚の筋肉痛に加えて、手指の関節がひりひりする。半日岩をつかみ続けてきたのだから、無理も無い。

心配された天気のほうはまだもってくれた。去年は4峰でざあざあぶりのビバークだったことを考えると、多少の風はあっても天国だった。実際星空も夜の山の景色も天国のような眺めだった。

朝の景色もすばらしかった。目覚めとともに穂高の峰々が目に入る。松本、南アルプスの方角にはすばらしい雲海が広がった。その雲海と空の境に最初の朝日が地平線をなめる様に広がっていくのを眺めた。

台風の接近は富士山を飲み込むようにしている黒雲からも見て取れた。やはり今日は下山か。体力切れの口実を見つけつつ、出発した。ひと歩きでテントサイトを発見してがっかり。ここならば、ずり落ちに悩まされずに眠ることができただろう。

まずは3峰南壁のクライムダウンだ。草付きのルンゼ気味をクライムダンすれば比較的簡単に降りられるはずだった。昨年は日没間際にそのルートからさっさと降りている。それが草つきに少々怖気づいてしまい、今回は草付きの隣のルートから降りたために結局回り込まざるを得なくなり、時間を食った。ちなみに南壁の正面は完全な壁で、筆者の手には負えない。悪戦苦闘の末、3峰南壁の基部に到着した。

ここから5峰までは尾根筋の快適な縦走だ。昨年のように雨も降っていない、あまりに深いガスで方角がわからないこともない。行くべき道ははっきりしている。美しい尾根筋をたどる。昨年の雨のビバーク地だった4峰ピークのテントサイトを過ぎ、根気よく下り、登り返し、5峰北壁の岩壁基部にそった踏み跡を少し巻くと、5峰のピッケルが目に飛び込んできた。ここで下山前の最後の大休止だ。ビバークのまま着込んでいた雨具、ダウンを脱いで薄着になった。

下山を急ぐ前に景色を楽しんだ。明神館、上高地バスターミナル、大正池、奥穂から西穂。奥穂方面の高い稜線の先端は、すでに上から降りてきた雲にかじられるように隠れている。さあ、降りよう。

■下山
5峰からはまずガレ気味のの斜面を下る。踏み跡が一応残っているが、下りは結構面倒くさい。しかも筆者は何度か踏み跡からそれたようで、岩雪崩を起こさないか緊張しながら通過した場所が何度かあった。昨年に比べて岩の状態が変わったのではないかと勝手に思ったが、実際にはルートファインディングの失敗ではないか。

がれた急斜面を降りたところで去年はドラマがあった。樹林帯への道が見つけられずに2時間ほどやぶをさまよったのだ。あの時はコケモモの酸味に癒されつつ、最後はGPSの軌跡を元に正しい道を発見したことを思い出した。

緩斜面を暫くいくと、また斜度が上がる箇所があり、手前にテントサイトなどがある。昨年の縦走ではガスが深かったため、その斜度の上がっている部分をがけと錯覚し、また樹林帯への道が不明瞭であると勝手に思い込んでいたために、ハイマツ帯の薄い踏み跡に何度も突入しては跳ね返されたのだった。正しいルートに戻ってからわかったことは、ハイマツ帯の先は断崖だったということだ。そのときにはぞっとしたものだ。

でも今年は惑わされない。天候もいいし、踏み跡は明瞭であることがわかっている。左手にはP2263の尖峰さえ見えた。そちらに踏みあとはないから道迷いの心配もない。踏み跡を愚直にたどれば樹林帯の入り口には自動的に到着する。あのダケカンバの茂り具合、なんとなく記憶があるではないか。樹林帯の入り口に到着した。

そして3日目のクライマックス、明神南西尾根の地味で長く苦しい下降が始まった。

南西尾根下降は全部で4部に分かれると考えている。第1部は、固定ロープのない泥付きの岩のクライムダウンが続く。途中ダケカンバや巨大な柱状節理を鑑賞できる。

第2部はナイフリッジの部分から始まる固定ロープが続く急な下降地帯。ここも泥付きの岩のクライムダウンが何箇所もある。岩場っぽい部分を過ぎ、土の急斜面にも暫く固定ロープが続く。ちなみに、これらの固定ロープは積雪期のガイド用ではないかと思っているが、積雪期であれば雪の下になりそうな気もするので、真相はよくわからない。眺望が楽しめるのは、この第2部のナイフリッジが最後で、紅葉の時期には岳沢の黄葉を楽しむことができる。

第3部は樹林帯の中の少し開けた土の斜面だ。距離は第3部が1番長く感じられる。ルートは明瞭だが斜度が高い。湿っていると滑りやすいし、木の根が多く露出していて、登山道のように駆け下りることは普通はできない。それどころか四つばいを強いられるところが多い。似たような地形が何度も出てきて、永遠に歩くのではないかとべそをかくところだ。

第4部は笹薮がちの土の斜面だ。筆者が勝手に「難しい倒木」と名づけている箇所辺りから始まる。この倒木の下の空間を匍匐前進する必要があり、しかもザックが引っかかるので、体を横倒しにしてに匍匐前進しなければならないので、難しい倒木と呼ぶことにしたのだ。難しい倒木を過ぎると笹薮がちになるが、踏みあとはたどることができる。ただし、泥付きの垂直に近い斜面があったりと息を抜けない部分も通過した。

笹薮の難しいところを通過すると、岳沢側に倒木帯が見えた。昨年はなかったものだ。昨冬は積雪が多かったことの影響だろうと眺めながら、7番標識を探したところ、程なく見つかった。よりによって倒木帯の先に。最後の最後に、あの倒木だらけの中を進まなければならないのか。がっかりしながら近づいた。しかし最後の最後で南西明神尾根は親切で、まともに倒木群を乗り越えなくてもうまく歩けるようなルートがあった。

7番標識に到着した。おそらく、これで死なないだろう。恒例の岳沢天然クーラー、風穴詣でを済ませ、再び通った7番標識前で出会った女性登山者(岳沢テン泊とのこと)と雑談を楽しんだ後、登山口を目指した。昨年はここで、どこにそんな力が残っているのだろうと驚くほどのラストスパートが利いたものだが、今年はそれなりにのろのろペースで岳沢登山口を通過。生還を実感した。

その後はいつものように上高地までひと歩きだ。ようやくたどり着いた河童橋横の梓川河畔で、穂高の神様に好天下の岩稜歩きと、無事の下山を感謝すると同時に、今後の精進を誓って長い間手を合わせた。

お礼のあとはバスの予約、ネット予約で予約日を変更を試みた。通常帰宅に使っている4時15分の便が取れず、満席を心配したが、何とか3時のバスに席を確保した。

同時に雨が降り始めた。自分の下山を待っていたかのようだった。いつものように小梨平のお風呂へ急ぎ、脱衣所ロッカーに置いた飲み物をあおりながら、湯船へ出たり入ったりを繰り返した。1時間ほど掛けて汗を落とし、縦走の疲れを癒した。

小雨の中小梨平から上高地高速バスターミナルまで歩くと、3時少し前、バスに乗り込んでくつろいだ。








お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1064人

コメント

高度感が伝わります(汗)
takahasisunさん
こんにちは。
ものすごいレコで、読んでいて見ていて臨場感たっぷりでワクワクドキドキしました。
takahasisunさんの山への感謝の気持ちを感じで、自分はまだまだ足りないなぁと思いました。
北穂の池というのが気になります。
普通の人には行くこともできない、見ることさえできない池が存在するんですね。
2017/10/18 13:28
ありがとうございます
Maple19さん、まずは写真だけでも長すぎる(汗)レコを読んで下さってありがとうございます。多少なりとも臨場感をお楽しみいただければうれしいです。

奥穂ー西穂でmaple19さんもお気づきかもしれませんが、バリエーションルートやっていると、一般道も含めて、山に生かされているおかげで無事下山しているという気持ちが強くなってきてしまいました。

さて、北穂池についてです。ヤマレコで検索かけても記録が出てると思いますが、雑誌「山と渓谷」2011年10月号「私だけの北アルプス絶景紅葉」の写真がきれいで、略地図もついてます。その他アプローチの短さと紅葉の美しさではひょうたん池(明神岳)、奥又白池(前穂)もよさげです(行ったことはないのですが)。
2017/10/19 5:28
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から横尾経由槍ヶ岳ピストン!
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
キャンプ等、その他 槍・穂高・乗鞍 [2日]
上高地から涸沢にテント泊で周辺の紅葉景勝地の散策も
利用交通機関: 電車・バス、 タクシー
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
重太郎
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
アルパインクライミング 槍・穂高・乗鞍 [2日]
前穂高北尾根
利用交通機関:
技術レベル
5/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら