八ヶ岳赤岳・真教寺尾根ルート(日帰り)
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 1,541m
- 下り
- 1,525m
コースタイム
- 山行
- 15:32
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 16:05
天候 | くもり/雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■アクセス→中央自動車道小淵沢IC〜車で30分 ■駐車台数→普通車70台(無雪期) ■水場→なし ■登山ポスト→なし(登山計画書と筆記用具なし) ■24時間利用→可能 ■その他→売店とトイレ(冬季閉鎖中) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 登山ポストは美し森展望台の階段前(工事中)にあります。 登山計画書の用紙と筆記用具が設置されていないので事前に準備が必要です。 他にたかね荘分岐にも登山ポスト(登山計画書と筆記用具あり)がありますが、美し森駐車場を利用した方が事故の場合は早い対応が期待できます。 ■水場 地図では、真教寺尾根には水場がありません。 出発時から必要な量を担ぐか、現地の雪で水作りをする方法があります。 日帰りでも2〜3Lあれば問題ありません。 ■美し森駐車場(1,472m) 上記のアクセス欄を参照して下さい。 到着→03月21日(月)→03時50分でしたが駐車台数は6台です。 トイレと売店は冬季閉鎖中です。 別称→美し森無料駐車場と呼ばれます。 ■美し森(1,542m) 美し森駐車場から約20分で美し森に到着です。 通常は美し森駐車場から木製階段を登って展望台へ向かいますが、改修工事(工事期間→05/31まで)で登山口ゲートから約200m進んで迂回路を使用します。 美し森から正面には牛首山〜赤岳が一望できる休憩適地ですが、展望台の売店やトイレは冬季閉鎖中です。 別称→美し森山・美し森展望台と呼ばれます。 ■■たかね荘分岐(1,550m) 美し森から約20分でたかね荘分岐に到着です。 令和4年03月31日でたかね荘は閉所します。 登山者に駐車場を解放してくれていて、雪がなく駐車可能です(下見済み→03/14) 現在は冬季閉鎖中および閉所前で利用できるか問い合わせてみる価値は十分にあります(片道1km・20分の短縮可能) 下山時に部屋に灯りが点いていました。 たかね荘を過ぎると歩きやすい石畳、歩きにくい丸太階段があり一段が15〜20cmの足上げと階段の幅が広すぎて苦痛です。 別称→八ヶ岳美し森ロッジ・美し森ファーム(旧名称)と呼ばれます。 ■羽衣池(1,618m) たかね荘から約25分で羽衣池に到着です。 池と言うより湿地帯になり、ベンチがあり休憩適地です。 看板の左側奥に登山道がありますが、雪に埋もれた木道が何ヶ所も崩落していて危険です。迂回路が右側にありとても安全です。 ■2合目(1,796m) 羽衣池から約50分で2合目に到着です。 羽衣池から3つの道標を過ぎると笹の原になり、スキー場まで緩やかに登ります。 ■リフト山頂駅(1,880m) 羽衣池から約30分でリフト山頂駅に到着です。 登山者もスキー場リフトの利用が可能ですが時間や曜日の確認が必要です(片道3km・120分の短縮可能) 登山道からスキー場への明確な入口が分かりませんが、道標の前のポールの隙間から出入りした足跡があります(写真添付・電気柵ではない) 別称→サンメドウズ清里パノラマリフト山頂駅・清里テラスと呼ばれます。 ■賽の河原(1,900m) リフト山頂駅から約10分で賽の河原に到着です。 開けた平坦地になり、好天時には富士山〜南アルプス連峰が一望できます。 幕営適地になりますが樹林帯の大門沢方面分岐の奥がおすすめです。 ■大門沢方面分岐(1,900m) 賽の河原から約10分で大門沢方面分岐に到着です。 山と高原地図にはありませんが、大門沢を下降して対岸の県界尾根に合流できる下降点です。 当日は踏み跡はありませんが、大門沢の鞍部にある堰堤が目視できます。 堰堤は19基(参考→Google Earth)あり真教寺尾根と県界尾根が繋がり、利用できればとても便利なので無雪期に確認したいと思います。 悪天候や梅雨の時期は、土砂崩れが発生する非常に危険な場所です。 ■3合目(1,989m) 大門沢方面分岐から約35分で3合目に到着です。 笹の原の斜面にある3合目を越えると、南側の景色が開けて正面には牛首山が近づいてきます。 ■天狗岩(2,119m) 3合目から約45分で天狗岩に到着です。 尾根に乗り上げて道標を1つ過ぎて、南斜面の崩落地を北側の樹林帯から巻きます。 好天時には富士山〜南アルプス連峰が一望できます。 ■牛首山(5合目・2,280m) 天狗岩から約40分で牛首山に到着です。 樹林帯で眺望がないですが幕営適地になります。 真教寺尾根ルートの中間点になり、牛首山〜扇山〜2,316mピークに向けてアップダウンを繰り返します。 牛首山までの登山道は融雪した氷に雪が積もり滑りやすく、牛首山からはサラサラの新雪でアイゼンとピッケルは効きにくく、すねラッセルが続きます。 樹林帯の枝を掻き分けて進むので落雪・落氷・落枝が多くなりヘルメットの着用を推奨です。 また膝〜太ももの踏み抜きが多発します。 ■扇山(2,356m) 牛首山から約30分で扇山に到着です。 樹林帯で眺望がないので2,316mピークへ向かいます。 大型テントが設営できる幕営適地になります。 樹林帯から天狗尾根〜真教寺尾根〜赤岳東稜が見えて登攀意欲が湧きます。 ■2,316mピーク(2,316m) 扇山から約35分で2,316mピークに到着です。 大型テントが設営できる幕営適地になります。 真教寺尾根でテント泊する場合は赤岳東稜取付き前の樹林帯(ソロテント3〜4張り・最終テント場)か、2,316mピークのどちらかが山頂に近くておすすめです。 好天時には権現岳〜赤岳まで一望できます。 ■赤岳東稜取付き(2,501m) 2,316mピークから約120分で赤岳東稜取付きに到着です。 樹林帯の中に取付きがあり、赤布が目印になり右側の大門沢のトラバースに踏み跡がありました。 樹林帯の前の権現岳側にソロテント2張り、樹林帯の中にソロテント2張りの幕営適地です。 東稜を下山した登山者と情報を交わし、標高2,600〜2,800mの急斜面の雪が腐り危ないと忠告を受けて、12本爪アイゼンとWアックスで核心部へ向かいます。 ■9合目(2,790m) 赤岳東稜取付きから約100分で9合目に到着です。 疎林帯(2,533m)から徐々に傾斜が増して標高2,660m付近で森林限界を迎えます。 ここから風が強くなり傾斜45〜70度の腐った雪の急斜面を登り、核心部は下部(1つ目)と上部(2つ目)に分かれます。 核心部を下る4人がいてすれ違いができないのでルート工作しながら待機します。 無雪期に歩いていないので不明ですが鎖場・岩場と考えられる場所で、下山した4人はロープ確保していました。 下部(標高2,680〜2,701m)はハイマツ帯になり膝〜腰の踏み抜き多数、アイゼンとピッケルが効かず細いハイマツの枝と岩を掘り出して手がかり足がかりとして登ります。 約10mの岩を乗越して核心部の下部は終了、標高2,700mで高度感がありますが腐った雪では技術より根性で登ります。 牛首山を背後にして左側(赤岳沢)は急斜面、右側(大門沢)まだ緩斜面でどちらも樹木がありますが滑落する場合は右側が助かる確率が高いです。 しかし、核心部の急斜面が赤岳沢側に切れ落ちているので難しい場所です。 上部(2,701〜2,758m)もハイマツ帯になり腰〜胸の踏み抜きがあり、雪に埋まった岩や鎖を掘り出して登ります。 僅か標高差80mを稼ぐのに40分、赤岳山頂のリミット13時を迎えましたが15時山頂に切り替えて進みます。 上部は岩場なので当日は落石・落雪・落氷があり、足元と上部に注意が必要です。 核心部から少し雪稜を歩くと9合目に到着です。 ■真教寺尾根分岐(2,845m) 9合目から約100分で真教寺尾根分岐に到着です。 八ヶ岳東斜面の特有の荒々しい岩稜帯になり、赤岳沢上部をトラバースして真教寺尾根分岐へ向かいます。 竜頭峰直下になり岩場と鎖場を越えて、トラバース入口(2,815m)を10m直登、トラバース出口(2,823m)を南側へ20mカニのヨコバイでトラバースします。 3つ目の核心部になり約120分は雪面にピッケルを打ち込むので手袋(テムレス)が濡れるので、手袋の予備と核心部の前に専用手袋に交換する必要があります。 日の出から陽が当たる東斜面は腐った雪ですが、真教寺尾根分岐〜山頂までの西斜面は氷の世界です。 標高2,600mから雪崩と滑落エリアになり、当日は表層雪崩がいつ起きてもおかしくない状況でした。 ■竜頭峰(2,860m) 真教寺尾根分岐から約20分で竜頭峰に到着です。 ここは急峻な岩場になり、滑落した場合は助かる確率がほぼありません。 赤岳東稜から登り上げた踏み跡があり、東稜ルートを観察します。 竜頭峰の山頂には石碑があり、赤岳南峰と北峰の3つのピークが赤岳山頂になります。 ■竜頭峰分岐(2,870m) 竜頭峰から約10分で竜頭峰分岐に到着です。 文三郎尾根の一般登山道に合流して赤岳南峰へ向かいます。 山頂から6名の下山者がいるので待機します。 もちろん、核心部ですが東斜面に比べると鎖やワイヤーが出ているので怖さはありません。 ■赤岳南峰(2,899m) 竜頭峰分岐から約15分で赤岳南峰に到着です。 県界尾根の状況確認のため通過します。 ■赤岳北峰(2,889m) 赤岳南峰から約1分で赤岳北峰に到着です。 南峰から約50m移動すると開けた山頂になり休憩適地です。 赤岳東稜の登山者が話す通り県界尾根は踏み跡がなく、時刻が15時なので残念ですが真教寺尾根で下ります。 赤岳主稜に4名取り付いていました。 ■赤岳頂上山荘(2,889m) 赤岳北峰から約0分で赤岳頂上山荘に到着です。 赤岳頂上山荘は冬季閉鎖中(営業→2022年07/16〜10/22)になり、赤岳南峰側に冬季限定でソロテントが2〜3張り設営可能です。 ■赤岳南峰(2,899m) 赤岳頂上山荘から約1分で赤岳南峰に到着です。 時刻は15時、核心部(2,845〜2,680m)から安全圏(2,500m)まで下り、日没の18時までに扇山〜牛首山にたどり着ければ安心できます。 ■■マークの呼称は勝手に命名しています。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ★その他の注意点 真教寺尾根ルートは標高差→約1,427m、距離→往復15km、コースタイム→09時間50分になりますが日帰りが可能です(無雪期の好天時の場合・山滑走を除く) 公共交通機関を利用する場合は1つある山小屋は冬季閉鎖中で利用できず、原則テント泊になります。 核心部と呼べる危険な場所は真教寺尾根の上部の鎖場やトラバース、竜頭峰分岐が特に危険です。 日帰りで登頂するには天候・体調・装備・気力・長距離を歩ける体力が必要です。 ★真教寺尾根と県界尾根について 赤岳には登山者が多い西斜面の文三郎尾根と地蔵尾根、東斜面の登山者が少ない真教寺尾根と県界尾根があります。 山小屋が多い八ヶ岳ですが東斜面にはなく、南八ヶ岳の東斜面は冬季のバリエーションルートが多いエリアです。 西斜面に比べて登山者が少なく深いラッセルと急峻な岩場と鎖場が多くあり、通年を通して事故が多いルートです。 また長い樹林帯の登山道になり当日の山行では、晴れていても陽の当たらない樹林帯ではとても寒いです。 ★駐車場について 真教寺尾根ルートには2つの駐車場(美し森駐車場とたかね荘)があります。 八ヶ岳の東斜面の登山口は観音平・三ツ頭・天女山がありますが駐車場が小さく週末にはなかなか駐車できませんが、美し森駐車場は広くて駐車場の争奪戦から解放されて安心です。 トイレと売店がありますが冬季閉鎖中(4月中旬〜12月)です。 ★登山ポストについて 真教寺尾根ルートでは登山ポストが2つあります。 1つ目は美し森駐車場から近い美し森展望台の階段前にある登山ポスト(登山ポストのみ)を利用します。 2つ目はたかね荘分岐(登山計画書と筆記用具なし)にあります。 2つの登山ポストがありますが、事故の場合は便利で近い美し森駐車場の方が対応が早いので積極的にこちらを利用します。 スキー場のリフト山頂駅にも登山ポストがあるようですが未確認です。 ★山小屋の営業について 真教寺尾根ルートには山小屋が1つあります。 赤岳頂上山荘がありますが冬季閉鎖中で利用できません(営業→2022年07/16(月)〜10/22(土) 日帰りでも、緊急時に備えてツェルトを必ず持参しましょう。 ★落雪・落氷・落枝について 真教寺尾根ルートは長い樹林帯が続き、03/18(金)〜19(土)に降雪があり日の出の後もほとんど陽が当たりません。 今季は雪が多く牛首山から上部は落雪・落氷・落枝が発生するのでヘルメットが必須です。 風がない場合でも日の出から雪が緩み始めて落雪が多発します。 降雪直後に入山する場合の先行者は、大量の雪を被り濡れるので防水・防寒対策が特に必要です。 また登山道の幅は約40〜50cmと狭く、踏み外すと膝〜腰まで踏み抜きます。 真教寺尾根ルートは、日没1時間前の17時でとても暗いです。 ★天候や服装について 冬季は降雪による交通規制や登山口までのルート・登山ルートに注意が必要です。 同時に大雨注意報・雷注意報・土砂災害警報にも注意が必要です。 真教寺尾根ルートでは冬山装備が必要になり防水・防寒対策をしてザックカバー・ゲイターがあると快適です。 当日は気温1℃〜-5℃あり、稜線では風速10mありました。 真教寺尾根〜県界尾根ルートの6〜7割が樹林帯で、冬季は日の出が遅く日の入りが早くとても暗く寒いです。 装備や服装に注意して登山の変更や中止を検討して下さい。 赤岳東稜取付き前の樹林帯(2,501m)で服装・装備の点検場所になり、ここから上部は風と傾斜が強くなり休憩場所はほぼありません。 雪の状況によりロープ・ハーネス・スリング等が必要になり、前進か撤退を判断する最終場所になります。 ★融雪・雪崩・地震について 03月の第2週から急激に気温が上がり雪解けが進み、長野県の山沿いでは融雪・雪崩注意が発令されています。 03/14(月)には上高地の釜トンネル・県道158号線・白馬五竜スキー場内でも雪崩が発生しました。 03/15(火)は赤岳の登山予定で午前4時に美し森駐車場に到着しましたが雷雨・ひょう・土砂降り・強風で3時間待機しましたが天候が回復したのは昼前でした(悪天候で登山中止) また03/16(水)に福島県沖を震源地とする地震があり、長野県では八ヶ岳西面側(茅野市)で震度3、東面側(南牧村)で震度4、北アルプスでも震度2〜3を観測しました。 真教寺尾根の上部は鎖場とはしごが1時間続く(無雪期)急登になり、これから同ルートへ入山する場合は雪崩・落石・滑落・地震に特に注意が必要です。 ★マーキングについて 残雪期でも真教寺尾根ルートには看板・道標・ピンクテープが多くありますが、今季は積雪が多く雪に埋まりルートファインディング能力が必要です。 真教寺尾根は1合目〜10合目まで道標がありますが1合目・4合目・6合目・7合目・8合目が確認できませんでした(夜間歩行で見落としたのか、雪に埋まっているのか、紛失しているのか不明) ★狩猟期間について 毎年11/15〜02/15まで狩猟期間になり銃猟は終了しました。 銃猟とは別にわな猟が12/15〜03/15まであり、山の中には罠が仕掛けられています。わな猟も終了しましたが罠が未回収の場合があるので注意が必要です。 明るい服装をして、トイレや道迷いで無闇に山の中に入ると危険です。 先週(03月15日)は悪天候で登山が出来ず、下見をした時に県界尾根登山口からハンターが入山していました。 ★積雪量について 2022年02月10日(木)から標高1,000mで5〜30cmの降雪が5回あり、今年の八ヶ岳は雪が多く膝〜腰ラッセルも珍しくありません。 赤岳登頂が予定より2時間遅れて、翌日は悪天候予報で下山時の3合目(1,989m)〜羽衣池(1,618m)まで雪が降りました。 3月の2週目から気温が上がり急激に雪が溶けた八ヶ岳ですが、03/22(火)に07:00〜16:00まで雪が降り標高1,000mで水分を含んだ重い雪が15cm積もりました。 03/26(土)〜27(日)も降雪予報があり登山者としては残雪期に嬉しい雪ですが、先週と合わせて50cm(標高2,300m以上)積もった雪と暖かい気温で赤岳東稜取付き(2,501m)より上部は雪崩の条件が揃うので特に注意が必要です。 また車道では除雪された雪が氷化して残り、一般道路が狭くなっているので車の運転には注意が必要です。 ★美し森駐車場まで県道28号線と県道11号線の自動車の運転は、動物の飛び出しや落石が多いので注意が必要です。 また大雨による林道の崩落・通行止め・雨量規制・台風による交通規制に注意しましょう。 ★真教寺尾根ルートでは、スマートフォンの電波が常に入りました(時期・天候・機種による) 寒さや高所の影響でバッテリーの消耗がとても早いので、予備のモバイルバッテリーが必要です。 ★当日の真教寺尾根では8名(全員テント泊)とすれ違いました。 好天に恵まれた3連休で多くの登山者が八ヶ岳に登り、15時に赤岳に登頂した時には文三郎尾根6名の下山者、赤岳主稜7人(3パーティー)がいて大渋滞したと話していました。 真教寺尾根ルートは15kmと長く、日照時間が長くなりましたが日帰りでは装備と服装が重要です。 特に単独登山者の場合はセルフレスキューとルートファインディング能力が必要になり、ツェルトと地図とヘッドランプの携帯が必須です。 ★ヘルメットは全行程の往復で使用しました。 ストックは美し森駐車場〜赤岳東稜取付きの登りで使用しました。 ピッケル(2本)は赤岳東稜取付き〜赤岳の往復で使用しました。 12本爪アイゼンは赤岳東稜取付き〜赤岳の登りで使用、赤岳〜羽衣池の下山で使用しました。 自作わかんは携帯しましたが使用しませんでした。 ★登山ではスマートフォンなど電子機器に頼りすぎてはいけません。バッテリーのリチウムイオン電池は暑さや寒さに弱く、すぐに使えなくなります。 電池切れ・故障・紛失を想定してアナログ機器も併用して使えるようにしましょう。 地図・コンパス・ルート・分岐点など登山計画書の作成時点から覚えて緊急事態に備え、登山記録を残して次の登山に活かしましょう。 登山では技術・知識・経験が全く通用しない場面に直面します。 ★積雪期でも先行者の踏み跡があるからといって100%安心しないで下さい。その踏み跡が正解とは限りません。 また登山道や踏み跡が降雪や風の影響で隠れて道迷いしやすい状況です。 ピンクテープや赤旗を目印にして、道に迷ったら分かる所まで戻るのが鉄則です。 ★標高・気温・天候・風速・積雪量・写真撮影・ルート工作・危険箇所の確認をしながら登るので、コースタイムより遅くなります。 登山ルートや歩行時間は参考程度にして下さい。 ★コロナ禍なので、登山の前後には店舗に原則立ち寄らず、食事もテイクアウトや車内で済ませ限りなく人との接触を避けましょう。 マスク・除菌シート・除菌スプレーを携帯して健康第一に努めましょう。 ★登山の出発前に、車のルームライトや灯火類の消し忘れによるバッテリー上がりに注意が必要です。 また登山で車の鍵の紛失や落し物は致命傷になり、探し出すのは極めて困難です。 こまめに落し物やジッパーの開閉を確認しましょう。 ★登山では、食事(行動食)・水作り(水汲み)・トイレ・着替え・装備の着脱など面倒で後回しになりがちです。 これらは早めに済ませて落石・滑落・雪崩など危険回避に神経を使いましょう。 ★コロナ禍で多くの山小屋が閉鎖しています。 登頂できても山バッジの購入ができず困ります。 山バッジの購入は春まで待ちましょう。 ★冬季の真教寺尾根ルートではトイレが1つもありません。 美し森駐車場と赤岳頂上山荘のトイレは冬季閉鎖中です。 積雪期には原則トイレはないので必ず紙おむつ・携帯トイレを持参しましょう。 ★緊急時の連絡先 〜難の場合→北杜警察署→0551-32-0110(代表) ★積雪量が多いので強い紫外線を浴びて重度の日焼けや、紫外線の照り返しで視力低下(雪目)による怪我や事故に注意が必要です。 日焼け止めクリーム・リップクリーム・サングラス・ゴーグルがあると便利です。 ★美し森駐車場→03時50分に気温1℃、赤岳→14時45分に気温は不明、最低気温→05時16分に気温-5℃、美し森駐車場→20時20分に気温は不明です。 気温の温度差が大きく紫外線が強く、体調管理や服装選びが難しくなります。 当日の日の出→05時40分、ご来光→06時21分、日の入り→18時09分と活動時間は長くなりましたが、日の出と日の入り1時間前にはヘッドライトが必要です(ルートは樹林帯が長く日陰が多いため) ※11時04分以降は温度計が破損したので計測不能です。 ★真教寺尾根の上部(標高2,600mより上部)には鎖場・岩場・はしごが連続してあり滑落・落石・雪崩エリアです。 核心部になり状況によってトラバースと直登を選択します。 単独行なので鳥の鳴き声・荒い呼吸・雪を踏む音しか聞こえません。 落石を発見した場合は、後続の登山者に恥ずかしがらず大声で「ラーク」と知らせてあげましょう。 ★今回の山行の危険箇所 〃梗45度の急斜面(2,680m〜2,701m) 傾斜70度の急斜面(2,701m〜2,758m) 赤岳沢上部のトラバース(2,815m〜2,823m) の菊峰(2,860m)〜竜頭峰分岐(2,870m) ★幕営適地について 真教寺尾根の幕営適地は主に牛首山・扇山・2,316mピーク・赤岳東稜取付き前の樹林帯・赤岳頂上山荘の脇があります(写真添付) ★今回の山行の誤算 核心部の腐った雪と3連休で登山者が多くすれ違いの待機があり、赤岳登頂が予定より2時間も遅れました。 赤岳を13時リミット(標高2,701m地点)で敗退予定でしたが、いつも通り意地を張り山頂を目指します。 雪山では無雪期より下山が4〜5時間遅れる事が多く、先週(悪天候で登山中止)より2kg軽量したザックでも早く歩く事ができず自分の馬力の無さに失望します。 危険な核心部を登りながら目の前の急斜面と下山路について同時に考えていました。 夜間歩行に慣れている事、照明機器が3つある事(ヘッドランプ2ケとLED投光器)、スマートフォンが3台ある事、緊急時にツェルトがある事、休憩なしで長く歩ける体力がある事、同じルートを登下降する事、登山で遭難を想定して3日食事を摂らなくても平気な訓練をしている事、山岳保険に加入している事、日没前に赤岳から安全圏(2,500m)まで下降できる事を判断して無事に登頂・下山ができました。 しかし雪山に登り続ける程に雪山は怖くなり、リミットを守らない登山が続いて今後は事故に遭いそうで不安です。 荷物を軽量化しても色々と記録を残しながら登山するので遅くなり、以前より早く歩けない年齢と体力を実感します。 今後の解決策として雪山の朝4時出発を0時〜2時に繰り上げるか検討して安全・健康第一に努めたいです。 ★美し森駐車場の10km圏内はガソリンスタンドやコンビニがあり、とても便利なエリアです。 しかし、場所によって車中泊の禁止や火気厳禁など禁止事項がありますので注意が必要です。 長く細かい説明になりましたが『安全第一』で八ヶ岳・赤岳を楽しんでください。 |
その他周辺情報 | ■甲斐大泉温泉・パノラマの湯 ■営業時間→10:00〜22:00(最終受付21:30) ■休館日→第2・第4火曜日(祝日は営業) ■料金→大人→830円(中学生以上) 小学生→420円(小学生) 小学生未満→0円 ■マスクの着用義務あり。 |
写真
装備
個人装備 |
12本爪アイゼン
ピッケル2本(45cm)
ヘルメット
バラクラバ
毛帽子
ゴーグル
ストック
LED投光器(1
000ルーメン)
自作わかん
スリング120cm2本
ベースレイヤー(上下)
ハードシェル(上下)
ゲイター
サングラス
ツェルト
温度計
ホットコーヒー(水筒0.5L)
モバイルバッテリー10
000mAh2ケ
乾電池
防犯ブザー
ワイヤー
風速計
救急セット
手袋
手袋(予備)
長袖シャツ
インナーシャツ
インナーソックス
靴下(冬用)
ちり紙
熊鈴
携帯トイレ
地図
登山計画書(控)
常備薬
腕時計
コンパス
ヘッドランプ2ケ
塩あめ5ケ
干し芋80g
ドライフルーツ50g
ソーセージ(小)1本
ゼリー飲料2ケ
わらび餅50g2本
チョコバー1本
粉末アミノ酸2本
ちくわ115g
パン2ケ
ザック30L
ウエストポーチ
スマートフォン2台
筆記用具
マスク
ゴミ袋
現金
腰コルセット
登山靴(冬用)
ココヘリGPS端末
タッチペン(スマホ用)
ハイドレーション(水1L)
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備考 | 反省点→登頂時間が予定より2時間遅れたこと。 |
感想
【2022年/八ヶ岳赤岳・真教寺尾根ルート(日帰り)】
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■2022年03月21日(月) はれ
※八ヶ岳赤岳・真教寺尾根ルート 登り
実家 03:00 2℃ 1,000m
美し森駐車場 03:50 1℃ 1,472m
着替え・荷作り 03:50〜04:15
美し森駐車場 04:15 1℃ 1,472m
登山口ゲート 04:18 1℃ 1,480m
美し森 04:33 -4℃ 1,542m
たかね荘分岐 04:53 -4℃ 1,560m
羽衣池 05:16 -5℃ 1,618m
2合目 06:07 -5℃ 1,796m
リフト山頂駅 06:35 -4℃ 1,880m
賽の河原 06:43 -4℃ 1,900m
大門沢方面分岐 06:53 -4℃ 1,900m
3合目 07:27 -2℃ 1,989m
天狗岩 08:12 -4℃ 2,119m
牛首山(5合目) 08:52 -2℃ 2,280m
扇山 09:24 -3℃ 2,356m
2,316mピーク 10:03 -3℃ 2,316m
赤岳東稜取付き 11:57 2,501m
9合目 13:38 2,790m
真教寺尾根分岐(10合目) 13:59 2,845m
竜頭峰 14:20 2,860m
竜頭峰分岐 14:29 2,870m
赤岳南峰 14:45 2,899m
赤岳頂上山荘 14:46 2,899m
赤岳北峰 14:46 2,899m
※星印から温度計が破損して計測不能。
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■2022年03月21日(月) はれ/くもり/雪
※八ヶ岳赤岳・真教寺尾根ルート 下り
赤岳頂上山荘 14:46 2,899m
赤岳南峰 14:50〜15:11 2,899m
真教寺尾根分岐(10合目) 15:31 2,845m
9合目 15:48 2,790m
赤岳東稜取付き 16:51 2,501m
装備変換 16:55〜17:07 くもり
2,316mピーク 17:38 2,316m
扇山 18:09 2,356m
牛首山 18:14 2,280m
3合目 18:44 1,989m 雪
大門沢方面分岐 18:58 1,900m
賽の河原 18:58 1,900m
リフト山頂駅 19:05 1,880m
2合目 19:18 1,796m
羽衣池 19:44〜49 1,618m
たかね荘分岐 20:00 1,560m くもり
美し森 20:09 1,542m
登山口ゲート 20:18 1,480m
美し森駐車場 20:20 1,472m
着替え 20:20〜28 1,472m
実家 20:28〜21:41 5℃ 1,000m
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■八ヶ岳の東斜面ルートも4週目に突入。
初めての真教寺尾根と県界尾根に挑戦。
先週は悪天候で敗退覚悟で登山口に向かう。
雷雨・雹・土砂降り・強風で3時間も待機。
天候が回復したのは昼前で登らずに終了。
天候に翻弄されて登る山が決まらない。
涸沢岳西尾根や霞沢岳南尾根を計画するも
北アルプスは1週間ずっと降雪予報で除外。
やはり近くて天候が良い八ヶ岳に落ち着く。
融雪・雪崩注意報で危険な時期に突入。
18・19日と降雪があり周回は正直厳しい。
赤岳13時をリミットに強い覚悟で登る。
3連休で踏み跡がありラッセルはなく快適。
扇山から眺める真教寺尾根は楽勝ムード。
下山者が腐った雪に苦しむと口を揃える。
天狗尾根と赤岳東稜を見て登攀意欲が湧く。
予定より2時間遅くなり赤岳山頂に立つ。
下山でツルネ東稜も考えたが甘かった。
県界尾根の周回ルートは次回に持ち越し。
赤岳より竜頭峰と真教寺尾根に魅せられた。
翌日は季節外れの降雪があり雪山が再延長。
もちろん、東斜面は無雪期にも歩きます。
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■体重→64.0kg 荷物→9.35kg
日の出→05:40 日の入り→18:09
移動距離→15.0km(片道7.5km)
移動時間→15時間32分(合計)
(登り→10時間35分、下り→04時間57分)
休憩時間→00時間33分
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