新穂高から憧れの黒部五郎岳へ(双六岳・三俣蓮華岳・黒部五郎岳)
- GPS
- 55:24
- 距離
- 47.3km
- 登り
- 3,743m
- 下り
- 3,419m
コースタイム
- 山行
- 10:29
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 11:49
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 8:28
天候 | 8月12日:晴れ時々くもり 8月13日:雨時々強風 8月14日:雨&強風(夜明け前雷雨) |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
0時半頃到着。「2台だけ空きがあるので自分で場所を探して停めて」と駐車場係に案内されました。いつも前夜でも満車ですが、今回奇跡的に駐車できました。これでコースタイムが片道30分くらいは短縮できます。 ●バス<折立〜有峰口>+電車<有峰口〜電鉄富山駅>(富山地方鉄道) http://www.chitetsu.co.jp/?page_id=741 ●バス<JR富山駅〜新穂高RW>(濃飛バス) http://www.nouhibus.co.jp/new/20150428_toyama2.pdf *新穂高へ直通の11:45富山発に乗車するためには、折立8:30始発バスに乗車することが必須です。通常なら、太郎平小屋からでも早出しないと間に合いません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●各区間の状況は省略します(基本的によく整備されています)。太郎平小屋周辺の木道は、特に雨降りでは滑りやすく要注意です。 ●登山ポスト 新穂高登山指導センターにあり(記入用紙もあります) ●黒部五郎小舎 http://www.sugorokugoya.com/ ★この日は宿泊者が少なく、一人一枚の布団確保はもちろん、部屋割りもかなり余裕がありました。食事もすごく美味しいです。 ●薬師岳山荘 http://www.yakushidake-sansou.com/ ★激混みを覚悟していましたが、天候のせいかここでも宿泊者が少なく、一人一枚の布団確保、部屋割りも余裕がありました。食事も美味しく、あんみつなど和のスイーツが充実しています。トイレもきれいです。 |
その他周辺情報 | ★下山後の温泉 ひがくの湯¥700(露天風呂メインのこじんまりした温泉。「うまい棒」のサービスあり) ★下山後の甘味 ひがくの湯のカキ氷¥250(昔なつかしい感じの素朴なカキ氷です) |
写真
感想
♪新穂高から憧れの黒部五郎岳へ(立山室堂までの予定を悪天候により断念)♪
ず〜っと前から黒部五郎岳及び黒部五郎小舎に行ってみたかった。しかし、どこから入山しても遠いこの地、なかなか行く機会がなかった。
この夏、比較的まとまった休みが取れ、かつ長時間歩行も普通にこなせる今がチャンスかもしれない。そんな訳で、新穂高から一日目は黒部五郎小舎、二日目は薬師岳山荘、三日目は五色ケ原山荘、四日目に立山室堂へ抜ける、というプランを計画。
★一日目(新穂高〜双六岳・三俣蓮華岳〜黒部五郎小舎)
新穂高深山荘駐車場にラッキーにも駐車できました(駐車場案内係りに残り2台と言われ入れさせて貰えました)。今夜もナイトハイクで時間に余裕を持たせる。今まで何度か歩いた左俣林道、そして下りに使ったことのある小池新道はよく整備されていてナイトハイクでも安心。天気も良いし写真をたくさん撮りながら順調に双六岳・三俣蓮華岳を通過。ここからは黒部五郎小舎への初めての道。多少アップダウンはあるものの、予定より早く目的地まで到着。受付をすませその後はまったりと過ごす。時間に余裕を持って到着するメリットは、安全面はもちろん、目的地でのんびりと過ごせること。日常とかけ離れたゆったりとした時間が流れていく。
★二日目(黒部五郎小舎〜黒部五郎岳・北ノ俣岳・太郎平小屋〜薬師岳山荘)
天気予報通り、早朝出発時には既に雨。かえって最初から雨なら、途中で慌ててカッパを着込んだりする手間が省けるので面倒がない。今日も決して短くはない行程を歩きますよ〜。
カールルートで黒部五郎岳へ向かう山と高原地図で「迷」マークのある辺りにさしかかった頃だろうか、「オーイ」と呼ぶ男性の声。最初は動物の鳴き声かな?とも思ったが、その後も声はただ「オーイ」とだけ四回ほど繰り返し呼んできました。
何か理由があって人を呼ぶのなら「オーイ」だけでなく、その後何か言葉が続くと思うのですが・・・140日以上登山してて初めての経験。これが「黒部の山賊」に書かれているアレなのでしょうか?(「オーイ」って呼ばれても同じように「オーイ」って返事しちゃダメらしいです)
その後ほどなくして突然背後(割と近く)から「ガヤガヤ」と大勢登ってくる声が。立ち止まって振り返るも人の気配はなし。この後、稜線分岐から黒部五郎岳往復に30分かかりましたが、グループや団体さんが周りにいる気配はその後もありませんでした。これもまた「黒部の山賊」の再現で不思議な体験でした。
稜線上は風も強く、雨も時折激しく降ってくる中、ガスの向こうに太郎平小屋が見えた時はホッとしました。本当はここで少し冷えた身体を暖かい飲み物でもいただいて落ち着いてから薬師岳山荘に向かいたかったのだが、みなさんやはり同じ状況なのだろう、小屋周りは混雑していて落ち着ける雰囲気ではなかったので、そのまま山荘を目指します。そして本日も予定より早く薬師岳山荘に到着。まずはびしょびしょのレインウエアなどを乾燥室に入れたのち、お楽しみの山小屋ランチ&スイーツでまったり。ちょうど山荘横にライチョウ親子も姿を見せてくれました。
★三日目(薬師岳山荘〜折立へ下山。バス・電車を乗り継いで新穂高へ)
早朝出発をするため深夜2:30頃起床すると外は土砂降りの雨。天気予報を確認すると、強い雨雲は4時頃には抜けるが今日も一日雨で午後からはまたひどく降るようだ。それなら、予定通りまずは薬師岳へ向けて出発するが、避難小屋手前あたりから風雨強くおまけに雷もピカピカと光りはじめて・・・。一旦壊れた避難小屋に入って本日の行動予定を再検討する。
)榮は五色ケ原山荘まで行動時間が長く今まで歩いたことのない道である(黒部五郎小舎で話をしたこのルートを歩いてきた人の情報によると、登山道が分かりにくくコースタイムも厳しいとのこと)。¬師岳から北薬師岳あたりは風が強く、このまま更に風雨が強まれば低体温症の危険も。M襪ピカピカしている中、稜線上で落雷に遭遇しない保障はない。
それより何より、昨日からの雨で登山靴の中がグチョグチョ。乾燥室に入れておいても全く乾いておらず、こんな状態で縦走を続けて翌日観光客であふれる室堂へ行くのは・・・。正直心が折れました。
そんな理由から当初予定していた立山に抜ける縦走は断念。薬師岳へのアタックも中止して、まずは雷が近づかないうちに薬師岳山荘へ走り戻ります。
山荘で携帯から雷雨レーダーを確認するとすでに雷雲は立山に抜けた模様ですが、風雨は強まる一方なのでやはり撤退を決意。室堂からのバスや電車の乗り継ぎは調査済でしたが、折立下山後の交通機関は調べていないので、山荘で時刻表を確認すると、折立からの始発バスは8:30、次のバスだと10:45。5時を過ぎたこの時間からだと、コースタイム的には10時過ぎに折立着。始発バスには間に合わないが、タイムトライアルしてみるか?
そうと決まれば行動は早い。登山道が川になる中まずは太郎平小屋まで駆け下りる。ここは携帯電波が通じるので五色ケ原山荘へキャンセルの連絡を入れて再度急いで下山。途中の「折立まで50分」の看板を見た時に「これはいけるかも」と確信が生まれた。結局、コースタイムを大きくまいて8:10折立到着。待機していた始発バスに余裕を持って乗車することができた。
これで時間的にゆとりができ、富山駅で温かい白えびのかきあげうどんにもありつけた。何だかんだで雨で身体が冷えていたのだろう、温かい食べ物がおいしい。その後はバスの時間までお土産買ったりしながら過ごし、11:45新穂高直通バスに乗車し、深山荘駐車場に早い時間に戻ってくることができた。
温泉「ひがくの湯」はちょうど空いた時間だったのか露天風呂貸切状態でご機嫌入浴し3日間の疲れをいやした。
撤退も悪くなし。強行突破して遭難騒ぎになったら多くの方に多大な迷惑・心配をかけてしまう。今回行けなかったコースはまたいつか歩いてみよう。
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