天狗塚〜三嶺〜剣山-最高の展望に恵まれた3日間-
- GPS
- 47:13
- 距離
- 28.6km
- 登り
- 3,085m
- 下り
- 2,283m
コースタイム
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 5:51
- 山行
- 6:49
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 8:10
天候 | 3日間とも快晴! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
見ノ越11:00-11:50久保(三好市営登山バス:1,350円※運行日注意) 久保12:24-13:18秘境の湯前(四国交通バス祖谷線:1,000円) 秘境の湯前14:18-14:32大歩危駅前(四国交通バス祖谷線:440円※運行日注意) 四国交通バス案内 http://yonkoh.co.jp/timetable.htm 剣山登山バス案内(徳島県) http://www.pref.tokushima.jp/docs/2016040500033/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
久保→西山林道のルートは不明瞭、1/25,000図とコンパス必携です。 稜線沿いは一般登山道ですが、浮き石や倒木に注意が必要。 |
その他周辺情報 | 祖谷秘境の湯(火曜休、11-21時、1,000円[JAF割引有]) http://www.hotel-hikyounoyu.co.jp/day/ 大歩危駅前 歩危マート(地元産品も扱うスーパー、イートインコーナー有り) |
写真
感想
<長文です。ご注意ください。>
2016年春の遠征山行は、大型連休前半を使って四国・剣山山系へ。
当初は29日出発で計画していましたが、24日の茶トラ咬傷事件があって準備が間に合わなくて30日出発に変更。
広島から新幹線で岡山へ、そこから7時過ぎの「南風」に乗り継いで大歩危へ。どちらも意外なほど空いていて、これなら指定席を取る必要は無かったかも。大歩危から乗ったバスは二人がけの席に各一人という程よい混み具合。1時間ちょっとで終点の久保に到着しましたが、ワタシ以外全員見ノ越行きの登山バスに乗車。それを見送って天狗峠への登山口を目指します。
発電所の導水管を越え、重機が動くヘアピンカーブを過ぎてのカーブ脇にそれらしい所があり、1/25,000図と照らし合わせ「多分ここでしょう。」と考えて身支度を整えます。さて、いざ出発。というところで背後から声が。振り向けば黒の軽自動車からおっちゃんが、「天狗に行くんか?そこは登山口やないで。」と。聞けば、手前のヘアピンカーブとの間に有るとのこと。御礼を言って取り付きを探します。それっぽいところを見つけたので、「うりゃ!」と杉林の中へ突入しました。登山道を示す赤テープは見あたらず、薄い踏み跡には落ちた杉の葉が積み重なっていて判りづらいことこのうえなし。それらしい踏み跡を辿り、一瞬段々畑の跡の脇を通って杉林へ。「林業用の作業道かもしれない。」と心配しつつ進むと、正面に廃屋跡が見えてきました。そこから更に斜面に取り付き、小さな枯れ沢を幾つか渡りながら、日の射す方向へ登って行きます。よーく見ると、紅いテープが所々あったので、方向としてはそれほど間違っていないのでしょう。標高850m付近からは植林と自然林?の境界あたりを登っていくルートとなりました。あとでGPSのログをみたところ、自分が取ったルートは1/25,000図の938mピークから東側から北北東に延びる支尾根に乗っていました。950m付近からは地図上の道に合流しましたが、ここから西山林道までは麓の踏み跡と比べれば明瞭でした。西山林道と合流して、「こりゃCTは結構延びているなぁ。」と時計を見れば計画CTよりもちょっと早いくらい。ようやく初級者レベルを脱出でしょうかね。
西山林道登山口でお昼のおにぎりを頬張ってから、いざ天狗峠へ。初日の核心部?を無事通過したこともあり足取りも軽くなります。途中1476mピークでしっかり休憩し、急登を数回繰り返すと視界が開けてきました。西山林道から2時間ちょっとで天狗塚との分岐に到着です。ここでサブザックを準備して天狗塚へ向かい、20分弱で天狗塚山頂に到着。東を見ればこれから縦走する西熊山〜三嶺〜次郎笈〜剣山への稜線がクッキリと。絶景です!!更に牛ノ瀬も・・・と行きたいところですが、お亀岩の避難小屋には遅くても17時には入りたいので分岐に戻って避難小屋へ向かいます。日が傾くなか、16時過ぎには本日のお宿、お亀岩避難小屋に到着しました。先客は5名しかおらず、連休2日目としては意外と空いていました。一息ついてから水場へ水汲みに行ってから晩ご飯の準備を始めたところ、先に着いた方から差し入れを頂きました。春の恵みはとても美味しく、こんな避難小屋なんてあるのかと驚くばかり。
自分の晩ご飯は焼きビーフンとしました。今回は初めての試みとして、冷凍した豚肉とシーフードミックス、筍の水煮を凍らせたものを保冷剤として、椎茸、キャベツ、葱、人参、タマネギともやしをケースに入れて持って上げてみました。気温が高かったのですが室温までもどっておらず美味しくできました。使ったケースだと保冷は10時間が限度のようです。
17時を廻って小学生男子の子連れのファミリーと夫婦のグループが続いて到着。やがて日暮れとなり、談話室?にある薪ストーブに火が入りました。聞けば差し入れをされたHさんはこの小屋の手入れをされているそうで、今日はお昼前から薪割りをされていたとのこと。「立派なストーブですね。」というと、「薪ストーブなのに、知らずにポリ袋とかを燃やすので、扉の耐熱ガラスがダメになってね・・・」と。道具は正しく使いたいですね。ストーブを囲みながら四国の山談義で盛り上がりますが、話題になるのはツアー登山のこと。30人1グループって小学生の遠足じゃないんだから、5-10人の小グループにしてほしいところです。
宵の帳が降りるころ、この日最後の宿泊グループが到着。6人パーティーですが4人が先着、残り2名はCLと一緒に遅れて着くとのこと。日没まで宿泊地に着けないのはプランニングに無理があるなぁと感じます。19時を廻ってようやく最後の2名が到着しました。20時には消灯ですが、遅れてきたグループは遅い晩ご飯。漏れ聞こえる会話から感じるのは、事前の準備が甘く、置かれている状況を客観視できないこと。登山サークルのようですが、こんなサークルからは得られる技術は無さそうです。更にこのパーティー、午前2時頃にアラームを鳴らしてくれました。やれやれです。
就寝前にカメラとミニ三脚で星空撮影。脇でその様子を見ていたチビちゃん、「流れ星を見たよ!すぅーと流れた」と。いいことがあるといいね。
翌朝は5時に起床。パンとクリームパスタで軽く朝食としてから7時に出発。雲一つ無い快晴、楽しい稜線歩きが楽しめそうです。稜線に出ると風がありますが、程よく涼しいくらい。笹っ原の稜線を快調に歩いて9時前に三嶺に着きました。短めの休憩で出発する予定でしたが、余りに景色が良くてついつい長居してしまいます。計画の30分延で白髪山分岐に向けて出発。南斜面を慎重に降り、白髪山へのアップダウンを歩きます。11時過ぎに白髪山避難小屋に到着し、給水のために水場へ下りますが、以前あった分岐の案内が無くなっていて、鉄の杭と踏み跡が目印になります。ココの水場を使うのは初めてですが、水質はお亀岩や次郎笈のそれに比べると劣ります。気温高めで雑菌繁殖が懸念されたので、次亜塩素酸水溶液を加えておきました。
お昼の白髪避難小屋前は静かで、行き交うハイカーもわずかです。北アでの山岳遭難を伝えるラジヲニュースを聞きながらお昼ご飯を作り、三嶺を眺めながらの昼食としました。しっかり過ぎる休憩を取ってから、宿泊地の丸石避難小屋に向けて出発しました。相変わらずの快適な稜線歩きですが、2年前と比較すると倒木が目立ちます。春先の強風で倒れてしまったのでしょうか。
小休憩を1時間間隔で挟み、15時過ぎには小屋に着きました。この小屋、水場が無いこともあって不人気なのか、ワタシが一番乗りでした。床を軽く掃いてから寝床の準備をし、コーヒーで一服しながら明日のプランを再考します。出した結論は、[ 剣山←→一ノ森のピストンを止め、見ノ越11時発のバスで下り、途中日帰り温泉に寄ってさっぱりする。]です。
2日目の晩ご飯はイカ天入りソース焼きそば大盛り!とし、日暮れ前に丸石南側の稜線へ出かけます。夕陽に照らされた次郎笈と剣山、三嶺のシルエットを撮影。初日の天狗塚に続き、この日も絶景を独り占め!撮影中時折、谷の方から笛の様な音が聞こえます、そちらを見れば鹿の群れが。昨日の小屋でも話題になったけれど、石鎚山系にも鹿が進出しているそうで、瓶ヶ森の氷見二千石原の景色が変わってしまうかも。
小屋に戻って就寝の準備を始めるころソロの宿泊者が到着。三嶺から来たそうで、「夕食作っても構わんよ。」と伝えたのですが、気を遣ったのか行動食だけで済ませたようでした。昨日のパーティとは大違いです。
最終日、4時に起きてパンと紙パックジュースで軽く済ませて出発。インクブルーに染まる南東の空には三日月が光っています。次郎笈峠で御来光を拝もうと頑張りますが、ペースがあがりません。ソロ登山者に無理は禁物と、あっさり諦めてトラバース道の水場で洗顔&給水して次郎笈の山頂へ。日中は多くのハイカーで賑わう山頂ですが、流石にこの時間は閑散としています。東の肩のほうに数名のハイカーが居て、珍しいなぁと思っていたら山頂へ来て、「丸石方面への分岐はどこですか?」と。山頂北の小ピークから分かれるのですが、早朝は日陰になるので見つけられなかったようです。
2日かけて歩いた縦走路を眺めたあと、最後のピークに挑みます。無理せず、焦らず登って剣山山頂に到着!測候施設脇に立派なトイレができていました。お腹が空いてきたので山頂ヒュッテに入って休憩とします。ブランチ?に選んだのは、椎茸トッピングのお蕎麦、更におでんの具のゴボウ天を載せてもらいました。合計で800円也。
ここから見ノ越までサクッと下り、9時半前にはバス停に到着してしまいました。身支度を調えてバスを待ちますが、ハイカーではない意外な乗客が。輪行袋に自転車を入れたレディーです。高知へ行く途中、見ノ越でGive Upしたとのことで、大歩危までバス、そこから列車で高知へ移動とのこと。「こんな所まで自転車漕いで上がって来るなんて信じられない。」と言ったら、彼女からは「こんな重い荷物背負って山道歩くなんて信じられない。」と。まぁお互いそうでしょうね(笑)。
久保で四国交通のバスに乗換え”秘境の湯前”で下車。pH9.0というアルカリ性のお湯でさっぱりと汗を落とします。この界隈には日帰り温泉施設がないので、久保から一緒のバスに乗った山ガール2名にここを紹介しましたが、後の予定に支障しなかったかちょっと気がかりでした。
1時間後のバスで大歩危駅へ向かい、駅前の”歩危マート”のイートインコーナー?で遅めのお昼としました。大歩危〜岡山は鈍行乗り継ぎ、そこから広島まで高速バスで帰還して春の遠征山行は無事終了しました。
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