飯豊山/景観は天国な灼熱地獄
- GPS
- 54:36
- 距離
- 30.0km
- 登り
- 2,619m
- 下り
- 2,897m
コースタイム
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 7:51
- 山行
- 12:43
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 13:36
天候 | 1日目:曇りのち晴れ 蒸し暑い 2日目:晴れ時々曇り 暑い 3日目:晴れ 快適→酷暑 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
山行計画を参照。 今回は数年前の計画を元に急遽予定を立てたので、野沢駅から弥兵四郎登山口はタクシーを使用したが、今年四月から運行しているオンデマンドバスが便利そう。平日は会津若松の2番電車からスムーズに乗り継げる便(登山口に9時に到着する)があるし、余裕があれば時刻表以外の便も出してくれるようです。何よりタクシーでは1万円ですが、オンデマンドバスは町外者でも300円と圧倒的に安いので、まずは電話で相談すべき。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■危険箇所(暑さ) 登り始めや下山間際は標高が低く夏季は気温が高くなるので、私のように暑さの苦手な人は時間の余裕を持った行動が必要です。 初日、三国小屋に登る予定の人が熱中症で引き返したとの連絡があったそうです。 また、飯豊山荘への下山もかなり急な下りが続くので無理は禁物です。水も通常より多く消費するものと考え、五郎清水では十分に補充しましょう。 ■危険箇所 三国小屋の水場は剣ヶ峰の岩場から脇へ急降下していくので、小屋から近いといってもザックなどで背負って両手を使える格好で行かないと危ない。 |
その他周辺情報 | ■温泉 飯豊山荘は、現時点では日帰り入浴や宿泊の営業開始日が未定となっています。 4kmほど下った梅花皮山荘は入浴・宿泊を営業していますが、車が無いと難しそうです。 飯豊山荘:http://siroimori.co.jp/iidesansou/index.html |
装備
個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(1)
ガイド地図(1)
コンパス(1)
笛(1)
筆記具(1)
保険証(1)
飲料
ティッシュ(1)
三角巾(1)
バンドエイド(5)
タオル(1)
携帯電話(1)
計画書(1)
雨具(1)
防寒着(1)
ストック(1)
水筒(1)
時計(1)
非常食(3)
カメラ(1)
虫よけ(1)
日焼け止め(1)
折り畳み椅子(1)
ナイフ(十徳)(1)
飯(6)
歯ブラシ(1)
着替え
|
---|---|
共同装備 |
ファーストエイドキット(1)
医薬品
GPS(1)
|
感想
木金と休みが取れたので、福島・山形・新潟の県境にある飯豊山に登ってきました。
緑のビロードのような山肌に白い雪形が残り、沢山の高山植物が咲いている、というイメージの飯豊山。
確かにそのような景色はあったのですが、暑さに弱い自分としては3日間汗まみれの苛酷な山行となりました。
しかしこうして写真整理や山行記録をまとめていると、常に汗まみれでのたうち廻っていた3日間の辛い体感記憶は薄れてきて、結局はこう言ってしまいます。
「飯豊はいいで〜」
■珍しく車を使わなかった話
いつもは車で登山口に移動することが多いのですが、縦走してしまうと車を回収している時間で家に帰れてしまうのでは?、となって、珍しく今回は電車バスタクシーで山に行くことにしました。
最近遠方に出張へ行くことが多いので、公共交通機関での移動に慣れてきたのもあります。
■直前に登山口が変更になった話
当初は山都駅からタクシーで川入から登る計画でした。
前日家を出る1時間前まで、荷作り、前泊する宿の手配、電車の確認、切符の手配などを行っていて、最後の最後にタクシーの予約の電話をしたところ、
「明日はタクシー全部出ちゃってるんで、すんません。ガチャ」
あれ?登山口まで行けない・・・?
一瞬山行自体を諦めかけますが、気を取り直して調べなおし、多少タクシー代が多くかかるものの野沢駅から弥兵四郎登山口へ行くプランに変更し、野沢のタクシー会社に連絡してタクシーを確保できました。
(私は調査不足だったのですが、今年四月から野沢駅にオンデマンドバスが出来ており、時刻表はあるものの出発時間は相談できる場合もあるようなので、まずはこちらに確認した方が良いと思います。タクシーは1万円、オンデマンドバスは450円なので)
■会津若松駅で電車に乗り遅れた話
会津若松で5:28の始発電車で野沢駅に向かう予定でしたので、ホテルの朝食前にチェックアウトして会津若松駅に入ります。
目の前に既に電車が来ていたので、この電車だと思って扉が開くのを待っていたのですが・・・
あれ?2分前なのに開かない?というところでホームを間違えてる可能性に思い当たり、目的の電車のホームを探して確認できたその時、電車が発車していくのが見えました・・・
一瞬、このまま郡山行きの電車に乗れば昼前には家に帰れるな、と考えましたが思い直し、対策を考えます。
_馗甜秕召らタクシーを使う
⊆,療甜屐1時間半後)を待つ
,両豺腓賄仍蓋を川入に戻すことで多分1万円くらいのタクシー代で行けそうです。電話をしてみます。
「・・・・」出ません。6時前じゃそりゃそうか。
などとしていたら40分近く経ってしまったので、もう△任いい筺△箸覆螢織シー会社に1時間半遅くなる連絡をして、OKしてもらいました。
■野沢駅でタクシーとオンデマンドバスの話
2番電車で野沢駅に8時前くらいに到着すると、駅前にタクシーが来ていました。
しかしこのタクシーには別の登山者さんが乗っていたので、別のタクシーがいるのかな、と周りを見回すと、道路を挟んで反対側で呼んでいる運転手さんが居ました。
「XXXさんですかー?」「いえ、違います」
普通乗用車よりちょっと大きいくらいの小型バスが4〜5台並んでいました。
なるほど、先ほどのタクシーは自分が予約したもので、あのお客さんはオンデマンドバスとタクシーを間違えているのだな。
・・・タクシーだと1万円、オンデマンドバスだと300円+荷物150円なので一瞬このままオンデマンドバスに乗ってしまおうかと思いましたが、タクシーに乗っていた登山者と交代しました。
野沢駅のオンデマンドバスは使いやすそうでした。事前に使用者登録と予約をしておく必要がありますが、時刻表以外の便も都合が着けば出してくれるようで、実際に登山者にも使われていました。1万円差は大きいです。
■登りが暑かった話
タクシーで9時ちょっと前に弥平四郎登山口に到着し登り始めますが、結構急登な上に蒸し暑い・・・ので休み休み登っていきました。
頭からは汗が流れて、まつげの上に常に汗が乗っかっていて偶に目に入るという大変うっとおしい状態で、稜線の上ノ越に登りあげる標高差400mコースタイム1.5時間のところを3時間もかかってしまいました。
今日のところは三国小屋まで辿りつけば良い計画なので(あわよくば切合までとは思っていましたが)、焦らずゆっくり登りました。
この日は、三国小屋宿泊予定だったけども熱中症で引き返した人も居たそうです。
■三国小屋の水場が結構険しかった話
三国小屋の水場は小屋から5分程度の所にあるが、剣が峰の岩場から脇へロープを伝って降りていくという結構険しい場所にある。
小屋から容器をスタッフバッグに入れて水を汲みに行こうとしたら、小屋番さんに止められてザックを一個貸してもらったのだが、確かに両手が使えないと難しい場所だった。
■荷物の中にガスとコッヘルが見当たらなかった話
小屋について、夕飯を食べようとしたら、ガス、バーナー、コッヘルが見当たらず絶望した。ガスとバーナーが使えるかどうかを出発直前にテストしたのだが、それをコッヘルとともにザックに入れ直し忘れたらしい。
飯豊の小屋は基本避難小屋なので、自炊できなければ食事が出来ないので、明日は下山か?・・・と頭をよぎったが、小屋番さんにバーナー、コッヘル、ガスを貸し出してもらう事が出来た(1000円。多分コッヘルは仕方なく貸してくれたと思う(笑))。
持ってきた食材は、下記。
・アルファ米(味付き、カレー) 2食分
・餅+スープ 3食分
・フォー+スープ 1〜2食分
・携帯食(一本満足バー) 2本
・ミックスナッツ 1袋(500g)
それに対して必要なのは、今日の晩飯、明日の3食と明後日の2食の計6食。
アルファ米は水で食べることもできるので、明日昼以降にまわす。携帯食+ナッツを2食分としてカウントすると、今日の晩飯と明日の朝食を借りた器具一式で餅を調理(煮るだけ)して食べれば何とかなりそうだ。
と考えて山行を続行することにした。
■アルファ米は美味しく、カレーは最強、フォーが超絶不味かった話
という事で、アルファ米は水で戻して食べてみた。
2日目の昼食がじゃこ飯のアルファ米、3日目の昼食がアルファ米とドライフードのカレーを食べた。食事の1〜4時間前に水を入れておくと常温でおいしく食べることが出来た。暑かったのでご飯が暖かくないのは気にならなかった。
一応、フォーも水で戻すことを試してみた。2日目の昼にジップロックにフォーと水を入れておくと、柔らかくなり食べれそうになったので夜に食べてみたが、焼けてない餅を齧っているような感じで全くおいしくなかった。おいしくなかったが、これで非常食を一食確保出来た。
■1日13時間半歩いた話
2日目は朝5時に出発して梅花皮小屋に着いたのが18時半だったので、13時間半も歩いたことになる。
朝からペースは遅めだったが、御西小屋からあたりから登りで足が進まなくなった。
御西小屋から梅花皮小屋は大きなピークは烏帽子岳(と梅花皮岳)程度ですが、細かいアップダウンで体力が削られました・・・体力が無いだけです。
■今回の飯豊山で最高の4時間の話
3日目の朝はやや強い風が暑さを吹き流してくれて快適だった。
天気も良く、体調も良く、北股岳から梶川峰の間はなだらかで景色の良い草原の稜線が続いていて、今回の山行のハイライトとなった。
■灼熱地獄の下山の話
梶川峰を過ぎると登山道は急激に下っていく。
登ってくる人とすれ違ったが、皆汗だくだった。門内岳ピストンでも標高差1600mでこの暑さだから相当タフじゃないとこなせないコースだ。
傾斜も急で、後ろ向きになってクライムダウンする箇所も多かった。
樹林帯に入って風も無くなったが、南側の斜面のため日差しは容赦なかった。
50mほど標高を下げるごとに休憩が必要だった。
途中の水場は、距離の割に結構上り下りさせられたが、冷たい水を補給することが出来た。
500ml程を直接飲み、1.5l程を補給した。重くなるのでどうしようか迷ったが、余分に補給した。結局下山までにほとんど飲んでしまった。
湯沢峰は1/5万の地図で見るとほとんど平坦に見えるが、実際は50m程を登らされる。しかも急である。暑さのピークの13時にこの登りは大変だった。
湯沢峰から飯豊山荘までがまた長かった。途中で腰を下ろして休むと、立ち上がる度に立ち眩みがして、それが徐々にひどくなった。
これは不味い。そのうちよろけて谷底へまっしぐらか、と思い始めた頃にようやく飯豊山荘の屋根が見えた。
登山口に降りて、舗装道路を歩きだしたら思ったよりヨロヨロだったので驚いた。
■温泉に入れなかった話(飯豊山荘の日帰り入浴は再開予定ですが日程未定)
何しろ3日間汗だくになりっぱなしで、ろくに着替えも出来ていないので、風呂にはいりたい。
入りたいのだが、飯豊山荘には人の居る気配がない。ロッジの方にも行ってみたが人気が無い。ロッジより下には建物や施設の類は見えなかった。
暑かった下山を、風呂とビールを楽しみに降りてきた節もあったので、かなりがっかりした。
飯豊山荘の前の水道を少し借りて顔を洗って体を拭いて、少しだけさっぱりした。
その後、飯豊山荘の前の階段で帰りのバスを待ったが、アブに刺されてしまった。
下着やシャツは着かえたものの、えらい汗臭い状態で新幹線に乗ることになってしまった。
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