大峯奥駈〜吉野から熊野へ、修験者の道を5泊6日で歩く〜
- GPS
- 120:08
- 距離
- 116km
- 登り
- 8,774m
- 下り
- 8,915m
コースタイム
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 10:08
- 山行
- 9:13
- 休憩
- 2:38
- 合計
- 11:51
- 山行
- 8:24
- 休憩
- 2:43
- 合計
- 11:07
- 山行
- 11:59
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 13:54
- 山行
- 11:04
- 休憩
- 1:44
- 合計
- 12:48
天候 | 4/30:雨のち曇、5/1〜5/5:快晴or晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山:熊野本宮BS(わたらせ温泉経由でJR新宮駅へ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
細いトラバース、倒木の回避や崩落地脇の通過、鎖場の登降等、安定して継続した注意力が求められるコースです。 |
その他周辺情報 | ヤマザキYショップ本宮尾野商店 熊野本宮至近の商店 7:30より営業 熊野本宮参拝後の温泉:わたらせ温泉 熊野本宮BS 8:05-8:17渡瀬温泉BS [龍神バス] 交通系ICカード不可 渡瀬温泉BS 9:30-10:30新宮駅[明光バス] 交通系ICカード不可 |
写真
感想
5泊6日で歩き通した大峯奥駆道、GPSの測距乱れが大きくて、歩行距離はかなりインフレです。機内モードのままスマフォの電池交換をしたので、日時が大きくずれて修正に手こずってしまいました。
おとなの冒険、充実の6日間でした。
2023年の1月に、職場の2023年度勤怠カレンダーが発表されました。それを見たら、なんと5月の連休は9連休!
このチャンスを逃さず、久々の長期縦走にチャレンジすることに。日本アルプスは雪が残るので西日本エリア、大峰山脈・奥駈道です。
小屋泊2泊、テント泊3泊の縦走になりますが、水を抜いた重さを約17kgにしました。現在の実力なら無理なく縦走できるギリギリの重さでした。
縦走を完遂させるため、ペースを意図的に上げずに歩き、前半の弥山小屋までできるだけ体力を温存する戦術?としました。結果、持参した行動食の量がギリギリでした。
連休初日の29日は横浜から京都経由で下市口まで移動し、松月館に前泊。夕方から雨になり、傘を差しながら20分ほど歩いたスーパーで30日と1日の食料を調達。
翌朝は雨の中、始発電車で吉野駅に向かいます。生憎の天気ですが奥駆道縦走を目指す方が数名。吉野駅で自分が出発準備をしているうちにあっという間に行ってしまわれました。雨降りはシトシトなのでレインウェアは着ず、ボトムのみゲイターとレインスカートとして出発です。
天気予報によれば昼頃には雨が止むとのことなので、傘を差しながら吉野の街をゆるゆる登っていきます。奥千本の手前で水を補給しいざ奥駆道へ。高城山、青根ヶ峰、四寸岩山と標高の上がるピークを踏み、二蔵宿小屋で一息ついてから大天井ヶ岳へ。モノレールに沿って登るところ、山頂直下でルートを外してしまい、小天井ヶ岳に伸びる尾根側から回り込んで山頂に到着しました。無駄にエネルギーを使ってしまったよ。
ここから200m下って五番関へ、すでにテント泊する方と声を交わし、もうひと登りがんばります。計画では山上ヶ岳を超えて小笹ノ宿で宿泊予定でいたが、初日から無理する必要はないと判断し、17時前に到着した洞辻茶屋で一泊することにしました。晩ごはんは前日買った柿の葉寿司と胡麻味噌坦々ラーメン。茶屋の椅子にマットを敷き、シュラフを出して就寝としました。食料はネズミ対策ですべてしまいました。宿泊者は自分を含めて5名だったかな?
翌朝は4時前に起床し、朝ごはんを食べて出発。松清茶屋の先で鍵掛岩経由のルートを選んで登っていきます。鍵掛岩からは雲海が見えました。更にちょいと登って西ノ覗、開山前で静かな山上ヶ岳の宿坊街?を通り過ぎ、小笹ノ宿へ。ここの水場は沢水でした。合計で3L弱汲み、菓子パンでエネルギーを満たして大普賢岳へ出発!この日は弥山小屋泊ですが、到着時刻が気になってきます。焦らずに一歩一歩進みました。
快晴の大普賢岳に到着、行動食を頬張り、ザックのベルト調節をしていざ出発。数分降りたところで稜線の撮影をしようとしたらカメラがない!山頂に置き忘れたことに気づいて登り返して回収。昨日の大天井ヶ岳といい、注意力がちょっと下がってますね。
弥勒岳をすぎると道がだんだんと険しくなってきて、いかにも修験の道といった趣です。鎖場が連続する七曜岳を過ぎると比較的穏やかな道に。ただ、トラバースは細めなのでテント泊装備の重いザックを背負っているので油断はできません。
行者還の水場で500mLほど給水し、稜線を歩き、弥山への急な登りをなんとか登りきって16時過ぎに弥山小屋に到着。夕飯に間に合ってよかった。
弥山小屋は130名収容の大きな小屋ですが、この日の宿泊者は20名弱でした。熊野へ向かう縦走者も数名。翌朝早くに出発されていきました。
予約段階では翌日にお弁当をお願いしていましたが、天候をみて弁当をキャンセルしポカリスエットを購入。
夕食後、風が一時的に強くなり、霰が降ったようでした。
翌朝の弥山はガスの中、冷え込んで木々の枝には霧氷ができていました。ログ取りのスマフォの電池交換をして、朝食前に弥山山頂まで往復。朝ごはんには苦手な納豆が出てきましたが、しっかり食べないと縦走のエネルギーを得られないのでちょっと我慢。強風の中、防寒用のハードシェルを着て、ボトムは初日と同じレインスカート+ゲイター、グローブはレイングローブを嵌め、6時半過ぎに出発。全く寒さを感じることなくまずまずのペースで進んでいきます。それでも、繰り返されるアップダウン、倒木のあるトラバースの通過で体力を奪われていきます。計画では南奥駈道に入って持経宿まで行くはずでしたが、釈迦ヶ岳山頂へのアップダウンで意気消沈。17時前に着いた天狗の稽古場で幕営することにしました。
予約していた持経宿にはキャンセルの電話を入れておきました。
天狗の稽古場はペグがしっかり刺さる草地でした。テントを張ったのは自分ひとり。風が抜ける恐れがありましたが、それほどでもありませんでした。むしろ風があったおかげでフライに夜露が降りなくてよかってです。
晩ごはんはアルファ米の根菜ご飯とFDの豚汁、魚肉ソーセージ1本、翌朝の朝ごはんは無印バウム1本にFDの甘酒にしました。
ココまでの3日間を振り返ると、脚のトラブルはないのにペースが上げられない状況でした。ひょっとして、歩き続けるためのエネルギーが不足しているのでは?と思われたので、4日目が行動食をガンガン食べて進むことにします。
明るい月が照らす中、鹿の群れが近くを通りました。
4日目の朝も快晴です。南奥駈道はほぼ全てといっていいほど、ピークを超えていきます。まれに山頂直下で巻くことがあっても、その巻道も厳しい。まずは宿泊予定であった持経宿へ。ポリタンクに汲み置きの水が置いてあり、ありがたく2.5Lいただきました。タダとありましたが、100円納めました。また、ここで用を足しました。セルフ販売のコーラや缶珈琲は売り切れていましたが、先に出発された宿泊者によると、行仙宿には在庫があるとのこと。コーラ休憩を目指して行仙岳を越えます。
行仙宿に着いたのはちょうどお昼、記念に大峯奥駆道の手ぬぐいと、お目当てのコーラを買い、無印バウムで休憩とします。南奥駈道の小屋はまさにオアシス。連休中は新宮山彦ぐるーぷの方が駐在されており、道の維持が大変と言われてました。また、「この先も厳しい道が続くよ。」と釘を刺されて出発です。
笠捨山の急登/急降を過ぎるとこの日最大の難関、槍ヶ岳〜地蔵岳の連続鎖場です。乾いていたのでそれほど難しく感じませんでしたが、雨だと滑りそうです。
日没が迫る中、貝吹野の急降を注意して下り、古屋の辻から21世紀の森の幕営地へ下りました。
19時前に登山口に到着し、水で喉を潤していたらパトカーが到着。不審車の情報があったようで尋ねられましたが、降りてきたばっかりで提供する情報はありません。念の為登山口での幕営可否について伺いましたが、特に制限していないとのことで一安心。
登山口脇の舗装路は国道425号ですが、交通量は少なくて就寝には問題なしでした。
晩ごはんはアルファ米白飯にニシンの甘露煮+ユッケジャンラーメンでがっつり。
5日目、ザックが大分軽くなるはずですが、標高が下がってきているので水の量が増えたような。朝ごはんはアルファ米の山菜おこわとFD豚汁、4日目で行動食をかなり消化したので、シャリバテにならないよう注意しなければ。古屋の辻までの登りでアナグマさんと出会いました。
相変わらずアップダウンのある道ですが、林道と並行して進むためか、いくらかピークを巻くところが出てきます。玉置山への登りの手前、展望台でこれまでに歩いてきた稜線を見送りました。玉置神社の境内に入ったら一気に人が増えてびっくり。ここで給水し、水総量を約2.5Lとして出発。
玉置辻まで降りてくると警察車両が数台。その中に昨夕のパトカーとお巡りさんも。「遭難事案ですか?」と聞いたら、「早朝に篠尾辻あたりで笛の音を聞いた。」との通報があって…捜索隊を出しているとのことでした。大森山〜五大尊岳辺りで捜索隊計十数名とすれ違い。ヘリも飛んでました。前日の4日も遭難騒ぎがあったそうです。
他の方のレコにありましたが、笛の音の主はトラツグミの鳴き声だったようです。
標高が下がってきて一気に暑さを感じます。金剛多和の水場で顔を洗い、リフレッシュしてからこの日最後のアップダウンへ。山在峠、吹越峠を過ぎて、展望が開けると右手に斜光線に照らされた大斎原の大鳥居。今宵の幕営地まであとわずか。
七越峰の広場へ降り、林道に合流するところで意外な動物に遭遇。50mほど先、1m超ほどの黒い動物が横切って行きました。真っ黒だったのでどうやらツキノワグマだったようです。しばらくヤブの中からガサガサと音がしていましたが、ストックの先を道に突き立てて音を出して歩いていたら去っていきました。ヤレヤレ。
七越峰広場の駐車場には”キャンプ禁止”の掲示があったので、アスレチック広場から一段上がった草地に幕営。晩ごはんはアルファ米の青菜ご飯+トマトの酸辣麺+魚肉ソーセージ。
この日も幕営したのは自分ひとりでした。
いよいよ最終日。夜露に濡れたテントをしまって出発です。
最後のアップダウンを越え、熊野川のほとりに立ちます。
手ぬぐいで身を清め、インナーをレインスカートで隠し、登山靴をトレランシューズに履き替えて渡渉。
6時半に熊野本宮に到着して参拝、7時半前に開いた社務所でお守りを頂きました。
あとは汗を流して帰るだけです。本宮近くのデイリーストアで朝食を買い、わたらせ温泉で汗を流し、新宮へ向かいます。
新宮から南紀6号で名古屋まで戻り、両親宅に立ち寄りました。
翌6日は立夏、一気に暑くなり水分を取りすぎたためか胃腸の調子を崩してしまいました。
持参した食料は下記の通り
・アルファ米:5P(うち1Pは予備未使用)
・ラーメン:3P(麺単品と無印食品の食べるスープの組み合わせ、1食あたりスープ2P使用)
・おにぎり:2個(4/30行動食)
・柿の葉寿司:1P(4/30夕食)
・よもぎ大福5個入り:1袋(5/1行動食)
・早ゆでパスタ30g:2P(1Pの半分使用、5/1と5/5朝食、無印食品のミネストローネに投入、1P余り)
・無印食品バウム:4本
・クルミっ子切り落とし:1P
・ドライマンゴー55g:2P
・ドライフルーツ+ナッツ+柿の種チョコ:2P(無印食品)
・無印食品ラムネ15個、のど飴など
・200mL LL牛乳:1本
・粉末スポーツドリンク(レモン/はっさく):5P
飲料水は残量500mLを切らないよう管理しました。
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