吉野駅をスタート。
世間ではGW後半に入るタイミングだが、私はこの日からの4日間だけがGWだ。その間に熊野まで抜けたい。
昨日、都内で退勤後に吉野に急いだ。深夜近く、名も無き尾根に分け入りハンモックをひろげ野営。3時間ほど仮眠した。
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5/3 5:32
吉野駅をスタート。
世間ではGW後半に入るタイミングだが、私はこの日からの4日間だけがGWだ。その間に熊野まで抜けたい。
昨日、都内で退勤後に吉野に急いだ。深夜近く、名も無き尾根に分け入りハンモックをひろげ野営。3時間ほど仮眠した。
奥駈道は5つある熊野古道のひとつである。だが、他の4つが庶民の巡礼と生活のための道としての性格もおびる一方で、奥駈道は純粋に修行に特化したような道のように思われる。
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5/3 5:34
奥駈道は5つある熊野古道のひとつである。だが、他の4つが庶民の巡礼と生活のための道としての性格もおびる一方で、奥駈道は純粋に修行に特化したような道のように思われる。
舗装路を登るとまずは吉野山の寺院建築群がつらなる界隈だ。その中核たる金峯山寺が壮麗だ。過酷な修練として名高い千日回峰行の満行者、阿闍梨を輩出せしめた密教寺院。
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5/3 6:12
舗装路を登るとまずは吉野山の寺院建築群がつらなる界隈だ。その中核たる金峯山寺が壮麗だ。過酷な修練として名高い千日回峰行の満行者、阿闍梨を輩出せしめた密教寺院。
寺社、宿坊、飲食店などを通り過ぎ、林道を登る。舗装路とはいえ、序盤から侮れない斜度。標高をぐんぐん上げていく。
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5/3 6:36
寺社、宿坊、飲食店などを通り過ぎ、林道を登る。舗装路とはいえ、序盤から侮れない斜度。標高をぐんぐん上げていく。
第七十二靡、吉野水分神社。
奥駈道にはぜんぶで七十五の霊場とされる「靡」がある。(厳密には新宮と那智山はルート外)
熊野から吉野から向かう順路を「順峯」、吉野を起点とする場合を「逆峯」というが、多くのハイカーが選ぶ「逆峯」では「靡」を七十五から一へとカウントダウンしていくようになる。
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5/3 7:01
第七十二靡、吉野水分神社。
奥駈道にはぜんぶで七十五の霊場とされる「靡」がある。(厳密には新宮と那智山はルート外)
熊野から吉野から向かう順路を「順峯」、吉野を起点とする場合を「逆峯」というが、多くのハイカーが選ぶ「逆峯」では「靡」を七十五から一へとカウントダウンしていくようになる。
金峯神社にはズバリ、修行門という名称の鳥居があった。恐れおののく。
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5/3 7:28
金峯神社にはズバリ、修行門という名称の鳥居があった。恐れおののく。
奥駈道とは。(地理的概要)
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5/3 7:34
奥駈道とは。(地理的概要)
奥駈道とは。(歴史的概要)
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5/3 7:34
奥駈道とは。(歴史的概要)
文明から離れ、林道からいよいよ登山道に入る。山だらけの紀伊半島の只中へ。
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5/3 7:54
文明から離れ、林道からいよいよ登山道に入る。山だらけの紀伊半島の只中へ。
青根ヶ峰から先のルートは、迷ったが、四寸岩山ピークを巻く中道を選んだ。先は長い、急いで山道を進む。
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5/3 8:31
青根ヶ峰から先のルートは、迷ったが、四寸岩山ピークを巻く中道を選んだ。先は長い、急いで山道を進む。
スミレ咲く登山道。
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5/3 8:51
スミレ咲く登山道。
足摺小屋に着いた。採灯護摩壇がそなえられている、いかにも修験道らしい礼拝所だ。
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5/3 9:46
足摺小屋に着いた。採灯護摩壇がそなえられている、いかにも修験道らしい礼拝所だ。
足摺宿跡には行者の像が奉られていた。
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5/3 9:46
足摺宿跡には行者の像が奉られていた。
足摺小屋の内部。狭い土間で、祠があることから、基本的には登山者には不向きな避難小屋であることが見てとれる。
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5/3 9:59
足摺小屋の内部。狭い土間で、祠があることから、基本的には登山者には不向きな避難小屋であることが見てとれる。
新緑のトレイルを行く。
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5/3 10:05
新緑のトレイルを行く。
二蔵宿小屋。
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5/3 10:39
二蔵宿小屋。
またの名を第69靡、二蔵宿(にぞうのしゅく)
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5/3 10:41
またの名を第69靡、二蔵宿(にぞうのしゅく)
息を切らしながら大天井ヶ岳を登るが、このレールのようなものはなんだろう。モノラックの跡なのだろうか。
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5/3 11:27
息を切らしながら大天井ヶ岳を登るが、このレールのようなものはなんだろう。モノラックの跡なのだろうか。
天気良し。無風。
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5/3 11:33
天気良し。無風。
長大な奥駈道の、ここはまだ序盤。
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5/3 11:39
長大な奥駈道の、ここはまだ序盤。
75の靡が奥駈修行の礼拝ポイントとしては代表的だが、金峯山寺と大峯山寺をひたすら往復する千日回峰行の動画などを観ていると、なんてことなさそうな岩や樹木に祈祷していたりした。例えばこの写真の岩に向かっても礼拝するのだろうか。
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5/3 12:03
75の靡が奥駈修行の礼拝ポイントとしては代表的だが、金峯山寺と大峯山寺をひたすら往復する千日回峰行の動画などを観ていると、なんてことなさそうな岩や樹木に祈祷していたりした。例えばこの写真の岩に向かっても礼拝するのだろうか。
全国で唯一のこる女人禁制のための女人結界門。山上ヶ岳エリアのトレイルを挟み込むようにしてある。
ここを迂回ルートをとってでも奥駈道を完歩する、強い女性登山者もいる。軽く100kmを超えるはずだ。尊敬する。
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5/3 12:12
全国で唯一のこる女人禁制のための女人結界門。山上ヶ岳エリアのトレイルを挟み込むようにしてある。
ここを迂回ルートをとってでも奥駈道を完歩する、強い女性登山者もいる。軽く100kmを超えるはずだ。尊敬する。
五番関のあたりにある鍋カツギ行者。
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5/3 12:38
五番関のあたりにある鍋カツギ行者。
今宿跡。長い修験道の修行ルートには、かつて宿泊ポイントがあって、穏やかな地形ごとに設定されていた。簡素な小屋があったり、あるいはそれもない野営ポイントであったりしたのだろう。靡とともに、巡礼路の進捗をしめすメルクマールにもなっていたはずだ。
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5/3 12:57
今宿跡。長い修験道の修行ルートには、かつて宿泊ポイントがあって、穏やかな地形ごとに設定されていた。簡素な小屋があったり、あるいはそれもない野営ポイントであったりしたのだろう。靡とともに、巡礼路の進捗をしめすメルクマールにもなっていたはずだ。
白装束の人々が山上ヶ岳が近づくと増えてきた。GWの開山期は、各地の「講」による登拝が集中するため、奥駈道の修験ムードはぐんと高まるからオススメだ。
挨拶「よう、お参り!」が飛び交う。覚えておくべし。
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5/3 13:00
白装束の人々が山上ヶ岳が近づくと増えてきた。GWの開山期は、各地の「講」による登拝が集中するため、奥駈道の修験ムードはぐんと高まるからオススメだ。
挨拶「よう、お参り!」が飛び交う。覚えておくべし。
山上ヶ岳北面は岩場の多い、修験の道。
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5/3 13:07
山上ヶ岳北面は岩場の多い、修験の道。
洞辻茶屋に到着。人で賑わっている。ここで休憩と補給。
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5/3 13:36
洞辻茶屋に到着。人で賑わっている。ここで休憩と補給。
茶屋には、修験道創始者の役小角、そして従う二匹の前鬼の像が奉られていた。
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5/3 13:37
茶屋には、修験道創始者の役小角、そして従う二匹の前鬼の像が奉られていた。
GWの洞辻茶屋ではカップラーメン、ゆで卵、各種ドリンクなどが販売されていて、温かいお茶も飲めた。ありがたいありがたい。
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5/3 13:44
GWの洞辻茶屋ではカップラーメン、ゆで卵、各種ドリンクなどが販売されていて、温かいお茶も飲めた。ありがたいありがたい。
いよいよ熊野修験の核心部、山上ヶ岳に登る。お山は晴天。
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5/3 14:13
いよいよ熊野修験の核心部、山上ヶ岳に登る。お山は晴天。
急勾配の階段に悲鳴をあげる。登山道がよく整備されていて、浄土のような地獄のような。
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5/3 14:21
急勾配の階段に悲鳴をあげる。登山道がよく整備されていて、浄土のような地獄のような。
等覚門をくぐり、大峯山寺の境内地へ。
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5/3 14:28
等覚門をくぐり、大峯山寺の境内地へ。
どんどん岩が増えてくる。
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5/3 14:34
どんどん岩が増えてくる。
名所・西ノ覗岩に到着した。講のお参りが今日は多くいて、ローソクが何本も燃えている。
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5/3 14:37
名所・西ノ覗岩に到着した。講のお参りが今日は多くいて、ローソクが何本も燃えている。
ここが西ノ覗岩。ロープにつながれた状態で断崖絶壁に身を乗り出す。もっともよく知られた修行場だ。
「親孝行するか!?」「は、はい!」
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5/3 14:41
ここが西ノ覗岩。ロープにつながれた状態で断崖絶壁に身を乗り出す。もっともよく知られた修行場だ。
「親孝行するか!?」「は、はい!」
標高1700mほどの高所にこれほど大きな宿坊が建設されていることに驚く。
修験道といえば、まず第一に挙げられるのが熊野修験、ついで紹介されるのが出羽三山の修験、それからその他全国各地といったところ。やはり熊野は規模としてもそれらの筆頭なのだ。
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5/3 14:52
標高1700mほどの高所にこれほど大きな宿坊が建設されていることに驚く。
修験道といえば、まず第一に挙げられるのが熊野修験、ついで紹介されるのが出羽三山の修験、それからその他全国各地といったところ。やはり熊野は規模としてもそれらの筆頭なのだ。
大きくて広い。これは護摩壇と呼んでよいのだろうか。大きく燃えあがり、その熱波と対峙する修行になりそうだ。
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5/3 15:00
大きくて広い。これは護摩壇と呼んでよいのだろうか。大きく燃えあがり、その熱波と対峙する修行になりそうだ。
大峯山寺。
吉野山の奥ノ院となる、山上仏閣だ。千日回峰行の修行では、吉野からここまでを数年かけて千回日帰りピストンする。(もちろんこの修行の真の過酷さは山歩きだけでは終わらないが)
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5/3 15:01
大峯山寺。
吉野山の奥ノ院となる、山上仏閣だ。千日回峰行の修行では、吉野からここまでを数年かけて千回日帰りピストンする。(もちろんこの修行の真の過酷さは山歩きだけでは終わらないが)
山上ヶ岳の頂上は広い草原だった。
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5/3 15:03
山上ヶ岳の頂上は広い草原だった。
展望がすばらしい山だ。
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5/3 15:06
展望がすばらしい山だ。
1719mの頂上。
この界隈に宿泊する登拝者は多いのだろう。ここまででもかなりのCTとなるので妥当だ。しかし健脚ぞろいの奥駈道チャレンジャーは、一日目から更に先へ進んでおこうとする人が多いのではないだろうか。
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5/3 15:07
1719mの頂上。
この界隈に宿泊する登拝者は多いのだろう。ここまででもかなりのCTとなるので妥当だ。しかし健脚ぞろいの奥駈道チャレンジャーは、一日目から更に先へ進んでおこうとする人が多いのではないだろうか。
稜線歩き。地形はおだやかになった。
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5/3 15:20
稜線歩き。地形はおだやかになった。
そしてようやく小笹ノ宿跡に到着した。全体的に平場状で、テントをたてることが可能なサイトが何段かあるような地形だ。石垣で整地されたような痕跡もある。昔から涸れることのない、豊かな沢水が流れる地だ。水は「閼伽」(あか)と呼ばれ、飲むだけでなく宗教儀式にも必須とされる重要な要素だった。
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5/3 15:52
そしてようやく小笹ノ宿跡に到着した。全体的に平場状で、テントをたてることが可能なサイトが何段かあるような地形だ。石垣で整地されたような痕跡もある。昔から涸れることのない、豊かな沢水が流れる地だ。水は「閼伽」(あか)と呼ばれ、飲むだけでなく宗教儀式にも必須とされる重要な要素だった。
オーバーハングした岩に行者像が奉られている。洞辻茶屋の人の話によると、かつて小笹ノ宿には36もの宿坊が建っていたそうだ。今は小さな避難小屋が1軒あるだけだが、そこは行者の利用を優先させるべき施設であろう。
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5/3 15:54
オーバーハングした岩に行者像が奉られている。洞辻茶屋の人の話によると、かつて小笹ノ宿には36もの宿坊が建っていたそうだ。今は小さな避難小屋が1軒あるだけだが、そこは行者の利用を優先させるべき施設であろう。
祠のかたわらに「根本道場」と書かれた石柱がある。そういう重要な場所だったわけだ。
私の知る栃木県日光市の日光修験においても「巴ノ宿」「寒沢宿」が根本道場となっていた。そこで数週間の山籠もり勤行をしたり、そこを拠点にして山を駆け巡る「抖擻」(とそう)の修行もなされたと思われる。
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5/3 15:55
祠のかたわらに「根本道場」と書かれた石柱がある。そういう重要な場所だったわけだ。
私の知る栃木県日光市の日光修験においても「巴ノ宿」「寒沢宿」が根本道場となっていた。そこで数週間の山籠もり勤行をしたり、そこを拠点にして山を駆け巡る「抖擻」(とそう)の修行もなされたと思われる。
これまた広い、高く燃え上がりそうな護摩修行場だ。
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5/3 15:55
これまた広い、高く燃え上がりそうな護摩修行場だ。
宿跡から更に先に行って、少し登ったポイントでハンモック1泊目。テント場からはこちらの存在に気づかない、こちらからテント場が気にならない。そんな場所で静かに過ごす。装備はこの時期にはオーバースペックなぐらいの内容。
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5/3 17:31
宿跡から更に先に行って、少し登ったポイントでハンモック1泊目。テント場からはこちらの存在に気づかない、こちらからテント場が気にならない。そんな場所で静かに過ごす。装備はこの時期にはオーバースペックなぐらいの内容。
モンベルのリゾッタを2杯たいらげる。
ほんとうは1日目のうちに稚児泊あたりまで進みたい気持ちもあった。だが夕刻の気が焦る時分に、大普賢岳から国見岳あたりの鎖場を渡りたくないと判断して、小笹ノ宿に野営した。ギリギリ及第点ぐらいの進捗。
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5/3 17:49
モンベルのリゾッタを2杯たいらげる。
ほんとうは1日目のうちに稚児泊あたりまで進みたい気持ちもあった。だが夕刻の気が焦る時分に、大普賢岳から国見岳あたりの鎖場を渡りたくないと判断して、小笹ノ宿に野営した。ギリギリ及第点ぐらいの進捗。
翌朝。2日目の行動開始。起き抜けですこし寒いかとも感じたけれど、この時期の大峯にしてはかなり暖かいほうだろうと思い直す。
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5/4 4:53
翌朝。2日目の行動開始。起き抜けですこし寒いかとも感じたけれど、この時期の大峯にしてはかなり暖かいほうだろうと思い直す。
いざ。昨日の遅れを取り戻したい。
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5/4 5:11
いざ。昨日の遅れを取り戻したい。
阿弥陀ヶ森にて女人結界を出た。
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5/4 5:28
阿弥陀ヶ森にて女人結界を出た。
大普賢岳1780mへ登る。
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5/4 5:29
大普賢岳1780mへ登る。
脇ノ宿跡。碑伝あり。
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5/4 5:36
脇ノ宿跡。碑伝あり。
爽やかな朝の稜線歩きだ。
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5/4 6:22
爽やかな朝の稜線歩きだ。
2日目も良い天気、素晴らしい景色になりそうだ。
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5/4 6:23
2日目も良い天気、素晴らしい景色になりそうだ。
大普賢岳に登頂。まだ今日の序盤に過ぎないのに、この山だけでも骨が折れる。
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5/4 6:32
大普賢岳に登頂。まだ今日の序盤に過ぎないのに、この山だけでも骨が折れる。
膨大な山、山、山だ。
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5/4 6:33
膨大な山、山、山だ。
弥山の方向を眺めるが、はるか遠くだと思える。(実際に長かった)
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5/4 6:33
弥山の方向を眺めるが、はるか遠くだと思える。(実際に長かった)
国見岳あたりにある足場の狭いトラバース。鎖あり。
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5/4 7:09
国見岳あたりにある足場の狭いトラバース。鎖あり。
やっと稚児泊を通過。もう7:20なのか。
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5/4 7:20
やっと稚児泊を通過。もう7:20なのか。
鎖場によって七曜岳へ。
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5/4 7:50
鎖場によって七曜岳へ。
山頂の笠地蔵。
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5/4 7:52
山頂の笠地蔵。
アカヤシオ咲くの山路を行く。
この時期にヤシオが咲くことも、日光の修験道との共通点として感じる。
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5/4 8:05
アカヤシオ咲くの山路を行く。
この時期にヤシオが咲くことも、日光の修験道との共通点として感じる。
次は行者還岳だ。
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5/4 8:21
次は行者還岳だ。
山頂はすこし寄り道となるがピストンで行っておく。
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5/4 8:32
山頂はすこし寄り道となるがピストンで行っておく。
行者還岳に登頂。錫杖あり。
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5/4 8:41
行者還岳に登頂。錫杖あり。
行者還の水場を発見。数日前は涸れていて登山者を悩ませていたとの噂だが、今日は細く出てる。先日の雨で押し出されたか。ペットボトルを満たすのに時間はかかる。ほんとうに涸れやすいのだろう。
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5/4 8:56
行者還の水場を発見。数日前は涸れていて登山者を悩ませていたとの噂だが、今日は細く出てる。先日の雨で押し出されたか。ペットボトルを満たすのに時間はかかる。ほんとうに涸れやすいのだろう。
行者還避難小屋。
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5/4 9:06
行者還避難小屋。
暖かく花が元気。
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5/4 9:07
暖かく花が元気。
鹿も喰わないという植物が弥山エリアには増えている。
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5/4 9:25
鹿も喰わないという植物が弥山エリアには増えている。
弥山はまだまだ遠い。
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5/4 9:33
弥山はまだまだ遠い。
一ノ垰。
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5/4 10:01
一ノ垰。
ようやく弥山が射程内に入ってきたように思う。
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5/4 10:11
ようやく弥山が射程内に入ってきたように思う。
奥駈道出合。弥山への最短ルートとなる行者還トンネル駐車場につながる分岐点。ここからのルートは、5年ぐらい前の日本百名山遠征の際に歩いているはず。
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5/4 10:31
奥駈道出合。弥山への最短ルートとなる行者還トンネル駐車場につながる分岐点。ここからのルートは、5年ぐらい前の日本百名山遠征の際に歩いているはず。
弁天の森。5年ぐらい前も五月GWだったが、ガスガスで寒波の風が吹いていた。今回は暖かく晴れ渡り、そして周囲にはたくさんのハイカーがいる。行者が般若心経を唱える勤行の声も聴こえてくる。
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5/4 10:52
弁天の森。5年ぐらい前も五月GWだったが、ガスガスで寒波の風が吹いていた。今回は暖かく晴れ渡り、そして周囲にはたくさんのハイカーがいる。行者が般若心経を唱える勤行の声も聴こえてくる。
だがしかし。弥山の登りが非常にキツい。こんなキツかった記憶がないのだが、おそろしく険しいと感じる。疲れのせいか、荷物の重さのせいか。時間もかかった。
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5/4 11:59
だがしかし。弥山の登りが非常にキツい。こんなキツかった記憶がないのだが、おそろしく険しいと感じる。疲れのせいか、荷物の重さのせいか。時間もかかった。
弥山小屋に到着。営業小屋のまわりは大賑わいだ。
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5/4 12:04
弥山小屋に到着。営業小屋のまわりは大賑わいだ。
とりあえず、まずは弥山の頂上を踏んでおいた。行者堂あり。
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5/4 12:09
とりあえず、まずは弥山の頂上を踏んでおいた。行者堂あり。
弥山山頂から八経ヶ岳を見る。
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5/4 12:11
弥山山頂から八経ヶ岳を見る。
弥山小屋に戻り、貴重な補給をいただいた。
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5/4 12:19
弥山小屋に戻り、貴重な補給をいただいた。
久しぶりの看板。さて重い腰を上げて、先へ進まなければならない。
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5/4 12:40
久しぶりの看板。さて重い腰を上げて、先へ進まなければならない。
関西最高峰へ向かう。
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5/4 12:51
関西最高峰へ向かう。
新緑をむかえる紀伊半島の山々。
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5/4 13:02
新緑をむかえる紀伊半島の山々。
登頂1914.9m、今回の山旅の最高地点でもある。
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5/4 13:08
登頂1914.9m、今回の山旅の最高地点でもある。
登拝者は絶えない。いつでも碑伝が奉納されている。
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5/4 13:08
登拝者は絶えない。いつでも碑伝が奉納されている。
この山域、この標高は、立ち枯れた木が多いことも特徴だ。
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5/4 13:30
この山域、この標高は、立ち枯れた木が多いことも特徴だ。
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5/4 14:55
地味なアップダウンの連続に苦しむ。
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5/4 15:23
地味なアップダウンの連続に苦しむ。
楊子ヶ宿避難小屋。谷におりたところにあるという水場は確認せず。
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5/4 15:33
楊子ヶ宿避難小屋。谷におりたところにあるという水場は確認せず。
まだ登る。もう夕方近いため足が悲鳴を上げている。
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5/4 15:43
まだ登る。もう夕方近いため足が悲鳴を上げている。
仏生ヶ岳へ。逆方向から来た順峯の人が、この先の「鳥の水」が涸れていないと教えてくださった。私の事前計画にはないが、そこで水を確保しておこうと方針を変える。だがそれが裏目に出てトラブルになる。
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5/4 16:09
仏生ヶ岳へ。逆方向から来た順峯の人が、この先の「鳥の水」が涸れていないと教えてくださった。私の事前計画にはないが、そこで水を確保しておこうと方針を変える。だがそれが裏目に出てトラブルになる。
これが鳥の水。登山道のすぐ傍らにある。
だが事前研究していなかった対象だったため、ヤマレコや山と高原地図による位置情報を信じてしまう。どちらとも間違っている。斜面を涸沢方向に下っては戻り耳を澄ますが、水音は聞こえない。細いのかと、さらに必死に探索してしまった。タイムロスおよび体力を無駄にショートした。
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5/4 17:18
これが鳥の水。登山道のすぐ傍らにある。
だが事前研究していなかった対象だったため、ヤマレコや山と高原地図による位置情報を信じてしまう。どちらとも間違っている。斜面を涸沢方向に下っては戻り耳を澄ますが、水音は聞こえない。細いのかと、さらに必死に探索してしまった。タイムロスおよび体力を無駄にショートした。
水場位置の不勉強のため17:30になってしまった。今から釈迦ヶ岳を乗り越えて目標の深仙ノ宿をめざすのか。陽が長いので不可能ではないがリスクが高いと考える。
ふと稜線から見下ろすと深山幽谷の風景があった。これを見て今日は歩くのを終えようと、なぜか思えた。
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5/4 17:29
水場位置の不勉強のため17:30になってしまった。今から釈迦ヶ岳を乗り越えて目標の深仙ノ宿をめざすのか。陽が長いので不可能ではないがリスクが高いと考える。
ふと稜線から見下ろすと深山幽谷の風景があった。これを見て今日は歩くのを終えようと、なぜか思えた。
森林限界のような、稜線下の緩い斜面。まったく教科書的ではないポイントだが、ここで問題なしと判断しハンモックを張る。今夜も高気圧支配がつづき、雨なし風なしと最新予報で知っている。わかりやす過ぎる天気図とハンモック専用シェルという道具の恩恵で、まったく不安なく眠った。タープなし。
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5/4 18:17
森林限界のような、稜線下の緩い斜面。まったく教科書的ではないポイントだが、ここで問題なしと判断しハンモックを張る。今夜も高気圧支配がつづき、雨なし風なしと最新予報で知っている。わかりやす過ぎる天気図とハンモック専用シェルという道具の恩恵で、まったく不安なく眠った。タープなし。
翌朝、日の出前。今朝もほとんど寒くない。
野営したのは両部分け螺摺りというポイントの近くだった。ここは宗教的な意味での境界線で、吉野よりそこまでを金剛界、その先の熊野までを胎蔵界と、曼荼羅世界が分かれるところである。
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5/5 4:27
翌朝、日の出前。今朝もほとんど寒くない。
野営したのは両部分け螺摺りというポイントの近くだった。ここは宗教的な意味での境界線で、吉野よりそこまでを金剛界、その先の熊野までを胎蔵界と、曼荼羅世界が分かれるところである。
しかし、そんな宇宙論的時空間概念とは関係なく、このちっぽけな私は、いま目の前にある釈迦ヶ岳への険路に四苦八苦していた。
二日にわたって蓄積した進捗の遅れ。この3日目に闘って取り戻さないと、明日中にゴールして東京に帰宅するミッションは不可能になる。明日にわずかでも希望を残すための正念場にして修羅場か。
2
5/5 4:41
しかし、そんな宇宙論的時空間概念とは関係なく、このちっぽけな私は、いま目の前にある釈迦ヶ岳への険路に四苦八苦していた。
二日にわたって蓄積した進捗の遅れ。この3日目に闘って取り戻さないと、明日中にゴールして東京に帰宅するミッションは不可能になる。明日にわずかでも希望を残すための正念場にして修羅場か。
夜明け。本日も天気は悪くなさそうだ。
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5/5 5:00
夜明け。本日も天気は悪くなさそうだ。
細尾根。釈迦ヶ岳は北東側の登山道が険しく、南面は穏やかという山らしい。やはり昨夕に無理して通過しなかったのは賢明だったか。結果的にだが。
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5/5 5:10
細尾根。釈迦ヶ岳は北東側の登山道が険しく、南面は穏やかという山らしい。やはり昨夕に無理して通過しなかったのは賢明だったか。結果的にだが。
釈迦ヶ岳1799.9m
奥駈道の中間を象徴する名峰だ。今の山頂仏像は近年運び上げられた新しいものだが、それは一大事業であり多くの人とエピソードがかかわっていると、持経ノ宿の人が語っていた。
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5/5 5:18
釈迦ヶ岳1799.9m
奥駈道の中間を象徴する名峰だ。今の山頂仏像は近年運び上げられた新しいものだが、それは一大事業であり多くの人とエピソードがかかわっていると、持経ノ宿の人が語っていた。
深仙ノ宿はこっちの方か。
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5/5 5:19
深仙ノ宿はこっちの方か。
紀伊半島の雲海。
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5/5 5:19
紀伊半島の雲海。
極楽ノ都津門。まだ三十九靡だ。多くの人が歩く逆峯(吉野→熊野)の順路だと、この数字がだんだん小さくなるわけだが。先は長いな。
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5/5 5:53
極楽ノ都津門。まだ三十九靡だ。多くの人が歩く逆峯(吉野→熊野)の順路だと、この数字がだんだん小さくなるわけだが。先は長いな。
花の色に慰められる。
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5/5 5:54
花の色に慰められる。
ようやく、ほんとうにようやく深仙ノ宿跡に到達した。
ここも熊野修験の山奥に位置する、根本道場のひとつ。
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5/5 6:02
ようやく、ほんとうにようやく深仙ノ宿跡に到達した。
ここも熊野修験の山奥に位置する、根本道場のひとつ。
テント泊ポイントとして、今では人気だ。
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5/5 6:02
テント泊ポイントとして、今では人気だ。
深仙ノ宿の水場はすぐ近くにある。細いが生きていてラッキーだ。ここが涸れていたら、かくし水のある千丈平に下って自炊するしかないだろうな。
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5/5 6:10
深仙ノ宿の水場はすぐ近くにある。細いが生きていてラッキーだ。ここが涸れていたら、かくし水のある千丈平に下って自炊するしかないだろうな。
玉置の地名があらわれた。といっても30kmの距離。これはさすがに今日中には無理か。
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5/5 6:32
玉置の地名があらわれた。といっても30kmの距離。これはさすがに今日中には無理か。
太古ノ辻に着いた。ここは運命の分岐点たる要衝の地だ。ここで奥駈道をリタイアし、エスケープする人も少なくないだろう。セクションハイクを再開するにも、ここからになる。
前鬼の宿坊を経て、前鬼口バス停に至る下山路がここだから。
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5/5 6:42
太古ノ辻に着いた。ここは運命の分岐点たる要衝の地だ。ここで奥駈道をリタイアし、エスケープする人も少なくないだろう。セクションハイクを再開するにも、ここからになる。
前鬼の宿坊を経て、前鬼口バス停に至る下山路がここだから。
前進する。つぎは天狗山へ向かう。
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5/5 6:59
前進する。つぎは天狗山へ向かう。
石楠花岳のあたりのシャクナゲ。刈り払い修行という名のボランタリー精神による整備があるらしく、そのおかげでこの辺はスムーズに歩けてるのかも。
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5/5 7:12
石楠花岳のあたりのシャクナゲ。刈り払い修行という名のボランタリー精神による整備があるらしく、そのおかげでこの辺はスムーズに歩けてるのかも。
天狗山に登頂。キツい。もうヘロヘロ。
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5/5 7:26
天狗山に登頂。キツい。もうヘロヘロ。
いまだ標高は1500ほどあり、見通しは良い。山だらけの登り返しばかりで、標高はなかなか下がっていかないのだ。
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5/5 7:40
いまだ標高は1500ほどあり、見通しは良い。山だらけの登り返しばかりで、標高はなかなか下がっていかないのだ。
ということで、また山頂。
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5/5 7:43
ということで、また山頂。
ここもテントが安定しそうだ。樹林もあるからハンモックも。
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5/5 8:09
ここもテントが安定しそうだ。樹林もあるからハンモックも。
地蔵岳(子守岳)。南奥駈道に入ると、新宮山彦ぐるーぷ製の案内板が充実してくる。
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5/5 8:15
地蔵岳(子守岳)。南奥駈道に入ると、新宮山彦ぐるーぷ製の案内板が充実してくる。
第二十三靡。ブナの木が多い。
だんだん食欲が衰えてきてるのが不安だ。正確に言うと、甘いお菓子系の行動食に心身が飽きてきた。普通の食事欲はあるのに。シャリバテ注意報。
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5/5 9:08
第二十三靡。ブナの木が多い。
だんだん食欲が衰えてきてるのが不安だ。正確に言うと、甘いお菓子系の行動食に心身が飽きてきた。普通の食事欲はあるのに。シャリバテ注意報。
山を下っては、また新たな山を登る苦行。とにかくただ足を動かせ。ある意味、無我の境地に至ってる?
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5/5 9:20
山を下っては、また新たな山を登る苦行。とにかくただ足を動かせ。ある意味、無我の境地に至ってる?
涅槃岳。NIRVANA…
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5/5 9:29
涅槃岳。NIRVANA…
シャクナゲの花を見ながら、さらに二座の山を越えて。
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5/5 10:17
シャクナゲの花を見ながら、さらに二座の山を越えて。
持経ノ宿に着いた。ここは売店をやって「いない」
あくまでも管理人が個人的に持ってきていたUFO焼きそばと水を私は恵んでもらい、私は自分の意志で協力金を捧げたまで。
正直、とても助かる。ちなみにコーラは人気があり過ぎて昨日で尽きたとか。
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5/5 11:04
持経ノ宿に着いた。ここは売店をやって「いない」
あくまでも管理人が個人的に持ってきていたUFO焼きそばと水を私は恵んでもらい、私は自分の意志で協力金を捧げたまで。
正直、とても助かる。ちなみにコーラは人気があり過ぎて昨日で尽きたとか。
美味しくカロリー補給できたので、まだまだ動けそうか。
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5/5 11:10
美味しくカロリー補給できたので、まだまだ動けそうか。
平治ノ宿。次の山小屋に行くだけでCT3時間と聞いて気持ちが引き締まる。
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5/5 11:53
平治ノ宿。次の山小屋に行くだけでCT3時間と聞いて気持ちが引き締まる。
ツツジの花。やはり日光と咲いている花が似ている気がする。
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5/5 13:00
ツツジの花。やはり日光と咲いている花が似ている気がする。
またまた山を二座越える。
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5/5 13:33
またまた山を二座越える。
怒田宿跡。この真下の白谷トンネルPを起点にして、南奥駈道の山にハイキングを楽しみに来る人もいる。
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5/5 13:45
怒田宿跡。この真下の白谷トンネルPを起点にして、南奥駈道の山にハイキングを楽しみに来る人もいる。
行仙岳に登頂。この山もキツくてヘロヘロ。
docomoの電波が弱いながらも通じたから、必要連絡と最新天気予報取得にいそしむ。
1
5/5 13:59
行仙岳に登頂。この山もキツくてヘロヘロ。
docomoの電波が弱いながらも通じたから、必要連絡と最新天気予報取得にいそしむ。
行仙小屋に下ってきた。ここは充実した宿泊施設だが、タイムトライアル状態に入りつつある私は立ち止まっている余裕なし。コーラありますよ〜休んでって〜の誘惑の声に御免くださいした。
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5/5 14:34
行仙小屋に下ってきた。ここは充実した宿泊施設だが、タイムトライアル状態に入りつつある私は立ち止まっている余裕なし。コーラありますよ〜休んでって〜の誘惑の声に御免くださいした。
鉄塔のある長閑な風景だが、騙されてはいけない。誰もがエグいと噂する笠捨山の登りが始まるのだ。
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5/5 14:38
鉄塔のある長閑な風景だが、騙されてはいけない。誰もがエグいと噂する笠捨山の登りが始まるのだ。
笠捨山、ほんと笠を投げ捨てたくなる登り坂だ。
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5/5 15:09
笠捨山、ほんと笠を投げ捨てたくなる登り坂だ。
時間がかかった。第一八靡、笠捨山。今日の苦難はこれが最後かと思った。しかしここからが一番の難所だった。
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5/5 15:48
時間がかかった。第一八靡、笠捨山。今日の苦難はこれが最後かと思った。しかしここからが一番の難所だった。
ついにゴールの熊野本宮大社が案内されはじめた。27kmか、うーむ。
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5/5 16:06
ついにゴールの熊野本宮大社が案内されはじめた。27kmか、うーむ。
葛川辻。情報量が多い。そしてここから破線ルートに入る。
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5/5 16:08
葛川辻。情報量が多い。そしてここから破線ルートに入る。
槍ヶ岳。痩尾根と岩場の迂回が目立ってくる。
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5/5 16:35
槍ヶ岳。痩尾根と岩場の迂回が目立ってくる。
鎖とロープで迷路の中を導かれているようなルート採りだ。落ちたら危険。なかなか前に進まない。
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5/5 16:36
鎖とロープで迷路の中を導かれているようなルート採りだ。落ちたら危険。なかなか前に進まない。
地蔵岳。大峯奥駈道における一番のテクニカル箇所がこのエリアだった。後半の低山になってから、この鬼畜ぶりなのか。
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5/5 16:44
地蔵岳。大峯奥駈道における一番のテクニカル箇所がこのエリアだった。後半の低山になってから、この鬼畜ぶりなのか。
鎖だらけ。
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5/5 16:50
鎖だらけ。
ここで急におだやかなトレイルになる。安堵した。
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5/5 17:10
ここで急におだやかなトレイルになる。安堵した。
17:00をまわった。足が浮腫んで、痛いわ痒いわ痺れるわだが、少しでも進んでおかないと明日が苦しくなる。
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5/5 17:11
17:00をまわった。足が浮腫んで、痛いわ痒いわ痺れるわだが、少しでも進んでおかないと明日が苦しくなる。
香精山。さすがに今日中に玉置山まで行く夢は現実味を失った。ならば水場のある地点に野営地を求めなければと考える。
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5/5 17:39
香精山。さすがに今日中に玉置山まで行く夢は現実味を失った。ならば水場のある地点に野営地を求めなければと考える。
日没頃、古屋宿跡からルートを外れ林道を下った。馬鹿にならない距離だったが大きな駐車場のある21世紀の森 森林植物公園に着地。古屋宿の水が湧き出ている。電波も届く。今夜はここで凌ぐ。
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5/5 19:03
日没頃、古屋宿跡からルートを外れ林道を下った。馬鹿にならない距離だったが大きな駐車場のある21世紀の森 森林植物公園に着地。古屋宿の水が湧き出ている。電波も届く。今夜はここで凌ぐ。
闇夜に浮かぶギョウザとサヤエンドウ。
明日は雨雲が来そうだが、朝まではもつらしい。
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5/5 19:48
闇夜に浮かぶギョウザとサヤエンドウ。
明日は雨雲が来そうだが、朝まではもつらしい。
翌朝。ヘッドライトで尾根道に復帰。昨夜は寝不足。疲労蓄積。足は今日一日、もってくれるだろうか。
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5/6 4:32
翌朝。ヘッドライトで尾根道に復帰。昨夜は寝不足。疲労蓄積。足は今日一日、もってくれるだろうか。
しばらくはいかにも古道跡といった感じの道型を辿る。
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5/6 5:32
しばらくはいかにも古道跡といった感じの道型を辿る。
ときどき併走する舗装路と合流するが、またすぐにトレイルに戻る。南奥駈道はまだまだ距離がある。何が待ち受けていてもおかしくない。油断せずに歩く。
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5/6 5:57
ときどき併走する舗装路と合流するが、またすぐにトレイルに戻る。南奥駈道はまだまだ距離がある。何が待ち受けていてもおかしくない。油断せずに歩く。
まだ平穏な古道あるき。ピーク越えはいったん収まったが、とにかく距離が長いといった感のある区間。
そして、予報よりも早く小雨が降ってきた。
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5/6 6:19
まだ平穏な古道あるき。ピーク越えはいったん収まったが、とにかく距離が長いといった感のある区間。
そして、予報よりも早く小雨が降ってきた。
林道との合流点に「世界遺産 大峯奥駈道」のモニュメント。ドライブやバイクツーリングの人が喜びそう。インスタとかで「大峯奥駈道に行ってきたよ!」みたいな投稿。そうじゃないんだよ、こちとらはるばる歩いてきたんだよ。
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5/6 6:33
林道との合流点に「世界遺産 大峯奥駈道」のモニュメント。ドライブやバイクツーリングの人が喜びそう。インスタとかで「大峯奥駈道に行ってきたよ!」みたいな投稿。そうじゃないんだよ、こちとらはるばる歩いてきたんだよ。
坂を登って登って。玉置山に着いた。小雨はべつに気にならない程度の降り。シャクナゲ林が満開で幻想的。
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5/6 6:51
坂を登って登って。玉置山に着いた。小雨はべつに気にならない程度の降り。シャクナゲ林が満開で幻想的。
玉置山1076.8mに登頂。
やはり昨日のうちにここまで粘ることは無理だった、と今にして確信する。屈強な3泊4日ねらい組は、そのほとんどが3日目でここまで到達してしまうらしいが。どんな体力してるのだろう。
1
5/6 6:52
玉置山1076.8mに登頂。
やはり昨日のうちにここまで粘ることは無理だった、と今にして確信する。屈強な3泊4日ねらい組は、そのほとんどが3日目でここまで到達してしまうらしいが。どんな体力してるのだろう。
玉置山から階段を下り、玉置神社に入る。境内には複数の水場がある。私もここでありがたく頂戴した。
1
5/6 7:04
玉置山から階段を下り、玉置神社に入る。境内には複数の水場がある。私もここでありがたく頂戴した。
世界遺産・玉置神社。シャクナゲの咲く季節に。
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5/6 7:14
世界遺産・玉置神社。シャクナゲの咲く季節に。
すこし離れた駐車場に魅力的な売店があると聞いたが、朝7時ではまだ営業していないのだろう。残念、先に進む。
神社の駐車場はテント泊者の聖地だと聞くが、ペグ打てないにに風は大丈夫か。あずまやの屋根下がビビィやカウボーイスタイル野営の聖地だとも聞く。ハンモック泊するならちょっとルートから離れた山林とかで迷惑にならないようにかな。
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5/6 7:15
すこし離れた駐車場に魅力的な売店があると聞いたが、朝7時ではまだ営業していないのだろう。残念、先に進む。
神社の駐車場はテント泊者の聖地だと聞くが、ペグ打てないにに風は大丈夫か。あずまやの屋根下がビビィやカウボーイスタイル野営の聖地だとも聞く。ハンモック泊するならちょっとルートから離れた山林とかで迷惑にならないようにかな。
いちど未舗装林道に合流。雨はほんの少々。エバニューの折りたたみ傘をさして行く。
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5/6 7:46
いちど未舗装林道に合流。雨はほんの少々。エバニューの折りたたみ傘をさして行く。
植生はすっかり変容し、杉の植林帯にうって変わった。ここからは平和な低山・里山あるきだろうか。いや、悪名高い大森山の登りがまもなく始まるはずだ。
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5/6 8:17
植生はすっかり変容し、杉の植林帯にうって変わった。ここからは平和な低山・里山あるきだろうか。いや、悪名高い大森山の登りがまもなく始まるはずだ。
体力キラーのピークハントが再開されてしまった。また標高1000m以上の世界に登っていく。本気で勘弁してほしい。
1
5/6 8:26
体力キラーのピークハントが再開されてしまった。また標高1000m以上の世界に登っていく。本気で勘弁してほしい。
激坂がだらだら続くのに、閉口する。無心、無我で足を動かす。動け。
だがこのあたりで食欲がほぼ失せてしまった。食べる気力がない。甘い菓子状の行動食は拒絶反応できぶんが悪くなってしまう。それでも脳と身体を騙して動き続けるため、20分おきに柿の種を少量ずつ齧る。それでなんとか運動しつづける。
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5/6 8:55
激坂がだらだら続くのに、閉口する。無心、無我で足を動かす。動け。
だがこのあたりで食欲がほぼ失せてしまった。食べる気力がない。甘い菓子状の行動食は拒絶反応できぶんが悪くなってしまう。それでも脳と身体を騙して動き続けるため、20分おきに柿の種を少量ずつ齧る。それでなんとか運動しつづける。
大森山の山頂標識をうらめしく睨みつけ、熊野本宮まで10km以上との表記も睨みつける。
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5/6 8:59
大森山の山頂標識をうらめしく睨みつけ、熊野本宮まで10km以上との表記も睨みつける。
雨と風が少しだけ気になる。でかいカエルが出現するような天気だ。予報では午後3時ぐらいから紀伊半島南部は雨雲が怪しかったが、標高の高い場所はちょっと変化が速い。
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5/6 9:05
雨と風が少しだけ気になる。でかいカエルが出現するような天気だ。予報では午後3時ぐらいから紀伊半島南部は雨雲が怪しかったが、標高の高い場所はちょっと変化が速い。
なんなんだ、この激下りは。道が崩れぎみで段差が乏しい。そこをいっきに標高落そうとするからロープに頼ることになる。こんな箇所が、予想以上に断続するなか大森山を下山していった。
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5/6 9:34
なんなんだ、この激下りは。道が崩れぎみで段差が乏しい。そこをいっきに標高落そうとするからロープに頼ることになる。こんな箇所が、予想以上に断続するなか大森山を下山していった。
めちゃくちゃ下ったと思いきや、またピークをめざして登る。次は五大尊岳だ。登る、黙々と登る。体力は限界に近い。
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5/6 10:08
めちゃくちゃ下ったと思いきや、またピークをめざして登る。次は五大尊岳だ。登る、黙々と登る。体力は限界に近い。
五大尊岳に登頂。痩せた尾根が特徴的な山頂だ。雨はやんだが、終盤戦になってもこの険しさは過酷すぎた。
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5/6 10:15
五大尊岳に登頂。痩せた尾根が特徴的な山頂だ。雨はやんだが、終盤戦になってもこの険しさは過酷すぎた。
五大尊岳の下りも、また急坂ロープ祭だった。泣きそうになる。侮り難い里山というものは全国各地に散在するものだけれど、そんな登山向きではない里山を無理やりロープで渡らせようとしている感じだ。
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5/6 10:50
五大尊岳の下りも、また急坂ロープ祭だった。泣きそうになる。侮り難い里山というものは全国各地に散在するものだけれど、そんな登山向きではない里山を無理やりロープで渡らせようとしている感じだ。
ついに熊野川が垣間見えた。でも奥駈道だぞ。もはや騙されるな。きっとこの後もストレートには行かせてくれないのだ。
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5/6 11:03
ついに熊野川が垣間見えた。でも奥駈道だぞ。もはや騙されるな。きっとこの後もストレートには行かせてくれないのだ。
また山頂アタック。登り坂だ。雨があがり、再び木漏れ日がさしこむようになったことだけが救い。
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5/6 11:20
また山頂アタック。登り坂だ。雨があがり、再び木漏れ日がさしこむようになったことだけが救い。
第五靡。いよいよカウントダウン。大黒天神岳573.9mに登頂。自治体が和歌山県に変わってからは、奈良県内の立派な案内石柱は失われ、なんとも統一感に欠ける地元の表示板にバトンタッチされる。熊野大社まで残り何kmかもわからなくなってしまった。
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5/6 11:48
第五靡。いよいよカウントダウン。大黒天神岳573.9mに登頂。自治体が和歌山県に変わってからは、奈良県内の立派な案内石柱は失われ、なんとも統一感に欠ける地元の表示板にバトンタッチされる。熊野大社まで残り何kmかもわからなくなってしまった。
送電線のある里山風景。関東民の私にも、なじみのある景色だ。登山道は電力会社の巡視路も兼ねており、歩きやすく良く踏まれた感触だ。
しかし奥駈道の畏るべきは、このままダイレクトに平地に向かわせないことだ。遠回りをしてでも、執拗に尾根道を行かせるのだった。
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5/6 12:15
送電線のある里山風景。関東民の私にも、なじみのある景色だ。登山道は電力会社の巡視路も兼ねており、歩きやすく良く踏まれた感触だ。
しかし奥駈道の畏るべきは、このままダイレクトに平地に向かわせないことだ。遠回りをしてでも、執拗に尾根道を行かせるのだった。
シダ植物が目立ってきた。熊野古道といえば、こんな植生が印象的なはずだった。すくなくとも2年ほど前に中辺路の標高の低いエリアをちょっと歩いた際には。思い返せば、奥駈道はぜんぜん違っていた。もっともっと俗世とは離れた標高を長く歩いてきたのだ。
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5/6 12:30
シダ植物が目立ってきた。熊野古道といえば、こんな植生が印象的なはずだった。すくなくとも2年ほど前に中辺路の標高の低いエリアをちょっと歩いた際には。思い返せば、奥駈道はぜんぜん違っていた。もっともっと俗世とは離れた標高を長く歩いてきたのだ。
祠あり、碑伝あり、錫杖あり。最後まで修験道ムードをありがとうございます。
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5/6 12:35
祠あり、碑伝あり、錫杖あり。最後まで修験道ムードをありがとうございます。
すっかり熊野の杉が支配する植生になった。せっかくさっき、里の風景を見下ろしたのに、再び山奥へと登っていくのだが。
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5/6 12:48
すっかり熊野の杉が支配する植生になった。せっかくさっき、里の風景を見下ろしたのに、再び山奥へと登っていくのだが。
吹越山ピーク。祠あり。
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5/6 13:00
吹越山ピーク。祠あり。
アップダウンをこなす。まだゴールまで距離がある。
0
5/6 13:05
アップダウンをこなす。まだゴールまで距離がある。
ついにはっきりとゴールが見えた!
1
5/6 13:46
ついにはっきりとゴールが見えた!
大斎原の鳥居だ!足腰はもうボロボロだ!
そして下山後の片付けなどをふくめたら、時間もギリギリだ。
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5/6 13:46
大斎原の鳥居だ!足腰はもうボロボロだ!
そして下山後の片付けなどをふくめたら、時間もギリギリだ。
足が痛いが、できるだけ急ぐ。七越峯に登頂。あとは下るだけか?
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5/6 13:57
足が痛いが、できるだけ急ぐ。七越峯に登頂。あとは下るだけか?
いや、大峯奥駈道の狂気は最後まで終わらない。意地でも尾根道だけをつたって移動させようとする純粋修行トレイルだった。ゴールまで残り2kmほどであっても、なぜか私は登り坂にあえいでいた。最後の最後まで、鬼畜ロードなのであった。
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5/6 14:15
いや、大峯奥駈道の狂気は最後まで終わらない。意地でも尾根道だけをつたって移動させようとする純粋修行トレイルだった。ゴールまで残り2kmほどであっても、なぜか私は登り坂にあえいでいた。最後の最後まで、鬼畜ロードなのであった。
熊野川についに着地した。ゴールは対岸。ここまで来たら遠回りして橋を渡るのは野暮。禊の儀式である水垢離をおこなおう。
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5/6 14:27
熊野川についに着地した。ゴールは対岸。ここまで来たら遠回りして橋を渡るのは野暮。禊の儀式である水垢離をおこなおう。
流れは弱いが深い河を濡れながら渡渉する。登山靴をトレッキングポールに被せ、かわりに中厚手ソックスに簡易テントシューズを履いて対岸へ。それでも足裏は石で痛かった。
下山時間が遅れて、新宮駅で期待してた銭湯に立ち寄る時間は消えていた。せめて川水で、髪から胴体から洗う。濡れた衣服をどうにかし、いちぶ濡れた荷物をメンテナンス。けっこう時間がかかった。帰路の公共交通機関でザリガニ臭くないことを祈る。
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5/6 14:34
流れは弱いが深い河を濡れながら渡渉する。登山靴をトレッキングポールに被せ、かわりに中厚手ソックスに簡易テントシューズを履いて対岸へ。それでも足裏は石で痛かった。
下山時間が遅れて、新宮駅で期待してた銭湯に立ち寄る時間は消えていた。せめて川水で、髪から胴体から洗う。濡れた衣服をどうにかし、いちぶ濡れた荷物をメンテナンス。けっこう時間がかかった。帰路の公共交通機関でザリガニ臭くないことを祈る。
ようやく身なりを整え、かつて洪水で流されるまで熊野本宮神社が建っていた大斎原(おおゆのはら)に近づく。ここでようやくログを終了。どうにか無事に、3泊4日での奥駈道縦走を成功できた。
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5/6 15:33
ようやく身なりを整え、かつて洪水で流されるまで熊野本宮神社が建っていた大斎原(おおゆのはら)に近づく。ここでようやくログを終了。どうにか無事に、3泊4日での奥駈道縦走を成功できた。
ビジターセンターのトイレで完全に着替える。ほんとうに修行のような長大な山路だった。
1
5/6 15:37
ビジターセンターのトイレで完全に着替える。ほんとうに修行のような長大な山路だった。
特急および新幹線に間に合うための最終バスまで、短い時間ではあるが本宮に参る。2年ぶり二回目となるそこは、初回とはまったく別の印象をもたせる場所だった。
歩行距離100km弱、3泊4日ハンモック泊チャレンジ。時間も体力も正直ギリギリだったけれど、無事に完歩することができた。
2
5/6 15:46
特急および新幹線に間に合うための最終バスまで、短い時間ではあるが本宮に参る。2年ぶり二回目となるそこは、初回とはまったく別の印象をもたせる場所だった。
歩行距離100km弱、3泊4日ハンモック泊チャレンジ。時間も体力も正直ギリギリだったけれど、無事に完歩することができた。
楽しく読ませて頂きました。
ハンモック山行は参考にしようとは思いませんが(笑)、特に後半は滅茶苦茶共感しました❗️
私も笠捨山くらいから「目の前に現れるピークは(決してトラバースせず)必ず登らされる」という法則を発見しました。最終日は固形物が食べられなくなって、玉置神社の売店でジュース3L買って流動食でなんとか縦走しました。
ほんと、最後の辛さがありありとフラッシュバックするレコでした。
お疲れ様でした。
行者の設定したルート採りは、情け容赦がないのかと思ってしまう厳しいものでした。
これを言い訳に今後は行動食を改善し、もっと贅沢で美味いものばかり持っていってやろうかと企んでいます。
私は11月上旬に歩いてきたばかりです。
私が行けなかった女人結界内が詳細に紹介されていて、疑似体験できて大変嬉しかったです。
玉置山からの鬼畜ロードの連鎖と熊野川手前でのまさかの登り返し、共感しかありません。
一方で私は食欲旺盛なまま摂取カロリー過多で駆け抜けてしまい、帰宅後体重が増えていました。痩せると評判だったから、期待していたのに・・・
奥駈道はこれまでに歩いた有名コースの中では、体力面でもっともトラウマ体験でした。
登山、痩せることはないですねえ…
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