晴天の赤石、暴風雨の聖、上河内・茶臼
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 21:42
- 距離
- 40.6km
- 登り
- 4,401m
- 下り
- 4,575m
コースタイム
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 8:15
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 6:40
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 6:45
天候 | 7/23晴れ、24と25はガス、24の10時台に暴風雨(感想欄ご参照) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
沼平の駐車可能台数は情報ソースによって20台とか30台とか書かれているが、この時期はゲートの手前数十メートルのところに臨時駐車場も作られていて、その倍は停められそうに見えた。自分が見た時は、平日のせいか行きも帰りも3〜4割の空きあり。 行きはそこから畑薙夏季臨時駐車場まで2.8キロ歩いて特殊東海のシャトルバスで椹島ロッジへ。 帰りは茶臼岳登山口に下山後、2.6キロゆるジョグして沼平へ。 |
その他周辺情報 | 椹島ロッジと百瞭胸海硫箸六馨屋WiFiに加入すればWiFi利用可能。 https://yamagoya-wi2.com/ 百瞭胸海硫箸叛司疹屋は今シーズンいずれも食事提供なしと公表されているけれど、自分が利用した日はレトルトのランチは頂くことができた。百瞭胸海硫箸任魯レー、聖平小屋ではこれに加えてキーマカレー、マーボ−丼、親子丼、五目丼。 下山後は白樺荘で入浴、食事。百瞭兇叛司燭領省で同宿だったソロハイカーさん3人とバッタリ再会でき、同窓会のようで嬉しかった(彼らは聖岳登山口→椹島→シャトルバス→マイカーで白樺荘へ)。 白樺荘のあと、車で寸又峡温泉翠紅苑に移動して温泉ハシゴ。 |
写真
感想
未踏百名山のうち、体力を要しそうなのは聖岳と笠ヶ岳。このうち聖岳は赤石岳からの縦走で登りたくて、それなら体力のあるうちに早めに挑戦しないと・・・と数年前から思っていた。で、昨年3回予約を入れるも、いずれも天気予報が悪くてキャンセル。
4度目の正直の今回は出発前の天気予報がまずまずで、期待と緊張を抱えて出発した。百瞭兇泙任1日めは最高の天気で素晴らしい山歩きを楽しめた。小赤石岳前衛峰からの荒川三山や、百諒深蠢阿ら望む聖岳への長い稜線は、南アルプスの広大さが感じられて、本当に素晴らしかった。その後予報が悪い方に変わり、ほぼずっとガスガスとなってしまったのは残念(聖岳山頂での暴風雨については後ほど)。
*****
今回、椹島ロッジでは19人のツアー団体と一緒だった。椹島ロッジ→赤石小屋→荒川小屋→千枚小屋の計4泊の行程とのこと。
百軒洞山の家と聖平小屋では雰囲気がガラッと変わり、男性も女性もほとんどソロハイカー、その中に2人連れがポツポツいらっしゃる程度。同宿となった方々といろいろお話しできた。聖平小屋では百瞭胸海硫箸粘藐知りになった方々との再会も楽しかった。
*****
聖岳山頂での暴風雨について
2日めはガスに加えて朝から風が強めではあったけれど、時折ビューッと吹く程度で、稜線歩きに支障は感じていなかった。ところが、奥聖岳から聖岳に写真を撮りながら稜線を戻る途中、聖岳山頂まであと200m弱というところで、いきなり体にバチバチっと何かがあたってきて、それが雨だった(ヒョウだったという方もいらっしゃった)。それとほぼ同時にブオーッという突風が吹きつけてきて、立っていられなくなる。地面にかがんでレインウエアのパンツを身に着けた(上半身には朝からずっとレインウエアを着ていた)。ザックにカバーを付けて立ち上がると、あっという間にカバーが突風で遠くに飛んで行ってしまった。
体が急に冷えてくるのがわかったので、強風によろめきながらも歩き、風が強まると岩に手をついてかがみ・・・を繰り返す。なんとか聖岳山頂に戻ると、昨夜百瞭胸海硫箸覇噂匹世辰進が3人、山頂の小さなハイマツなどの陰で退避なさっていた。その中のOさんが奥聖からヨロヨロ歩いてくる自分を見つけて撮って下さった動画がこちら(あの状況で動画を撮れる平常心はすごい)。
小さなハイマツで除けられるような風ではないと思ったし、少なくとも自分は寒くてたまらず、一方で、転倒しても滑落はしそうもない地形に見えたので、「ここでじっとしていると低体温症が怖いので一緒に下りませんか」と3人に声をかけた。レインウエアを着けるのに手間取っている方が1人いらっしゃって、少しお話しした結果、他の3人(Oさん・Yさん・自分)で先に行かせてもらうことになった。この判断が正しかったのか、今もわからない(ちなみに4人とも無事に聖平小屋に着いた)。
下りでは自分が先頭を行き、低体温症と落雷のリスクを避けたかったので、相当ペースを出した。途中、遠くから雷鳴も聞こえてきて、「近づくな」と祈りながら下り続けた。時々うしろを振り返るとOさんもYさんも付いて来ていらっしゃったのでペースを落とさなかった。聖岳山頂から小聖岳まで、地図に「砂礫の大斜面・・スリップ注意」と書いてある標準タイム50分の区間を29分−−ここまでペースを上げたのが正しかったのかもわからない。OさんとYさんがどれだけ寒さを感じているかは先に聞くべきだったかもしれない。
小聖岳まで来ると、風雨が少し治まり、背の高いハイマツも出てきたので、3人それぞれのペースで進むことにした。
この暴風雨の影響で、麓の井川町では気温が31度から一気に21度まで下がったそうだ。
今回のようなリスクをどう対処しうるか、下山後に色々考えてみた。
・まず、天気予報から今回の急変を予想するのは無理だった。奥聖岳山頂で携帯電波がつながってたまたま確認した聖岳の登山天気は曇りで、気温14度、風速8mだった。雨雲レーダーまで開けば何か予知できたかもしれないが、登山中に雨雲レーダーを頻繁にチェックするのは現実的でない。
・観望天気の知識があっても、ガスガスで何も見えなかったのでやはり役に立たなかっただろう。
反省点(=改善できそうな点)は以下の4つだろうか。
・冬山なら常識のミッドレイヤーを今回着けられなかった。ペラペラシャツ2枚の上にレインウエアを着て朝から歩いていて、嵐が来てからも上半身はそのままだった。レインウエアが水を通したとは思わないが、暴風雨で冷え切ったレインウエアがペラペラシャツ2枚をはさんで肌に張り付き(風で圧着され)、熱伝導で体温を奪っていた気がする。間にミッドレイヤーで空気の層を作れていれば熱伝導を遮断できたはずだが、ミッドレイヤーは山小屋で寝る時用と位置付けてザックの奥のスタッフバッグに入れていたので、あの状況ではとても出せなかった。せめて取り出しやすい所に入れておけば良かった。が、すぐ出せたとしても、いったんレインウエアを脱がなければならず、その間に上半身もミッドレイヤーも濡れてしまっただろう。翌日(やはり強風の日)、上河内岳に登る際、樹林帯を出る直前でレインウエアの内側にミッドレイヤーを着込んでみたところ、稜線上で突風が来ても暖かさが全然違った。風が吹かなければ逆に汗をかいて汗冷えしそうだが、そこは様々なジッパーの上げ下げでの調節を試みた。ベンチレーション付きのレインウエアならこの調節がしやすそう。
・レインパンツのジッパーが、出してすぐはける状態になっていなかった。これで1分近くロスしてしまい、その間にロングパンツが濡れてしまった。
・風向きと最寄りの樹林帯の位置を考えて判断すべきだった。たとえば、風が東風で西側に最寄りの樹林帯があるなら、登ってきた西側に少し戻って風を避けられるポイントを探すという選択肢もあったと思う。実際には今回の風は北から吹いていて南に下ったので結果オーライだったが、風向きなどを考慮して判断していたわけではなかった。
*****
何はともあれ、長く憧れていたコースを無事に歩き通せて良かった。いろいろな方とお話しできたのも良い思い出。
ただ、残念ながら聖岳・上河内岳・茶臼岳の魅力は十分楽しめなかったので、このエリアはいつかまた訪ねてみたい。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する