東北遠征!朝日連峰(泡滝ダム〜五味沢)、飯豊連峰(飯豊山荘〜弥平四郎) 連続縦走


- GPS
- 59:28
- 距離
- 82.9km
- 登り
- 6,717m
- 下り
- 6,875m
コースタイム
- 山行
- 6:19
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 6:52
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 8:49
- 山行
- 6:08
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 6:25
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:05
- 山行
- 12:04
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 13:21
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 4:10
- 合計
- 9:26
- 山行
- 1:12
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 1:12
天候 | 10:晴後雨,11:晴,12:曇,13:晴,14:晴後曇(稜線上強風),15:曇,16:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
飛行機
尼崎8:40-(リムジンバス,1550円)-9:56関西空港11:25-(Peach,9990円)-12:35新潟空港13:10ー(リムジンバス,410円)ー13:35新潟15:43ー(JR,2590円)ー18:47鶴岡 鶴岡6:32-(路線バス,770円)-7:06朝日庁舎7:20-(朝日夏季観光バス,2400円)-8:30泡滝ダム ※朝日夏季観光バス情報: ・https://www.yamareco.com/modules/diary/162372-detail-188353 ・バス定員 9名(予約者優先) ・連絡先:あさひむら観光協会 0235-53-3411 移動: りふれ13:10-(小国町町営バス北部線,520円)-13:48小国駅15:42-(小国町町営バス南部線,700円)-16:30飯豊山荘 ※小国町町営バス ・北部線(通常バス) りふれ→小国駅 http://www.town.oguni.yamagata.jp/life/life/road/bus/07_bus_hokubu.pdf ・南部線(通常バス) 小国駅→飯豊山荘 http://www.town.oguni.yamagata.jp/life/life/road/bus/07_bus_nanbu.pdf (南部線7月1日〜8月31日限定。 上記以外の季節は、飯豊山荘手前の飯豊梅花皮荘までしか運行無し) 復路: 弥平四郎登山口6:40-(野沢まちなか行,オンデマンドバス500円)-7:40野沢7:53-(JR,1490円)-9:50新潟 新潟駅南口19:50-(夜行バス,Willer,8900円)-6:15大阪駅前第4ビル ※野沢まちなか行,オンデマンドバス ・7月中旬〜8月中旬のみ運行のバス、西会津町民バスのバス停。 野沢駅から弥平四郎線に乗車する。予約制(前日までに予約すること) ・連絡先:0241-48-1300(予約受付時間 8時~17時) ・飯豊は稜線上でdocomoの電波が通じる(稜線を下りる前なら予約変更も可能) |
その他周辺情報 | ※概略日程 8/(9),10,11,12,13,14,15,16,(17) 8/9:移動(大阪→鶴岡) ※関西空港から新潟空港へPeach利用 8/10,11,12:朝日連峰縦走 2泊3日 8/13,14,15,16:飯豊連峰縦走 3泊4日 8/16,17:移動(新潟→大阪) ※新潟駅から大阪へWiller夜行バス利用 ※テン場、避難小屋 ○朝日連峰 ・テン場は、大鳥小屋のみ (国立公園内のため、稜線上の小屋ではテン泊禁止 例外的に、避難小屋が満員の場合のみ、テント泊が可能となる) ・宿泊利用 以東岳避難小屋 1500円(小屋泊) ・水場は、結構遠い(徒歩10分くらい下りた場所) 大朝日避難小屋 1500円(小屋泊) ・水場は、金玉水(徒歩10分くらい下りた場所) ○飯豊連峰 ・飯豊は各小屋脇にテン場有 ・宿泊利用 天狗平ロッジ 500円(テン泊) ・水(沢水を引いている)、トイレ有 ・飯豊山荘にて入浴可能(料金500円) 頼母木小屋 1000円(テン泊) ・水(沢水を引いている、めちゃ美味)、トイレ有 本山小屋 2500円(小屋泊) ・水(水場が結構遠かった)、トイレ有 祓川小屋 無料(小屋泊) ・無人小屋 ・水場無し (山と高原地図には水場のマークが有るが、現在は使えません 利用の際は、10分ほど下りた場所の駐車場からすぐの沢で汲むこと) ・トイレ有 ※鶴岡前泊 快活クラブ鶴岡店(インターネットカフェ) ・鶴岡駅から徒歩9分 ・12Hパック2700円 ・無料モーニング(6:00から10:30) ・シャワー無し ※薬局(燃料アルコール調達) ツルハドラッグ 鶴岡東店 ・鶴岡駅から徒歩9分 ・営業9:00〜22:00 ※下山後の温泉 ○小国 りふれ http://www.siroimori.co.jp/rihure/index.html ・入浴料500円、日帰入浴 10時〜19時、食事可 飯豊山荘 http://www.siroimori.co.jp/iidesansou/index.html ・入浴料500円 ○野沢駅 ロータスイン https://www.lotosinn.com/ ・400円、食事可能 ・野沢駅から徒歩15分 ○新潟駅 極楽湯 https://www.gokurakuyu.ne.jp/tempo/meike/ ・入浴料670円、食浴セット1080円(入浴料+とんかつ定食) ・新潟駅から徒歩40分 ・露天風呂、つぼ湯、サウナ等なんでも有り、多彩なお風呂が楽しめます ※新潟駅前 ランチ いっとうや(ラーメン) ・新潟駅南口より徒歩18分、営業11:00〜21:00 |
写真
感想
今年の夏の縦走は、初めて東北のお山へ。憧れの朝日・飯豊連峰を歩きます。
下記のレコを見て以来、ずっと温めてきた山行き計画。
「朝日連峰と飯豊連峰の連続縦走のススメ、7泊8日」
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-936455.html
今年、朝日夏季観光バスが復活するという情報を入手し、いよいよ実行に移す時がやってきました。以下、道中記録です。
出発2日前、右目が充血しているため、眼医者を受診。先生に「目の周囲に、ヘルペスが出ているよ。疲れているのでは。十分に休むように」と診断され、4日分の薬を処方される。
「え~。まじですか?」せっかくの縦走前に、体調を崩すとは。ここの所、仕事がきつかったからなぁ。山に入るまで2日間しかないが、気合で治すことにする。酒を断ち、規則正しい生活を心掛け、安静にして、体調が戻るのをじっと待った。
前日、関空からピーチで新潟空港へ飛ぶ。ふと窓から外を見ると、焼岳が見えている。「えっ。こんな所を飛ぶんだ。」急いで、カメラを準備して撮影。大キレットから北穂、奥穂高の峰々がきれいに写った。今は夏山シーズン、真っ盛り。大勢の人が歩いているんだろうなぁと、想いをはせた。
新潟から、在来線を繋いで鶴岡へ。駅近ネットカフェで前泊して、いよいよ明日は、朝日連峰の稜線に乗る。時は来た!だが、本当に大丈夫か?山に入ると医者には行けない。薬はあるが、水道水すら使えない状況が当分続く。体調不良が、気がかりだった。
◆1日目 泡滝ダム〜大鳥小屋〜オツボ峰〜以東岳〜以東小屋(小屋泊)
朝のバスを乗り継ぎ、泡滝ダムに入る。バスの同乗者は4人。いずれも登山者であった。バスで隣席の方が、豪快な人だった。トレランスタイルで朝日・飯豊を連続縦走し、4泊5日で抜ける。うわ~。足がはえ~。私とほぼ同じコース取りだが、荷物を軽量化(ツェルト持参)して距離を伸ばす作戦。見た目はすごくフツーの人なのだが、ものすごい体力と脚力の持ち主でした。
先月は、北海道のマラソン大会を走ったと伺った。ついでに、利尻岳と幌尻岳も登ったのだそうだ。なんか、やることが常人の域を完全に超えている。
先に行われたマウントフジのウルトラマラソンにもエントリーしたそうな。(これはテレビで見た。季節外れの雪が降ったため、主催者側の判断で、途中でレースが中断したやつですね)
あと、今年中に、ドイツのベルリンの壁沿いを走るウルトラマラソンに参加して調整して、最後は、ギリシャのウルトラマラソンを走るそうだ。すっげー。超人さんと山話で盛り上がっていると、すぐに泡滝ダムに着いてしまった。
その方とは、ここでお別れした。
準備を整え、歩き始める。体の具合を確かめながら、慎重に進む。今日は稜線の以東小屋まで。まずは、タキタロウ伝説の大鳥池を目指す。七曲りの急登を上り詰めて、大鳥池の湖畔でランチ休憩。ここのテン場の人は、もうお酒を飲んで、いい感じに出来上がっており、楽しそうだった。私は、もうひと頑張りだ。休憩後、オツボ峰経由で以東岳を目指す。のっけから急登が続く。急登を登り切ると、展望が開けた。なかなか良い稜線だった。水場分岐で、おばちゃんの登山者と出会う。
水場は、下りて直ぐだと伺い、ペットボトルを持って、水場に下る。そこで天気が悪くなり、強い雨が降り始める。急いで戻り、カッパを着た。おばちゃんもカッパを着て出発の準備中でした。「以東岳の小屋で会いましょう」と言って先行させて頂く。
以東岳に到着!でも、ガッスガス。(;_;)
すぐに、以東小屋に向かう。以東小屋では、女性の管理人さんが出迎えてくれました。改装したばかりの小屋は、とっても綺麗でした。2段ベッドの2階に陣取り、一息ついた。「水場に行ってきます!」と出ようとすると、2人組のベテランさんに、「プラティパスに水を汲んできてくれないか?」と頼まれる。水のお使いですね。
水場は意外と遠かった。無事、水を汲んで帰ってくると、おっちゃんは、赤ワインを振る舞ってくれた。おっちゃんは、沢登りをこよなく愛する山のベテランさんで、今回は、重いガチャ類を背負っていた。天候が崩れる予定のため、沢上りから稜線歩きに切り替えたそうだ。こんにゃくの味噌和えなど、酒のつまみも頂く。「沢はいいよ!沢の焚き火は最高!イワナを釣って、キノコや山菜を食べて進む。誰も入ったことのない沢を進む。最高だよ」だって。沢登りなどの面白みを知ってしまうと、普通の縦走路歩きだけでは、満足できなくなるだろうなぁと、思った。人は誰でも冒険が好きなのだ。それも、少し背伸びをしないとクリアできない冒険が。
水場で追い越した、おばちゃんも宴会に合流。「あ~、思い出した!南岳であったよね」と言われた。私もそこで思い出した。「あっ、あの時のおばちゃん!」なんという奇遇。大キレットに挑戦する前夜、雨に降られて、南岳小屋に停滞し、話し込んだおばちゃんと、こんなところで再会するとは...。避難小屋を使った縦走が大好きだと言っていたのを思い出した。二年連続で出会うとは、山に対する思考回路が私と同じなのかも、しれない。
体調は今一だけれど、お酒も進んで、楽しい夜は更けていくのでした。
◆2日目 以東小屋〜狐穴小屋〜竜門小屋〜西朝日岳〜大朝日小屋(小屋泊)
朝早く起きて、朝食を取り、小屋を出発。朝は快晴でした。管理人さんを初め、多くの人が以東岳山頂で眺望を楽しんでおられました。山頂に着くと、いきなりブロッケンがお出迎え。すっげー。以東岳の絶景を楽しんだ。
北を見れば、美しい月山と鳥海山の山並みが見える。南を見れば、飯豊連峰の山並みが一望できる。昨日は見ることのできなかった大鳥池も今日はばっちり。これから歩く朝日連峰の山並みも、大朝日岳まで綺麗に見えた。
管理人さんに「毎日、こんな景色を見れて良いですね。」と聞けば、「こんな景色は10日の内3日ですよ。今日はラッキーですね」だって。
気を良くして、縦走路を歩き始めた。
登山道脇には、タカネマツムシソウのお花畑が広がっていた。少し進むと向こうからやってきた女性の方に声を掛けられる。「今日は、いい天気ですね。狐穴小屋から歩いてきたんです。多分、どこかで、男性1名、女性5名のパーティに追いつくでしょう。私は駐車場に戻って、車を回送します」とのこと。(実は、この方は後ほど大朝日小屋でお世話になる山の案内人(山岳ガイド)の源さんの奥さんでした。)
狐穴小屋で、少し休憩。管理人さんは、山形弁ばりばりでした。う~む、何言ってるのか、全然わからない。でも、おっちゃんにクマの話を伺っていると、だんだん山形弁のリスニング力が付いてきた。理解できた内容は以下の通り。
「クマは居るよ。今まで数え切れないくらい出会った。いつも決まった場所に、決まった時間に出る。朝でも昼でも出るよ。登山道にもクマが通る道が有る。クマはとっても賢い。登山者が遠巻きに見ていても遊んでいるが、カメラを向けると、すぐに逃げ出す。小屋のすぐ前の木道のついた草原でも遊んでいたことがあった。クマは遊びながらも、人間をよく観察している。クマに襲われるのは、たいていマタギだ。一般の人が襲われることはまずない。マタギの殺気を感じて反撃するのだろう」とのことでした。クマには、できれば会いたくない物ですね。
「ここらは沢登りでも有名なんだよ。」と小屋の壁にある地図で、いろいろな沢ルートを説明してくれた。稜線歩きだけでなく、沢登りもメッカなんですね。面白い。
管理人さんは、今日は以東小屋に行くと伺った。長靴がトレードマークの管理人さん、大変お世話になりました。
大休憩して、すっかり話し込んだ後、小屋を出発。
今日は天気が良すぎる。ピーカンで、暑く大量の汗をかく。胃腸の具合が今一で、体調が悪く、なかなか足が出ない。長い距離を歩いて竜門小屋に到着。小屋前の木陰に倒れ込み、大の字になって、体力の回復を図る。
しばらく休んで、次を目指す。西朝日岳には、へとへとになって到着。大休憩の後、大朝日岳に向けて出発。アップダウンが多く、偽ピークに心が折れて、途中でまた大休憩。今日は、めっちゃ、しんどいぞ~。
疲れ切って、大朝日小屋に到着。今日はよく頑張った。小屋で受付後、小屋で一寝入り。夕方、水場に水を汲みに行こうとすると、小屋前ですでに宴会を始めていたガイドの源さんに「水を汲んできてくれないか?」と、今日も水のお使いを頼まれる。
水を汲んで戻ってくると、小屋前の宴会スペースで、赤ワインと麦焼酎、芋焼酎などを振る舞ってくれた。さすが、ガイドさん。お酒の飲み方も山男らしく豪快だ。既に、皆さん、いい感じに出来上がっている。源さんは、厳冬期に西穂から奥穂なども歩かれている経験豊かなベテランガイドさんでした。管理人さん、旧管理人さん、管理人さんの友人も宴会に加わって、楽しい宴を過ごした。
暗くなって、外の1次会はお開きとなり、小屋に戻る。今度は、中で2次会が始まる。旧管理人さんから「俺が作った、キノコ(とび舞茸)の辛味噌漬けをどうぞ。はちみつも食べて」と自家製はちみつを頂く。これが、なかなか美味い!
おっちゃんはニホンミツバチで養蜂をしており、おっちゃんの作る蜂蜜は、歌手からご指名買いが入るほど、人気なのだそうだ。おっちゃんの蜂蜜愛はマニアックで凄い。天然ミツバチに拘り、手間を惜しまず作るため、コストがかかり過ぎて、儲けはほとんどないそうだ。「味はどうだ?上澄みと底の濃い部分の味の違いが分かる?プロポリスの味が分かるかい。酸味があるでしょ」とか言って、おっちゃんは、その度に、一口はちみつを舐めさせる。もはや、おっちゃんに誰もついていけない。そのときガイドの源さんが「そろそろ8時、お開きにしましょうや。」と助け舟を出してくれた。
山の夜は早い。楽しい宴会は、そこでお開きとなった。
◆3日目 大朝日小屋〜大朝日岳〜大石沢小屋~五味沢(りふれ) ※バスで天狗平ロッジへ移動(テン泊)
朝、3時起床で4時に出発。大朝日山頂を踏んで、下山にかかる。今日はバスの時間に間に合わせるよう歩いた。
次第に、空が白み始める。マジックアワー到来!美しい風景を眺めながら気分良く進んだ。クマ鈴を鳴らして進んでいると、音に驚いたキツネが走り去るのが見えた。野生のキツネは始めて見ました。尻尾が長いですね。
200名山の祝瓶山が見えた。お~、とんがりが、かっちょえー。いつか歩いてみたい山でした。どんどん進んで、急登を激下る。むちゃくちゃ暑い。足がオーバーヒート寸前の所で、沢に出合う。吊橋を渡った所で、ザックをデポして、裸になって沢に飛び込む。周囲に人は誰もいない。人生最高に気持ち良い水浴びでした。
すっかり、クールダウンした後、再び歩き始める。2つの小屋を通り過ぎて、登山口に到着。ここからは長い舗装路の林道歩きが待っている。
林道歩き対策として購入した、人生初の日傘を差して、いざ出発!というときに、軽トラが脇に停車し、おっちゃんが「乗ってけ!」と声を掛けてくれた。私には、おっちゃんから、後光が差しているように見えた。おっちゃん、ありがとう!恩に切るよ。
軽トラは、冷房が効いていて、快適そのもの。ラジオからは高校野球の実況が流れていた。おっちゃんは、麓の集落で民宿「さいとう」を営んでおり、ちょうど、山にキノコを取りに来た所だと伺った。宿では、山の幸(山菜やキノコ)や、沢魚(イワナ、ヤマメ等)を提供しているそうだ。登山者や釣り客が宿泊した場合は、宿から登山口まで送迎するそうだ。「もう下りてきたの。兄ちゃん、早いね。この林道は長くて歩くのは大変だからね。」と声を掛けてくれた。優しいおっちゃんに拾ってもらって、本当に助かりました。
「りふれ」には11時過ぎに到着。おっちゃんのおかげで、2時間ほど、時間を頂いたので、食事を頂くことにした。親子丼(大盛り)は、めちゃ美味でした。地元の小国山岳会の会報等を見て、過ごした。昨日お世話になった、大朝日小屋の旧管理人さんの若い頃の姿等を拝見させて頂きました。
バスで小国駅へ。さらにバスを乗り継ぎ、飯豊山荘へ。まずは、天狗平ロッジにテントを張り、飯豊山荘のお風呂で、3日間の汗を流す。下山後の温泉は最高!天狗平ロッジでは、テントは2張り。隣接テントのお兄さんは、東京から仙台に帰省する際、毎年飯豊に寄ってから帰るそうだ。毎年飯豊に来れるなんて、羨ましい限りです。飯豊本山からの景色がお気に入りだそうで、写真をいくつか見せてもらう。稜線に乗るのがますます楽しみになってきた。
体調も、ようやく戻ってきた。何が効いたのか良くわからない。ヘルペスの特効薬のお薬?陀羅尼助?おっちゃんの自家製蜂蜜?お酒?あるいは、その相乗効果か?いずれにしても嬉しい。翌日に備えて、早めに就寝。
◆4日目 天狗平ロッジ〜丸森尾根〜頼母木小屋(小屋泊)
2時半過ぎ起床で、準備を整え、4時過ぎに歩き始めた。すぐに空が白み始め、美しい空色が広がる。気持ち良い朝でした。取り付いた丸森尾根は、しょっぱなから急登が延々と続く。岩と木の根のミックスですが、ぐんぐんと高度を上げる快速尾根でした。少し遅れて、同じテン場のお兄さんも登ってきた。(結局、地神北峰の稜線出合いまで、抜きつ抜かれつで進むことになった)
丸森峰でようやく急登を突破。ニッコウキスゲ等のお花畑が出迎えてくれ、気持ちよく歩いた。暑くてたまらなかったが、雪渓から吹き上げる風は天然クーラよろしく、めちゃくちゃ気持ちよかった。しばらくそこで涼んで火照った体をクールダウン。地神北峰でしばらくお話しして、お兄さんとは別れた。
ここで、エブリ差岳方面から、女性が上がってきた。
昨日、頼母木小屋に泊まり、今朝エブリ差岳をピストンで往復してきたとのこと。「どうでした?」には「本山よりも良かったかも」とのことで、否が応でも期待が高まる。気分を良くして、頼母木小屋に向かった。
頼母木小屋では、管理人さんが出迎えてくれた。ここでテントを設営し、今日はゆっくり過ごす。乱舞するとんぼと遊び、夕食時には管理人には「茹でた枝豆」の差し入れを頂いた。隣接テントのご夫婦には、マッシュポテトのサラダのおすそ分けを頂く。ここでも、焼酎を振る舞って頂く。
夕焼けがとっても綺麗で、小屋前で絶景を楽しんだ。暗くなってから、各自テントに戻り、就寝。
◆5日目 頼母木小屋〜朳差岳(ピストン)〜北股岳〜梅花皮岳〜烏帽子岳~御西岳~飯豊本山~本山小屋(小屋泊)
朝、2時起床で、3時にテン場を出発。ヘッデンの光で、エブリ差岳を目指した。
鉾立峰は、山頂に直登する道が付いていた。巻道は無いのか?きっつー。
なんとかエブリ差岳に到着。コーヒーを入れて、ゆっくりと日の出を楽しむ。この日は良く晴れて、最高の眺望を楽しみました。朝陽に照らされた飯豊連峰は、本当にかっちょ良い。
テン場にもどると、管理人さんが待っていてくれた。管理人さんからは「台風による強風のため明後日の午前中に下山するように」と忠告される。管理人さんも、稜線上は30mを超える強風が吹く予想とのことで、対策に頭を悩ませていました。
テントを撤収し、歩き始める。地神北峰で一休み。台風到来のため、予定を短縮し、今日中に、(当初予定はカイラギ小屋を)尾西小屋まで行くことにする。どんどん進む。午前中は、天気も良く気持ちよく歩いた。
北股岳、かっちょえ~。男前なお山を、何度も振り返りながら進む。なんとか予定の尾西小屋までたどり着き、ここで管理人さんと相談。台風の影響で、既に稜線上は強風が吹いていたが、今日できるだけ進んでいた方が良いのでは、とのアドバイスを受けて、結局、次の本山小屋まで行くことに決めた。
台風の強風が吹き付ける稜線は、人影が少なかった。ガッスガスで視界のない稜線を進む。あれが、山頂かと進むも、駒形山の偽ピーク。心が折れた。なんとか進んで、飯豊本山の山頂へ。ガッスガスで眺望無し。すぐに本山小屋に向かう。
4時前ぎりぎりに、本山小屋に到着。受付して、少し中で休む。先に休憩していた3人のソロの方と仲良くなり、水汲みに行ったり、山話をしたりして、この日を過ごした。お一人は、カメラにちょー詳しく、いろいろ教えてもらった。(なんと、まだフィルムのキヤノンのEOSを愛用していた。作品を撮影するにはフィルムカメラの方が性に合っているそうだ。交換レンズも3本も持参。気合の入り方が違います)。暗くなって、早めに就寝。
◆6日目 本山小屋〜飯豊本山(ピストン)〜切合小屋〜三国小屋〜疣岩山〜祓川山荘(小屋泊)
朝起きて朝食を取り、本山小屋を出発。まず、飯豊本山を空荷でピストンすることにした。山頂は、相変わらずガッスガスでした。写真を撮ってすぐに戻った。
そこから、ザックを背負って歩き始める。途中で小屋で一緒だった3人と合流して歩いた。ガスが濃く、飯豊本山が見えそうで見えない。何度も振り返るも、結局見えず仕舞いでした。
三国小屋の手前で、まさかのクマとニアミス。前を歩く人が「登山道を子熊が横切るのを見た」とのこと。まじですか?まだ、クマがパキパキ音をならして木の枝を折りながら、斜面を下りる音が聞こえる。おっかね~。足早に、そこを離れた。
三国小屋で、大休止。そこまで歩いてくれた岩手のおっちゃんと電話番号を交換し、そこで別れた。「岩手の山は、八幡平や早池峰山が良い。特におすすめは、和賀岳。手つかずの自然がたまらない」とのこと。いつか行ってみたいと思います。
ランチ休憩中に、後からカメラ好きのおっちゃんが下りてきた。「途中、ガスが切れて、飯豊本山山頂が一瞬見えた!」とのこと。まじですか?(本日のワンチャンスを見逃してしまった。残念ながら、三国小屋からは飯豊本山山頂は見通せない)
今日は祓川小屋まで下りるだけ。名残惜しく、そこで更に山話に花を咲かせてから下山した。(こんなにもお山にいたのに、下山時には寂しく感じるのはなぜだろう?と、いつも思う)
今宵の宿となる祓川小屋は無人小屋。でも、中は清潔でした。今日も長く歩いて疲れた。早めに就寝。
◆7日目 祓川山荘〜弥平四郎
今日は山の最終日。バスに間に合うように、早めに出発。登山口からは1時間ほどの林道歩きが待っていた。そこを突破し、弥平四郎集落に到着!バス停でバスを待つ。オンデマンドバスは、時間通りにやってきた。そこから1時間かけて、徳沢駅に移動し、JR在来線で新潟へ戻った。
腹ごしらえに、まず、ラーメンを食べて、極楽湯でゆっくりとお風呂を楽しんだ。最後は大阪行きの夜行バスに乗った。2つの縦走路を繋ぐ、長期東北遠征が無事終わった。台風の影響で、1日予定を短縮して山を下りた。飯豊最高峰の大日岳のピストンは実現できなかったが、ほぼ予定道り稜線歩きを満喫できた。不安要素もあったが、なんとか歩き切ることができて良かった。行く先々で、人の温かみに触れた心に残る山旅となりました。山歩きを許容してくれる環境に感謝!
今日も良い山でした。
(朝日連峰:36.76km(累積標高2735m)、飯豊連峰:47.28km(累積標高3449m)
1日の消費量 水3L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重18kg、アルファ米 12/14食、パン 4/7食、行動食 500ml×0.8本)
kickeyさん。
素晴らしいです。朝日、飯豊両連峰の連続縦走なんて。。。。。
私は、46年前と45年前に2年に分けてぞれぞれ朝日連峰と飯豊連峰を縦走したことを思い出し、思わず古い写真アルバムを引っ張り出して懐かしんでしまいました。
私はどちらも南から北側へ縦走しましたが、写された写真からは当時と変わらぬ山並み(私が行った時期はもう少し早かったので雪渓がたくさん残っていましたが)がうかがえました。
本当にkickeyさんらしい大縦走でしたね。
それにしても朝日を縦走してもう一度飯豊の大縦走へ突っ込むのは相当な根性が必要だったんじゃないでしょうか。敬服してしまいました。
(古い話ですが、私は朝日連峰を縦走した後、大鳥池から下って長い林道を歩いて最終的にバスで鶴岡の駅へ出たのですが、そこからできたら鳥海山に足を延ばしてと考えていたのですが、余りの疲れに結局夜行列車に乗って東京に帰ってしまった悔しさを覚えています(ちなみに鳥海山にはこの歳になるも登れていません))それだけに尊敬してしまいました。
さてさて次の大縦走はどちらになるのやら。。。お疲れ様でした。次も楽しみにしています
chamchanさん、こんばんは。
朝日・飯豊とも、とっても山深い。こういったお山は、登山道に取り付くまでの長い林道歩きが概して核心部となります。chamchanさんは、おそらく以東岳から下山後、朝日屋旅館のある大鳥登山口まで長い舗装路を歩かれたのでしょうね。へとへとになるのも良く分かります。
飯豊本山小屋で知り合った山のベテランさんは、若い頃、飯豊を訪れた時は、それは大変だったと伺いました。当時は、交通手段がなく、山のガイドブックには「交通手段:トラック」と書かれており、トラックの運転手に頼んで運んでもらうか、自力で長い距離を歩くか、の二者択一だったそうな。なんだか、私の想像をはるかに越える過酷さです。
知らぬが仏。連続縦走は、知らないからチャレンジできることかもしれません。稜線に乗るまで、北ア以上に標高差があって、過酷だということを事前に知っていたら怖気づいていたかも...。
kickeyさん、おはようございます
>山のガイドブックには「交通手段:トラック」と書かれており
あっ!覚えてます。それ、飯豊だったか朝日だったか忘れましたが、確かに青い色のガイドブックにそんな記述があったと思います。
とにかくあの当時(今もそうかもしれませんが)、この山塊は山深くて秘境と言われていたところで、飯豊本山も大朝日も一日ではたどり着けない所と言われていたと思います。今のようにWEBで情報をなんてこともできないので登山道の情報や水場の情報などガイドブックを含めて集めるのにとても苦労したのを覚えてます。
小屋などの設備も当時はとても貧弱で管理人のいる小屋は少なかったと思いました。私も当時出始めたビニールのカマボコ型テントをかついで歩いていたのが写真に残っていました。当時は、テントも水場に近い好きなところに張っていた様子が伺えます。今では許されないことでしょうが、なんとも大らかな時代だったのかもしれません。
ところで知ってましたか?飯豊山から三国岳にかけての稜線。あの区間は稜線部分だけが福島県で山形県に食い込んでいるんですよ。昔の信仰の関係だと思いますが、歩いている両側が山形県に囲まれてるなんて面白いと思いませんか?地図で見たらわかると思います。
chamchanさん、こんばんは。
>あっ!覚えてます。それ、飯豊だったか朝日だったか忘れましたが、確かに青い色のガイドブックにそんな記述があったと思います。
まじっすか?たとえ、トラックしか交通手段が無くても、困難を物ともせず、山好きな人は、行ってしまうのですね。面白いです。
>ところで知ってましたか?飯豊山から三国岳にかけての稜線。あの区間は稜線部分だけが福島県で山形県に食い込んでいるんですよ。
三国小屋で話込んだカメラ好きのベテランさんに教えてもらいました。地図で確認すると、「あ〜、確かに。飯豊本山の稜線だけが、なぜか福島県!」ベテランさん曰く「その昔、新潟県と山形県が飯豊本山を取り合いして、どちらも折り合いがつかず、結局、福島県が譲り受けることになった」そうです。飯豊町は山形県なのに、飯豊本山は福島県!説明を聞いても???な県境ですね。
いやぁ、頼母木1日違いとは、残念でした😃
にしても、ダブル縦走とはすごいですね‼️また、楽しみにしてます。
T-sanpoさん、こんばんは。
飯豊でニアミス!驚きました。
頼母木小屋は「おもてなしの心」が素晴らしかったですね。管理人さんから宿泊者に対して、夜は「枝豆」を、朝は田中陽希君も食べたという「ソーメン」を大判振る舞いされていました。管理人さんから溢れる飯豊愛を感じました。朝日も飯豊も管理人さんは、皆さん素朴で気の良い人ばっかりで、心が洗われました。
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