TJARに憧れて!!大浜海岸〜親不知
- GPS
- 262:53
- 距離
- 450km
- 登り
- 29,226m
- 下り
- 29,217m
コースタイム
- 山行
- 1:14
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 1:43
- 山行
- 13:04
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 13:04
- 山行
- 14:57
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 15:39
- 山行
- 11:38
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 12:29
- 山行
- 17:34
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 18:30
- 山行
- 15:52
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 16:56
- 山行
- 13:58
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 14:13
- 山行
- 11:15
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 12:33
- 山行
- 12:26
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 13:46
- 山行
- 12:26
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 13:12
- 山行
- 9:16
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 10:29
- 山行
- 14:42
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 16:24
天候 | 7/30(〜白樺荘): 7/31(〜荒川小屋):→ ※強風 8/1(〜熊の平): 8/2(〜駒ヶ根): 8/3(〜木曽福島):→ 8/4(〜上高地): 8/5(〜三俣山荘): 8/6(〜船窪テン場): 8/7(〜キレット小屋): ※強風 8/8(〜白馬山荘): ※強風 8/9(〜親不知): ※強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・南アルプス全般に登山自粛要請、山小屋休業 ※コロナ流行により ・茶臼登山道夏道の橋は問題なし ・国道152号線が、市野瀬から南へ通行止 ※雨による土砂流入等 ・船窪岳第2ピーク下で登山道崩れ通行止 ・北葛岳〜種池山荘通行止 ※山小屋休業区間のため ・栂海新道サワガニ山の先で登山道崩落 |
その他周辺情報 | 親不知観光ホテルに後泊 |
写真
感想
◆プロローグ
2020年1月からApple Watchの指令で毎日走り始めた。意外に続くものでこのまま鍛えればTJARのコース行けるのではないのかと思い始めた。オリンピックの裏で自分なりの限界へのチャレンジ、面白いではないか!そう思っていたらコロナ流行により、オリンピックが延期となり山行自体が自粛の流れに。今夏は南アルプスの山小屋はほぼ休業、北アルプスの山小屋ではテント泊でも予約が必要。これでは自由な山行ができないと諦めた…が諦められなかった。在宅勤務になったこともあり毎日ジョグは継続していて、やるなら今しかないという思いが強くなり、日程・工程縛りで静岡から親不知までの縦走を計画。7月上旬には山小屋予約も済ませ、荷物の準備も整える、ザック水なし7.9kg+ポーチが0.95kg。水担ぐとだいたい10kgくらいの荷物となった。しかし7月後半になっても梅雨が明けない…。でも行くしかなかった。
◆0日目(自宅〜静岡駅)
最終出勤日…といっても在宅ワーカー。娘を保育園に送り届けしばらくのお別れ。午後イチの打ち合わせを済ませフレックス退社して15時前に自宅をでた。新幹線で2時間ほどで静岡についた。小雨が降る天気。きちっと大浜海岸からスタートしなくちゃということで、駅からタクシーで海岸へ。海岸にはTJARのモニュメントが設置されていた。海にタッチしてスタート。まずは静岡駅までジョグ、荷物は駅のコインロッカーに預けてきたので空身でジョグ。駅ついて中華の夕食を食べ、北口のホテルまでもうひとジョグ。20時ごろ就寝。
◆1日目(静岡駅〜白樺荘)
23時には目が覚めてスタート準備、雨スタートだが行くしかない。練習で走った最長は25キロ程度。80キロ走って無事かどうかが運命を左右する。しかも荷物を背をってのラントレは最後に5回くらいしかしていないのだ…。最初は平坦地で練習よりもスピード落としてジョグ、1キロ8分くらいで走れていた。トータルで10分で1キロペースが目標だ。牛妻ファミマで最終補給。その後も自販機は沢山あり。時折雨が強くなり傘さし歩行に切り替えた、傘素晴らしい。カッパきたら汗だくで不快だっただろう。ペースは悪くない。井川駅で土砂降り、意を決して進む。てしゃまんくに着く頃には雨はやんだ。あとはとぼとぼ歩き白樺荘へ。足にマメ等のダメージはなく一安心。でもザックのショルダーベルトが肩に食い込み赤く腫れていた、肩だけで背負うザックだから仕方がないか…。白樺荘でランチ、カツ丼が最高にうまかった。ここで南アルプスを仙丈から南下してきた方に会う、茶臼登山口下部の橋が流されているのはないかという情報が出ていたので聞いて見ると、問題なく渡れたという情報が入手でき一安心。また、去年はダメだった携帯電波@docomoがバッチリ入り大感激。明日は天気が悪そうなので、荒川小屋ではなく百間洞まで進むことにし出発時間を少し遅らせることにした。風呂入って昼寝。あまり眠れず。夕食食べて就寝。
◆2日目(白樺荘〜荒川小屋)
今日も雨、2時スタート。最初のロード区間は水たまりが多く、沼平ゲート手前は川になっていて水没不可避。真っ黒闇の畑薙つり橋を渡り登山スタート。昨日の情報の通り1〜5号橋は無事で問題なく通過できた。標高が上がると雨が強まった。横窪小屋で雨宿り休憩、止む気配はない。茶臼小屋まで来ると風も強い。行動食をしっかり食べエネルギー補給。寒くて震えてきたので、ダウンも着込み出発。しかしインナーが汗&蒸れで湿っているため寒い。こうやって低体温になるんだと実感。雨止まず風も強い。稜線出るとさらに強い、身体が風で押し倒されるほどの突風が時折来る。風下を向かないと呼吸ができなくなるほどだ。なぜか小屋に戻ろうという考えは湧いてこなかった。予報では昼には風が落ち着くと出ていたからだろうか。上河内方面に少し進むと雨は止んで助かった。風は相変わらずだが、樹林帯に入れば一安心。聖岳山頂手前で青空が見え出した。テンション上がる。山頂に着くと、快晴の赤石ドン。風が強いので、写真撮って即退散。これ以降は晴れたりガスったり。百間洞までのつもりだったが、天気が良いので、荒川小屋を目指す。途中ペア男女とすれ違い荒川小屋からとのこと。TJARの試走かと聞かれて、そうじゃないですとだけ返答。実現できるか不確実の計画をだれかに話したくないのです。行動時間が12時間を超え、足が痛くなってきた。赤石岳からのガレ下りが難儀だった。荒川小屋の冬季小屋は快適&独り占め。水場もじゃぶじゃぶ、トイレも使えしかもペーパー完備。夕食はパスタをいただき即就寝。夜中トイレで起きると満天星空。
◆3日目(荒川小屋〜熊ノ平)
7時間ほどぐっすり熟睡。寝過ぎた感あるが…、昨日予定通り頑張ったので良いでしょう。今日は快晴の4時前スタート。荒川岳稜線出て日の出の時間。今日は荒川前岳だけで悪沢スルー。難儀なガレ場下り。登りはさらにキツイだろう。樹林を進んで高山裏手前の水場でひと休み。高山裏から見る小河内岳が果てしなく遠く見える…。早々に足が痛くなってきてスピードが出せなくなる。小河内過ぎると、登山道整備の小屋の方が。こんな状況でも整備をされている人には大感謝しかありません。当てにしていた三伏峠水場へ行くと閉鎖されていた…。それは困るので沢沿いに下ると沢音が!無事水ゲットで一安心。水場から塩見方面へ行けば直接登山道にも復帰できるようだが、怪しいのでしっかり分岐まで引き返す。塩見へは樹林帯歩きなのでフラットな箇所は頑張り飛ばす。塩見の岩稜登りはしんどかった。山頂はガスの中。ガスったり晴れたりの天気。快晴だったら体力的に厳しかっただろう。ここからも長い、アップダウンを繰り返しなかなか着かない熊の平小屋。着いて小屋利用可で一安心。水場も安定のジャブジャブ。初日からずっとザックのショルダーで肩が痛い、持って来たキズパワーパッドを貼ってみて様子を見ることにした。
◆4日目(熊ノ平〜駒ヶ根)
今日も工程が長いので頑張って1時半前に出発。今日も快晴スタート。梅雨明けたのだろうか。樹林帯歩きで朝から汗だく、倒木の状態は1年前からあまり変わっていない印象。盛夏の快晴日曜午前に、無人の仙丈ケ岳山頂。せっかくなので自撮りしてみた。地蔵尾根を少し下ると登山者とスライド、その後も6名程とスライドした。中腹辺りは新しものも含め倒木が多く、跨いだ際にC3fitタイツが引っかかり穴があいた、倒木に座った際にもお尻に穴が…タイツも下着も黒なので大丈夫でしょう(^^;;標高差がると汗だく、下部は林道と登山道が並走しておりどちらを進むのかがよくわからなかった。林道を進むとトゲトゲ植物が大量に茂っていてタイツの上からでもめちゃ痛い。トレランの方とか素足の人は大丈夫なのでしょうか。登山口で水を補給、ロード開始。灼熱のデスロード状態。入野谷が閉まっていることはわかっていたが、自販機とか何かあるだろうと思っていたが何もない…。仕方がないので、とりあえず駒ヶ根を目指すとすぐに国道152号線が通行止めの看板が…これはマジ聞いてないっす、というか調べてないっす。携帯で他に道がないか調べるもとても遠回りでなんとかなるような距離ではない。通行止の看板を越えて少し進むとポツンと1軒のジビエ系焼肉屋さんが営業していた。とりあえず入って冷麺。最高にうまい!おかみさんに梅雨明けを教えてもらう、やっぱりねこの天気だもの。主人に通行止のことを聞いてみると自己責任だよと言われ、行けるところまでいってみることに。運よく今日は日曜日で工事はやっていない。道は大方修復されていて通過に影響はなかった。しかしここでもう一つ失敗が、ロード区間は平坦だと勝手に思っていたが基本峠越えのアップダウン。登りは走れないし、下りは足が痛む、そして灼熱。日傘をさしてトボトボ歩くしかなかった。駒ヶ根タウンが近づいてきた頃、ようやく自販機を発見しコーラ、お腹から冷え冷えコーラ染み渡っていく感じ。なんとか18時前に駒ヶ根タウンに入り、山で食べられなかったカレーをココイチで食す。食欲はあって大盛りにしたが、胃腸の状態が良くなく完食できなかった。セブンで翌日の物資を調達し、コマクサの湯へ。水風呂で全身アイシング。時間も遅いので慌ただしく出て、近くのユースホステルに宿をとった。
◆5日目(駒ヶ根〜木曽福島)
毎日が試練。今日も1時出発。標高が低いのですぐに汗だく。途中の水場がじゃぶじゃぶなのがわかっていたので最低限の水でスタート。池山小屋水場で補給。南アルプスとは違って登山者がチラホラ。今日は雲海デーだった。空木岳をパスして木曽殿山荘で休憩。カップラーメンでエネルギー補給。営業小屋って素晴らしい。稜線は岩稜帯が続く、予報通りガスった天気となったがまぁこれはこれで涼しくて良いとポジティブに考える。宝剣岳へは対向者がいなかったのマイペースでサクッと、宝剣山荘でランチ。今日も胃の調子がいまいちなのでうどんにしておいた。木曽駒ヶ岳山頂付近でいっとき青空が見える。ここは登山者たくさん。木曽駒過ぎればひとり旅。玉の窪山荘からみる宝剣岳が圧巻だった。この下山コース、水がかなりたくさんの場所でとれる。わかっていないので汲めない前提で担いでいている。福島Aコースに入ると最初トラバース気味の道が崩れていたりとかなり荒れていた。後半は歩きやすい道となったが走る元気はなかった。登山口から木曽福島駅へ向かう。今日も疲れを考慮して宿泊としている。チェックインし、すぐ近くのイオンに明日からの北アルプス編の物資を買い出しに。それをするために、ちょっとと遠回りな福島Aで下山した。イオン近くのラーメン屋で夕食。ラーメン&餃子セット、ライス付き。今日も食べたい気持ちはあるのだが、胃があまり受け付けてくれなく間食できず。宿に戻り風呂に入ると足首にマダニが張り付いていた…。調達した物資をパッキングして就寝した。
◆6日目(木曽福島〜上高地)
今日はロードだけ。太陽が出てからは暑くて走れないとわかっていたが、あまり早くは出発できず2時半スタート。駒ヶ根同様ロードがフラットではない😰疲れもあって全く走れない。最後の薮原セブンで胃薬を調達。これが効果あり。これ以降食欲が復活するが、ペースは上がらない。峠越えも聞いてないっすー、道はGoogleマップでしか調べなかったので勾配の情報はなかったのです(^^;;せめてもの救いだったのは曇りだったこと、晴れていたらどうなっていたことやら。境峠1486mを越えてしばらく下り道。しばらく進んで久しぶりの自販機でジュース補給。眠さと疲れでグロッキー状態だったので、ダム手前の蕎麦屋で早々にランチ、辛味大根そばがうまかった。裸足になりプロテクトJ1を塗り直す。この頃から日差しが回復しデスロードに、トンネル地帯ではトラックの風圧で身体が揺さぶられる。沢渡地区の温度計は30度、たまらず今日も日傘男子。沢渡のパーキングでアイスとスイカでクールダウン。もう少しだー。しかし最後がきつかった。沢渡から上高地まで標高差500m程上がる。急勾配な登りで完全にやられてしまった。いつも沢渡から上高地のバス代1000円が高いと思っていたが、そんなことはないということを体で実感。計画していた時は15時前には到着して上高地でゆっくりしようと思っていたのに全くそうはならなかった。夕方前なので人もまばらの上高地。小梨平でテント受付。お風呂10分だけで良ければ入りますか?と聞かれて、お風呂へ直行。テントの人は17時までがお風呂の時間だが、無理だと諦めていて頭になかった。リフレッシュできて良かった。夕食は食堂で鯖味噌定食。胃腸の調子が良いので食後にポテチも一袋ペロリといただき満足。北アルプスはテント場予約縛りの関係でそれほどきつい工程の日はない。体の状態も悪くはないので天気が良ければ完走できそうな目処がつき一安心し眠りについた。
◆7日目(上高地〜三俣山荘)
今日は遅めの3時発。山小屋たくさんなので安心感が違う。計画していた時は余裕があれば岳沢から穂高へ登ってもいいのではなんて思っていたがそんな余裕はなし。横尾で日の出、明神・前穂あたりの朝焼けが綺麗だった。槍沢をつめていく、登山道がとても整備されていて登りやすい。槍沢をつめるのは初めてだったが、槍沢からみる槍ヶ岳が尖っていて綺麗だった。槍ヶ岳山荘に10時前到着、ランチ時間外なのでカップラーメンとジュース。穂先の渋滞はなさそうにみえたがスルー。梅雨明け直後の賑わう時期だが、コロナの影響で登山者はとても少ないようだ。双六までが地味に長い。双六でもカレーと炭酸、ご飯が大盛りだったがペロリと完食。双六岳と三俣蓮華にも立ち寄り三俣山荘へ。15時に行動終了だなんて…素晴らしい。明るいうちに就寝するも隣の学生たちの会話が気になって眠れない…。まだ18時前だから仕方ないのです。
◆8日目(三俣山荘〜船窪テント場)
船窪岳の登山道崩落通行止について続報がでない、木曽福島についた時に船窪小屋に電話して登山道のことを聞いてみたが復旧の予定なしとしか言われなかった。行けるかもしれないが、崩落箇所に着いて、行けなかった場合リカバリが困難になるし、登山ラインが美しくなくなる。一か八かではなく安全策で赤牛から巻いて行くことにした。今日も快晴スタート。行程が長いため鷲羽岳スルーで黒部源流から巻いていく作戦。これがイマイチ。登山道に水がジャブジャブ溢れていて早くも靴が浸水。滑らないように慎重に歩く必要もあり思ったよりも時間がかかった。水晶の途中で先行者のランプがあるのがわかった。赤牛岳で追いつき聞いてみるとピストンで戻るとのこと。読売新道は荒れ気味の印象だが、倒木は処理されているので手は入っているようだ。途中登ってくるソロ登山者とすれ違い。奥黒部ヒュッテ到着し小屋は開いているが小屋の人がいない。しばらく待つと両手に灯油容器を持った主人?がゆっくり歩いてくるのがみえた。1つ手伝って小屋まで運ぶ。今日もカップラーメンにありつけた。平の渡までは工事中の箇所もあるが通過に問題なし。南沢出会いからが大変だった。地図に渡渉があると書いてあったが、飛び石でなんとなるレベルではない。裸足になり渡渉、痛いほどに水が冷たく膝付近まで水に浸かる箇所もあり。その後も少し進んでは渡渉する形になったので、面倒になり靴のまま進むことに。高巻きなど荒れた道だが、目印はたくさんあり迷うことはない。でも増水していたら渡渉は不可能になるだろう。天気が良くて助かった。船窪テント場に荷物を置き、小屋の受付。予約をしていたが他のテン泊者はいないとのこと。テント場下の水場は、危険な水場は閉鎖されていて、近くの部分から水が取得できた。携帯の電波が入り天気チェック。明日から天気が荒れる予報に暗雲立ち込める。
◆9日目(船窪〜キレット小屋)
今日から悪天候の予報が出ている。午前中の方が天気が良い予報だったので、気合の1時スタート。雨はないがガスっていて視界が悪い。七倉への尾根に出ると風が強い。蓮華岳に向かう途中は強風と暗闇とで試練の登りだった。登山道のマークがあまりなく踏み跡を慎重に辿る。針木岳過ぎて雨が降り出した。ゴア靴下を装着していたが浸水。手袋はテムレスと登山用のを二重にしていたので浸水はないが蒸れる。風も相変わらず強いので慎重に進む。この天気でテント泊は厳しいと考えて、冷池テン泊からキレット小屋泊に切り替えた。距離は伸びるが、明日のことを考えると前進したかった。冷池を深夜スタートだと八峰キレットを暗闇で通過する必要が出てしまうので、その回避もできる。
この登山自粛区間は登山道上に動物の糞が多い。猿の群れが登山道に列をなして歩いていた、目視できただけで20匹ほど。人間がいなくなって動物の縄張りになっているようだ。みんな登山道を歩きたいのだよ。種池山荘に着いたら熊が出没している旨の注意書きが出ていた。ずぶ濡れのカッパを脱ぎ、山荘カップラーメンで温まり生き返った。ピザも惹かれたが冷えた身体には温かいものが染みた。雨は相変わらずだが、風が少し弱くなる。こんな悪天候でも登山者が結構いるのは驚いた。個人的にはヤマテンで晴れの日にしか山に入らないようにしているので悪天候耐性がゼロに近かったが、なんとか対処できている。冷池テント場に着いて風もろ当たりなテン場を目の当たりにし、この天候でテント泊したら体力削られる…と思った。鹿島槍ついても視界ゼロ。キレット目指す。追越しもすれ違いもなくマイペースで山荘到着。濡れ物を乾燥室に。携帯の電波なし。コロナ対策で1人に対し2人分くらいのスペースが確保されており快適。小屋の夕食はハンバーグ、コロナ対策で向かいの人との間には衝立が立てられていて、みんな黙々と食事するスタイル。ご飯おかわりして大満足。18時前に就寝した。
◆10日目(キレット小屋〜白馬山荘)
2時起床すると雨が止んでいた。風は相変わらず強い。雨だったらもう少し寝て様子を見ようかと思っていたが、出発の準備を始める。出発するとまた雨が降り出した。暗闇&濡れた岩場通過、ワンミスが命取りなので丁寧に3点支持。五竜ついても視界ゼロ。山荘でひと休みすると雨が止んだ、この後降ったり止んだりだが、止み間が多く助かった。唐松山荘でカップラーメンで温まる。不帰キレット進むと風が弱まりガスが取れる時間もあった。天狗の登りからはまた強風、天狗山荘に逃げ込みひと休み。ちょうどランチの時間だったので肉うどんをいただく、めちゃうまい。天狗山荘は料理メニューが充実していた。白馬山荘途中の風雨の中、半袖短パンのランナーに追い越された、こちらはダウンまで着込んでいるのに大丈夫なのだろうか。今日も小屋泊、6畳ほどの部屋に3人と快適生活。時間があるが昼寝な感じではないので、スカイプラザでくつろぎの時間。なんとなくタンパク質が欲しい感じがしたので、ウィンナーとコーラをいただきつつ、携帯で今までの記録を整理するリラックスタイム。明日の行動食としてクッキーやら柿の種を購入。娘に雷鳥Tシャツをお土産に購入した。入念にストレッチして明日に備える。食事は今日もハンバーグ、メニューがキレット小屋とほぼ同じだ…同じ系列だからね。こんな悪天候だが山の日連休初日なこともあって100名以上宿泊者がいたと思われる。キレット小屋と違い談話室も賑わっていた。ヤマテン予報をチェックし、前日予報から変わらず強風雨予報。18時前には就寝した。
◆11日目(白馬山荘〜親不知)
23時半起床予定が少し前に目が覚めた。風がゴーゴー鳴っているが雨はない。出発準備のため部屋の荷物を外に出す。同室の方に、ダメそうだったら引き返してこいよ!と檄を受ける。大した会話もしていないのに嬉しかった。今日は出発前にしっかり食事をとりエネルギーチャージ。白馬岳へ歩き出す。風は強いが歩けないことはない。風速20m近いのは間違いない。今日の工程の心配事のひとつが、鉢ヶ岳の雪渓トラバースだ。以前夏に来たときは、小屋の方がステップを切り、ベンガラでマークをつけてくれていた。今年は朝日小屋休業&栂海新道崩落通行止めで、未整備&歩く人もいないしステップも期待できないと思ったからだ、そんなことを前日天狗山荘からの雪渓歩きのときにふと思い出した。天狗の雪渓は固くツルツルだったがステップがしっかりあり問題なし。ステップが無いとシューズもやわらかく蹴り込むことはできないので、大雪渓用の軽アイゼンが売っていないか売店を見たがなかった…。暗闇の中、谷地形のトラバース箇所にくると雪がない。その後も似たような地形の箇所を数度横断したが雪は全くなかった、雪倉避難小屋が見えて一安心。避難小屋からはまた風の通り道、白馬越えれば標高下げて行くから大丈夫と考えていたが甘かった。雪倉岳山頂付近はさらに強く、抗っても地面に潰されるほどだ。ここでセミになっていても仕方がないので、かぜの止み間に歩き出す。しかも広い稜線、暗闇にガスとが重なり最高に道がわかりずらい。しかしこのルートしっかりマーキングされているのでそれを頼りに進むことができた。とにかく集中を切らさないように。朝日岳が近くなると雨が強めに降り出し靴が浸水。しっかり着込んでいるので寒さを感じることはなかった。暗闇&強風の朝日岳を通過し一安心かと思いきや、吹上のコルまでが核心だった。強風と道の分からなさ、ガスっていて数メートル先までしかみえない。ヘッデンの光量を上げ、途中GPSも使用し慎重にルートを見つけコルをすぎて樹林帯に入り安堵した。雨も降ったり止んだり、止み間が多くなり視界も良くなった。黒岩平で水を補給しあとは崩落箇所を通過すればゴールが見える。サワガニ山すぎて崩落箇所特定のため慎重に進む。テレムスでガードし丁寧に藪漕ぎ。栂海山荘までもうひと頑張りし大休止。小屋に入らせてもらい、靴下を脱ぎ足を乾かす、プロテクトJ1を塗り直し、乾いた靴下に換装。小屋夕食で余った即席麺(カレーうどん)を温めて、余った乾燥野菜やサラミも投入しいただく。なんだかんだ1時間も休憩をとった。16時に下山すると家族と約束し待ち合わせしているため時間調整の意味もあった。標高下げてもそれほど暑さはきつくなく、親不知下山日和だ。白鳥小屋の屋上展望台にも登り景色を楽しむ、風も通り気持ちが良い。さらに下がりシキワリ水場で最後の給水。2年前はかなり細かったが、今年は水流に勢いがあった、冷たくてうまい。行動食もどんどん消化する。16時下山に合わせてスピード調整。前回@2年前の栂海新道下山時はかなり足にきていた記憶があるが、今回はまだまだ元気、下りではストックを使わなくなったのも少し進化しているのだろう。ちょうど16時に親不知観光ホテル前に到着。一休みしていると宿の送迎車に乗った妻娘がやってきて声をかけると、娘が駆け寄ってきてくれた。最高にうれしい。涙するかと思ったがぐっとこらえた。家族3人で海岸を目指す。娘がいつになく張り切って急な階段を先頭で降りて行くのが印象的だった。荒波の海に靴のまま浸かりゴール。
やれるものです、チャレンジしてなんぼ。タイムが短縮できずのんびり楽しむ時間を作ることは難しかったが、毎日完全燃焼の思い出の夏となった。それして送り出してくれて、迎えにも来てくれた妻に感謝しかありません。ありがとう。
その後は宿に戻りとにかく風呂。着替えは娘がリュックに入れて持ってきてくれたので新しいものに着替えられて幸せ。夕食時ビールで乾杯。宿の食事は海鮮づくしでどれも美味しい。残さず食べたが、空腹感が満たされず、部屋にもどった後も残った行動食をボリボリ食い尽くす。半沢直樹を見たかったが、21時前に就寝した。体のリズムがずれているので、0時過ぎにバッチリ目が覚める…。もう歩かなくて良いのです。6時前に起床して、宿の周りを3キロほどスロージョグというかスローでしか走れなかった。朝風呂入って朝食。このまま帰るのも勿体無いので金沢に立ち寄り観光、猛暑の中ひがし茶屋まで歩き登山よりも過酷なロードだった。15時の新幹線であっという間に埼玉の自宅に戻り旅が終わった。
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