TJARに憧れて!!親不知〜大浜海岸
- GPS
- 160:08
- 距離
- 423km
- 登り
- 26,620m
- 下り
- 26,573m
コースタイム
- 山行
- 14:46
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 15:41
- 山行
- 11:47
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 12:19
- 山行
- 13:11
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 14:26
- 山行
- 13:53
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 15:48
- 山行
- 15:46
- 休憩
- 7:20
- 合計
- 23:06
- 山行
- 14:27
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 15:35
- 山行
- 17:33
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 18:04
- 山行
- 12:47
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 13:44
- 山行
- 18:23
- 休憩
- 4:19
- 合計
- 22:42
天候 | 7/29(〜白馬頂上):🌤️ 7/30(〜種池山荘):🌤️→☁️ 7/31(〜烏帽子小屋):🌤️→🌧️ 8/1(〜小梨平):🌤️ 8/2(〜木曽駒高原):☀️️ 8/3(〜駒ヶ根):🌤️ ※稜線の西風強い 8/4(〜熊ノ平):🌤️ →🌧️ 8/5(〜荒川小屋):🌤️→🌧️ 8/6(〜畑薙ダム):☁️→🌤️ 8/7(〜大浜海岸):🌤️→☀️️ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
その他周辺情報 | コロナにより営業休止している山小屋あり (白馬山荘、唐松頂上宿舎) |
写真
感想
◆プロローグ
夏休みにどこへ行くか、去年の北アルプス大周回をしたときにある程度決まっていた気がする。
・ミラージュランドから上高地まで歩いた時、次はロードを走ろうと思ったこと。
・栂海新道を下った時、そろそろこの道を登る時ではと思ったこと。
この2つが引っ掛かりとなり、親不知起点の日本アルプス縦断を計画した。
2020に大浜海岸スタートで11日かけて歩いたのでルートは頭に入っている。今回はロードで少しでも走りたいと思い装備の軽量化に努めた。
勢いで、
[テント]Nordisk Lofoten
[シュラフ]NANGAミニマリズムゼロ
を購入したが、色々考えて置いていくことにした。10日間の長丁場。雨天の日も必ずある、その時には自分の使いこなしたことのある装備でないと不安だったからだ。
・ザックを30L→20L
・ガスのサイズを250→110。コッヘルもコンパクト化。
・サンダルは持っていかない。
・ヘルメットも置いていく。 など
昨年の装備比較で1800gほど軽量化し約6.2キロ(水無し)なんとか20Lザックに詰め込んだ。マットは外だしだが仕方なし。
◆0日目(自宅〜親不知)
二人の娘とお風呂に入って夕食食べ終わって、電車の運行状況チェックしたら湘南新宿ラインが運転見合わせと出ていた。高崎線が動いていれば問題ないが予定より少し早く家を出た。最寄り駅着くと少し遅れて電車が出発したようだ。しかし次の電車が一向に来ない、駅員さんに聞いてみると2〜3前の駅に停まっているのでじきにくるはず…とのこと。新幹線の乗り換えの時間は多く取っていなかったので、早々に新幹線で糸魚川駅へ行けないことが確定。
1時間後のかがやきで富山まで行ってタクシーで向かうしかない…。しかし1時間待っても高崎線が動かず運転再開の目処もアナウンス無し。富山行きの最終も逃してしまう。タクシーで大宮駅行こうと思ったが出払っていて、駅へ戻ってきたタクシーは予約車になっていて乗れず。確実に大宮駅へ行くために自宅に戻ってマイカーで行くことにした。妻と子供2人も一緒に乗せて車を走らせる。大宮駅手前1キロくらいでかなり渋滞している…のでここから歩いていくことにして、妻に車を任せて駅へとジョグる。新幹線改札は高崎線の振替乗車の大行列。新幹線切符を持っているので駅員さんと交渉して、長野まで行かせてもらう。最終1本前の21:53発長野行きに乗車。新幹線車内で長野に着いた後のパターンを検討する、普通なら明日の朝イチで親不知だろうが、そうすると予約しているテント場を再度予約しないと行けなくなる…。日が登ってから親不知を登り始めるのもしんどいだろう。北海道の山にでも行ったと思ってタクシーで親不知へ向かうことを決める。長野駅着くと大宮駅の駅員さんから話が通っていてスムーズに改札外へ。タクシー乗り場で先頭の個人タクシーのおじさんに、長距離ですけど大丈夫ですか?と聞いたら問題なし!とのことで乗車。最短時間で行きたい旨を伝えて暫しの休息。親不知観光ホテル前に90分ほどで到着し59,160円+高速料金也^^;高速料金はおまけしてもらえて、登山の餞別に現金3000円をいただいた。予定よりも1時間40分遅れたが親不知に辿り着けたことに安堵した。
◆1日目(親不知〜白馬頂上宿舎)
ホテルから海岸まで降りて日本海にタッチしてスタート。眠気は無く怒りや焦りやそういった感情をからガンガン足が前に出た。汗が止まらないが拭う暇なくガシガシ登っていく。CT0.5をきるペースで尻高山〜白鳥山、調子が良い。しきわり水場で補給できたので黄蓮水場はパスして栂海山荘へ。日が差して良い天気、登山初日が晴れなのは気分が良い。北又の水場へおりて給水、冷え冷えで生き返った。2020崩落箇所の巻道を丁寧に通過し、サワガニ山・黒岩山。栂海新道は刈払してあり登山道が整備されていてありがたい。黒岩平で再度給水、今日のルートはこの先も給水箇所たくさん。池塘のあたりは雪渓が多く残っていた。朝日岳着いて11:30、スタートの遅れは挽回できたようだ。水平道分岐まできて木道へ。木道1歩目で見事に滑って右手首を少し出血…少し先の赤男山の水場で休憩し洗浄。ここから雪倉山への登りで一気にペースダウン、短めに休憩をとり進んだ。鉢ヶ岳は雪渓が残っており、小屋の方がスコップでステップ作りをしてくれていた。お礼を言って通させていただく。白馬岳までは歩きやすい、走りたくなる縦走路だが今は足が重い。白馬岳ピーク着。白馬山荘はコロナ休業中だが売店は影響中と出ていたので立ち寄り様子を偵察、行動食を補給し頂上宿舎へ。こちらは大賑わいで食堂も営業中。遅い時間だが平らな場所にテント張れて一安心。食堂メニューに惹かれたが、軽量化のため自炊して就寝した。
◆2日目(白馬頂上宿舎〜種池山荘)
腕時計のアラームをセットしたが平日しか鳴らない設定となっていて寝過ごす…。7.5時間ぐっすり熟睡。計画よりも30分遅れてのスタート。白馬鑓山頂で日の出直前、少し待てば朝焼けの稜線を堪能できそうだったが先を急ぐ。天狗山荘へ向かう途中で日の出、対岸の剱の稜線の朝焼けが綺麗だった。天狗山荘売店は営業開始前だったので水だけ補給、唐松頂上宿舎がコロナ休業なので多めに担いで行く。天狗山荘から出発した先行者がたくさん。石を落とさないように丁寧な足取りで進む。不帰に取り付く頃には先頭に出た。ノーヘルかつマットがザック外付けなのでバランスを崩さないように慎重に進んだ。快晴の唐松岳ピークからは、剱・立山の稜線が見事。唐松頂上山荘は自動販売機含めて停止中。五竜山荘までトレラン女子2名が良いペースなので着かず離れずで進ませてもらった。山荘でカップ麺&炭酸休憩。五竜の岩場を登ってピークを踏んでいく。G5あたりのガレ道は足にくる。長い道のりでようやくキレット小屋、再度カップ麺を補給。鹿島槍手前から小雨が舞う、カッパを着るほどではないのでそのまま進む。冷池山荘で水を補給しようと思ったが有料だったのでスルーして種池へ。テント受付をしてお弁当のちらし寿司を注文した。シーズンの土曜日なのでテン場も満員かと思いきや10張程度。夕食もカップ麺リフィルで3食カップ麺は精神的に堪えた。
◆3日目(種池山荘〜烏帽子小屋)
朝食に昨日注文したちらし寿司をいただく。久しぶりのお米、酢飯で食べやすい。ゴミを置いて行きたいので完食してテント撤収。朝は好調で良いペースで鳴沢岳、ご来光待ちの人が複数。右を見れば今日も剱・立山の大展望。岩場に気をつけてスバリ、針ノ木ピークは賑やか。槍ヶ岳がくっきり見えて北アも半分くらい消化したことを実感。針ノ木小屋で一休みして蓮華岳へ登り返し。蓮華の大下り後半の岩場でルートミス、崖斜面に出て焦った。乗越着いて一息入れて落ち着かせる。今日の核心はまだ先だ、テンポ良く北葛岳をクリアして船窪小屋へ。テント場下の水場は今年も利用不可とのこと。もう使えないのかもしれない。針ノ木谷へ降りる分岐のあたりが崩落からか道が変わっている気がした。その先もロープ、ワイヤー、ハシゴ、鉄パイプ何度も来いいの難ルート。両手を使い全身で登るため、暑さと相まってひどく疲れる。船窪第2ピークで休憩。少し前から背中がちくちくすると思って、デジカメで撮影してみると、背中が真っ赤かつボツボツ…。ミレーあみあみとザックメッシュが擦れたのだと思い、あみあみ脱いだら改善。昨年の長期縦走でもあみあみ+RUSHザックで問題なかったが、今年は何がいけなかったのだろう。この先も難路は続き慎重に進む、ペースは改善できず目標タイムよりも1.5H over。南沢岳手前で雨が降り出しピーク越える頃には本降り。カッパ上の撥水がなくなっていて…西からの風が強く体が冷える。カッパ下を着るのが面倒で、もう少しで烏帽子小屋だったためそのまま歩き通した。全身冷え冷えで小屋に逃げ込んだ。テント受付しても雨やまず、カップラーメンあったので注文して小屋内で待機させてもらう。運よく18時ごろ雨が止みテント場へ。この日は夜も雨が降り、テントの中にもかなり浸水。撥水シュラフで下一面水浸しの経験もあったので高を括っていた、シュラフのメンテが良くなかったのかダウンが水を吸ってしまいとても寒い一夜となった。とにかく縮こまって眠るしかなかった。
※カッパ上は出発前にNIKWAXで撥水処理したがやり方がイマイチだったのか。ダウンは乾燥機回した岳で洗濯系の処理は行わなかった。次回以降の反省点。
◆4日目(烏帽子小屋〜小梨平)
0:30起床すると雨は上がっていた。シュラフ濡れて寒い。手早く出発準備して身体を動かしたい。今日は裏銀座、昨日の船窪ルートと比較するととても歩きやすい道だ。油断禁物、野口五郎岳手前の狭めの1本道に60〜70cmの大きな花崗岩、上に乗り上げるとゴロンと岩が動き花崗岩のギザギザが左脹脛を大きく引っ掻いた。幸い深くは無くちくちく痛むだけ。足首とかに落ちなくてよかった。今日も朝は快晴、鷲羽の朝焼けから水晶〜赤牛の稜線も見事。鷲羽ピークは巻かないスタイル。三俣山荘へ降りていく途中、伊藤新道の分岐が出ていた。一般登山道(?)小屋で伊藤新道地図を販売していたが今はスルー。このところ毎日カップ麺…山小屋カレー、三俣山荘カレーが食べたかったが食堂の営業は8:30からで涙。双六へは巻き道ルートで、巻道でも後半えぐい登りあり。カレー目指して進むしかない。双六小屋着いて、カレーと新発売の牛串を注文。カレーのボリューム感と牛串のこれだけ‥感はあったがとても美味で満足。カレーパワーで西鎌尾根へ。人とのすれ違いがほとんどなくとてもスムーズ。そして今日の夜は小梨食堂で下界のご飯が食べられるので最後の力を出し切って千丈から槍の肩へ一気に登った。槍ヶ岳山荘でマフィンとココアで一服。
昨日のヤマテン予報で明後日8/3は大荒れ注意情報が出ていた。1日停滞すればいいかもだが、計画を完遂できないのであれば、北アで終わりかなと思っていた。4日で親不知〜上高地というのも十分な縦走であろう。ミレーちくちく問題やカッパ・シュラフの撥水問題もあって弱気にもなっていた。
そんな感じで今日で終わりな感じで槍沢を降りていく。2000mくらいになると日が差しとても熱い、ババ平のテント場はカンカン照りだ。槍沢ロッヂでクールダウンして横尾へ。携帯で天気予報をチェックするとヤマテンの大荒れ予報は消えていた。時間がたったからかと思いあまり気にはしなかった。新島々までの終バスは17:30、急げばこれに乗って今日中に帰宅できると思い林道ジョグる。徳沢で少し余裕ができていたのでソフトクリーム食べ歩き、いつ食べても美味い。明神まできて今日のヤマテン予報を確認すると大荒れ予報だった8/3は日中晴れ、夜は風が強い予報に変わっている…気持ちが変わっていたので一瞬悩んだが続行を決める。予定通り小梨平キャンプ場へ。食堂のラストオーダーは18:30と勝手に思っていたが17:20と掲示あり。2分前、助かったぁ〜。帰宅する想定で横尾からジョグって正解でした。メニューを迷う余裕なくサバ味噌大ライス+目に止まったたこ焼き。やはり下界の食事は抜群に美味しい。たこ焼きが大玉で10個も乗っていて半分しか完食できず…。テントを張って、ゴミを処分したり荷物整理して就寝した。
◆5日目(小梨平〜駒ヶ根高原)
今日はロードで晴天予報。暗いうちに距離を稼ぐ必要があるため1時発とした。逆ルートは上高地までの登りが地獄だったが下りは楽ちん。荷も軽いのでジョグって進む。国道でて、後方には赤色灯を付けた。交通量はとても少ないのでみんな大回りで避けて行ってくれる。途中の足湯休憩所で自販機補給。足湯は24時間入れる、今なら温泉的に入ってもw難所のトンネル地帯を暗いうちに通過し奈川渡ダムに着き一安心。した途端眠くなり、何度か道端で転がって休息をとった。鬼門の境峠、前回は下見など一切なしだったためロードの標高や自販機の有無がまるでわかっていなかったが今回は違うので心に余裕がある。ここでミラージュランドから歩いている方を追い越し、1ヶ月ほどかけて大浜海岸まで行くとのこと。みんなのそれぞれのTJAR。木曽側に入ると日差し全開。日傘も活用して歩き続ける。途中笹川に降りられたので靴を脱いで川でアイシング、きっもちいいー。しばらく浸かった。その先でスーパーまるとに立ち寄り、カットメロンを購入して店先で食べた。34℃越えの酷暑ロードを薮原セブンまで頑張りお昼。野菜が食べたかったのでサラダとカツサンド。翌日の行動食も調達して清雲荘へ。日帰りの営業時間が21:30までと長いため、お風呂に入り休憩所で仮眠する作成(お店にはちょっと迷惑^^;)寝不足&疲れからすぐに眠れるかと思いきやなかなか眠れず、うとうとを繰り返しながら夜になった。
◆6日目(駒ヶ根高原〜駒ヶ根)
予定通り21:30清雲荘発。別荘地を登って行きスキー場跡地から登山口に入る。林道終点から急坂。5合目すぎて眠気MAXでペース上がらず。清雲荘作戦がいまいちだったようだ。避難小屋までなんとか踏ん張り中で横になる。30分と時間を決めるもなぜか眠れず20分ほどで撤収した。しかしその後も眠気でペースは上がらず、今日は風が強めで寒く身体が固く感じる。玉の窪山荘のかげで風よけしながら休憩。しばらく休もうかと思ったが寒いので出発。木曽駒ピーク着いて日の出少し前、オレンジ色の空が広がる。急速に西からガスが湧いてきてピークを包み込みそうな感じ。山頂で日の出は待たずに山荘に降りてトイレ休憩。テント場はガスでご来光なし。西から10m/sくらいの風。宝剣山荘の売店をチェックだけして宝剣岳へ。流石に誰もいない…と思いきやその先に10名くらい。追い越すあたりでガスが抜け展望が広がった。一気に青空広がるが風は強いまま、少しでも東側に入ると無風となり暑い。装備に悩むコンディション。その先で中央アルプスで初めて雷鳥を見た。子どもだったので近くに家族がいるのだろう。檜尾岳から岩場の難路を進んで東川岳、ここから山荘への下り道が悪く気を使った。山荘でカップラーメン補給して、空木岳への登り。ニセピークをやり過ごして山頂へ。足裏に違和感あったので靴下脱いで足裏メンテして下る。違和感は変わらないが痛みにはなっていない。大小地獄を慎重に通過して池山小屋へ。水補給して快適な登山道を下る。右足脛の横もピキピキ痛むようになっていたのでゆっくり下りて菅野台バスセンター。街中まで少しジョグって最初にあったドラッグストアに入った。
後半の食糧・行動食を調達。7Dドライマンゴーがあったので2つ買いしめた。夕食にどこへ行こうか‥カッパ寿司に入ろうと思っていたが、山でカレーがほとんど食べられていないのでCoCo壱に決めた。400gのトンカツカレー+ポテトサラダでお腹いっぱい。目の前のホテルにチェックイン。シャワー浴びて、荷物のパッキングを済ませ17時には就寝。長い一日だった。
◆7日目(駒ヶ根〜熊ノ平小屋)
両俣小屋までの計画だったが、8日目緩和のため熊ノ平小屋テント場を予約しておいた。状況により行き先を決めよう。
0時起床してホテルをチェックアウト。目の前にあるすき家で朝牛(?)して出発。前日足裏に違和感あった場所にキズパワーパッドを貼ったら痛みが無くなった。今まで長期縦走で足裏トラブルがなかったので2枚しか無く使い切ってしまった。コンビニには流石にない…。すると目の前に24時間営業中の西友がありキズパワーパッド販売していた、10枚入りを1箱購入し一安心。ジョグで市ノ瀬を目指すが、間も無くして上り坂区間となり歩き通し。中沢峠までは時速4キロ+くらいのペースだったので、峠越えてからの下りと平坦道で少し挽回した。柏木登山口ついて一休み。今日は雨が降る予報なので止んでいるうちに距離を延ばしておきたい。と思った矢先雨が降り出す始末。強くはないが、草が濡れるため靴が水没するのが不快。その後は降ったり止んだりだが、稜線が近づく頃には一旦止んで助かった。地蔵尾根の途中で右足内側広筋のあたりが歩く度に痛むようになった。ストレッチしたりゆっくり歩いたりするも痛い。長期縦走中に筋肉を痛める経験も無いためテーピングは不所持…。騙し騙し痛みに耐えて登るしかなかった。仙丈ヶ岳との分岐まできて、仙丈小屋へ一旦下り補給。下りの方が足に体重がかかるためか余計に足が痛む。仙丈小屋で長めの休憩を入れるも痛みは回復せず。仙塩尾根の長大な尾根道、何万回かの痛みに耐えて進んでいくしかない。両俣小屋分岐を先に進み、熊ノ平まで進む決断。とその先で雨が降り出し雷鳴も。雨が降ったり止んだり。ストックで上半身の力にも頼って三峰岳ピーク。直下の岩場を慎重に通過して、なんとか明るいうちに熊ノ平小屋にたどりついた。テント受付、ここの売店は充実している。持参している夕食はカレーだったので、身体の冷えを考慮してカップうどん、プラス堅あげポテトを小屋で調達した。
◆8日目(熊ノ平小屋〜荒川小屋)
昨日の頑張りの分、今日はゆとりある日程。夕立予報は出ているので早出したいが3時スタートとした。塩見岳へ少しずつ標高を上げていく。昨日からの右足痛は一晩経ってだいぶ状況が改善されていた。酷使してまた痛まないように程々ペースでいく。塩見岳ピークから富士山!富士山みるとテンション上がる。塩見小屋にくだって一休み。手作りパンがあったので、挽きたてコーヒーとセットで注文。注文してから豆を挽いて淹れる。せかせかした山行だったため、のんびりした時間が贅沢に感じた。その後、カフェインが効いたのか足の痛みが感じなくなり三伏峠までは絶好調。小屋に立ち寄り行動食物色、羊羹を調達。その後の登りは淡々と。また右膝上筋が痛み出す、昨日よりかはましな痛み。小河内避難小屋のランチを期待して進む。ランチの幟が出ていないのでもしや無人かと思ったが小屋番さんがいた。ランチはないのでカップ麺と炭酸。足裏の違う場所が痛み出したので靴下脱いでキズパワーパッド貼っておいた。その後また足が動くようになり高山裏へ、小屋へは寄らず先の水場で一休み。天気が怪しげと思っていたら雨、前岳のガレ場取り付いたあたりでは強雨。風がないので傘を出す、強雨でも直接濡れずに快適。ゆっくりペースで登っていく。稜線でると雨は小康状態、荒川前岳ピクって後は下る。下る途中にも強雨。やはり早着を心がけたい。荒川小屋着くとちょうど17時前で夕食準備中。荒川カレーがどんどん並べられていた(食べたい!)雨が強いので小屋の玄関で雨止み待ちをして弱くなってテントを張った。乾いた装備に着替えて自分もカレーメシ。初めてのカレーメシだったがとても良い。アルファ米は苦手だったがこれはOK。今後の長期山行は棒ラーメンとカレーメシの2本柱で組み立てようと思う。
◆9日目(荒川小屋〜畑薙ダム)
山岳最終日。気合いで0時起床、雨は止んでいて星が出ている。昨日一昨日の雨で靴下2足が乾いていないので、テント場用としていた3足目靴下を投入する。疲労が蓄積しているからかすぐに息があがる、暗闇の赤石岳を通過。百間洞近づいて樹林帯に入ると草が濡れていて靴下まで染みてくる。なるべく靴に当てないように気を使いながら下降していく。百間洞着いて売店開いてなかったが、カップ麺いけますか?と聞いたら行けるとの回答。「朝食のライスが余っているので一緒にどうですか?」と声をかけてもらう。お姉さんの小さな手で茶碗一杯と示されたので、1杯お願いしますと応えると、どんぶり茶碗いっぱいの大盛りライスが到着。久しぶりの炊いたご飯は美味しい、小屋泊もいいよなぁ。残すわけにはいかないので、ラーメンの汁を味噌汁がわりにガツガツかっこんだ。朝からお腹はちきれそうで少し休憩して出発。気持ち悪くならないようにペース抑え気味で。今日の稜線はガスな1日、たまに青空でるが抜ける感じは無くガスに包まれる。涼しくて良い。兎岳からの急なガレ坂を丁寧に通過、登り返して聖岳。右膝上筋痛のせいでここからの下り道がまたツラい。聖平小屋は分岐から遠いので立ち寄らず茶臼小屋でひと休みする。登りはストック使って痛みが弱まるのでそこでペースを盛り返す、南岳と上河内肩を通過して茶臼小屋へ。ここも食事はカップ麺、明日含めた行動食を一緒に調達。標高を少し落とすと日差しギラギラ。横窪沢小屋は今年も影響休止のようだが、水場は利用可。揺れる吊り橋を楽しみヤレヤレ峠へ登り返し。トラバースして畑薙大吊橋着。舗装路出て感無量。晴天が続いていたので、テントや濡れ物をざっくにくくりつけて乾かしながら歩く。今日どこまで歩くかは決めていなかったが、畑薙の夏季臨時駐車場の草原を見た瞬間にここでひと休みすることを決めた。水場がすぐ近くにあって快適。手早く夕食を作りちょうど暗くなる頃就寝した。
◆10日目(畑薙ダム〜大浜海岸)
日中のロードは過酷だ。少しでも夜のうちに歩きたい。2時間ほどの睡眠で21:30スタート。ジョグると右膝上筋が痛むが、歩く分には気にならない。足裏にマメはキズパワーパッドで抑えていて問題なしのため、淡々と歩けばゴールできる。3時間ほど歩いて井川集落に入り最初の自販機。とりあえずコーヒーでカフェイン注入。もう少し進むとキャンプ場、キャンプ場自販機にはおでん缶とやきとり缶。両方購入して食す、やきとり缶は量もあって味にパンチがありすぎて胃の不快感がしばらく続いた…。その後は眠気と疲れがあり、ちょこちょこあるバス停のベンチで横になること3回ほど。太陽がでて明るくなれば眠気も自然と消えていくのだが。暗いうちに井川ダムを通過して富士見峠目指して登っていく。富士見峠からは下り道、走ってみると歩くのと変わらないスピードだったので歩き通すことにした。少し進むとカフェ&パン屋さんが朝から営業中。パンを調達しエネルギー補充。この頃から汗が出なく身体に熱がこもっているように感じてきた。ロキソニンを服用すると解熱される感じ。横沢観光トイレのあたりはヒルクライムの人たちもたくさん休憩中。ロードが暑く休憩のため最初にあった蕎麦屋に入ると、今から蕎麦打つので時間かかるといわれて諦め先へ進む。もう少し進むと昭和な喫茶店があったので入る。カツ丼を注文して、もう一人のお客さん(おじさん)から色々聴取される。日本海から歩いてきていると言うととても驚かれて、サインしてくれというのでいちおう応えたw店のおばちゃん含めて3人で談笑しているとおじさんが自分のカツ丼を奢ってくれるという、おばちゃんは静岡茶を手土産に持たせてくれた。かなりずっしり重さがあるが断るわけにはいかないのでザックに押し込んだ。天気予報ではだんだん曇り空になる予報だがギラギラ太陽。しばらく店前で様子を見たが、ロキソニンをもう一錠服用し日傘をさして出発する。自販機がたくさんあるので、ペットボトル水を頭から被ったりしながら歩いた。安倍川合流して最後の直線な感じ。まずは牛妻ファミマまで頑張る。ここでコーヒーとサンドウィッチ、クーリッシュを吸いながら歩いていく。陽が沈む前には太平洋に着きたい、それを目標にペースを調整。静岡駅に18時着、ちょうど19時少し前に大浜海岸到着。
誰か待っているわけでも、何かあるわけでも無い静かな日の暮れた海岸。そっと太平洋の海にタッチしてゴールした。
もう歩きたくない。タクシーを呼んで静岡駅へ。駅中でマグロ丼食べ、19:56発東京行きのこだまに乗って2.5時間ほどで帰宅した。
コメント
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ありがとうございます😊
後半に足が痛んでから日程を死守するため睡眠時間を削るしかないのがきつかったです。それもあって最終日熱中症になってしまったのかなと🥵帰ってきてからは冷房漬けの毎日を過ごしておりますw
私もいつか…と思っているMyTJAR 完走おめでとうございます!
ルートを忠実に辿る事しか考えていなかったので、オリジナルをルートで新鮮な思いでした。山は自由でいいんですものね☺️
これからも面白い山行、楽しみにしています。
自分にとっては起点、親不知は外せなかったです。北アルプスのロマンが詰まった道、そこを登り上げてこそのアルプス縦断と思っていました。やめたくなったらやめるし、雨降ったら山小屋だって、ホテルだって使う、自分ルールで楽しめば良いと思います。それでも大変でした〜😆
白馬2号雪渓はヤバイですね😨
静かなゴールだったかもしれませんが、拍手喝采を贈りたいと思いました。
心から感動しました。ゆっくり休まれてください。
静岡市内を歩いているとたまに車から応援の声をかけてもらえて、とてもチカラになりました。
最終日無理して早出したので本当はもっと早い時間にゴールできるイメージでした。なかなか思う通りにはいかず満身創痍のゴールで余力なし、完全燃焼です。
本当にお疲れ様でした。
ありがとうございます!また何か、チャレンジする目標を見つけたいと思います😁
自由な発想とすごい内容の山行を拝見して、いつもエネルギーをもらっていました。今回も素晴らしい旅。全文読んで、ゴールの瞬間を想像して感動しました🥹 まだまだ及びませんが自分もこんな旅をしたいです。
次のmako-sanの挑戦も楽しみにしています。
本当にお疲れ様でした👏
序盤は快調だったので余裕を持ったゴールに出来るとワクワクする感じでしたが、そう簡単には行かせてくれませんでした。でも全力出し尽くせた感じで今はとても満足感があふれています。これだから燃焼系登山がやめられないんですかね〜w
ご無沙汰してます。
クラシックルートでの踏破おめでとうございます!現在開催中のTJAR、北アルプス区間のスイーパーをしてきましたが、その最中に一人TJARの方が本戦より断然たいへんだと話していました。
本当に素晴らしく貴重な経験ですね!またどこかで会えるのを楽しみにしています。
おーお久しぶりですー😁
自分はロード力が無いので、色々蓄積した最後の最後に80kmロードやることがいかに大変か体感できましたw選手たち改めて凄いなと。
完走者の方たちが運営側に回って選手をサポートする流れステキですね♪
またどこかでお会いしたいですね〜雪有り無しどちらも付いて行けませんが〜w
憧れを現実にするためのトレーニングしますか💪
そうですね、至るまでのプロセスが大事と思います。小さな積み重ねがあるからこそ達成感にもつながるのかなと。ジョグする詐欺していますね^^;行きましょうー(しばらくは走れませんが😭)
私は一昨日から仙塩尾根を歩いてきましたが、もう、仙塩尾根だけでお腹いっぱいになりました。たまたまではありましたが、半分以上の選手たちとすれ違い、声援を送りました。まこさんもぜひ、本選への出場、チャレンジしてみてください。熊ノ平小屋でスタッフの方と応援最中話しましたが、その方、一人TJARやったらしくて、出会う人から言ってもらえるのはこんにちはだけ。ほんとにきつかったと言ってました。
まこさんなら、できる気がする・。
確かに静岡市内を歩いていると頑張れーと声をかけられました。それだけで力が湧いてくることを実感しましたし、感動して涙出ました。選手たちへの応援が歩みを進めさせているのは間違いないと思います。murphyさん応援お疲れ様でした。
次シーズンは雪山ご一緒させてくださいー😆
雨が夕立くらいで、風の強い日も無く、お天気に恵まれた期間だったのが大きいと思います。やはり午前中天気が良いと気分も良くペースが捗りました✌️
TJARを模したと言ったら失礼ですが、そんな方から拍手いただいて恐縮です。山行記録を拝読させて
いただきましたが、コロナ禍悶々としてい中、登った気になり感謝感激です。小生あと3年ほどでリ
タイア計画ですが、引退後の自分の山行計画に山行させていただきます。(年相応の体力で計画しま
すのでご安心を)
10日間で日本海から太平洋まで走破、お見事ですネ‼️メチャクチャ体力がありますね。
自分の知り合いでは南魚沼の消防団の貝瀬淳さんがTJARに参加、見事6位に入っています。
あれだけの距離を走破できたことは大したものです。本当にお疲れ様でした。
hareharawaiより
お天気に恵まれたことが大きく、計画を完遂できました。今年のTJAR本選だと後半かなり天気が崩れたようで、あのコンディションだと自分だと計画完遂は無理だったと思います。あの悪天候の中完走した選手たちとの経験や力量の違いを痛感します。という感じでTJARをより楽しめるようになりましたー😆
北アの起点は親不知でそっちから行く方がカッコいいんだぞという自己満を抱えてw
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