ウルシ(うるし) / 漆
最終更新:2022-10-11 21:04 - jj1xgo
基本情報
ウルシ科ウルシ属の落葉樹。樹液を塗料や接着剤に使うため古くから全国で栽培される。幹を傷付けて採取した樹液を精製し、ベンガラ(酸化第二鉄)などの顔料を混ぜたものは優良な塗料となる。江戸時代には各藩がウルシの植栽を奨励したためさかんに栽培された。野生化したウルシが人里近くの野山に見られる場合もあるが、日本には別種のヤマウルシが自生する。ヤマウルシは漆塗りに用いることができない。幹や枝葉を切った際に出る樹液は乳白色だが、乾燥すると黒色に変わる。樹液にはウルシオールという成分が含まれ、これに触れるとアレルギー性皮膚炎を引き起こし、人によっては水ぶくれができる。樹液を採取する専門職は「漆掻き」と呼ばれ、高度な技術が求められる。ウルシの葉は、小葉が3〜7対ほど集まって羽根状になる。小葉は先端が少し尖った楕円形でヤマウルシよりも大きい。秋になるとヤマウルシは紅葉するが、本種は黄葉する。